平成二十一年 十月十七日 定 例 句 会 於 アイセル21
席 題「 独 」 山下 和一 選 夢を追う酒に恋して独り寝る 修 市 君の居ぬ日曜の午後独居房 卓まる 独語の様なカルテに気が沈む のぶ男 ああ独り生命線があくびする 尚 独り居を慰めている虫の声 千恵子 独り身を堪能してる赴任先 修 市 マイク握り独りじめする音痴だね しげる 赤い糸掴まえられずまだ独り 千恵子 虫がつく私ですが独り好き さとみ 和にとけず独り善がりで嫌われる 二三子 独身をエンジョイ妻は旅行中 鰹 アラフォーでレシピばかりが増えている 弘 その裏でタンマリ儲け独禁法 輝 男 独身よ鼻に高さが足りなくて 茂 瑠 暖かな絵を独房へ送りたい 茂 瑠 恋の歌今日も独唱窓の下 卓まる 秋風へひとりぼっちになる覚悟 恭 子 独り身も気楽と少し見栄もある 修 市 独自性崩れる尻尾長すぎて 茂 瑠 はしゃぎ過ぎたった独りのかくれんぼ アキラ 秀 句 独断へ針の筵が待っていた 恭 子 独りっ子ママの笑顔はボクのもの 尚 独酌は天下をとれる無礼講 のぶ男 独学の祖母にもらった知恵袋 さとみ 独り占めしちゃダメ僕は人気者 卓まる
宿 題「み、で始まる句」 薮崎 千恵子 選 身に付いた趣味に余生の道標 進 見事だなあこれが偽作と思えない 輝 男 未熟さを笑顔でカバーしています 居久美 耳鳴りを少しなだめる星月夜 敏 子 三つ指の指が謀叛の旗を織る 美佐緒 耳よりな話群がる欲の月 玲 子 耳打ちを大声出して聞き直す 長 仁 見透かした嘘にゴメンと透かしあり 卓まる 未来こそ自分を変える晴れ舞台 和 一 見上げてごらん月にウサギがまだいるよ 哲 也 ミステリー君が隣にいる事が 洋 未 未送信戻れぬ恋に指震え だがやん 見損なったなんて期待がでかいだけ 五 貫 身綺麗で常に有りたい心うち のぶ子 耳たぶが大きいだけじゃ来ない嫁 哲 也 見栄張ってヒールに泣いた帰り道 居久美 身動きが出来ぬ困った試着室 玲 子 見落とした落書き孫の自己主張 しげる 身から出た錆を磨いてやり直し しげる 妙齢の妙が時々崩れだす 茂 瑠 満ち足りた暮らし心にすきま風 千代見 身の丈の海で私を崩さない さ き 見て見ない振りもいつしか介護され 亘 味方から飛ぶ忠告は的を射る 廣 司 見違えた君の化粧は素晴らしい ユタカ 見えみえの嘘が透けてる捨て台詞 豊 子 ミーハーな私この世はおもしろい 静 枝 身がまえてしまう猫なで声だから 恭 子 耳も目も口も達者で嫌われる 由利子 見るだけで今日も楽しいショッピング三根子 五 客 耳朶でおんなの私揺れている 弘 磨いたらわたしダイヤになれるかも 恭 子 ミラクルの母が育てた一ダース 弘 見栄捨てた日から世間が広く見え 二三子 見た目より豊満でした以下余白 由利子 人 位 満ち足りた暮らしに飽きている金魚 鰹 地 位 未公開シーンのままのプロポーズ 卓まる 天 位 水割りを指でカラカラ恋終わる 鰹
宿 題「亭主関白」 谷口 さとみ 選 関白も留守だと行事捗らぬ 晴 康 ささやかな亭主関白朝寝坊 洋 未 友達が居る間だけいばってる 三根子 威張っても所詮女房の五指の中 二三子 夢の中亭主関白やってみる 三根子 手のひらで泳がせている妻の術 豊 子 真相はかかあ殿下という噂 弘 関白もかしこき妻があってこそ 修 市 亭主関白どう飼いならす妻の腕 しげる 新婚さん亭主関白辞書にない 洋 未 メシフロと言ったら判がとんでくる 尚 やりくりに疎い亭主の空いばり 豊 子 ひとりではクスリも飲めず小言いい すみと 偉そうな父が家庭で浮いている 由 美 家計図に親父の牙が捨ててある 野次馬 ハイハイハイそうそうそうで煽てあげ 好 子 賢妻は関白様にさせておく 廣 司 妻の手の中で関白オーイお茶 太 郎 手の平の関白様が愛しく 和 枝 客が来て威張った分の倍返し 恭 子 客が去り亭主関白衣替え 進 そうさせた妻が悪いと皮肉られ 穂々美 人 位 煽てられ亭主も昇る天守閣 進 地 位 から威張りする亭主でも居て欲しい 廣 司 天 位 関白で妻の不倫に気付かない 弘
