平成十八年七月二十一日 定例句会
席 題 「 車 」 中安 びん郎 選 定年後妻の歯車早まわり しげる 乗り回す外車稼ぎは薄いけど 茂 瑠 炎昼にレールは修羅のJR 平四朗 助手席のナビゲーターがうるさ過ぎ 由利子 車間距離適度にとって良い夫婦 由利子 バランスを上手にとって一輪車 由利子 パチンコへ車は乗らず児は預け のぶ男 滑車まだ回る田舎の古い井戸 茂 瑠 ひと山を売って外車を乗り回し 梨 絵 盗難車金利の上がるローン残 のぶ男 車座に正直がいてややこしい 鰹 立ち話の間を走る三輪車 由利子 車椅子夏の木陰を離れない 茂 瑠 怖いもの見たさ事故車へ人が寄る 梨 絵 横車しゃくし定規の空威張り 平四朗 子はポルシェ親は年中火の車 鰹 タクシーもお客の方が低姿勢 三根子 年金をはたき夫の車好き 梨 絵 マイカーと言ってるぼくの車椅子 三根子 高級車に乗ると非常にくたびれる 梨 絵 人 位 当て逃げを神の手綱が放さない 梨 絵 地 位 カーレース命が二つあればやる のぶ男 天 位 ブレーキが故障している口車 弘
宿 題 「 数 」 長澤 アキラ 選 錬金術歪む数字へ臭い飯 平四朗 枝豆もメインディッシュの数に入れ 洋 未 七七忌数珠に沈める罪の数 敏 子 思い出がこけしに残る旅の数 敏 子 エンゲル係数上げる食べ盛りが二人 二三子 風向きを変えるドナーの輪になって 太 郎 正論も無視されている多数決 千恵子 便利さを求め失くしたものの数 五 貫 数値目標届かぬまでもジャンプする 昌 利 数学を算数という逃げ支度 栞 ひいふうみい活断層が多すぎる 太 郎 数々の失敗談も花のうち のぶ子 星の数をかぞえたころのレモンティー昌 利 内職に数こなしてる祖母の夢 幹 子 自慢にもならぬ診察券の数 登 志 数々の思い出偲ぶ皺が増え 俊 坊 少数の点が解せない僕の位置 亘 微分積分解けないままに生きている 野次馬 多数決やっとできます自己主張 栞 数字よりドンブリが合うバナナ売り 安 心 ささやかと言えど願いは百八つ 智 美 袖にした男の数で蔵が建ち 洋 未 五 客 戦功の数々痴呆父あわれ 重 雄 人格を二の次にする棒グラフ 千恵子 正義です五十一対四十九 五 貫 四捨五入忘れはしない四の供養 竹 水 日の丸で包む無数の罪と罰 のぶ男 人 位 七転八倒見事な虹の孤独感 平四朗 地 位 鬼あざみ敵の数だけ咲かせよう 茂 瑠 天 位 四捨五入だれかがきっと嘘を吐く しげる
席 題 「 頭 」 加藤 鰹 選 熱帯夜頭脳回路がショートする 由利子 この頭格好だけは褒められる 五 貫 帽子屋に頭の出来を褒められる 弘 シャンプーで洗い流そう今日の運 穂々美 神妙に頭をみがく賛否論 まつ子 頭金妻のへそくり聞いてみる 獏 沓 ミサイルの頭こっちを向いている 由利子 ピーマンのような頭でお里知れ 三千代 向い風頭下げていく吹き抜ける 泰 史 ガダルカナルただ望郷の髑髏 アキラ 右脳左脳どっちも軽い噂好き 豊 子 表札の頭に座る子の名前 敏 江 ほんとうにそれでいいのかヘッドフォン 薫 頭痛いの向こうの山へ飛んでゆけ 徳 子 頭角を出せば因縁つけたがる 千恵子 頭よりコネ優先のニューフェイス 泰 史 頭の黒いネズミ横取るサクランボ 徳 子 石頭みがいてばかりどうするの 洋 未 天下り頭の低い人は来ぬ 廣 司 何時だって頭の中は銭のこと アキラ 頭数に誘った奴に白羽の矢 智 美 談合で頭下げるの慣れました しげる 家柄を言う年寄りの石頭 登 志 胡麻塩と光る頭のクラス会 亜季浩 頭数そろって議案すすまない 春 江 ユーモアに説明がいる石頭 梨 絵 頭でっかち青空知らぬ塾通い 安 心 脳みそに合せみそすりゃ東大か 信 一 世界中頭突きの話題盛り上がる 三根子 丸坊主日本男児になってみる 野次馬 首の上スペアーなくて無精髭 のぶ男 頭痛の種磨いてみれば花でした 野次馬 頭角を表わす位置が決まらない 茂 瑠 湯気の出る頭に伸びて来るもやし 竹 水 陰謀を隠すアデランスの頭 千恵子 五 客 散髪はしても昨日の意見です 平四朗 二日酔いの頭上で笑う昼の月 太 郎 年頭の誓いは既に無精卵 のぶ男 頭から噛ると友は良い味で 和 枝 サッカーは格闘技だよあの頭突き 安 心 人 位 CTをとったらあほがよく見える 尚 地 位 アナログの頭脳悩ますデジタル波 昌 利 天 位 スイカ割りの的に耐えてる頭がい骨 昌 利
