平成二十一年 六月二十日 定 例 句 会 於 アイセル21
席 題 「つ ゆ」(表現自由) 中野三根子 選 梅雨の日のデートはラララカラフルで 千恵子 一年中梅雨のようです我が夫婦 鰹 梅雨晴れ間誘いのメールどっと来る 穂々美 ソーメンの汁に隠した不発弾 穂々美 空もみず気象予報士あてにする 好 子 ラーメン屋秘伝のつゆで列をなし 弘 あじさいの葉先に露の艶っぽさ 穂々美 母送る寂しさ募る露時雨 由利子 蕎麦は良いつゆが旨けりゃもっといい 洋 未 梅雨の中加齢臭にはファブリーズ 穂々美 手作りの味噌でワカメの汁を飲む 穂々美 湿っぽく離婚の傷を包む梅雨 茂 瑠 だし汁にこだわりすぎて麺が延び 洋 未 長雨で乾燥剤を貼って寝る 洋 未 梅雨だから夫のパンツ隅に干す 穂々美 年金の支給日前は梅雨になる アキラ 雑草も勢いを増す梅雨晴れ間 二三子 庭いっぱい梅雨の晴れ間の布団干し 二三子 新しい恋をみつけて梅雨明ける 恭 子 あれこれと主婦忙しい梅雨晴れ間 千恵子 朝露が朝の散歩の邪魔になる 二三子 雨だれのバラードを聴くうさぎ小屋 弘 評判のおでんおつゆにある秘伝 輝 男 梅雨晴間風にたなびく白いシャツ 由利子 梅雨空へあじさい軽く息をする 弘 五 客 紫陽花は梅雨と別れがよく似合い 和 一 麦茶かと思い麺つゆ飲んじゃった 鰹 味噌汁の具を残してる好き嫌い 二三子 梅雨明けを待ってたようにいく旅行 千恵子 騙されたふりだったとはつゆ知らず 恭 子 人 位 梅雨入りの気配感ずる夫婦仲 和 一 地 位 三ツ星の夢を見ている蕎麦のつゆ 弘 天 位 梅雨の日は明るい色の紅を引く 千恵子
宿 題「ふ、で始まる句」川村 洋未 選 風呂敷を広げ過ぎたか嫌われる 二三子 風呂上りビール切らして八つ当たり 可 福 太っ腹だけど気になる妻の腹 進 振り向くと開いたままの傷もある ふく子 不況など知らぬ顔して家が建つ 明 美 古時計鳴ると魚拓が目を覚ます 政次郎 ふる里の駅にひまわり咲いて待つ 千代見 福耳をほめられている無一文 徳 子 不凍液在庫が増える温暖化 博 司 触れるたび恋のテンポが落ちつかず まつ子 副作用たまに裸になるお酒 長 仁 ふところの具合はいつも雨模様 のぶ子 不思議だねいつも誰かを背負う君 卓まる ふさぎ込む私に誰も気付かない 静 枝 振り向けば仲間はみんな逃げ支度 獏 沓 普段着で付き合う友がいて平和 和 枝 振り出しへ戻ってばかりいる不運 廣 司 普通ではない事をする普通の子 五 貫 風采の上がらないのが社長です 由利子 風呂敷の良さを見直すエコ社会 千恵子 踏切の向こうで見せるVサイン 薫 フェロモンを撒き散らしてる金魚たち 輝 男 不景気で困りますねとヤミ金屋 鰹 普段着でいいか躊躇う裁判所 静 枝 不覚にもクレヨンしんちゃんに涙 由 美 ふつつかな親です娘頼みます 五 貫 歩が一つ足りず名人借りてくる のぶ男 五 客 不揃いのトマトがダンスするサラダ 弘 負の数をいくら足しても負のまんま 尚 ファミレスで実印大きな仕事する さとみ 懐の寒いときこそ知恵は出る 和 一 副作用試してみたい露天風呂 しげる 人 位 福耳の拾った話持ち帰る 重 雄 地 位 踏ん切りがついて出直す靴を買う 千恵子 天 位 ふっくらのパンにつけいる隙がない 弘
宿 題 「 雨 」 池田 茂瑠 選 雨乞いが過ぎて家まで流される アキラ 新聞で兜小雨へ勇ましく 静 枝 長靴が元気に跳ねる水溜まり 居久美 雨風に負けず子供に負けている 徳 子 雨音に言い訳だけの先送り 亘 梅雨時の洗濯物は家の中 ぎ ん 忍び逢い雨が二人に味方する 由利子 音もなく過ぎる父の日梅雨の酒 五 貫 火をつけた男が憎い雨の夜 由利子 一滴の雨が踊らす葉の舞台 玲 子 通り雨地下鉄で来て気が付かず 獏 沓 会える日は土砂降りだってかまわない 恭 子 君去りし街はざんざん降りの雨 鰹 恋の花散らしていった通り雨 明 美 足跡を消しておくれよこぬか雨 卓まる 幾つもの切られた首に雨が降る 太 郎 しっとりと蛇の目の傘のいく茶会 千恵子 履歴書に雨宿りするヒマが無い 博 司 秀 句 ひきこもるのも雨の日の遊び方 由 美 母さんが遊んでくれる雨が好き 居久美 雨の日を過ごす明るい色を着て 千恵子 清い恋ビニール傘にある答 静 枝 雨よ降れ私の海を青くして さ き
