静岡川柳たかねバックナンバー
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席 題  「希  望」  加藤 鰹 選
望みなら売る程あるが金はない   アキラ
八起き目へ万にひとつの雲に乗る  しのぶ
重たいよ希望の星が僕なんて    洋 未
もう一度甘えてみたい母の膝    由利子
愛希望夢と並べてキザだなあ    洋 未
玉の輿夢に独身まだ続け      輝 男
イナバウアー金への夢へたどりつく 泰 山
明日への風が頼りだきっと吹く   鐘 雄
舟出する青年の瞳のさわやかさ   梨 絵
希望を乗せてどこまで走る縄電車  梨 絵
上を見て男は飽きず坂登る     泰 山
東屋を作り終生詩に暮れ      梨 絵
希望なお詩のひかりを胸に抱く   梨 絵
妻の背にいつも希望と描いてある  鐘 雄
東大へテストの点が飛躍する     弘
駿河湾鯰の姿見当たらぬ       弘
まっすぐに歩いてきたぞ灯がチョロリ 鐘 雄
遠い日を荒いざらした希望の芽   平四朗
砂の上書いて又消す希望枠     のぶ男
大それた希望は無いが五体無事   びん郎
ふり出しは溢れる希望抱いた筈   しのぶ
将軍とブッシュが握手したニュース  弘
コンピュータになって先取りしたい明日輝 男
男なら一夫多妻を希望する     由利子
宝くじ願いをこめて神棚へ     三根子
まだ希望捨てぬ何時かは富士登山  びん郎
大き過ぎ希望が消化超不良     のぶ男
夢だけは沢山たべて腹がすく    アキラ
消えかかる希望大きく太く書く   のぶ男
痩せ馬の希望サポートする演歌   平四朗
神様をコロリだまして儲けたい   輝 男
奈落でも明日を夢みる太い骨    アキラ
希望の字新聞に無い記事の闇    平四朗
 五 客
来年は皇居で泳ぐ鯉のぼり      弘
プラス志向思う様にはならないね  しげる
叶うなら出たい美少女コンテスト  由利子
四回転のるかそるかの夢をかけ   泰 山
子の希望資金が脛を撫で回す    平四朗
 人 位
でかい夢持って故郷を捨てたけど  輝 男
 地 位
今日の汗どこかでパッと咲くかもよ 鐘 雄
 天 位
顔のしわ脳に移動はできないか   洋 未


宿 題 「三(表現自由)」中野三根子 選
禁煙の三日坊主が煙に巻く     重 雄
三文の判が命を取りに来た     泰 山
定年後タンスに眠る三つ揃い    由利子
三拍子揃ったドジの輝く目     太 郎
日記帳三日坊主の成れの果     泰 史
三日目が過ぎて効きだす風邪薬   智 美
三度目を測り血圧確める      重 雄
本当の顔は映さぬ三面鏡      智 美
新聞の三面記事と語り合う     敏 子
歌うたう司会もこなす三枚目    ぎ ん
コップ酒三杯本音出る頃だ     しのぶ
三本の矢が折れぬのは物理学    五 貫
三叉路で選んだ道の幸不幸     春 江
スリーサイズ妻は俺にもサバを読む 五 貫
余白にも言いたいことの二つ三つ  美弥子
三猿に徹しきれずに和を乱す    獏 沓
三流に替えて本領発揮する     豊 子
三度目の正直努力が認められ    寿 恵
目立つこと望まずいつも三番手   亜季浩
三度目の泪を赦すにぎりめし    昌 利
逢える日の鼓動三三七拍子      鰹
五 客
部長からさんで呼ばれて覚悟する  アキラ
三猿をもう捨てました妻の乱    千恵子
三文判疼く非情な大火傷      平四朗
胸三寸納めて溶かすわだかまり   豊 子
迷信に弱い三度目悩みだす     竹 水
 人 位
言訳の二ツ三ツは常にある     アキラ
 地 位
人間味三者三様おつな味      澄 子
 天 位
三叉路で運命線を確かめる     千恵子
軸 吟
初恋の人の名残す父が好き     三根子


宿 題  「 魚 」  堀場 梨絵 選
泳ぎ方金魚にもある自己主張    三根子
赤い袖振って金魚が媚を売る    豊 子
大海を知らぬ金魚の平泳ぎ     玲 子
南から初夏の便りを初鰹      正 治
初鰹今日の元気を貰い受け     澄 子
魚でもないのに目からうろこ落ち  のぶ子
深海魚少年法に身をひそめ      鰹
釣り上げた魚に餌代もぎ取られ   正 治
流し目が得意なヒラメ買わされる  野次馬
鮨ネタになって名前を覚えられ   安 心
人間のエゴを見抜いている金魚   昌 利
脳に効くママも買いなよ初鰹    草 園
百歳のパワー丸ごと鰯食べ     しげる
人間の魚雷がむかしあったとサ   のぶ男
うなぎ屋の煽る匂いで客を引き   豊 子
熱帯魚と同居めだかの引きこもり  平四朗
泳げない人魚が水とたわむれる   竹 水
活き作り盛られて箸が手につかず  春 江
ゆでシラス小だこ見つけて子がはしゃぎ 鰹
お寿司屋の湯呑みに並ぶ魚偏    千恵子
雑魚の夢せめてなりたい寿司のネタ 重 雄
魚市の熱気男の花道だ       澪 子
泳げない魚育てているゆとり    五 貫
腕白の盛りを泳ぐ五月鯉      圀 彦
腐っても鯛になれない私です    千恵子
五 客
夏だけは魚になって過ごしたい   博 司
雑魚だって太閤さんに成れるはず  大 鯉
同伴は泳ぐ魚を握らせる      亜季浩
本心を魚眼レンズに覗かれる    美佐緒
口ずさむよさこい節や初がつお   まつ子
 人 位
骨なしにされて優柔不断です    野次馬
 地 位
歳月でサンマの味になる夫婦    泰 史
 天 位
ようやっと私を釣ってくれた竿   太 郎
 軸 吟
中トロが好き週一回は食べてます  梨 絵