宿 題「あつい(表現自由)」高瀬輝男 選 熱のある振りして男独り占め しげる ランチジャーあったか愛の詰め合わせ由利子 この辞典枕に調度良い厚さ 洋 未 火の玉が流れ惑星一つ消え のぶ男 電波のり熱いメールにハート文字 敏 江 だれよりも厚い私のつらの皮 三根子 乗せられた熱い会話の赤ランプ 草 園 言葉では言えぬメールの熱い文字 博 司 合併で人情厚い過疎が消え 玲 子 真相の厚いベールを剥いでみる 昌 利 その先は言わせぬ母の眼が熱い は な 友情は札の厚さに比例せず 正 治 テポドンの過熱に会話焦げて来る 竹 水 果てしなく熱砂の神のいくさ好き 大 鯉 観客の目が燃えているカーニバル 竹 水 湯上りの火照った体マル秘の秘 穂々美 自惚れの厚かましさに呆れ果て びん郎 薬草のたぎる囲炉裏は祖母の糧 平四朗 暑い日は青信号の冷蔵庫 栞 冷酒があつかんになる二人酒 安 心 熱帯夜まさに娘はショータイム 野次馬 ホカホカの嘘です早くめしあがれ アキラ 三人のソファーに四人女学生 まさえ 保釈金あるところには厚い束 敏 江 愛のない厚い唇嫌いです 安 心 エレベーターつなぎ合う手は四十度 まさえ 厚すぎる女の胸を破れない 茂 瑠 合併で人情厚い過疎が消え 玲 子 塾へやる親の熱気が覚めやらぬ 二三子 民話聞く薪ストーブの爆ぜる音 静 枝 熱い瞳を浴びた人世の一ページ 澪 子 生きてます厚いカルテのすみっこで 尚 ご機嫌の良い富士山が真っ裸 政次郎 ラブレター夕日に負けぬほど熱い 穂々美 五 客 暑いから舗装蹴破る草の青 敏 子 暮せない時給分厚い求人誌 五 貫 娘を呉れる彼の熱意にほだされて びん郎 私の鮮度暑さへ落ちてゆく 茂 瑠 一の矢も二の矢もうける面の皮 昌 利 人 位 家計簿の穴が沸騰点になる 平四朗 地 位 自重するブレーキ痕はまだ熱い 野次馬 天 位 平熱のセンサー母の手にもある 栞
宿 題 「自 由 吟」 互 選 E決断を渋ると戻る道がない は な E不用意に打ったレ点に縛られる 薫 D呑み込めぬ話煮込んでから妥協 竹 水 D振り出しで開き直って運を待つ しげる C職人の誇りロボットには負けぬ 二三子 B長生きの秘訣程よいひと休み 獏 沓 B人の目に涙があって生きられる 和 枝 Bときどきはザクロの味を確かめる 野次馬 A身の丈は知り尽くさないほうがいい五 貫 A残り火がまだまだ謀反くわだてる 春 江 @片付けの半端な嘘が外出する 政次郎 @いい人でいたい明日も稼はねば 五 貫 @年金の暮らしに家計簿が非命 二三子 @老いて子に従い切れぬ腹の虫 博 司 @輝いて生きてみたいと好奇心 徳 子 @歳かなあ蟹まで残すグルメ旅 亜季浩 @玉の汗掻いた男に旨い酒 俊 坊 @明るさが取柄でときにアホもする 春 江 @逝った娘の指紋が染みる縫いぐるみ敏 子 @ふる里の追われたうさぎ豪邸に 重 雄
参加者(順不同)長澤アキラ、永田のぶ男 柳沢平四朗、望月弘、川村洋未、池田茂瑠 曽根田しげる、中安びん郎、佐野由利子、 中野三根子、堀場梨絵、加藤鰹、森田安心 成島静枝、岡村廣司、望月満月、堀場大鯉 竹内登志、薗田獏沓、堀井草園、内山敏子 金田政次郎、中田尚、森島寿恵、西垣博司 横山昌利、御田俊坊、鈴木まつ子、井口薫 鹿野太郎、松野はな、鈴木幹子、柴田亀重 高橋春江、大塚徳子、滝田玲子、林二三子 山田ぎん、柏屋叶志秋、川口亘、牧野正治 石田竹水、川口澪子、川島五貫、安田豊子 伊藤泰史、加茂和枝、設楽亜季浩、孝井栞 谷口智美、増田信一、石上俊枝、市川重雄 薮ア千恵子、芹沢穂々美、川口のぶ子、山 口兄六、山本野次馬、山田三千代、提坂ま さえ、萩原まさ子、中村教子、堀内しのぶ
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[51] (2006/09/25(Sun) 21:23:41) |
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