静岡川柳たかねバックナンバー
トップページへ






平成二十一年 一月十七日
新 年 句 会
於 日本料理「さわ」


宿 題  「 牛 」 川路 泰山 選
闘牛で冬将軍の村おこし      のぶ男
アメリカに格差広げている和牛   竹 水
あっけない交尾に時を棒に振る   野次馬
高飛車にブランド牛の値札貼る   野次馬
元朝の乾杯孫は牛の乳       晴 康
牛歩でもいいんだ傘寿過ぎたから  廣 司
牛の声やけに尾を引く過疎の村    進
鈍行で牛歩の旅と洒落てみる    好 子
伯楽がお手玉にする暴れ牛     泰 史
ブランドをクローンでつなぐ牛の自負 安 心
クローン牛戸籍は神の目を盗む   平四朗
クラシック流れ搾乳もはかどり   二三子
霜降りを期待して見る鍋の底    さと子
牛歩でも子の頃の夢追い掛ける   信 一
牛丼の汁に決意とかくし味     穂々美
横綱になれば牛とは云わせない    亘
ホルスタイン並みのバストで肩が凝り 静 枝
カタカナ語ゆっくり反芻するつもり 徳 子
我が干支よもう一巡り二巡り    好 子
牛耳った会議のあとの不安顔    穂々美
牛乳が僕の背骨の目をさます    洋 未
ゆったりと牛歩の如くいく余生   千恵子
モー然と駆けたい日あり角磨く   まさえ
うしよりものんびりとどく年賀状  玲 子
来客の時は国産牛にする      博 司
地下タビと軍手で今日もベコを追い 獏 沓
ゆるぎなく牛歩でめざす喜寿の夢  豊 子
プライドを気にせず牛は牛の歩で  輝 男
哲学の眼をした牛に聞く人生    輝 男
牛の背に乗ってしまった給付金   五 貫
物好きで牛乳鍋をかこむ夜     まさ子
政治とはかくなるものか牛歩なり  アキラ
トレサビリティ牛の素性が明かされる 居久美
いざという時迄隠す牛の角     泰 史
どっしりと牛の如くに父の背    さと子
猪突した風を牛歩に切り替える    弘
牛年に給付の噂持て余す      しげる
 五 客
モーやだよねずみの不況かぶる牛  美智代
なあベコよもいちど田んぼするべえか さとみ
追伸に牛に因んだギャグいれる   茂 瑠
春を待つ仔牛健気に立ち上がり   まつ子
闘牛の顔に似てくる妻の乱     千恵子
 人 位
不況風牛も押される虎落笛     重 雄
 地 位
給付金担いだ牛に鞭を打つ      弘
 天 位
反芻は苦手デジタル時代行き    静 枝


宿 題  「いい男」 中野三根子 選
レンタルよ送迎用にいい男     洋 未
無駄などと言わずに化粧待つ男   五 貫
義理人情愛も育てる苦労人     重 雄
キザな奴いい男振る冷たい目    玲 子
もて過ぎて一人になれる時がない  修 市
太陽のような貴男に惚れました   輝 男
いい男おだててメシをおごらせる  博 司
床屋から帰った夫ちょいと誉め   静 枝
ウチの人あれでも昔いい男     博 司
好きなんだ母をいたわるお父さん  竹 水
シルバーグレーまだフェロモンが満ち溢れ 進
いい男母似の彼女連れてくる    和 枝
いい男流し目に棲む甘い罠     敏 子
いいなあと思う男はみな既婚    由 美
四面楚歌恐れず意見吐く男     廣 司
いい男春の暦に予約する      徳 子
安酒で私と酔ってくれる人     さとみ
いい男背中で語る温かさ      俊 枝
男ならみんな自負するいい男    長 仁
揺ぎない持論男の夢を追い      進
いい男賞味期限があったとは    ふく子
いい男心も顔も兼ね揃え      晴 康
賞味期限まだあるつもりだった俺  卓まる
俺だってカツラ付ければいい男   泰 史
顔姿気っ風までもいい男      千恵子
こころからやさしい嘘をつく男    弘
いい男結婚すれば只の人      信 一
太陽の匂いが似合ういい男     千代見
ネガで見る昔の夫はいい男     のぶ子
二枚目は無駄な口など叩かない   安 心
カネ・チカラあったらもっといい男 二三子
イケメンへダーツの針を尖らせる  茂 瑠
 五 客
おいカアサンおいカアサンとあの世まで まさえ
背景に何を置いてもさまになる   美佐緒
さわやかな風に男を語らせる    アキラ
花束を買えない男それもいい    まさえ
マラソンでテープ切る孫いい男   美智代
 人 位
ほかほかの心伝わるいい男     千恵子
地 位
十人十色ビミョーに違ういい男   二三子
 天 位
脇役に徹し貴重ないぶし銀     豊 子
 軸 吟
私だけ笑ってくれたいい男     三根子