宿 題  「あなどる」 柳沢平四朗 選
貧乏の子沢山が巾利かせ      安 心
あなどりもピエロになって笑いとる 美弥子
肩書きを持たずあなどる隙がない  俊 坊
金だけじゃないと学んだ塀の中   静 枝
あなどると歩が王将にとどめ刺す  廣 司
あなどった友が上座のクラス会   春 江
迂闊かな九尺二間がビルを建て   政次郎
どれどれと宿題のぞき手が出ない  波 朗
穴馬も予断許さぬ目的地      まつ子
法の目は抜けても人の目は抜けぬ  智 美
学歴が人の暮らしを上下する    寿 恵
あなどれば頭上の蛇になってやる  徳 子
野の花がかれんに咲いて通り過ぎ  穂々美
あなどりの視線に耐える再生紙   美弥子
四面楚歌たった一人の策に落ち   泰 山
頑張ってみたってどうせ亀の足   由利子
山登り孫より先にあごを出す    三根子
聞く耳を持たぬ素直な馬鹿でいる  幹 子
いつの間にあなどれないでいる身分  亘
守銭奴をあなどる俺も銭が好き   輝 男
経験をつんでも山は味方せず    澪 子
負けた訳納得出来る子の態度    二三子
微熱でもあなどる恋の大火傷    野次馬
かわいいとあなどる君に負けた恋  和 枝
ほのぼのとさせて心を盗まれる   は な
尻すぼみおざなりにした基礎がため 澄 子
ゴミ箱に軽い順から捨てられる   美佐緒
若者の知恵もなるほど頷ける    登 志
見くびった目から鱗がどっと出る  太 郎
優しさとしよう手加減だとしても  圀 彦
振り込め詐欺家の息子もあなどれぬ 教 子
最後には奇麗な花を見せられる   アキラ
 五 客
個性ある人は見かけによらぬもの  豊 子
心なきカネの亡者は砂の城     大 鯉
妻の愚痴軽く聞いたが運の尽き   正 治
明日がある言い続けたらもう大人   尚
月桂冠ダークホースに奪われて    鰹
 人 位
軽くみた石が邪魔して歩けない   アキラ
 地 位
人臭い花が墓穴に咲きました    圀 彦
 天 位
玉砂利を踏むと大陸まで響く     弘
軸 吟
図に乗って本物嬲る減らず口    平四朗


宿 題 「自 由 吟」  互 選
E複雑な話はしない発泡酒     五 貫
E仙人の顔で寝ているホームレス  獏 沓
C朝の風私をミントガムにする   智 美
C曲がりたくない時もある曲り角  義 子
Cカレンダー妻が予定を先に書く  静 枝
B雑音もたまには聞いて歩く道   穂々美
B年齢を記録してある裏帳簿     弘
B憶測がひとり歩きのはなし好き  まつ子
B春がすみ一人よがりを包み込む  澄 子
B通帳のすきまを埋めるパート代  玲 子
B小康を得てから神があると知り  大 鯉
B音程が狂い始めた更年期     由利子
Aどこまでが本気だったかラブレター泰 山
A神様が呉れた時間だ旅に出る   しげる
A冗談で言えぬ話に壁つくる    草 園
A異国語を話し始めて倦怠期    美佐緒
A人間を逆さにすれば落ちる欲   美弥子
A妙薬の笑いへ集う闘病記     平四朗
Aハミングへ粋にかぶった春帽子  敏 子
A複雑に生きて自分を見失う    アキラ
A良き友よ心にプラス置いてゆく  梨 絵
@介護する側も介護をも望んでる  二三子
@風に溶け恋にもとけて良き便り  満 月
@放っとけよそのうち雨も止むだろう輝 男
@とっておき忘れるという良い薬  洋 未
@五月晴れ雲の形に父の顔     三根子
@朧月何か足りないダッコちゃん  のぶ男
@成長の止まった脳にムチを入れ   尚
@それぞれの窓で見ている無題の絵 しのぶ
@地に落ちた雨には空がよく見える 叶志秋
@いい人ねなんて八方美人だよ   廣 司
@無人駅よっぽど暇な人が降り   政次郎
@ロボットが老人介護する未来   登 志
@たくあんの美味さセレブは語るまい博 司
@過去形の美人は「たら・れば」がお好き
                 野次馬

[31] (2006/04/18(Mon) 20:24:55)



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