平成二十一年 三月二十一日 定 例 句 会 於 アイセル21
席 題 「げらげら」 尾崎 好子 選 吉本で明日の元気をチャージする 鰹 ストレスを吹き飛ばしてる大笑い 恭 子 アナログで力いっぱい笑っちゃう さとみ 笑い声おんな三人つるんでる 弘 十八の娘が今日もよく笑う 三根子 理由もなく笑いころげるお年頃 輝 男 よく笑い今日も頭に酸素入れ 尚 投げつけた笑い袋に笑われる さとみ げらげらと笑って済ます痴話喧嘩 由利子 げらげらと捩れたままの腹の虫 のぶ男 国民に総理の誤読笑われる 弘 不景気を笑い飛ばせる妻が好き 卓まる お隣りでげらげら笑う不快感 のぶ男 失敗を自嘲している高笑い 輝 男 失敗をげらげら笑う人でなし 由利子 冗談の半端を妻に笑われる 弘 金は無いけれど笑いのある我が家 鰹 だらしなく笑って今日を締めくくる アキラ げらげらと笑って病吹き飛ばす 二三子 五 客 母の前今日も笑いが止まらない 三根子 げらげらと笑って春をやり過ごす アキラ 馬鹿笑い後で虚しくなる一人 アキラ 飽食の猫を笑っているネズミ 弘 げらげらと笑う角には妻がいる 卓まる 人 位 不景気は貧乏神の笑い声 弘 地 位 ケセラセラ笑い死にたい花吹雪 卓まる 天 位 生真面目が酒席を沸かす粋な洒落 輝 男 軸 吟 げらげらが過ぎて泣いてる腹かかえ 好 子
宿 題「の、で始まる句」 川村 洋未 選 ノー言える人は仕事が来なくなる 由 美 のほほんとパンジー春の大あくび 和 枝 残り物主婦はメタボといくさする 輝 男 ノンビリと構えた振りで狙い撃ち 卓まる のっそりと歩いていても腹は減る 長 仁 飲み込んだ言葉反芻しています 恭 子 ノロノロの前のアオバがじれったい 可 福 脳からの指令に手足応じない 廣 司 ノーネクタイしどろもどろな首の位置 野次馬 脳天気メタボ気にせずよく食べる のぶ子 熨斗袋やっかみまでも少し入れ アキラ 上り坂振り向く度にきつくなる 五 貫 飲み仲間連絡網は目の合図 博 司 納税を済ませて安い酒を買う 哲 也 ノーという言葉は喉に引っ掛かる 可 福 のこされた自分の刻に灯をともす さ き 能率を求め優しさ見失う 哲 也 のんびりで負けの位置など気がつかず ふく子 飲み過ぎて笑えぬ恥を写される 修 市 のんべんだらり今日もトンネル抜け出せぬ 豊 子 のっぴきのならないことは避けて生き 亘 能天気不況の風をやりすごす 静 枝 五 客 能書きに見る副作用見逃せず 千代見 のど元で止め胃で騒ぎ出す本音 五 貫 熨斗つけて一世一代山の寄付 獏 沓 野放しで育てた子でも気は優し しげる 脳味噌を買いに本屋へ寄ってみる 重 雄 人 位 のんびりと行っても着くさ天国へ 廣 司 地 位 脳天のカビが空気を呑み込めぬ 平四朗 天 位 乗せられた船なら私舵を取る 竹 水
宿 題「たつ」表現自由 今井卓まる 選 苛立っていたね切手が曲がってる 恭 子 裏金を隠し持つから埃立つ 修 市 誕生日餅を背負って立ち歩く のぶ男 酒を断つなんて元旦だけの夢 尚 妻家長会社じゃ平で立つ瀬ない 信 一 茶柱が立って一日待ちぼうけ 穂々美 アナログのアンテナ少しさみしそう 三根子 断ち難い不思議な縁というきずな 亘 泣き落としそれじゃ私の立つ瀬ない まつ子 児の咳へ三日坊主がタバコ絶つ 弘 華のある旅立ちにした納棺師 弘 旅立ちの財布が軽く重い足 可 福 新しく旅立つ事の苦しさよ たかし 酒タバコ絶ってこの世に何がある 獏 沓 酒絶てば女難の相が浮かび出る 野次馬 酒を断つ話はぼくの辞書にない 長 仁 頂点に立つと見えなくなる周り 豊 子 立ったまま黙り込んでる演技かも しげる 辰年の女房が運を独り占め 進 松の木はどんな風でも受けて立つ 徳 子 立った訳考えながら歩き出す 五 貫 時が経つほど鮮やかなワンシーン 五 貫 会社には椅子がないから立っている 猫 子 五 客 脱帽だこの達筆に歯がたたぬ 晴 康 廃校にバケツを提げたボクがいる 鰹 呼ばれると廊下に立ってしまう僕 猫 子 ゴミ出しへ寝ぐせの髪を押さえつつ 静 枝 立ち止まる妻は大事と思うから 洋 未 人 位 立つだけじゃだめ目をあけて私見て 洋 未 地 位 朝立ちの胸はキューンと発車前 由利子 天 位 小指立つ癖であれこれ辞めました さとみ 軸 吟 竜田揚げカラリと揚がり仲直り 卓まる
