静岡川柳たかねバックナンバー
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 平成十九年八月十八日(土)
  定例句会  於  アイセル21


▽席 題 「見直す」曽根田しげる・選
赤ペンが入るとしまる新聞紙    尚
家計見直しまずは夫のおこづかい 恭 子
今更と見直してみる妻の癖    ちえみ
見直しの下手な世渡り煮くずれて のぶえ
お宝がないか見直す家の中    ちえみ
悪餓鬼が席を譲って見直され   泰 山
生物学取り組む孫を見直した   梨 絵
ネガの裏改めてみるいい女    のぶ男
妻の顔どう見直しても齢は齢   泰 山
ギブアップしても態度は爽やかだ アキラ
古着でも百年物はとっておく   洋 未
妻家出しみじみ思う有り難さ   由利子
何回も見直した末損をする    二三子
ゆかた着た娘に父が見惚れてる  二三子
自由主義見直したいな子に悩む  輝 男
提言へ万年ヒラが見直され    輝 男
鈍いから何とか今日も生きのびる アキラ
朝帰り茶漬けの旨さ身にしみる  さとみ
見直して逆さに見てもゼロはゼロ さとみ
見直しに本音が走る母のペン   のぶえ
優しさに触れ旦つく見直した   由利子
甘く見た一撃負けるかもしれぬ  アキラ
 五 客
不器用で雑巾さえも見直され   さとみ
国家予算その前にまず領収書    洋 未
ラブレター嘘がないかと見直して  ちえみ
見直しをするのに妻は古すぎる    弘
落し穴ひそんでいます五分前     尚
 人 位
おい総理腹の太さと気の弱さ    のぶ男
地 位
見損なう表だけ見て裏もみず    のぶ男
人 位
見直しをしても偉人のない家系   ちえみ
軸 吟
コンビニで見捨てた郷の水を買う  しげる


宿 題「 生 」表現自由 佐野由利子・選
喉仏邪魔だ邪魔だと生ビール     薫
生き様を伝える父の背が頑固    俊 枝
生欠伸かみ殺し聞く武勇伝      鰹
つんと来る生姜とわさび生がいい  洋 未
少々の苦労は生きるバネとする   恭 子
生ももに指紋付けたの誰ですか   徳 子
風呂の中生きているかと覗かれる  廣 司
生き甲斐はカアチャンと飲む二人酒 泰 史
百通りの生き様がある自己カルテ  豊 子
若しかして生き恥かいているかしら  亘
八起き目の人生恐いものは無い   豊 子
芸名とおぼしき名です新生児    博 司
パソコンにお株取られた生き字引  長 仁
百年を生きて仏の顔となり     敏 子
生き地獄まぶた焼きつく原爆忌   きく子
生ビールごくっと俺の音がする   美佐緒
先生は終戦日から民主主義     びん郎
生返事のらりくらりと時稼ぐ    のぶ子
生ものも私もすごくデリケート   千恵子
親の居ぬ生家余所行き顔をする   静 枝
アイライン落ちた眼力生き返り   香 織
生ビールごくり命の音で飲む    アキラ

鉄拳の味を忘れぬ生き残り     廣 司
だんまりで夕べのけんか生乾き   まさえ
生半可鷹に育てて物笑い      しげる
美しいいきかたでした花吹雪    泰 山
正直に生きた証の平社員       弘
五  客
団塊の世代に生きたコッペパン   政次郎
お年寄り戦後処理して生殺し    のぶ男
スッピンの顔です嘘はつけません   進
生身です溶け出している夏火照り  博 司
生かされて苦い薬を飲んで居る   竹 水
人  位
生来の無口で妻に歯が立たず    可 福
    地  位
どっこいしょ漢方薬で生きのびる   尚
    天  位
生きるため以上に食べた胴回り   哲 也