宿 題 「じんわり」 加藤 鰹 選 温もりを伝えるそっと抱きしめる 恭 子 悟された親の言葉が効いてくる 修 市 不器用な夫の愛が感じられ 二三子 ひと回りしてじんわりと効いてくる 千代見 漢方薬世辞のようにと効いてくる 野次馬 じんわりとソナタの森で眠る美女 さ き じんわりと脳裏の奥にある思い のぶ子 説教がじんわり効いてしおらしい 玲 子 悪の手が助平心にじんわりと 可 福 父の日の父を泣かせるお膳立て 薫 じんわりと妻がネクタイ締めてくれ 由利子 時を経て丸くじんわり夫婦味 修 市 亡くなった後でわかったありがたみ 信 一 冷えた手も温まりそう君の声 明 美 やわらかいパンチ笑顔のアドバイス 五 貫 お小言が午前0時に効いてくる 尚 長年の漢方薬が効き始め 二三子 朝帰り妻がじんわり攻めてくる 千恵子 帰宅して君の笑顔の意味を知る 卓まる 誉め言葉小言のように聞いている 弘 例えばの話わたしを責めるかに 輝 男 神様が許してくれた過去のこと 三根子 発表会ハンカチ握り締める親 太 郎 つかまったじんわりと効く甘い罠 洋 未 リストラの首段階を追って締め 茂 瑠 面接にしどろもどろの滲む汗 千恵子 不景気を日毎に刻む台所 五 貫 振り向くとスローカーブの下り坂 アキラ 似顔絵をじんわり抱いて生きている 満 月 じわじわとメロンが熟れていく真昼 美佐緒 三十を過ぎてじんわり紫外線 由利子 汗にじむ猫の額の庭いじり 好 子 手軽さにじんわり故郷見直され 満 月 連休のツケ僕の財布を締めつける 明 美 一夜明け勝利の美酒が効いてくる 進 じんわりとガン病棟の談話室 弘 一人寝の夜読み返す走り書き 和 一 五 客 さりげない一言夢にこだまする 和 一 額に汗娘の彼の品定め 穂々美 披露宴終えて娘の部屋に立つ さとみ 日記帳なみだの跡がいとおしい 好 子 おふくろの手紙切手が逆様だ 政次郎 人 位 不勉強ボディーブローで効いてきた 信 一 地 位 あなたの心ちょっとあぶれば読めるかな さとみ 天 位 遠赤で妻が夫を焼き上げる 哲 也
宿 題 「自由吟」 互 選 G平均のあたり安心して生きる 恭 子 G梅雨空にごろりと拗ねているリュック 鰹 F批判したばかりに次の責任者 五 貫 F回り道余分なものの無い不思議 アキラ D同い年聞いて若さを見比べる 静 枝 C耳元の蚊に献血を言い寄られ 博 司 C愚痴弱音静かに聞いてくれる友 居久美 Cまな板のへこみ女が暮れていく 美佐緒 Cほどほどの幸せですがお裾分け 和 枝 B火遊びもよし人間として生きる 政次郎 B夜聞いたうまい話が朝崩れ 洋 未 B愚痴ったら起き上がれない七転び 竹 水 A微笑んで重箱の隅突つかれる 明 美 A約束を包んで命呼吸する 満 月 Aブレーキが無い少子化と高齢化 弘 A流れ星録画を止めて願い事 哲 也 Aおしゃべりがひと時過去を呼び戻す 二三子 A男なら顔じゃないよと励まされ 廣 司 A金とひまあってみんなに拝まれる まつ子 A新学期人間不信になっている 穂々美 @ひさびさに息抜きさせている仮面 千恵子 @今日からは私の夢の中に居る 三根子 @追い風の台詞信じて風邪を引き さ き @よく食べて口内炎がせめてくる 尚 @何時までも消えそうにない古い傷 長 仁 @折り紙の上手舟形菓子の盆 好 子 @赤信号小学生に注意され 由利子 @嘘つきな記憶はそっと封印し 和 一 @鬼の面だけが褪せずに残ります 茂 瑠 @深い仲いつごろからと深く聞く 修 市 @改札で自由自在の羽貰う よし子 @経験が悩み説きほぐ道しるべ 晴 康 @シュレッダーの隅にしがみつく派遣 野次馬
参加者(順不同)長澤アキラ、藪ア千恵子 山下和一、勝又恭子、高瀬輝男、佐藤明美 芹沢穂々美、池田茂瑠、小野修市、望月弘 川村洋未、尾崎好子、瀧進、曽根田しげる 中野三根子、加藤鰹、大塚徳子、岡村廣司 佐野由利子、林二三子、望月満月、中田尚 畔柳晴康、内山敏子、成島静枝、増田信一 中矢長仁、薗田獏沓、西垣博司、鹿野太郎 川島五貫、竹内さき、山田ぎん、市川重雄 毛利由美、川口亘、金田政次郎、滝田玲子 井口薫、小林ふく子、加茂和枝、濱山哲也 酒井可福、石田竹水、鈴木千代見、那須野 正、今井卓まる、山本野次馬、鈴木まつ子 戸田美佐緒、馬渕よし子、永田のぶ男、中 川司、川口のぶ子、谷口さとみ、森田安心 森下居久美
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[168] (2009/08/07(Thu) 15:31:51) |
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