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▼静岡たかね川柳会前代表・平山虎竹堂氏は、本年九月二十五日、老衰により逝去いたしました
葬儀は九月二十七日、静岡市内の顕光院において、職場関係者、川柳界、町内外多数の参列者のもと厳粛に執り行われました。当会からも柳沢平四朗顧問をはじめ、望月弘副会長、曽根田しげるさん、望月満月さんらが参列して最後のお別れをして来ました。

献  句
永遠にたかねへ虎竹抄は生き 曽根田しげる
墨痕の鮮やかなりや虎竹堂   望月  弘
幾万の名句遺して竹は折れ   高瀬 輝男
虎の威はもう借りられぬ秋の雲 加藤  鰹
筆匠の天寿は円い川柳(うた)を埋め  柳沢平四朗

故人の生前のご交諠に対し、改めて厚く御礼申し上げます。
        静岡たかね川柳会



 平山虎竹堂川柳 珠玉抄
        加藤 鰹 整理

天地溌剌 大根の白と青
汽笛一声青虫のゆく山野
全艦出動かたつむり天を衝き
仕事仕事なんだこの汽車窓がない
針仕事の母は菩薩にどこか似る
偉大とは男に乳房あるごとし
砂糖さらさら粉雪さらさら子の眠り
鈴虫へ子なき夫婦の膝が冷え
酒ちびりちびり琥珀の詩を綴る
縄のれん空いているのは僕の席
セレナーデ絵になる月の道を酔い
妻だって僕が飲まなきゃ淋しそう
玉砂利の音で日本の夜が明け
金婚の蓼食う虫を笑いあう
腹心の部下を疑うとき落ち目
とある日のとある嘘から運がつき
今日生きる今日はどの面冠ろうか
虹のはしわたる行進曲を抱き
集団の威力保険屋束で来る
文鎮のようで会長それでよし
照る坊主ニッコと予報くつがえす
コスモスの窓 恋かしら恋かしら
どんなふに下駄がへろうと楽天家
赤とんぼドレミハに翔ぶ秋の唄
広重の葦のあたりをバスに揺れ
碧空の高さでキリン子と遊び
濁音がない与太郎の靴の音
水より青く空より碧く河童御機嫌
青鬼に無二の友あり赤い鬼
       句集「天地溌剌」「蓼食う虫」より


[97] (2007/11/26(Sun) 08:17:12)



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