宿 題「う、で始まる句」 加藤  鰹・選
 う〜んそこ日焼のあとが痒いのよ  野次馬
 うかうかと乗って気が付く泥の舟  玲 子
宇宙からうまい話が下りてくる   玲 子
うれしい時笑顔の母に励まされ   俊 坊
 嘘と嘘掛けて割っても嘘は嘘    信 一
 うれしくて悲しくて飲む酒の妙   豊 子
 魚心見え思いきりヨイショする   まつ子
 嘘吐かぬ爺ちゃん河童見たという  哲 也
 旨すぎる話に耳が動じない     二三子
 うますぎる話にすがるキリギリス  泰 史
 嘘をつく爪はきれいに切っておく  美佐緒
 裏木戸を開けて靴音遠くなる    のぶ男
うたた寝を家族がまたぐ兎小屋   廣 司
植えた木も曲がり始めた反抗期   梨 絵
打つ手なく仏の扉押している    アキラ
美しい心だけでは渡れない     信 一
ウララウララ甲子園が熱くなる   居久美
うまいへた誰もわからぬ抽象画   香 織
うるさいがないと淋しい蝉時雨   由 美
梅干も私も干からびています    千恵子
有頂天心の透き間のぞかれる    敏 子
うっかりとしていて鬼に踏み込まれ 敏 子
上役が替わり昇進近づいた     穂々美
浮世絵の美人はみんな下ぶくれ   洋 未
うますぎる話に乗ったやせ蛙    由利子
ウマが合う顔二次会の口軽い     尚
打ち水へ下駄のリズムが健やかに  泰 山
運のいい番号なのに又外れ     二三子
閏年やはり余計な日があった    哲 也
うまい物食って薬も飲んでいる    弘
産み出して女が強い母になる     尚
恨んでるうちは私の負けみたい   さとみ
うなぎ屋の身内がいいなこの酷暑  洋 未
ウニを買う今日は私の誕生日    居久美
後ろ髪引かれぬように禿げている  可 福
卯の刻の電話にろくなものは無し  廣 司
五  客
美しい嘘で固めたチョコレート   由利子
ウザイけどここまで来れば添い遂げる静 枝
打ち水が涼と出合いを誘い込む   さとみ
うかつにもほめて今夜もハンバーグ 恭 子
うぁ美人ボク酸欠になりそうだ    薫
人  位
売り切れる前に買い込む君の愛   竹 水
地  位
うれしくて胸の扉が閉まらない   アキラ
天  位
美しい日本に生きて苦労する    獏 沓