 宿 題「うれしいな」上五指定
           加藤  鰹 選
うれしいな二才も若くみられたの  二三子
うれしいな三億俺にあたるはず   修 市
うれしいな寝ていてくれた朝帰り  さとみ
うれしいな酒はうまいし妻きれい  修 市
うれしいな何買おーかな給付金   博 司
うれしいなシラスのなかにタコがいた 卓まる
うれしいなあったかご飯しじみ汁  よし子
うれしいな百歳の母おんぶする    弘
うれしいな一足す一が十となる   由利子
うれしいな何もない午後猫といる  まさえ
うれしいな蛇口ひねれば出るビール 野次馬
うれしいな一緒に泣ける人がいて  ふく子
うれしいな徹夜へ柚子の湯が香り  政次郎
うれしいな盲導犬が居る空気    太 郎
うれしいな酒瓶抱え友が来る    可 福
うれしいな美男と美女の離婚劇   哲 也
うれしいな君と僕との恋満ちる   さ き
うれしいな派遣の僕に陽が当たる  アキラ
うれしいな私を誉める子の日記   泰 史
うれしいな殻がくるりとむけた昼  さとみ
うれしいな補聴器なくてジャズを聞く しげる
うれしいな夢のつづきも家がある  穂々美
うれしいな根っこがちゃんと生きていた 二三子
うれしいなリストラされず二度の職 穂々美
うれしいなあなたが横にいてくれる 徳 子
うれしいな親が元気でいてくれる  居久美
うれしいな腹はふくらみ父が折れ  重 雄
うれしいな家族の中に席がある   俊 枝
うれしいな人間臭い鬼と居る    のぶ男
うれしいなジャンボもロトも当てました 野次馬
うれしいな今年も好きな先生で   玲 子
うれしいなすらすらすらと句が浮かぶ静 枝
いま此処に居るだけで良い窓の椅子 幹 江
うれしいな明日復活の七分粥    五 貫
うれしいなほめられ豚も空を舞う  美智代
うれしいな「たかね」が届く月初め 千代見
うれしいな銀杏の黄色空の青    美智代
うれしいな絡んだ紐を解く予感   まさ子
うれしいな心の影が消えていた   安 心
うれしいな妻が手招き久しぶり   由利子
 五 客
うれしいな俺のお通しだけ違う   卓まる
うれしいな上司出張妻は留守    信 一
うれしいなギプスを取って伸ばす腕 まさ子
うれしいな子供出来たは嘘だった  泰 史
うれしいな居場所の広い妻の留守  まさえ
 人 位
うれしいなまだまだすべて現役で  三根子
 地 位
うれしいな夢で紀香になれた朝   さと子
 天 位
うれしいなスーツケースと待つ夜明け 俊 枝
 

