静岡川柳たかねバックナンバー
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平成二十一年 二月二十一日
定 例 句 会
於 アイセル21

席 題 「やいやい」 中田  尚 選
只酒が高い代償後に来た      信 一
新年度苦手な役がまた回り     千恵子
神様も都合がつかず居留守する   アキラ
気に入ったドラマの途中電話ベル  由利子
二個ずつじゃ余る三個じゃちと足らぬさとみ
やっとこさ餅がなくなり脂肪ふえ  洋 未
やいやいと言った背中がなぜ笑う  信 一
失言にやいのやいのと攻められる  千恵子
逢えばまた外遊自慢聞かされる   輝 男
ラブレター宛名間違えブスに着き  信 一
蹴り上げた石でガラスが割れている  弘
飽食に円高の肉食べ過ぎる     のぶ男
新しいダウン買ったら暖冬だ    さとみ
毛布まで出して洗って午後に雨   さとみ
良い席と思った隣ヤクザとは    信 一
村芝居またも子役に泣かされる   輝 男
雨の夜に田舎のバスがいっちゃった さとみ
やいやいはやめてあなたの妻ですよ 茂 瑠
 五 客
特売の卵開けたら割れていた    信 一
新築へ転勤辞令迷い込む       弘
でしゃばってやいやい鼻をへし折られ由利子
歯医者から帰りにガムをついかんだ さとみ
副という役職またもなだめ役    輝 男
人 位
終電が私を置いて発車する      弘
 地 位
キッスして口内炎を移される     弘
 天 位
支持率へぶらさがってる風邪薬    弘


宿 題 「昭和回顧2」 高瀬 輝男 選
丸ポスト見つけ手紙を書いてみる  哲 也
ディスイズアペンをひきずる英会話 由 美
映画館今なら言えた痴漢です    好 子
団塊が汗にまみれた町工場     二三子
軍国主義神の聲聞き終り告げ    重 雄
井戸端のタライで女うさ晴らし   穂々美
ちゃぶ台が有り親の背も見えていた 二三子
尻並ぶ野良は総出の田植唄     重 雄
井戸端に飛び交う本音トゲが無い  五 貫
馬の背に揺られ文金高島田     由利子
夢じゃない利息8.7だった     薫
湯加減を五右衛門風呂の外で聞く  千代見
湯たんぽが左遷解かれて舞い戻る  哲 也
金平糖夢のアンテナ張っていた   卓まる
真空管未来へ続くモニュメント    栞
コンビニにしにせの暖簾押されてる 修 市
風景に野良着の母が馴染んでた   徳 子
火の雨よ語り部が哭く広島忌    政次郎
もんぺから超ミニ流行る敗け戦   のぶ男
敗戦で北の四島もぎ取られ     竹 水
ザリガニもイナゴも僕のカルシウム アキラ
シベリアのツンドラ今も友を抱く  獏 沓
五 客
D51の悲鳴のような汽笛鳴る   アキラ
鍵などは掛けず出かけた人情味   千恵子
横座には父さんがいた子沢山    徳 子
ちゃぶ台に家族制度を刻まれる   美佐緒
かあさんが家庭ささえたよいとまけ 修 市
 人 位
天皇が神の座降りて象徴に     信 一
地 位
かあさんの晴れ着を食べて今がある 敏 子
 天 位
序破急の昭和を走り抜いた貨車    鰹
 軸 吟
神国に敗戦という初体験      輝 男


