静岡川柳たかねバックナンバー
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 平成十八年八月十九日 定例句会
    於 静岡市駒形神社 社務所

席 題  「 猫 」  真理 猫子 選
鳴き声が悪夢に替わる猫の恋    びん郎
招き猫の手はくたびれたけど不運  平四朗
猫の恋騒いだわりに成就せず    アキラ
お隣りの猫はピアノでいじめられ   弘
猫かぶり風の噂を嗅いでいる    平四朗
猫撫で声に賭ける両刃の剣である  平四朗
ラーメンが好きな夫は猫舌で    三根子
人物の評価犬より猫確か      輝 男
専務宅つんとすましたペルシャ猫   鰹
グルメ猫オレが流した汗で食う   洋 未
猫に手があれば借りたい農繁期   びん郎
猫だってやはり美人の膝が好き   由利子
殺す気はないと嘯く猫被り     びん郎
平和です猫もネズミを攻めはせず  輝 男
拾われてほんとの猫になりきれぬ  しげる
さみしくて猫なで声を出してみる  三根子
捨て猫の目に薄情な灯が憎い    平四朗
 五 秀
猫になる声に野心が透けている   平四朗
幸福は残っているか猫に聞く    まさ子
マグロまた値上げと聞いた猫の耳  輝 男
気まぐれな彼女猫年生まれかな    鰹
非常勤ネコが出張して困る     アキラ


宿 題  「 洋 」  川村 洋未 選
屋号の字洋風にして三代目     穂々美
泳げないテポドン洋で溺れてる   竹 水
洋水の中で命が響き合う      しのぶ
洋ガラシたっぷり塗ってアドバイス  鰹
船の旅海はまあるく陽が沈む    寿 恵
東洋の魔女は優しい母ばかり    昌 利
洋風に建てて畳を恋しがり      弘
海洋に若者の夢 夏の夢       亀 重
うさぎ小屋洋館よりも性に合い   博 司
太平洋越えた黄砂も迷ってる    満 月
洋酒より焼酎旨く飲んでいる    俊 坊
洋々の人生僕は酒の海       五 貫
海広くこぎ出す二人愛確か     ぎ ん
和にあらず洋にあらずの兎小屋   たきこ
洋服もクールビズなら臍涼し    草 園
披露宴祖母ハイカラに洋装で    幹 子
マンションを見上げてにらむ鬼瓦  春 江
洋の間もざぶとん座卓こたつです  智 美
鮨文化世界のマグロ喰いつくす   静 枝
洋食の椅子へ誘った下心      平四朗
洋食を箸で頂くご満足       和 枝
洋食のナイフ使えず恥を食う    重 雄
洋食はカレーライスがてんこ盛り  三根子
洋食を好み肥満に悩まされ     二三子
三世代和洋の味にならされる    登 志
洋食のマナーに腹が落着かず    博 司
しましても洋食苦手箸を呼び    俊 枝
嫁姑朝っぱらから和洋食      亜季浩
西洋のシェフも来ているディナーショー玲 子
東洋も西洋もない温暖化      のぶ男
字幕読むだけの洋画で疲れてる   廣 司
無駄口の多い男に洋芥子      由利子
再生の洋紙が威張り過ぎないか   圀 彦
椰子を取る太平洋を下に見て    びん郎
形見分け兄の洋服小さ過ぎ     廣 司
洋式のトイレお尻を浮かせます   茂 瑠
洋式に建てて恋しくなる畳     千恵子
和洋折衷きこえはいいが残りもの  まさえ
子等の夢前途洋々宇宙旅      登 志
 秀 句
知恵袋溢れ洋洋たる頓智      竹 水
銃を掌の平和地球は丸くない    政次郎
太平洋広さを知らぬ家のコイ    安 心
東洋の中で揉めるか島に位置    のぶ男
予定では前途揚々年金者      亜季浩
洋ランと美を競い合ううちの妻   由利子


