静岡川柳たかねバックナンバー
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 平成十九年三月十七日(土)
  定例句会  於  駒形神社社務所

席 題 「お金持ち」 川村 洋未・選
本当の金持ち小銭貯めている   由利子
ガレージにロールスロイスキャデラック
                由利子
あり余るお金で命削られる    平四朗
宝くじ当たれば明日出す辞表   叶志秋
金を持つ幸せなんか風に散る   叶志秋
埋蔵金花咲じじいはブルトーザー 平四朗
金持って死ねぬ老後の旅に出る  梨 絵
持つほどに人はお金をほしくなる 叶志秋
降る雪が金なら僕もお金持ち   叶志秋
我が家では一本五千円の水     鰹
語らえばお金持ちにも悩みあり  叶志秋
ぼろぼろの絆千切れる遺産分け  平四朗
ずるい人けちな人より金貯める  叶志秋
豪邸に住んで余人を寄せつけぬ  梨 絵
無口だなたんまりお金持っている しげる
 五 客
札束の枕を北に悪い夢      のぶ男
財産は大阪城と甲子園      由利子
大トロも飽きたかけぞばでも食うか 鰹
三億を当てて貧乏ゆすりする   アキラ
日本ではム所の中にもお金持ち  叶志秋
 人 位
金持ちの庭に棲めない青い鳥   叶志秋
 地 位
靴買いにちょっとパリまで行ってくる 鰹
天 位
居酒屋へ大蔵省を呼びつける   アキラ


宿 題 「のろのろ」柏屋 叶志秋・選
人生ももう折り返しのろのろと  三根子
のろのろでない私の好きなマイペース
                しげる
開花予報桜も僕も遅れがち     鰹
のろのろと絶叫マシン動き出し  洋 未
のろのろと女後から墓へくる   のぶ男
影踏みはのろまな私いつも鬼   野次馬
春うらら絵筆気ままに描く余白  豊 子
初めての路上運転汗をかき    博 司
山に積み歯がゆい仕事色もあせ  まつ子
いのししにのろのろしてと頼もうか智 美
のろのろと飯食う男嫌いです   智 美
あしたへの夢描きつつ試歩の足  輝 男
いつか成る夢みて歩く亀の足   千恵子
百歳のゆらりゆらりと夜が明ける しのぶ
窓際の席へ出社の重い足     泰 史
補助輪をつけて先導車が通る    弘
ITのうねりに縺れる老いの足  政次郎
平均寿命過ぎてのろのろ日は落ちる野次馬
亀の足しっかり世間みて渡る   春 江
どうせ行く冥土だ先は急ぐまい   進
のろのろと走る車窓の景色良し  香 織
牛歩する人を選んだ不幸せ     尚
渋滞は覚悟で桜見に出かけ    二三子
早春の彩かたつむり目を覚ます  寿 恵
リハビリの足へ命をたしかめる  豊 子
のろのろと牛は大地を踏み締める 徳 子
のろのろへ歩調合わせる試歩の杖 敏 子
虹褒めてようやく終る立ち話   茂 瑠
のろのろができぬ貧乏性なんです 智 美
手間賃へ時間稼ぎをする大工   静 枝
五  客
のろまだといつも口ぐせ悪親父  安 心
マイペース崩すと落ちるかたつむり五 貫
後手後手に回りペコちゃん泣かされる
                静 枝
渋滞へ紳士淑女の面がずれ     薫
なめくじが私をそっと追いこして 三根子
    人  位
先頭が好きでラッパが離せない  春 江
    地  位
リハビリの介護手を引く母の恩  重 雄
    天  位
乗り遅れ途方に暮れる夕あかね  アキラ
   軸  吟
特急が今の時代は亀の足     叶志秋


宿 題 「おばさん」 加藤  鰹・選
 おばさんの証明試食ためらわず  五 貫
 ひょう柄を好んで着たらおばさんか洋 未
 夏祭りおばさんパワー花ひらく  正 治
 おばさんと呼べば大勢はいと言い びん郎
 おばさんよりお姉さ〜んで返事をし香 織
おばさんと呼んでも返事してくれぬ長 仁
奥様と呼ばれおばさん有頂天   二三子
おばさんにされたら怒るまだ若い  葉
おばさんに好んでなった訳でない 叶志秋
おばさんのイメージ消そう四コマ目 しのぶ
おばさんが主と言って威張り出す  俊 坊
おばさんのお尻の威力席を取り   廣 司
おばさんのプラス思考に感化され  登 志
度胸よく値切るおばさんテント市  獏 沓
おばさんが火花を散らす特売日   のぶ子
おばさんという肩書きに物言わせ   薫
おばさんと呼べば振り向く怖い顔  草 園
メラメラと燃えた日もあるローヒールアキラ
巣鴨には赤いパンツを買いに行く  穂々美
スーパーの袋両手に立ち話     由利子
一粒の米を聞きたいおばさんに   満 月
大声でところかまわず立ち話    二三子
せんべいはダメよ今からラブシーン  尚
重心を落として城を守り抜く    アキラ
オバタリアン毒も薬も持っている  梨 絵
悪ガキが呼ぶおばさんへ切れるミス 安 心
園児らにナウいおばさんだと呼ばれ 大 鯉
おでん鍋はさみおばさん愛想盛る  竹 水
駄菓子屋のおばさん子等の中に住む 敏 子
わが道を行くおばさんに逆らわず   弘
おばさんのパワーで走るバスツアー  薫
  五  客
おばさんの髭が濃くなる角も生え  しげる
ごりっぱなおばさんになりあそばしてのぶ男
おばあさんいやお姉さんおばさんだ 晴 康
おばさんの躙るパワーが席を占め  平四朗
都合よくおばさんになりどっこいしょ智 美
   人  位
医者の腕おばさん達が点つける   叶志秋
   