宿 題「あく」表現自由 永田のぶ男 選
しなやかな指で心のカギがあく   修 市
町内会また埋まらない席が空く   五 貫
モデル嬢穴のあく程見つめられ   獏 沓
手品師の呪文に金庫パッと開く   博 司
灰汁抜きの一手間かけて春の味   居久美
開いた口ほんとの事が言えません  和 枝
灰汁のある友ばっかりで浮く私   太 郎
灰汁抜けてただの女となる恐さ   玲 子
花嫁のタンスを開けた隣り組     弘
給付金蝦蟇口開けて待っている   しげる
鬼になる人がいなくて増える悪   哲 也
悪役に徹しきれない麻生さん    三根子
家計簿の余白に愚痴を足しておく  美佐緒
時効まで逃げて仮面を脱ぎ捨てる  アキラ
悪行の社内告発然るべく      好 子
灰汁強く雪どけ水で洗われる    修 市
平等の夢がオバマに開けられる    弘
偽善者が悪事働く二枚舌      徳 子
秀才の友を悪童ガードする     穂々美
灰汁少し残し女の抱く野心     豊 子
あくまでも自説を曲げぬ意地っ張り 輝 男
呑み仲間あくの強さを知り尽す   重 雄
灰汁抜きをしてさっぱりと美人の湯 由利子
朝が来て今日もどうやら眼が開いた  尚
悪妻で鬼嫁 長生きいたします   居久美
一つ顔飽く事もなく塗りたくり   博 司
悪友の多い男は忙しい       由 美
愛妻に灰汁抜きされて共白髪     進
契約解除またアパートの部屋があく 輝 男
悪ガキが改心したかボランテイア  長 仁
不倫とや悪と知りつつ溺れゆく   由利子
酒好きへ春の扉はさっと開く    ふく子
しらふではせぬ悪態に皆あきれ   二三子
深情け悪女に頼り痛い夜      卓まる
五 客
素人が悪人裁くナンセンズ     徳 子
悪人の上前撥ねる政治家も     信 一
悪妻のパワー千里を駆け抜ける    進
酒追加重い扉が開きそうだ      鰹
悪政か年金者には痛い春      のぶ子
人 位
悪役を受けて揉め事治めさせ    千恵子
地 位
悪態の指が綺麗な鶴を折る     茂 瑠
天 位
山菜の灰汁も残して母の味      栞
 軸 吟
灰汁ぬけず素直になれず拉致の空  のぶ男


 宿 題 「時事川柳」  望月  弘 選
空港の立ち木が可哀想に見え    博 司
出稼ぎへ仕事の窓は閉められる   ふく子
泥船に乗ってあわてる新社員    敏 子
コンビニに蛍雪頼る受験生     卓まる
天下りする人 使い捨ての人    廣 司
税金を骨までしゃぶる渡り鳥    のぶ男
カゼ薬飲んで今日からフリーター   尚
リストラの心配が無い天下り    敏 子
天下り渡りに舟のパラダイス    徳 子
酒飲みは一日にして成りません   信 一
親元を離れ大麻と遊ぶ春      由 美
スピーチの展開酔わすオバマ流   まつ子
正直に働くだけで首が飛ぶ     野次馬
束にしてかんぽの宿を叩き売る   美佐緒
海賊はいるけど武士はもういない  哲 也
新空港立ち木はわざと残しおく   由利子
激震の走る大麻の相撲界      千恵子
給付金つづく火種は消費税     晴 康
青テント現在位置じゃ出ぬ給付   静 枝
鬼ごっこ海賊船と自衛艦      のぶ男
行列はユニクロだった入車待ち   好 子
逆チョコも義理チョコもなく春一番 居久美
遼クンとつい見比べるバカ息子    鰹
斜に構えカッコつけたが風見鶏   卓まる
アイゼンと付け忘れてる危機管理   進
かんぽの値一円だとは誰が知る    亘
延命の賽銭でした給付金      竹 水
翌日になればホワイトデー売り場  由 美
職安で会ってしまった元の部下   洋 未
なりたくて座った椅子がなじまない 修 市
ぶれている男 時代もぶれている  可 福
五 客
百年に一度が誤読ばかりする    アキラ
かんぽやら居眠りやらの春の陣   重 雄
年金を狙う悪魔のベルが鳴る    ふく子
ころころと変えるカレシもケータイも 鰹
縋りつく藁一本もない総理     千恵子
 人 位
中国は入れぬ我が家の冷蔵庫    茂 瑠
 地 位
アメリカが一番に呼ぶ軽い国     栞
天 位
信念をコミック本に置き忘れ    アキラ
 

