静岡川柳たかねバックナンバー
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 平成十九年五月十九日(土)
  定例句会  於  アイセル21


▽席 題 「印象吟」(写真を見て)
 佐野 由利子・選




プードルを連れていそうな美女揃う茂 瑠
御馳走へ美女たち誇りなど捨てろ 輝 男
男性はお呼びでなくてまだ食べる のぶ男
後列の僕には食べるものがない  茂 瑠
帰ったらすぐに秤へ乗っている   弘
腹いっぱい今食べなくていつ食べる洋 未
見栄外聞少しは捨てている食い気 梨 絵
おしゃべりも食べてる時はおとなしい  洋 未
会場が静まりかえり箸すすむ   のぶ男
体力をつけてこれから一勝負   アキラ
黙々とするのは皆同じこと    アキラ
肥ってもいいさ美食の方がいい  茂 瑠
食べすぎた美人薄命知らん顔    弘
旨いもの前に気取っちゃいられない二三子
まだ若いアップで写る赤い服   洋 未
 五 客
若いっていいなピンクがよく似合うしげる
オヤこんな写真にボクの好きな娘が輝 男
幸せな笑顔はいつも揃いぶみ   三根子
一枚の写真重量感がある     茂 瑠
いやな人食べてるとこを撮るなんて輝 男
人 位
会費分食べなくちゃねぇそうよねぇ 鰹
 地 位
何年も前の写真に皺がない    のぶ男
天 位
美人ですちょっと太めのタヌキです
                アキラ

▽静岡市民川柳大会後、市民文化会館内の
レストラン「味の蔵」で行なわれた懇親会
の写真が今回の席題「印象吟」でした。初
の試みで楽しい句が沢山出されましたが、
三人の悪口を書いた句は全てボツになった
とか・・・(笑)


宿 題  「ボタン」 高瀬  輝男・選
 忍び込みボタン落として来た不覚  廣 司
 ボタン付けも覚えた長い単赴任   二三子
 ファスナーのできぬボタンの飾りどこ
重 雄
 子育てにずれたボタンの掛け違い  草 園
総理夫人ボタン一つに気を遣い   俊 坊
ボタンにも歴史の糸がからみ合い   亘
ボタン付け上手に出来てまだ独り   弘
七つボタン老いへ食い込む子の遺影 平四朗
シャクヤクをボタン切手が恥をかき 静 枝
第二ボタン引き取るいい娘募集中  寄 道
クールビズダイナミックに空けボタン
しげる
ボタンかけ違えても睦まじい仲   信 一
止め糸が延びたボタンの自由主義  アキラ
思惑が外れボタンを掛け違い    まつ子
掛け違うボタン別れの予感する   千恵子
詮の無い過去は語らぬボタン鍋   五 貫
卒業の記念にボタンくれますか   博 司
以下同文そんな言葉をきく釦    春 江
テポドンの発射ボタンをつぶしたい 安 心
核のボタン持ってはならぬ人が持つ 哲 也
ネクタイの陰で揺るがぬ貝ボタン  豊 子
園児服今日もボタンが取れている   弘
ボタン穴くぐり抜ければ世はせまい 輝 男
 五  客
子の夢がこぼれぬようにボタン付け 五 貫
ポケットの中のボタンに火の用心  さとみ
まあまあと釦を外す社長さん    獏 沓
取れそうな夫婦のボタン子がつなぎ  鰹
見てよ見て飾りボタンの独り言   竹 水
    人  位
浜風に逢い泣き出した貝ボタン   大 鯉
    地  位
ボタン押し極楽行きのキップ買う  由利子
    天  位
オール電化ボタン一つが狂わせる  敏 子
   軸  吟
パリコレのボタンは金貨など如何  輝 男


宿 題「お、で始まる句」池田 茂瑠・選
重い腰よいしょとあげて夏に入る  のぶ子
拝まれて今後悔の保証人      博 司
おしゃべりが煮こぼれているシチュー鍋
敏 子
億の札持って数えて他人の金    のぶ男
おだやかな顔で急所をズバリ突く  輝 男
表には猛犬がいて美女は留守    のぶ男
穏やかに生きたく命陽にさらす   春 江
おこしやす女将が見抜く偽夫婦    鰹
面影は老いず歳月ゼロにする    梨 絵
想い出を糧に明日を膨らます     薫
怒るより笑ってしまう低金利    廣 司
お試しのセットで妻の化粧足り   廣 司
追風にのるホームランだってある  春 江
女です胸のふくらみまだ残る    穂々美
穏便にするためガマン強いられる  二三子
煽てられ財布が空になっている   徳 子
奥様とセールスマンにだけ言われ  由 美
億の金入る財布は持っている     尚
沖縄のひめゆり祈るように咲く   太 郎
王手飛車狙いは君を攻め落とす   竹 水
お互いが一人になって若返る    正 治
女ならスカートぐらいはけばいい  安 心お月様両掌で掬う露天風呂      鰹
老い先の不安拭える策がない    二三子
おおらかに微罪かくした胃のしこり 豊 子
穏やかな性格妻を苛立たせ     由利子
おしゃべりな靴でどこにも顔を出す しげる
五  客
大空に描いた夢が虹になる     三根子
お疲れね欠伸に虚飾の影がない   政次郎
衰えは見せぬ口角泡を吹き     泰 山
朧夜に見透かされてる腹の中    博 司
オボラートに包み自分を擁護する  由 美
人  位
オリオン座輝き明日は子の巣立ち  輝 男
地  位
おもいっきりレモンを絞り許そうか 敏 子
天  位
遅咲きの右能を覚ます花が舞い   まつ子