地  位
おばさんの軍団が駆け込むトイレ  由利子
天  位
おばさんの特技男を煮込む鍋    竹 水


宿 題 折り句「たぬき」柳沢平四朗・選
頼るのは抜けている奴切れる奴   泰 史
宝船主が夢漕ぐきみの膝      竹 水
大罪を拭いきれないきのこ雲    叶志秋
体温を盗まれたくて君がいる    のぶ男
助けよう濡れ衣私着てあげる    徳 子
単身赴任濡れたスーツで気が重い  しげる
高砂やぬくい眼差し器量よし    のぶ男
大国へ抜け道さがす寄生虫     しのぶ
たっぷりの濡れ手で粟が気前良い  千恵子
ため息がヌード写真を切り抜いた  安 心
竹光を抜いて巨悪を切りに行く   アキラ
たじろいで濡れ衣みんな着るも道  太 郎
度々のぬかりに今日も気が荒れる   亘
たわむれに塗った化粧に嫌われる   弘
魂が抜けているのに気付かない   廣 司
滝の音温い日ざしで聞いている   ぎ ん
立ち聞きへぬき足そっと木戸を閉め 春 江
建て前は脱ぎ捨て欲に着替えよう  輝 男
対応にぬかりがないと気に入られ  玲 子
たくし込みぬらりくらりと急所突く 豊 子
大切に沼田を守る喜寿の父     梨 絵
タッチの差抜かれどじ踏む気の弛み 千恵子
立ち話盗んだ人が気にかかる    しげる
たすきがけぬくい話を聞きのがす  梨 絵
対岸へ温もり欲しい木を植える   しげる
裁ち鋏布は花柄北も春       茂 瑠
  五  客
たくましいぬれせんべいの郷土愛  正 治
たましいを塗り潰された帰還の日  政次郎
高そうな塗物が手を嫌ってる    二三子
立ち上がりぬれぎぬ晴らすキューピット
                 しのぶ
楽しみは抜けている子の金メダル  泰 史
   人  位
滝垢離に濡れふんどしが気合入れ   進
   地  位
戯れへ縫い目が荒い虚栄です    茂 瑠
   天  位
多情仏心抜き差しならぬ几帳面   豊 子
   軸  吟
たらい回し抜かる老後は気遣われ  平四朗


宿 題 「 自 由 吟 」 互 選
E目立たない釘はしっかり効いている叶志秋
E正直な私が何時も火種蒔く    輝 男
D引き際を知って一歩が軽くなる  野次馬
C決着をつけた後味焦げ臭い    草 園
C春が来る少し笑ってみようかな   葉
C負けまいと眉の尻尾を上げて描く 竹 水
B弾みから突っ込んだ首抜けられぬ しのぶ
B人妻も地雷の外で恋をする    智 美
Bしわくちゃの札から使う癖がある  弘
 



 


 


▽参加者(敬称略)堀場梨絵・曽根田しげる
 柏屋叶志秋・川村洋未・加藤鰹・堀場梨絵
 佐野由利子・永田のぶ男・長澤アキラ・市
 川重雄・柳沢平四朗・森田安心・池田茂瑠
 佐藤香織・金田政次郎・瀧進・芹沢穂々美
 内山敏子・畔柳晴康・望月満月・谷口智美
 井口薫・鈴木まつ子・堀井草園・御田俊坊
 森島寿恵・岡村廣司・笹美弥子・堀場大鯉
 高橋春江・林二三子・山本野次馬・中田尚
 高瀬輝男・大塚徳子・中矢長仁・成島静枝
 竹内登志・鹿野太郎・西垣博司・石田竹水
 中安びん郎・川口のぶ子・辻葉・薗田獏沓
 牧野正治・川島五貫・安田豊子・伊藤泰史
 滝田玲子・川口亘・薮ア千恵子・山田ぎん
 堀内しのぶ・望月弘・真田義子

☆県協会の理事会開催日と句会日が重なり、
参加人数は少なかったが、山形市からはる
ばる柏屋叶志秋さんが参加して下さり、和
気藹々の楽しい句会となった。暖冬の影響
で桜の開花予想日が三月十三日に出ていた
のだが、土壇場に来て寒い日が続き、残念
ながら打ち上げの「お花見」は断念したが
いつもの「つぼ八」で盛り上がった。


[78] (2007/05/26(Fri) 17:57:12)



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