宿 題 「スイカ」  曽根田しげる 選
叩かれて成人式を知るスイカ    重 雄
陽が眩しスイカの種をペッペッペ  美弥子
スイカ割り笑いころげた夏が好き  三根子
過保護だね彼のスイカに種が無い  千恵子
釣瓶井戸隣りのスイカ同居させ    弘
お土産にスイカ持たせる嫌な客    鰹
スイカ買う父の姿を追い求め    三根子
問答無用スイカはがぶり喰うがよい 輝 男
胸襟を半分ひらきスイカ食う    大 鯉
ひと切れのスイカ貧しき頃の幸   まつ子
スイカ食べ仏の母に愚痴を云い    亘
丹精のスイカを猿が持って逃げ   由利子
ライバルに的をしぼってスイカ割る 徳 子
臨月にスイカが一つとび出した    尚
ああこわいスイカの種をのんじゃった 尚
スイカ割り声を頼りに迷うてる   徳 子
スイカ割り方向音痴が殊勲賞    政次郎
ありさんに誘われちゃったスイカ割り洋 未
美味いでしょスイカわたしも今が旬 輝 男
本性を丸出しにするスイカ割り   千恵子
あなたもねスイカのようなおなかです和 枝
種とばし子供の頃がなつかしい   俊 枝
女房の腹もスイカも撫でてから   草 園
ライバルを打ち据えているスイカ割り 弘
上品な客に西瓜を切り直す     獏 沓
なぜだろうスイカの模様シマだらけ 穂々美
スイカならお任せあれと研ナオコ  亜季浩
無精髭笑い転げて西瓜顔      猫 子
兄弟が敵に見えた日のスイカ    圀 彦
子の頭叩き慣れてる品定め     野次馬
下積みの砂まで憎いスイカ割り   草 園
 五 客
スイカ切るまん中辺はおふくろに  廣 司
四角にも切れる西瓜が世に甘い   のぶ男
西瓜食う思い切り首突っ込んで   由利子
真四角なスイカやっぱり丸い味   竹 水
種飛ばす不法投棄はスイカだな   政次郎
 人 位
スイカ割り一気迷いの只中に    しのぶ
地 位
西瓜には水玉模様なぜないの    穂々美
天 位
スイカ革命四角で挑む冷蔵庫    平四朗
 軸 吟
買う気ないスイカ叩いて自己主張  しげる



宿 題  「ふ く」  柳沢平四朗 選
八十の母は今でも福の神      三根子
一言が多い夫の尻拭い       千恵子
飾り気ない服がおんなを引き立てる 美弥子
久しぶり旅に吹っ飛ぶ軽い札    登 志
人嫌いのカニは本気で泡を吹く   昌 利
佛さま拭いて命の話する      しげる
定年の線へ自由な笛を吹く     は な
メガネ拭きバーゲン品をのがさない  尚
爺さんの服が案山子で甦る     博 司
風呂上がり青田の風が涼をくれ   ぎ ん
メガネ拭く白黒見定めるために    鰹
親のエゴ乗せそれぞれに吹くラッパ 千恵子
風が吹くきっとあなたはふりかえる 三根子
ふところの深い女が拭く涙     茂 瑠
復讐の狼煙は知らぬ間に上げる   美佐緒
貧乏が居ついて福が寄りつかず   信 一
福徳の神にもあった賛否論     まつ子
風が吹く帰らぬ彼は側にいる    俊 枝
大臣に副をつけても足りぬイス   圀 彦
草むしり済み心地良い汗を拭く   二三子
服装が華美になるほど親不安    のぶ子
完敗の眼鏡を割れぬように拭く   五 貫
ピカピカに愛車拭いてるドラ息子  由利子
誉められた福耳このごろ蝉が鳴く  登 志
夏服になって裸体を見透かされ   穂々美
  五 客
ほらを吹くみんな悲しい貌になる  野次馬
火を噴いた神と神とが武器を持つ  のぶ男
福の神いつも問題連れて来る    五 貫
地球儀を拭いても消えぬ血の歴史  竹 水
福耳の血縁らしい肖像画      美佐緒
  人 位
噴火する兆し言葉が薄くなる    アキラ
  地 位
ほらを吹く度に仮面がしめつける  豊 子
  天 位
上辺だけ拭いた雑巾よく絞る    野次馬
  軸 吟
閻魔様のブラックリストへ吹きまくる 平四郎




 


 参加者(順不同・敬称略)柳沢平四朗、
望月弘、望月鐘雄、真理猫子、佐野由利子
曽根田しげる、中安びん郎、中野三根子、
川村洋未、長澤アキラ、加藤鰹、高瀬輝男
森田安心、市川重雄、中村教子、成島静枝
望月満月、森島寿恵、横山昌利、堀井草園
柴田亀重、岡村廣司、池田茂瑠、谷口智美
薗田獏沓、内山敏子、永田のぶ男、中田尚
御田俊坊、高橋春江、竹内登志、堀場大鯉
松野はな、大塚徳子、鹿野太郎、西垣博司
林二三子、川島五貫、山田ぎん、鈴木幹子
滝田玲子、金田政次郎、川口亘、安田豊子
田制圀彦、加茂和枝、石田竹水、石上俊枝
増田信一、芹沢穂々美、宮野たきこ、鈴木
まつ子、設楽亜季浩、薮ア千恵子、山本野
次馬、戸田美佐緒、川口のぶ子、堀内しの
ぶ、提坂まさえ、萩原まさ子、山口兄六

▽お隣、愛知県から真理猫子さんがはるば
る来て下さった。突然の指名でしたが席題
「猫」の選句、堂々としたものでしたよ。
▽句会終了後はお約束通り「長澤アキラさ
ん県大会優勝祝賀会」と銘うってパルシェ
のビアガーデンへ。アレッ?句会欠席した
人が何故かビアガーデンにいるぞ(笑)
楽しいひとときでしたね♪



[55] (2006/10/26(Wed) 07:26:41)



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