宿 題「秋らしい一句」 望月 弘 選 秋風にのって団地はレストラン 卓まる 秋桜はにかむように人を呼ぶ 美佐緒 腹の虫今日は秋刀魚か松茸か 居久美 馬肥ゆる秋を体感しています 恭 子 ハラハラと落葉の私語が哀しくて ふく子 豊作の祭り神代の風が吹く 美佐緒 ふるさとの秋が届いたゆうパック 廣 司 食べるもの美味しくなってメタボ腹 長 仁 芸術の秋団栗も文化祭 静 枝 掃き寄せた落葉を風がもってゆき 獏 沓 コオロギがショバ代をとる狭い庭 穂々美 秋の空あれ弱虫が泣いている 美智代 清水のもみじ舞台を盛り上げる まさ子 ビールから熱燗にする縄のれん 博 司 災害の村もきれいに紅葉する 徳 子 焼き芋の笛に乙女も踊らされ 鰹 すすきの穂サボれサボれと子守唄 卓まる 秋になりイベント多く休みなし たかし ため息がつい深くなる秋の酒 五 貫 おみなえし萩も欲ばる詩仙堂 すみと 風邪引くぞ孫のお臍を仕舞わせる 晴 康 白内障眼帯解けた柿の色 重 雄 食欲の秋終わったらダイエット 好 子 コンバイン音高らかに秋日和 由利子 ダイエット秋の味覚に寄り切られ 信 一 愛されて少し嫌われ彼岸花 まさえ 陽焼けしたウデを長袖つつみ込む 修 市 虫が鳴く声聞きたくてテレビ消す まさ子 親知らずぬいたら秋がおいしいナ 尚 松茸の噂話しを食べている 竹 水 松茸か秋刀魚か迷うレジの前 野次馬 草虱つけて出てくるかくれんぼ まつ子 五 客 散歩道紅葉の雨が降り注ぐ ユタカ 栗の字が季節限定だと騒ぐ 俊 枝 秋だなあ髪がこの頃うすくなる 輝 男 栗拾う迷いを一つ置いてくる まさえ コスモスに心映して揺れている 恭 子 人 位 どこまでも一直線の澄んだ空 アキラ 地 位 クレヨンで描けばもみじ踊り出し ふく子 天 位 一枚の栞を探す秋の夜 茂 瑠
宿 題 「自由吟」 互 選 Fお膳立て整い過ぎている不安 千恵子 D難問を消化するまで噛んでいる しげる Dくるくると変わる心を持て余す 義 子 D結論は一つじゃないと星が言う 哲 也 D送りがな一つを変えて立ち上がる ふく子 C蹴飛ばした親の言葉を思い出す 太 郎 C押し黙る妻持て余す秋の空 静 枝 Cどちらとも決めかねているやじろべえ 恭 子 C引き出しが増えるばかりで奥がないのぶ男 B人事課へ初老の旗を置きに行く 野次馬 B始発駅女が罠を整える 美佐緒 A買い換えたメガネやっぱりずり落ちる 長 仁 A地球美化僕もタマには草むしり 輝 男 A抽選日までは大事にされるクジ 弘 A物価高嘆く割には多い無駄 徳 子 A選挙前だけ訪れるお友達 由 美 Aなぜかしら今日は涙が止まらない 三根子 A思い出は二人でひとつフルムーン 二三子 @時々は妻の干潟を掘ってみる 茂 瑠 @度の合わぬメガネが足にかぶりつく 安 心 @千鳥足トイレに向かいヨーイドン 豊 @不倫など許されないが憧れる 由利子 @脳細胞うまい酒だとしゃべり出す 洋 未 @風呂の中パパと一緒に二二んが四 敏 子 @ストレスとウソ嘘うそで息が切れ 尚 @貝殻が無くした声を探す海 卓まる @葉脈を残し私のレントゲン 千代見 @二人とも無口になって秋深む 鰹 @お姫様抱っこしたいが妻重い だがやん @生きる為とは言え友を裏切れず 廣 司 @絡みつく視線ドキドキ姥桜 信 一 @喜びは汗と涙の使い分け 和 枝 @二番目はもう青でない交差点 さとみ @スパークの危険密度にある二人 可 福
参加者(順不同)佐野由利子、長澤アキラ 高瀬輝男、池田茂瑠、中田尚、薮崎千恵子 中野三根子、望月弘、林二三子、山下和一 勝又恭子、今井卓まる、今井正美、今井侑 永田のぶ男、曽根田しげる、谷口さとみ、 加藤鰹、小林ふく子、畔柳晴康、毛利由美 大塚徳子、岡村廣司、薗田獏沓、成島静枝 瀧進、鈴木まつ子、飯塚すみと、西垣博司 尾崎好子、内山敏子、中矢長仁、滝田玲子 小野修市、市川重雄、川村洋未、鹿野太郎 川島五貫、森田安心、安田豊子、濱山哲也 竹内さき、石田竹水、加茂和枝、増田信一 鈴木千代見、戸田美佐緒、山本野次馬、中 川司、芹沢穂々美、川口のぶ子、石上俊枝 川村美智代、提坂まさえ、萩原まさ子、那 須野正明、恩田たかし、川口亘、酒井可福 森だがやん、稲森豊、森下居久美
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