宿 題 「  嫁  」 望月  弘・選
姑の苦言の釘がよく曲がる     野次馬
反対をしていた嫁に管理され    廣 司
カルチャーに張り切る嫁へ孫と居る 竹 水
嫁が来て動ける範囲縮められ    廣 司
嫁の愚痴畑に零し土掛ける     徳 子
都会からお嫁を連れてUターン   長 仁
泣いているのは姑です嫁天下    玲 子
将来の話をすると嫁笑う      哲 也
補聴器に冷たく刺さる嫁の声    由利子
嫁もまたカタカナ文字の意味を問う 晴 康
無風です嫁がタクトを持ってから   薫
青い目がジーパンで来る嫁ひでり  平四朗
星が降る村に異国の嫁が来た     鰹
嫁プラス猫を貰った色男      茂 瑠
残りもの食べよか捨てよかヤジロベー重 雄
嫁っこが俺の年金当てにする    由利子
内緒だと嫁の秘密をばらす孫    俊 枝
花嫁がベールをぬいで強くなる   三根子
長男の嫁は強いぞてごわいぞ     鰹
母さんは俺の嫁だぞ甘えるな    まさえ
家中を引っかき回し子が嫁ぐ    五 貫
パソコンで米や野菜を嫁が売る   竹 水
目立たないうちに可愛い嫁もらう  豊 子
嫁さんと言われた頃へ返したい   泰 山
嫁三年まだ本心は鞘の中       進
跳ね過ぎて台所から去った嫁    アキラ
面接に茶を出したのが今の嫁    びん郎
嫁が来て妻に舌打ち多くなり    大 鯉
まだ嫁の座ですと古希の友が言う   薫
  五  客
鬼嫁に徹し寝たきりにはさせず   二三子
酪農の嫁を取り巻く取材陣     獏 沓
嫁の描く下絵通りに色を塗る    アキラ
嫁の座の昔は筵 今ベッド     政次郎
税金で合コンをする過疎の村    まさ子
   人  位
我が家には娘のような嫁がいる   和 枝
   地  位
嫁姑おんなじ空を泳いでる     和 枝
天  位
核家族嫁にも老いはきっと来る   平四朗


宿 題 「 自 由 吟 」 互 選
D好奇心過ぎて扉にはさまれる   春 江
C旅に出て少し大きな欠伸する   義 子
C子供には江戸も昭和も大昔    由 美
C軍隊は豆鉄砲でいいだろう    アキラ
B禁煙を決めた時には武士だった  哲 也
B安全をことさら記しあやしまれ  さとみ
B憶測で今日も井戸端盛り上がる  博 司
A翌日は二倍になっていた話    由利子
A貧乏に慣れて世渡りうまくなり  廣 司
A時々は気付いています千の風   安 心
A休みたい椅子晩餐の絵から選る  茂 瑠
A騙されて知らぬ幸せ知る不幸   まつ子
Aひたすらに野山をかける脱介護  徳 子
Aご栄転コンビニもなし山の中    尚
A眼医者でも落せぬ悔いの眼のうろこ重 雄
Aめでたい日貧乏神もおしゃれする 洋 未
Aたんぽぽが笑って囲む地鎮祭   太 郎
A憲法の日も満員の行楽地     五 貫
A口下手がしどろもどろに下手な嘘 玲 子
A造花ならあなたの側にいるものを 千恵子
@分相応うそもたまには食べてます 梨 絵
@おおらかにあざけ演じて殻を脱ぐ 豊 子
@明快なエピローグだな引き籠もり 政次郎
@木の根元確かめている罪隠し   穂々美
@後足で砂をかけてく憎い風    大 鯉
@うれしさを抱いて鏡にいるお花  満 月
@カタカナにきな臭い言がまぎれ込むしげる
@たわいない言葉に嘘を見抜かれる 野次馬
@猛特訓かじれる脛に育てたい   長 仁
@あん時の笑い残しをつまみ食い  竹 水 



▽参加者(敬称略)林二三子・佐野由利子・
 曽根田しげる・池田茂瑠・望月弘・加藤鰹
 川村洋未・堀場梨絵・高瀬輝男・成島静枝
 永田のぶ男・長澤アキラ・中野三根子・
 谷口さとみ・金田政次郎・畔柳晴康・瀧進
 堀井草園・望月満月・高橋春江・岡村廣司
 薗田獏沓・大塚徳子・堀場大鯉・内山敏子
 芹沢穂々美・毛利由美・御田俊坊・井口薫
 中田尚・鈴木まつ子・川路泰山・増田信一
 西垣博司・中矢長仁・石田竹水・鹿野太郎
 川島五貫・滝田玲子・濱山哲也・牧野正治
 川口亘・柏屋叶志秋・安田豊子・加茂和枝
 石上俊枝・塚本寄道・市川重雄・森田安心
 山本野次馬・中安びん郎・藪崎千恵子・川
 口のぶ子・萩原まさ子・提坂まさえ・中川
 司・真田義子・柳澤平四朗


[84] (2007/07/26(Wed) 18:32:12)



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