宿 題 「春らしい一句」加藤 鰹 選 さくらもち私の好きな色かたち 三根子 竹の子のぼたもちもいい金がない 尚 春キャベツ山ほどきざむひとり者 洋 未 花柄のスカーフ旅に行きたがる ふく子 再度春一歩はやはり上野駅 政次郎 新社員スーツ姿は糸トンボ 由 美 春がすみ花粉症には痛い春 のぶ子 朝市に並ぶ野びるや蕗のとう 二三子 旅先の朝市で買う蕗のとう 由利子 桜見てホケキョを聞いて菜を食す 信 一 蕗味噌のほろりと苦い春の色 居久美 春だなあ恋をさがしてネコが鳴く 修 市 ふと猫をうらやまし気に見てしまう さとみ 桜咲く駆け出しそうなランドセル 居久美 菜の花と道草を食うランドセル 弘 一年生心身共にピッカピカ のぶ男 出発の春だ出会いとお別れと 好 子 入学を前にゲーセン入り浸り 可 福 若鮎のピチピチ街を泳ぎ出す 重 雄 新しい恋を始めるハイヒール 恭 子 久し振り着るバラ色の夜会服 さ き 君と漕ぐ春一番の風に乗る さ き 選抜が決まり今年も春がくる 修 市 願掛けに天満宮が混む季節 竹 水 そこかしこ工事看板ばかり増え 二三子 世が暗い何やら黄砂飛んでいる 竹 水 捥ぎたての言葉拾って春を抱く しげる 献血車桜花の下で善意待つ のぶ男 春を待つ夢を編み込む毛糸玉 まつ子 春うらら産婦人科が混んでいる 徳 子 春風が枝の新芽へタクト振る 平四朗 消印が桜の色でくる封書 美佐緒 夜ざくらがお喋りになる呑み仲間 しげる 陣取りの青シート敷く初仕事 穂々美 菜の花の迷路の中で空を飛ぶ 三根子 春うららあちらこちらに咲く欠伸 哲 也 五 客 寄り添って歩いてみたい花吹雪 由利子 日向ぼこ猫とおやじと耳年増 太 郎 噂でも花粉症でもくしゃみする 弘 春なれや無粋な俺も浮かれ出す 輝 男 春うらら待ち人あらわれる予感 恭 子 人 位 タンポポのアンテナ拡げ笑う君 卓まる 地 位 ごめんねと言えて二人が春といる アキラ 天 位 コート脱ぐように合鍵捨てて春 さとみ
宿 題 「自由吟」 互 選 Eノーという答えを出してからの道 居久美 C時間給安いな趣味じゃないんだぜ 廣 司 C学歴が職種選んで根がくさる 洋 未 C少しずつ忘れる事に慣らされる 豊 子 C売り言葉たまには買っている元気 竹 水 Cユーモアのつもり外れて自滅する 晴 康 C年輪が重くて許すことが増え ふく子 B快晴へ感情線も素直です 輝 男 B消しゴムと鉛筆喧嘩ばかりする 弘 B車間距離ほどよく取っている夫 太 郎 B一対になって嬉しい春の椅子 美佐緒 Bいたわりか干渉なのか小うるさい 由利子 B日本海まるごと食べる海の幸 まつ子 B春の駅悲喜交々を呑み込んで 鰹 Bのりしろがも少し欲しい年度末 さとみ Aライバルは自分と紅をきりり引く さ き A砂を噛む出来事だって底力 和 枝 A節約を後押しします不景気が 信 一 A立ち止まり軌道修正しています 義 子 A今になり手本のページ勘違い 五 貫 A明日さがす物でうずまる予定欄 博 司 A一行の隙間に足を踏み入れる 野次馬 A左手も添えて握った票集め 可 福 A仏壇へ姑の好きな沈丁花 静 枝 @春爛漫花屋の娘春を着る 重 雄 @いい話スタジオだけが泣いている 由 美 @午前二時指折っている五七五 徳 子 @トイレット素直な自分そこにいる 千代見 @いつだって君が走れば風曜日 卓まる @ときめいたあの日の夢がなつかしい 進 @暖かな日差し夫婦で舟をこぐ 修 市
参加者(順不同)今井卓まる、谷口さとみ 小野修市、中野三根子、望月弘、勝又恭子 佐野由利子、林二三子、川村洋未、加藤鰹 曽根田しげる、永田のぶ男、長澤アキラ、 尾崎好子、中田尚、小林ふく子、畔柳晴康 瀧進、鈴木まつ子、芹沢穂々美、大塚徳子 岡村廣司、薗田獏沓、成島静枝、中矢長仁 西垣博司、石田竹水、川島五貫、毛利由美 鹿野太郎、加茂和枝、安田豊子、竹内さき 増田信一、川口亘、鈴木千代見、市川重雄 濱山哲也、真田義子、酒井可福、真理猫子 柳沢平四朗、山本野次馬、戸田美佐緒、中 川司、川口のぶ子、恩田たかし、川村和広 森下居久美
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[166] (2009/05/07(Wed) 15:14:30) |
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