参加者(順不同)森下居久美、谷口さとみ
永田のぶ男、望月弘、増田信一、池田茂瑠
小野修市、川村洋未、川路泰山、市川重雄
森田安心、高瀬輝男、堀場梨絵、滝田玲子
川島五貫、尾崎好子、林二三子、伊藤泰史
石上俊枝、中野三根子、加藤鰹、大塚徳子
鈴木まつ子、瀧進、長澤アキラ、畔柳晴康
曽根田しげる、芹沢穂々美、佐野由利子、
提坂まさえ、川村美智代、萩原まさ子、中
川司、薮ア千恵子、渥美さと子、岡村廣司
薗田獏沓、中矢長仁、成島静枝、内山敏子
鹿野太郎、酒井可福、濱山哲也、西垣博司
中田尚、小林ふく子、石田竹水、安田豊子
金田政次郎、川口亘、毛利由美、竹内さき
加茂和枝、今井卓まる、鈴木千代見、川口
のぶ子、山本野次馬、戸田美佐緒、森好浩
柳沢平四朗

▽今年も盛大に新年句会が開催されました。安心さんの詩吟、アキラさんのマジック、泰史さんは新曲の「河内音頭」を披露して下さいました。二次会のカラオケも大盛り上がりで楽しかったですね〜♪
定例句会 | Link |
(2009/03/26(Wed) 13:22:15)

第9回 三島地口行燈表彰式
平成二十一年二月七日


▽二月六日〜十一日、江戸時代の庶民文化「地口」「川柳」を現代に復活させ、三島市中心街の夜を情緒豊かに彩る恒例の「三島宿・地口行燈」が開催されました。
▽今回は全国から約750作の応募があり、その中から入選作180作品を内容に合った戯画とともに行燈にして、大通り商店街約700メートルの区間の軒先を飾りました。実行委員の皆様、今年も本当にお疲れさまでした。
▽二月七日(土)エフエムみしまかんなみボイスキュー内で表彰式があり、たかね川柳会関係者も多数表彰されましたので誌上にて報告いたします。


▽主な入賞作品は次の通りでした。

☆川柳部門大賞・柳谷益弘さん
出来そうな小さな夢をぶら下げる

☆川柳部門秀逸一席・増田信一さん
方言のシャワーを浴びて生き返る

☆川柳部門秀逸二席・米山明日歌さん
流れ星夢は一つに絞れない

☆川柳部門秀逸三席・芹沢穂々美さん
トウモロコシ愚痴言いたくて噛んでいる

☆川柳部門奨励賞・望月昭良さん
白黒はつけないいずれ色あせる

☆地口部門佳作・川島五貫さん
今後相談(元句・言語道断)

☆川柳部門佳作・赤松ますみさん
ストローの先に未練がしがみつく

☆川柳部門佳作・酒井可福さん
コイン飲み客の腰折る販売機


▽入賞(23名)には入らなかったものの、作品が入選して行燈になった方たちのお名前だけ紹介します(当会関係者抜粋)
石田竹水さん、板垣孝志さん、中谷長仁さん、高瀬輝男さん、谷口さとみさん、水品団石さん、望月弘さん、勝又恭子さん、山本トラ夫さん、山本野次馬さん、柴田亀重さん、伊藤泰史さん、提坂まさえさん、萩原まさ子さん、今井卓まるさん、望月満月さん、中前棋人さん、山下和之さん。
▽来年は第10回記念として、このイベントも盛大に行なうそうです。自分の作品が行燈になる喜び、そして豪華賞品を狙って皆さんも投句参加してみませんか?