宿 題 「自由吟」  互 選(一月分)
H曖昧な結論になる空気穴     博 司
G失敗が多く消しゴム痩せ細り   よし子
E百万本のバラが裏切る事もある  太 郎
D成人の日のピカピカの酔っ払い  由 美
Dくい違った会話を手繰る独り言  豊 子
D読み過ぎた風続編が騒がしい   さ き
C神様へスローライフを申し上げ  静 枝
B苦しさを楽しくさせるつづら折り 竹 水
A携帯を落とすと孤独死する予感  野次馬
A揺れながらあと半年を様子みる  徳 子
A蛙の子お前やっぱり俺の子だ    進
@六尺を締めてこころを取り戻す  政次郎
@不景気の声がだんだん大声に   可 福
@友が来るゆったり心温みます   和 枝
@空論を喰えというのか永田町   美佐緒
@町内に同姓名でややこしい    長 仁

宿 題 「自由吟」  互 選(二月分)
I粟立ちのいい石鹸で嘘流す    穂々美
E毎日が愛では飽きてしまいそう   弘
E方言がスキップしてる道の駅    尚
E抜く程の力を肩に入れてない   茂 瑠
D稲光一瞬見えた鬼の面      信 一
C春なのに貧乏神が出て行かぬ   美佐緒
C友情を切手で繋ぐ半世紀     敏 子
Cワンセグも地デジも知らぬ父の鍬  鰹
B百薬の長効きすぎて二日酔い   廣 司
Bころころと詐欺の手口を変えてくる 好 子
B蕗の薹春の扉をこじ開ける    由利子
B期限切れあるある母の冷蔵庫   由 美
B軽い罪目を閉じてから深くなる  義 子
A雪冠る富士は気品をさらに増し  よし子
A陽溜まりで友と話せば和みます  和 枝
Aシナリオのようにはいかぬあと一歩 野次馬
Aおふくろと一度呼びたいセピア色 しげる
@ネットカフェ巣立つ男に応援歌  アキラ
@大海へ漕ぎ出す勇気なくさない  修 市
@風と会うこの心地よさは手放せぬ 千代見
@なつメロに元気をもらう雨の午後 ふく子
@あの笑顔あの目口より物を言う  晴 康
@追い風に乗って奴の有頂天    千恵子
@ジャンプする真央に「それっ」とつい叫ぶ 哲 也
@ようやっと掴んだ藁も解けない  豊 子
@疲れたら帰って来いと過疎の村  五 貫
@待ったなし奈落極楽職探し    竹 水
@家族ならあれそれこれですぐ判る 三根子

参加者(順不同)恩田たかし、薮ア千恵子
小野修市、池田茂瑠、中田尚、佐野由利子
曽根田しげる、加藤鰹、望月弘、増田信一
高瀬輝男、川村洋未、尾崎好子、畔柳晴康
中野三根子、谷口さとみ、林二三子、瀧進
長澤アキラ、永田のぶ男、金田政次郎、那
須野正明、岡村廣司、鈴木まつ子、井口薫
大塚徳子、成島静枝、中矢長仁、内山敏子
薗田獏沓、石田竹水、川島五貫、西垣博司
加茂和枝、鹿野太郎、毛利由美、安田豊子
濱山哲也、滝田玲子、竹内さき、市川重雄
小林ふく子、芹沢穂々美、鈴木千代見、中
川司、山本野次馬、戸田美佐緒、真田義子
川口のぶ子、川口亘、酒井可福、孝井栞、
今井卓まる、森下居久美、馬渕よし子、柳
沢平四朗、那須野正明、中川司
[157] (2009/04/28(Mon) 12:30:58)



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