宿 題  「ついで」 川路  泰山・選
内科外科ついでに歯科で薬漬け    尚
お近くに御出での際はのお付合い  由 美
ついででも淑女の齢は問わぬこと  輝 男
ビジネスの通知に折り目の暑気見舞 政次郎
午後三時ついでに寄られ面食らう  穂々美
出張ととぼけついでの途中下車   まつ子
昆虫が逃げるついでに物忘れ    満 月
寝たきりの友を見舞った散歩道   ぎ ん
パレットに多感な頃の色も溶く   太 郎
離婚よりいっそ殺せば楽になる   茂 瑠
末席はついでの様に握手され    廣 司
ブティックへ寄ったついでに夫のシャツ
                 春 江
図に乗ったついでの舌は飛火する  安 心
メインより高いついでのルイ・ヴィトン
                 恭 子
煽てられものはついでと頼まれる  晴 康
立つ度に用事社長はメタボです   静 枝
世の不思議ついで話のくされ縁   重 雄
成人になったついでに嫁を持つ   安 心
草むしりついでに貰う初なすび   敏 子
ついでさと言ってわざわざ会いにゆくさとみ
骨抜きにされたついでに馬鹿踊り  草 園
お使いについでの声がついて来る  香 織
ポチの飯作るついでの僕のエサ   可 福
守備範囲せばめて用事頼まない   梨 絵
仮説から夢をついでに膨らませ   しのぶ
うま過ぎる縁談何かありそうな   輝 男
暴食後胃薬買って帰宅する     泰 史
デパ地下で涼むついでに試食する  博 司
ごみ出し日通り道ねと渡された   洋 未
神様のついでの運を借りて来る   重 雄
朝顔に水をやります朝帰り     哲 也
ココ・シャネルお釣りでパパのパンツ買う
                  鰹
佳  句
生き辛い本音も混ぜるゴミ袋    アキラ
母さんはついでついでで日が暮れる さとみ
結納の熨斗の代わりに子が二人   信 一
八起き目のついでに掴む藁二本   由利子
鎧脱ぎついでに馬鹿も見せてやる  由利子
自分史へついでの傷を深く彫る   平四朗
つまみ食いついでに女王蜂捕獲   輝 男
宿 題 「 自 由 吟 」 互 選
D顔ぶれで話の筋と色も替え    しげる
D幸せは他人の不幸を覗く時    泰 史
C仏壇で賞味期限が欠伸する     弘
C名が出ないタレント脳に三日棲む  薫
C情けない手の鳴る方へ振る尻尾  敏 子
C枝豆とビールと君と僕の夏     鰹
B疑えばカーブミラーが上を向く  竹 水
B傷つかぬためのネガティブシンキング 
                 由 美
B嫋やかに厚くなってく面の皮   まつ子
B八月忌ヒマワリ北を向きたがり  春 江
B小包のすきまに母の愛をみる   さとみ
Bかと言ってやっぱり人を信じねば 輝 男
B約束を破った小指しかりつけ   アキラ
B忙しい中で幸せかみしめる    二三子
B母の墓跳ねっ返りが泣いて詫び  泰 史
Bヒロシマの夏良心が疼きだす    尚
A考えが古過ぎるから蚊帳の外   由利子
A皺がれたえんぴつがまだ餅を描く 博 司
Aペット駄目だけどトラウマ飼っている
                 哲 也
A一人相撲していただけのライバル視恭 子
A平凡で善人でいるつまらなさ   政次郎
Aよそ行きを脱ぐと世間が褪せてくる平四朗
Aあの頃は良かったなあが多すぎる 安 心
A一気飲みなんと勿体ないことを  廣 司
@うわさ話とどのつまりは逆恨み  穂々美
@写経して急に悟った顔になる   獏 沓
@被災地のにわか票田地がすべる  草 園
@泥水も飲めて議員の箔がつく   茂 瑠
@一隅を照らすランプの灯が温い  義 子
@ぬるま湯を嫌うこの血は母ゆずり 梨 絵
@飴とムチふり子時計の父がいる  美佐緒
@産道の出口調査が元気ない    のぶ男
@加齢だけ先走りしてまだ未完   しのぶ
@つたなさに親は手を出しアシを出す可 福
@この暑さ脳味噌までも干乾びる  千恵子
@財界の御輿に乗っている総理   太 郎
@面の皮厚いお肌のコマーシャル  五 貫
@七転び八起き早起きなのは妻   兄 六
@真っ直ぐに生きて小石に蹴躓く   進
@怖いのは地震雷火事家内     信 一

 


▽参加者(敬称略)川路泰山・曽根田しげる
 堀場梨絵・高瀬輝男・川村洋未・林二三子
 勝又恭子・望月弘・佐野由利子・佐藤香織
 中田尚・藪崎千恵子・永田のぶ男・加藤鰹
 池田茂瑠・瀧進・堀内しのぶ・長澤アキラ
 森下居久美・林二三子・石田竹水・井口薫
 谷口さとみ・金田政次郎・鈴木まつ子・
 望月満月・畔柳晴康・毛利由美・堀井草園
 内山敏子・薗田獏沓・岡村廣司・高橋春江
 大塚徳子・御田俊坊・成島静枝・増田信一
 中矢長仁・酒井可福・滝田玲子・鹿野太郎
 西垣博司・安田豊子・山田ぎん・川島五貫
 伊藤泰史・芹沢穂々美・川口亘・濱山哲也
 真田義子・山口兄六・石上俊枝・市川重雄
 戸田美佐緒・山本野次馬・中安びん郎・中
 田きく子・川口のぶ子・提坂まさえ・那須
 野正明・森田安心・柳沢平四朗

▼三島から勝又恭子さんが初参加して下さった。また掛川の森下居久美さんも久々の参加。ここ数ヶ月珍しいお客様の句会参加が続いて嬉しい限り。投句だけでまだ出席参加したことの無い方もぜひ気軽に遊びに来て下さい。楽しいですよ♪(たぶん)笑


[93] (2007/10/26(Thu) 08:47:12)



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