三島宿地口行灯 | Link |
(2009/03/26(Wed) 13:18:19)

ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 ずらよ(^o^)/

ごせっぽいなどと強がる女房留守    瀧   進
こきわりいしゃっつらにくい両天秤   瀧   進
川柳をえいからかんでも作ってみょ〜  鈴木まつ子
腹んへったでよーはんにしまいかええ  鈴木まつ子
しょれ〜ガキだったアイツがいま社長  今井卓まる
飲み会でちょびちょびされる僕が好き  今井卓まる
ぶしょってえなりで学校行きゃあがる  岡村 廣司
あんてえはちっと根性みりいずら    岡村 廣司
ちいっとらっつ春だっけえがさみいズラ 谷口さとみ
ぶしょってえ男ふんとにそう思う    加藤  鰹
そんじゃあけっこになるでやらまいか  畔柳 晴康
たばけるなやっとこでけたにつんぶしちゃ畔柳 晴康
くろに咲く花一輪に足を止め      西垣 博司
見てくりょうやあらの車と違うずら   西垣 博司
わりいけんそうやって見てくりょーやー 中安びん郎
もーちっと待ちゃあえー世が来らあれー 中安びん郎
ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 | Link |
(2009/03/26(Wed) 13:15:45)

自 由 吟
  虎 竹 抄


「黒 光 り」        大塚  徳子
幸せをお稲荷さんに詰めている     仙 台
星一つ黒光りする星条旗
お茶の間のなかなか止まぬ隙間風
話し合いケータイ持たぬことに決め


「雑  詠」        石井   昇
日本をジャパンに変えた工業化      蓮 田
チェンジだと花火を揚げる西東
吹き溜りノッペラボウの泣き笑い
ギア一つ落し人生軽くなる


「倦 怠 期」        鈴木 千代見
倦怠期という病にある微熱       浜 松
ドライフラワー心変りがしたくなる
しゃぼん玉舞い倦怠期くる予想
透明人間同じ空気を吸っている


「昭⒚2二度目赤紙」(結婚半年)寺脇  龍狂
新婚へ有無を言わせず赤紙は        浜 松
預金なしお腹に一人親二人
日の丸も千人針も中古で
征くなとも死ねとも言わず母の皺


「偶  感」        寺田  柳京
ねずみなどどうだっていい猫の恋    静 岡
一歩ずつ退くと小皺がかくれます
生きて居る罰金ですかアハハハハ
その内に誰も無税の国へ行く


「春 隣 り」        新貝 里々子
加湿器の湯気派遣切りとは遠くいる   袋 井
男とは今朝もくしゃみが止まらない
パンジーが笑うと花粉症目覚め
部屋中をバンドネオンにしてひと日


「雑  詠」        井口   薫
胸襟を開いて春を誘い込む       袋 井
いざというとき出てしまう手ぶれ癖
柊の花の可憐は贖罪か
年齢の制限ばかりジャンプ台


「ももいろ」        小林 ふく子
桃色の風に扉は開いたまま        袋 井
ひらがなの花はピンクがよく似合う
クレヨンのピンクはいつも柔らかで
好きと書く薄桃色の紙がいる


「自 由 吟」        真田  義子
目を閉じて明日の風を読んでいる    仙 台
寝つかれぬ夜は夜汽車の音がする
鉛筆を削ると見える現住所
ポケットの嘘が時々笑い出す


「雑  詠」        馬渕 よし子
近付きの印情報一つ呉れ        浜 松
乾杯のグラス微妙な音を立て
叩かれて磨いた腕も解雇され
ここに来て老老介護おまけ付き


「花も実もあるかな」    増田  久子
生涯をかけてもやっと二DK       焼 津
福袋からのパールで着るスーツ
化粧品使い続けて詐欺と知る
ジャズピアノ目指しバイエル三年目


「前 借 り」        松橋  帆波
変人を人と思っていた不覚       東 京
マニュアルにあるスマイルと消費税
大衆は正義 匿名ですけれど
前借りは選挙に来ない世代から


「文字の風景」       戸田 美佐緒
さかずきと契って夜を盗まれる    さいたま
それだから夫婦なのよと皿を拭く
茶漬け喰うズンドコ節を聞きながら
温もりを分け合っている猫じゃらし


「家  族」        鹿野  太郎
私から見ればペットは雲の上      仙 台
反骨の旋毛だ凄い疳の虫
ご破算にするしなくても年度末
官僚はセオリー通り息をする


