静岡川柳たかねバックナンバー
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入  選
神と鬼足して割ったら人になる    柏屋叶志秋
体中のガスを抜き取る無駄話     袴田  華
いい夫婦だんだん同じ色になる    多良間典男
踊り場で死んでいたのは父の影    相馬さわこ
老なかばそろそろ小骨抜いていく   衣川 登代
困ったら楢山行きもわるくない    鈴木まつ子
音のない電車が走っている脳裏    山倉 洋子
元気ですあなたもどうぞご自愛を   松尾 冬彦
わたくしと遊びたがらぬのが私    吉本 君枝
真っ白に洗う私の自尊心       平井 義雄
シアワセでないから金を溜めている  播本 充子
母が辿った放物線のあとを追う    籠島 恵子
肩の荷が降りると小石乗せられる   堀井 草園
下心何も無いからパアを出す     川村 洋未
とりあえず来たバスに乗る寂しい日  宮前 秀子
人がいや一人ぼっちはもっといや   川島 五貫
計算の下手な少女が美しい      望月 鐘雄
YES YES YES地獄へ来てしまう 浪越 靖政
一枚を脱いで明日の風を呼ぶ     流 奈美子
地下街にごろり出世魚の死骸     松葉 鈴子
螺子一つ転がり幕が下ろされる    水品 団石
「ありがとう」にだってあります十二色  北澤 百代
ゴーサイン待つ4Bを尖らせて    中村 広志
故郷が変わる私は変わらない     除田 六朗
鶴を折る指で数える鬼の首      石川 重尾
病院へ行こう私の場所がある     河内谷 恵
迂闊にも他人のしっぽ踏んだ夜    笹 美弥子
思い出はいつも笑った顔にする    八木田幸子
スキャンダルああやっぱりねやっぱりね  瀧   進
マスコミが動き事件にしてしまう   藤村 容子
運不運御破算にする棺の蓋      島崎 穂花
忍の字をいくつ呑み込むのど仏    滝田 玲子
人の気も知らず無口に回る寿司    真理 猫子
青空に父の顔あり手紙書く      丸山 健三
老い少し売り物にして朝の酒     斉藤 進歩
風を追い風に追われてゆく戦さ    新貝里々子
初恋の割り符を探す月灯り      安田 豊子
立て付けの悪い扉のような妻     山田三千代
老いたくはないので追肥しています  丸山 健三
望むのはよそう半分わたしの血    池 樹代子


 秀  句
平和祈願地蔵の肩が凝っている    望月  弘
スタミナの切れないうちに妥協する  曽根田しげる
液晶の画面あんたも薄っぺら     水品 団石

 特  選
DNAはソーラン節でできている   高橋 繭子


選後感 ▽(特)見つけの面白さが抜群、ユーモアがあり楽しい句です。いい句をたくさん戴きありがとうございました。勉強をさせていただきました。

 川上  大輪(かわかみ・だいりん)
 和歌山県川柳協会副会長・川柳塔わかや  
 ま吟社副主幹・川柳塔社理事
 句集「二重奏」「流れ星の詩」




[40] (2006/09/25(Sun) 20:50:41)



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