十二月十一日 十二月句会 (八幡・たかね・むなぎ合同句会) 於 有東公民館
席 題 「助 け 合 い」 望月 弘 選 大掃除家族総出の大晦日 二三子 歳末に百円握る助け合い 鐘 雄 雑談が心の支え日向ぼこ 泰 史 足と手になってあなたと暮らす仲 玲 子 迷い子をなめて労わる野良の猫 まさし 匿名で毎年寄附はかかさない 周 二 被災地へ国境のない義援金 輝 男 おめでとういぬどし夫婦吠える春 は る 助け合う友も今では恋敵 重 雄 アルミ玉きらり輝く年の暮れ 鰹 ゲートルでそろそろ出るぞ社会鍋 亜季浩 順番に介護の重荷背負わされ 由利子 醤油味噌貸し借りあった遠い過去 泰 史 手を貸せば笑顔が返る白い杖 時 枝 歳末にNHKがしゃしゃりでる 安 心 手を貸さぬ娘の愛を知る涙 恵美子 お笑いも神妙になる献血車 才 男 三世帯婆を労るもみじの手 時 枝 恐妻家老化で今は助け合い びん郎 社会悪防ぐ近所の助け合い 泰 山 財産が心に積もるボランティア 鐘 雄 五 客 共稼ぎ家事分担で旨くゆき 二三子 過疎化する村リストラの子を戻す 竹 水 おとなりへ今日は届ける煮ころがし 梨 絵 被災地でがっちり結ぶ手と手と手 鰹 クリスマスサンタもパパも助け合う 洋 未 人 位 寒風に身を寄せ合って猿の群れ まさし 地 位 天災に一円玉が踊り出す 安 心 天 位 ユニセフが私を誘う振込み書 亜季浩
宿 題 「屋 根」 遠藤 木犀 選 冴えた月屋根の瓦に照りかえる 三根子 本堂の大屋根威厳重たそう 一 路 よい疲れ屋根ふきかへの庭に立つ 歳 江 屋根裏は鋭気養う秘密基地 時 枝 父母の大きい屋根に感謝する 幸 子 息子には土台はやるが屋根は葺け 幸 子 屋根よりも大きく画いたチューリップ由利子 温暖化地球の屋根が軋みだす 由利子 屋根を越え夢も膨らむシャボン玉 二三子 寄り添って痛み分け合う低い屋根 梨 絵 低い屋根だけど笑いの絶えぬ家 輝 男 下の歯が抜けると屋根に放り投げ びん郎 安泰で親父の屋根の住み心地 一 路 太陽の恵みを屋根で受けている 二三子 温いから気楽な屋根を巣立たない 昭 洋 茅葺きが世界遺産の貌をする 弘 カラフルな屋根がささえる町おこし 泰 山 屋根裏も住めば都の居そうろう 重 雄 屋根に敷く蒲団に書いた世界地図 亜季浩 屋根裏がパパの書斎の設計図 時 枝 屋根瓦寄進の寺の墓参り 歳 江 広島のドームが嘆く人のエゴ 安 心 寒い夜も気丈な妻は高鼾 びん郎 白旗は出さぬ素足の寒稽古 才 男 セーターの編み目を通る強い風 時 枝 三面の記事が寒さを加速させ 泰 山 おやじギャグ北風よりも寒くなる 三根子 お財布に寒くないよとささやかれ 洋 未 卵酒寒気に効いてきた夜明け 竹 水 蒲団からやっと抜け出し寒稽古 びん郎 五 客 職安の道木枯らしが容赦なく 輝 男 始発待つ風が凍み入る旅の駅 由利子 名湯も雪に抱かれた露天風呂 一 路 初めての親に背いた日の寒さ まさし リストラの寒さ家族を凍えさせ まさし 人 位 偽造され極寒の暮れマイホーム 亜季浩 地 位 耐え抜いた寒さへ春の花が咲く 竹 水 天 位 寒風の中左遷地の土を踏む 由利子
宿 題 「時 代」 石田 竹水 選 悲喜劇を時代が流す交差点 玲 子 夢叶い越され越してく新時代 木 犀 こだわりが有って時代と割り切れず 博 司 母の鞭尻が知ってる鯨尺 安 心 この辺で印籠が出る時代劇 亜季浩 人間の月で餅つく時代来る 重 雄 靖国が憧れだった学童期 泰 史 お先にと新婚夫婦長い風呂 一 路 五 客 親離れ子離れ時を刻む屋根 竹 水 満天の星に抱かれて眠る屋根 恵美子 ご先祖の屋根が重たい三代目 泰 山 朝日照る屋根の舞台で獅子が舞い 玲 子 茅葺きの屋根へ栄誉の文化財 輝 男 人 位 建て売りの屋根を揺るがす設計図 まさし 地 位 幸せをいっぱい創る屋根がある 鐘 雄 天 位 温かなふれあい築く屋根の下 鐘 雄 選者吟 世襲の家甍で睨む鬼瓦 木 犀
宿 題 「寒 い」 林 二三子 選 皮下脂肪しっかりためて寒くない 洋 未 癌結果待つ身を撫でる寒い風 昭 洋 侘しさに寒さ感じるネオン街 木 犀 冬の陽を拾い集めて布団干す 歳 江 新婚の亀裂が入る人の影 鐘 雄 木枯らしに落葉とびかう分譲地 は る 母さんがいないと部屋が寒くなる 弘 社会悪寒いニュースが多すぎる 泰 山 寒気団女は派手に武装する 梨 絵 失恋の夜に氷雨とセレナーデ 時 枝 嘘一つ胸にしまった日の震え 玲 子 北風に落葉と踊る散歩道 志づ江 ふところもこころも脳もおお寒い 弘 もうひとりの私を探す冬の天 恵美子 カラオケで時代が判る曲選び 周 二 時代だね犬も服着て散歩する 由利子 ほろにがい歳月きざむ日記帳 は る 今時は仕方無いかと子に合わせ 昭 洋 身の程を知らぬ時代の子の修羅場 歳 江 どん底の昭和が生死分けた頃 のぶ男 IT化凄い時代がやって来た 周 二 いつの世も友の絆に光るもの 鐘 雄 満腹で休耕田が花ざかり しげる 視聴率バブルはじけたジャイアンツ 泰 史 早口に余生の暮らゆすぶられ 志づ江 老兵の骨にしみ込むラッパの音 重 雄 ITの時代に挑む駄馬の足 まさし 善人の顔で時代を切り抜ける 由利子 パソコンの時代読み書き変える指 木 犀 五 客 現ナマは持たずカードでショッピング輝 男 昭和もう歴史の顔になっている 弘 日々不安嫌な時代だ登下校 亜季浩 戦争の時代へ鍵をかけ直す 弘 年輪の中に幾多の時を秘め 泰 山 人 位 目に舌に時代のずれがやって来る 歳 江 地 位 好きだったと今は話せる長い過去 昭 洋 天 位 いつの世も楽しい人がよくもてる 安 心 選者吟 豊かさの傷を心に負う時世 竹 水
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[18] (2005/12/11(Sat) 20:06:28) |
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