「  時  」        安田  豊子
割り切れぬ余りに生きる種がある    浜 松
花咲かす灰が寝ていた句を起こす
日向ぼこ少女に戻る陽の匂い
さりげなく刻む時計が早すぎる


「自 由 吟」        藪ア 千恵子
反芻をしながら助言腹に入れ      焼 津
父というつっかい棒に助けられ
孫の知恵借りて時代の波に乗る
今日もまたピエロになれという鏡


「  糸  」        鈴木 恵美子
毛糸玉コロコロママの顔で編む     静 岡
結ばれた糸もつれ出し愛其の後
一人身のほつれた愛の灯がともる
着たままのつくろい妻の糸切り歯


「自 由 吟」        竹内  さき
恋をして愛して月の砂漠ゆく      浜 松
淡い紅夜霧に少し嘘がある
よしよしとコーヒー担ぐポスト前
指切りの今を大事に靴を履く


「色 と 嘘」        金田 政次郎
キリストの目へ白足袋の嘘を脱ぐ    静 岡
とんぼ切る真赤な嘘が翻る
遠い日の嘘が陽だまり黄に染める
七色の露が滲んだ虹の嘘


「雑  詠」        滝田  玲子
手の内は互いに見せぬ嫁姑       浜 松
平成の世に算盤が正座する
奥深い趣味に頭を酷使され
神様にそっと漏らした願いごと


「悶  々」        川口   亘
生き甲斐を見つける迄の揚げ羽蝶    藤 枝
成る程と思う気持ちの先が見え
賞でる気が有ると桜が栄えて見え
大勢に押し流されて行く惨め


「赤 べ コ」        薗田  獏沓
赤べコの首ゆらゆらと返事する     川根本町
赤べコと一緒に祈る新年会
残業も駆けつけべコの首を押す
行きつけの店の赤べコ人を好く


「自 由 吟」        内山  敏子
高熱へ右往左往の解熱剤        浜 松
どん底を知らぬ二十歳の晴れ姿
先輩へ若いジョークが通じない
壁の耳秘密を風に乗せたがり


「自 由 吟」        ふくだ 万年
落ちこぼれ拾う心は母心        大 阪
僕の子さ頭悪くて当たり前
妻の愚痴俺が聞かずに誰が聞く
年一度携帯電話が脱皮する


「雑  詠」        山本 野次馬
この坂はきっと息子も登る坂      函 南
点線の隙間に貰う月明かり
色褪せて記念日初老の日向ボコ
年金前日話が盛り上げる


「五時から男」       濱山  哲也
会社では積極的になにもせず      つがる
何も無い残る金目は選挙権
はしご酒この頃細い縄梯子
課長にゴマ擂り部長に豆を擂る


「インフルエンザ警報」   毛利  由美
スキー学習のバスで流感蔓延す     つくば
担任の先生もインフルエンザ
ワクチンの当たる確率はいかほど
この冬は素顔にマスクが定番


「自 由 吟」        川村 美智代
給付金貰うな貰えどっちなの      静 岡
それなりに皆年とりて喪服菊
いい男うちの旦那はほど遠い
二〇〇九牛に引かれて何処へ行く


「自 由 吟」        提坂 まさえ
今さらでも愛していると言ってくれ   静 岡
ダイエット腹の虫には知らせない
悪役を一度やりたい加藤剛
忘れても困りはしない過去ばかり


「自 由 吟」        石上  俊枝
踏み出せぬ一歩に過去がしがみつき  静 岡
我慢した心に鞠を仕舞い込む
許す気がサンマの骨をスッと抜く
熟女たちランチと肥満盛り上がる


「変  身」        萩原 まさ子
整形で変身 財布まで痩せた       静 岡
三高でパスタも美味いいい男
いい男出てこの国を救ってよ
嬉しいなラマダンの夜が明けていく


「希  望」        瀧    進
窓際に余生の夢が花開く    島 田
リタイアへ見果てぬ夢を消去する
サンドバック打たれ叩かれ強い奴
転職を決めた内助のアダプター


