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平成二十年 十二月十四日
三 社 合 同 句 会
於 有東公民館2F集会室


宿 題  「悔 恨」 長澤アキラ 選
泥かぶり株は魔物と思い知る    昭 洋
深酒がボディブローの様に効く   亜季浩
はしゃぎ過ぎ自信無くした勇み足  竹 水
後悔を余生の杖にして歩き     まさし
悔やんでも出した言葉は返らない  周 二
悔恨の情が励みの道しるべ     志づ江
早とちり疑った事恥かしい     由利子
蓮根のくびれで止まる悔いの種   のぶ男
子育てを悔やみ続いた野良仕事   は な
浅はかなわたしを責める水子塚   輝 男
通夜の席母への介護自問する    博 司
人生の悔いまた一つ石を積み     進
みみず字で返事のこないラブレター 安 心
告発をされて暖簾を閉じる悔い   泰 史
かけ過ぎた子にマザコンというおつり 才 男
墨たっぷり含んだ筆が汚点つけ   穂々美
モノクロに写し出される悔いの影   光
消しゴムでそっと消したいあのことば 三根子
悔やんでも所詮わたしの通過点   梨 絵
一押しが足りずにバラを奪われる  輝 男
線香が詫びております親不孝     進
もう一歩出ればよかった愚図な足  茂 瑠
だまし絵の下で夫婦の今日あした  泰 山
守備範囲妻の鎖が長過ぎる     のぶ男
教科書の墨に謝罪をしていない    弘
 五 客
一目惚れした日は乱視だったかも   鰹
冗談が誤解をされて笑えない    竹 水
あの道を歩めば悔いはいつもある  修 市
悔いしきりまだ時効にはしてくれぬ 梨 絵
意地張った分だけ重くなる扉    亜季浩
 人 位
軸足の所為にして来た転びぐせ   幹 江
 地 位
今ならば父の味方になれたのに   三根子
 天 位
甘やかしすぎた気がする我が背骨  まさえ


宿 題  「満 足」 増田まさし 選
胴上げに監督満ちた顔で舞い    あ い
初物へご先祖様もごまんえつ    輝 男
友達も家族も有って日々元気    竹 水
物忘れこれでいいのだ我が海馬   まさえ
趣味からも楽しさ貰う日々愉快   竹 水
健やかに一人暮らしの満足感    歳 江
満がんの旅で夫婦はむつみ合い   梨 絵
努力家が満足しない銀メダル    亜季浩
仇敵に送った塩が生かされる    のぶ男
神様も時々そっと味方する     三根子
健康で妻も美人で職もあり     洋 未
衣食住足りて健康医者いらず    のぶ男
ファイナルにトリプル二回真央の笑み 恵美子
満足の腹へメタボとにらめっこ   昭 洋
満足を小さな枠にはめて生き     光
健やかな妻の寝相がいとおしい    進
田舎出が裸一貫マイホーム     安 心
やせ蛙寝酒一合あればよし     泰 山
柳界の友と出会って脳研ぐ     安 心
満ち足りて心に愛が埋まらない    進
ライバルを抜き昇進の辞令受け   輝 男
満ち足りた食事に飢餓の子が笑う  アキラ
満足の度合いを語る共白髪     泰 山
来世もと天寿待つ身が笑い合い   博 司
いま此処に居るだけで良い窓の椅子 幹 江
 五 客
満足の線が引けない欲の皮     澄 江
満たされて鳴かず飛ばずの三代目  幹 江
満ち足りた気持ちに欲が水を差す   光
満足か母に訊きたやわが介護    博 司
満足へ物指の無い人の欲      昭 洋
 人 位
消しゴムも修正ペンもなく生きる   弘
 地 位
満ちたりた乳房安堵の子の寝息   才 男
 天 位
煩悩と妥協した日をよく眠る     弘
 軸 吟
姑の糠味噌の味嫁が継ぎ      まさし
宿 題  「 指 」 山田 迷泡 選
神経はまだ感じます指の先     穂々美
節くれた指に男の詩がある     アキラ
絡めてる女の指は武器になる    昭 洋
いい目覚め五本の指をパッと開け  志づ江
マジシャンの五指の隙間に住む魔法 才 男
水割りを世の中知った指でまぜ   修 市
決め事に指名に強い妻が出る    安 心
ケータイが息子の声で指図する   博 司
錠剤にリストラされた薬指      弘
白魚の指が踊っているピアノ    周 二
末っ子が我慢している足の指    幹 江
グーチョキパーさせる施設のリハビリ は な
泣き真似の指のすき間の空っ風   幹 江
指人形男コロリと罠に落ち     輝 男
三つ指をついてた時もある私    幸 子
マニキュアに縁なき丸い爪を見る  恵美子
石橋を叩いた指の瘤笑い      あ い
指きりに時効ないのか女房殿     光
指先で私のハート抜き取られ    信 一
指先のエロス女の骨を抜く     泰 山
合掌の指から落としてならぬもの  梨 絵
癌の子に指切りでつく重い嘘    泰 史
もう会えぬかも知れない指のぬくもり 歳 江
指切りのその後の夢が食い違う   由利子
指切りもウソの約束騙されて    孝 一
五 客
躓いた指の痛さへ染みた年     昭 洋
親指が退化していく民主主義     弘
思い出が無くて無傷でいる小指    光
複眼で覗けば青い指だろう     茂 瑠
指ほどの魚で酒を二杯のむ     亜季浩
 人 位
押えても鳴らぬ横笛まだ蕾     才 男
 地 位
花火ばかり揚げる少年の指     輝 男
 天 位
干されたくなければこの指に止まれ  鰹
 軸 吟
氷点下羅漢の指は曲がらない    迷 泡


参加者(順不同)提坂まさえ、佐野由利子
村松周二、西垣博司、山田迷泡、大村利朗
石田竹水、松永昭洋、設楽亜季浩、望月弘
斉藤才男、伊藤泰史、松永澄江、多田幹江
瀧進、増田まさし、川村洋未、中野三根子
芹澤穂々美、豊泉光、森田安心、市川重雄
川路泰山、高嶺歳江、松永幸子、中村はな
青木あい、寺田志づ江、加藤鰹、堀場梨絵
高瀬輝男、増田信一、池田茂瑠、市川孝一
永田のぶ男、長澤アキラ、鈴木恵美子、曽
根田しげる、小野修市(38名)

☆合 点 賞
一位・望月  弘
二位・斉藤 才男
三位・多田 幹江
四位・高瀬 輝男
五位・松永 昭洋
六位・豊泉  光
七位・設楽亜季浩
八位・加藤  鰹
九位・中野三根子
十位・西垣 博司

▽十二月は毎年末恒例の「むなぎ、八幡、たかね川柳会合同句会」。今年はむなぎ川柳会のお世話で楽しいひとときを過ごすことが出来ました。ありがとうございました。



[146] (2009/02/26(Wed) 12:39:54)



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