姑との同居は、私達が芝川に移り住んで間もなく、両親を呼び寄せるかたちで始まった。三年程で義父は亡くなり、義母はその時六十六才で、私は三十才だった。

生まれも育った環境も全く違う女が二人、子供の育て方とか色々な面でのくい違いはあったものの、何とか上手くやってきたつもり。

その頃私は、六十才を過ぎた自分を想像した事など全く無かった。

五十九才で母を送り、一ヵ月後に姑を送り、この三月で丸五年になる。そして、今私も姑になっており、同居し始めた頃の姑の年に近付いてきた。かつて姑は「この年になるとねぇ、あんた方にも解るよ…」とよく言っていた。

三十年前の六十代と、今の六十代とでは随分違うとは思うが頷ける。病院に行くと「う~ん、やっぱり年のせいもあるでしょうね~」とまず言われたりする。でも「たかね」に来られる高齢の皆さんを見ていると、本当にお元気でビックリする。あやかりたいな~と常々思っている。色々な趣味を持って少しでも若くいたいし、認知症も近寄って来て欲しくない。

 私は趣味というより、ただ好きなだけ…というものなら色々ある。なので特に秀でたものは何もない。これ位出来れば自分で楽しめるかな…位でいつもやめてしまっていた。

 そんな私に母は「あんたは何をやってもいい加減で駄目だねぇ…」と言っていた。

 そんな私でも、何か他人様に見せられる様な物を作ってみたいと思い、押し絵、木目込み教室に通い、六十の手習いを始めて丸四年。そろそろ人にお見せしても大丈夫かな…なんて自負している。介護からも、孫の子守からも解放されている今、家に閉じ籠らないで、川柳を含め色々な好きな事を続けて行かれたら幸せかな~と思う。その為には健康第一!

 年を重ねれば重ねる程、時間が呆気なく早く過ぎて行ってしまいそうだから。

ウィンドウに背中の丸み指摘され

言葉尻上げても若さ拾えない

髪染めてみても皺まで隠せない

201204