「雑  詠」        飯塚 すみと
妻旅行雑用多く日は暮れる   静 岡
負け試合相手の方が上だった
よそ見せず今日は流れにそう素直
フロの栓一人を忘れケンカ起き


「怒ってる」        岡村  廣司
怒ってる時はいい智恵浮かばない  焼 津
怒ってるらしい音する台所
無視されて怒っているぞ信号機
国民が怒っているぞ給付金


「祝  日」        川口 のぶ子
暖冬は暮れと言う事忘れさせ  藤 枝
やきいもがなぜか恋しくなる季節
祝日を一つふやして曾孫の日
餅を背にしりもちついて笑う孫


「金  婚」        中矢  長仁
紅い糸確かめながら半世紀   松 山
金婚にシェフから技のプレゼント
お爺さん年金減るで生きとって
金婚の次はダイヤの夢を呼ぶ


「自 由 吟」        恩田 たかし
百年に一度の○○使いすぎ      静 岡
土地投資株に投資でまたバブル?
不景気も誕生日にはケーキ出る
国のドン マンガ読めるが先読めず


「自  由」        酒井  可福
立ちションもできぬカメラがにらんでる 北九州
肩書きに踊らされてたサラリーマン
アク取りが下手でスープの味濁る
腕時計腹時計にも負けている


「判  子」        芹沢 穂々美
シャチハタで愛の深さは計れない   沼 津
銀行印秘密にしてる預金高
認め印認めた愛のくされ縁
百均の判子にだって見栄がある


「人  生」        畔柳  晴康
浮き沈み寄せては返す我が人生    浜 松
今日は無事明日の苦難はいまだ未知
自信ない自惚れだけで生きている
この我慢この気の弱さだれぞ知る


「雑  詠」        成島  静枝
大根をスパッと切らすシャープナー 千 葉
エアコンの温度はエコと妻が決め
寝転んで手抜きの掃除目のあたり
留守電が苦手で今日も足りぬ用


「  風  」        西垣  博司
ひらがなの人生にして流す風  静 岡
イからンを縒って解して古希の風
川原石風の説法行脚聞く
日めくりを破って今日の風を断ち


「足  元」        加茂  和枝
今日の幸願って赤い陽が登る  岩 沼
足元はしっかり夢を担ぎます
ひと言が多い雲に矢が刺さる
楽しんで楽しく生きようこの時を


「新  年」        鈴木 まつ子
初詣で変わりばえせぬ願い事  島 田
暗き世に春待つ心しきりなり
クラス会着ていく服が決まらない
今年また今年のバリア華を添え


「麻生首相」        尾崎  好子
麻生なら民主に勝てるそう思い  藤 枝
お育ちは良いし射撃は五輪に出
ユーモアもお持ちだけれど的を得ず
愛敬は有るが時勢にそぐわない


「やさしい方」       永田 のぶ男
手を貸した思いやりから深情け  静 岡
薄化粧やさしい方が盾となる
愛し方一緒に歩む下駄揃え
チューリップ後でいい事ありそうな


「  冬  」        増田  信一
木枯らしが不景気になり寒さ倍     焼 津
温暖化冬の厳しさ削いでゆく
雪化粧良いも悪いも消してゆく
メタボ腹腹巻よりも暖かい


「新  年」        孝井   栞
包丁を研ぐのもシェフの技の内 富 山
痛い足リハビリと主婦兼ねる母
国産品生産地まで書きません
鍼の先探る私の配管図


「アラウンド」       高橋  繭子
「アラサー」で大人の準備はじめます 大河原
「アラフォー」に不惑の思惑てんこもり
ハッと手をついてしまったアラウンド
「アラ還」の大器晩成自由人


「自称、普通のサラリーマン」今井 卓まる
タバコ吸い商談囲う悪い癖    浜 松
餅の絵の友情描き探る腹
連れションを蒸せんだ仲も明日は敵
本物になりたくなって馬鹿になる


「鬼の目にも・・・」    小野  修市
派遣切り鬼も泣き出すせちがらさ    静 岡
置き去りにされた心が泣いている
不景気で鬼も金棒質におく
辛いけどいいこと思い笑います


「ああ・・・」       長澤 アキラ
年輪の二つ三つが歪んでる       静 岡
尊厳はいらぬあなたは派遣です
ロボットという哀しみを抱いている
モノクロの世界に遠くわらべうた


「一  列」        多田  幹江
ブロイラー横一線に餌をつつく    静 岡
ドミノ倒しの先端に居る自爆
干し大根のラインダンスは風任せ
傲慢な飛ぶ鳥あとを蹴散らかし


「生 き る」        石田  竹水
秒読みになった命が燃え上がる    静 岡
余生いま好奇心から夢貰う
病院の擂餌を食べて生き返る
放たれた矢へ向き合ってみるも策


「自 由 吟」        真理  猫子
旅に出るバイリンガルな足音で     岡 崎
傘をさすとホップステップしたくなる
不況ゆえ愛の言葉もリサイクル
恋人といてもひとりになれる海


「チャンス」        中野 三根子
良い事が私にすべて押し寄せる    静 岡
あの席がこの次あくと待っている
おとなりが出掛けた留守に掃除する
今日こそは彼のとなりをゲットする


「雑  詠」        林  二三子
小さな胸はずませ走る寒稽古  芝 川
春に向け花粉対策から始め
食生活整えアンチエイジング
ご祈祷が効いたと思う嬉しい日


「自 由 吟」        川村   洋未
造花でも言いたい事があるのです 静 岡
先送りのばしのばして忘れてく
真夜中におばけと二人テレビ観る
つっかい棒はずしていたが立っている


「ちょっと淋しい日 Part1」谷口 さとみ
ソラシドが出ない私のハーモニカ    伊 豆
だるまさん試しに押した寝たまんま
弁当をチンするたびに風邪をひく
他人より夫が遠い人に見え


「亡母まで」        池田  茂瑠
千切り絵に挑む小さな器です     静 岡
赤い糸女の白い手に絡む
シャボン玉飛ばす亡母に届くまで
この愛に虫の保護色欲しかった


「時 事 吟」        川路  泰山
用済みの働き蜂は踏み潰す   島 田
無精卵売って少子化対策だ
避難用ボトルの中に蛆が湧く
黄泉の水でゆっくり粥を炊け


「痛  み」        中田   尚
春なのにハートに小骨つきささる 浜 松
迷惑な痛みと共に生きている
生きている痛みしっかり感じつつ
タミフルの効かない風邪が暴れてる


「女 風 呂」        佐野 由利子
くだらない話し果てない女風呂   静 岡
おだやかな語尾ゆったりと御歌会
輪の中の真ん中にいる薔薇の花
寂しくはないか頑固を通し過ぎ


「明 日 へ」        高瀬   輝男
牛歩でもいいさ明日への第一歩    焼 津
あの事は笑い話にしておこう
うちの子ってなんだペットの事なのか
人間の顔を捨てたら気楽かな


「給 付 金」        望月   弘
救急の車輌で届く給付金        静 岡
税金でたらたら給付されている
牛の背で急かされている給付金
給付金貰えるほどの稼ぎあり


「春うらら」        加藤   鰹
生き血でも吸っていそうな由美かおる 静 岡
印籠は目に入らぬよ 痛いじゃん
禁煙の貼り紙鼻で笑われて
申し訳ないけどヒマじゃないんです


「無  粋」        柳沢 平四朗
拾ったり捨てたり余生人になる   静 岡
真四角な貌で無粋も飛びっきり
切り口は暈して父の処世術
もう一つ虫を殺して空気読む
虎竹抄 | Link |
(2009/03/26(Wed) 12:52:43)

200904のログ 200902のログ

Copyright © 静岡川柳たかねバックナンバー. All Rights Reserved.