2014年11月号 富岳抄
「自 由 吟」 長澤 アキラ 出始めたボケが間合を詰めてくる 静 岡 悔しくて直滑降の酒になる 遺言書みんなあげると書いておく 忘却をうまく演じ […]
2014年10月号 富岳抄
「フリー吟」 谷口 さとみ ひとり鍋ネギにも話しかけてみる 伊 豆 お徳用サイズにひるむひとり者 好きなものだけのオデンをコンビニで 止める人いない […]
2014年9月号 富岳抄
「泳 ぐ」 藤田 武人 トビウオもバサロも金と自慢する 大 阪 政界を泳いで来たと自負がある 犬かきでオリンピックを目指します 蛙には負けるもん […]
2014年8月号 富岳抄
「風になりたい」 松田 夕介 風の靴はいてあなたに会いに行く 静 岡 ハッピーな時は翼も生えてくる クローンが出来ても僕とボクじゃなあ 黒だけど虹にな […]
2014年7月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「酒呑み親子」 森 だがやん 酒飲んで頬ずりするな髭痛い 島 田 飲みたいかチョットだけだぞイケる口 ウケるから調子に乗って飲み干し […]
2014年6月号 富岳抄
「近 況」 濱山 哲也 官兵衛を観ているときは留守電だ つがる 増税の分だけ増えた妻のグチ 私のカネでオバマと安倍が喰った鮨 大穴狙い小保方さんの肩を持つ & […]
2014年5月号 富岳抄
「介護の現場」 恩田 たかし 人事異動下から上へ参ります 静 岡 明るくて暖かくいい環境だ 可愛いと言うと喜ぶおばあちゃん 前任者やり残した事 […]
2014年4月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「ときめき」 酒井 可福 ときめきを隠しあなたに逢いに行く 北九州 ときめきの種は財布に隠し持つ ときめいた頃の公園ふら […]
2014年3月号 富岳抄
「こころの旅」 外側 としみ プリズムの先にときめく春の色 磐 田 サイコロの目に私を遊ばせる 逆向きの列車こころの旅に出る いにしえの卑弥呼の手には魔鏡など […]
2014年2月号 富岳抄
「白 い 風」 佐野 由利子 夢乗せて銀河鉄道発車する 静 岡 雲つかむ背丈青春真っ盛り 深爪の痛みを抱いて終電車 喪の部屋をスーッと通る白い風 &nbs […]
2014年1月号 富岳抄
「伊豆に帰る」 外側 としみ 雪富士に心の底を見透かされ 磐 田 カピバラの思考回路も湯気の中 めでたさを厚切りにして三嶋駒 星の夜はシャトーワインに騙される &nb […]
2013年12月号 富岳抄
「一年の終わりに」 栃尾 奏子 押し寄せて来て追い越してゆく師走 大 阪 晦日蕎麦優しい顔をしてすする 除夜の鐘指切りは無かったことに 一年に感謝感謝の大晦日 &n […]
2013年11月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「日常会話」 毛利 由美 カーナビにまかせ助手席眠りこけ つくば 遊ぶよりアイフォンに弄ばれる 熟年がせっせとナイトウォーキング スズ […]
2013年10月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「秋の入り口」 新貝 里々子 二階からロミオロミオと呼んでみる 袋 井 ティラミスの甘さに慣れて飢えている 酒の肴買いにカラカラ男下駄 涼風 […]
2013年9月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「自 由 吟」 滝田 玲子 おしゃべりをたっぷり盛って立つ日傘 浜 松 年金の愚痴が勝手に歩き出す 考古学地下の歴史を掘り続け […]
2013年8月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「夏 物 語」 谷口 さとみ 冬の奴近頃やけに人気者 伊 豆 ボーナスも休暇も無しに溶けてゆく トッピング替えて毎日冷 […]
2013年7月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「追憶 その一」 渥美 さと子 鰯二匹教育勅語聞いていた 静 岡 袖口に鼻水の透けた屍 麦の穂に住まい明かさぬ […]
2013年6月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「悪 友」 薗田 獏沓 善しにつけ悪しきにつけて顔を出す 川根本町 中学の侭で止まっているふたり 自らを悪友と言い弔辞読む 共 […]
2013年5月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「雑 詠」 谷口 さとみ 私のダウンを脱がす蕗の薹 伊 豆 棚の上去年探した物がある 占いに大安とある日の不吉 LOV […]
2013年4月号 富岳抄
せんりゅう広場 富 岳 抄 「雑 詠」 多田 幹江 言い切っていつしか消えた水たまり 静 岡 着ぶくれて明日を掴めない五体 積み残し今更戻れない […]
2013年3月号 虎竹抄
「自 由 吟」 鹿野 太郎 慎ましい花から伸びるふっとい根 仙 台 昭和史を名も無い星が飾り付け 低気圧過ぎて天井息をつく 綱引きをすれば昭和に旗を振る &n […]
2013年2月号 虎竹抄
「自 由 吟」 奥宮 恒代 皮算用ばかりしている棒グラフ 森 町 加速して脱線こわい新政府 縁側の特等席に猫の髭 ありがとう解凍されていく妬心 […]
2013年1月号 虎竹抄
「お 正 月」 増田 信一 巳の年はのたりのたりとやり過す 焼 津 お正月飲んで食べてはまた太り 年をとることがめでたい年になり 巳の年はとぐろを巻いて立て籠もる & […]
2012年12月号 虎竹抄
「 雲 」 増田 信一 ゆったりと身を委ねたい秋の空 焼 津 鰯雲一緒にふわり泳ぐ夢 曇り空けれど心は日本晴れ きんと雲乗せて泳がす家の妻 & […]
2012年11月号 虎竹抄
「若 い 耳」 佐野 由利子 忠告が素通りをする若い耳 静 岡 ブラックのコーヒーが好き秋夜長 里芋の皮剥くとすぐ痒くなる 私よりまだ肥えている人がいる &n […]
2012年10月号 虎竹抄
「晩 夏 光」 斉尾 くにこ 淡天の舗道に立てば網の鰺 鳥 取 フェミニスト白黒つけぬ生殺し デリカシィ知らぬ強さに後ずさり 心身を洗って夏をかたづける &n […]
2012年9月号 虎竹抄
「きびしい残暑」 松田 夕介 波しぶきだけではしゃげた夏でした 静 岡 液状化現象おきる夏の僕 伝統の一戦蚊との一騎討ち いく夏を寂しく思う夏嫌い &nb […]
2012年8月号 虎竹抄
「結 ぶ」 安田 豊子 この星でみんな結ばれ生きている 浜 松 結び目が緩んで愚痴が多くなる いざという時にほどけぬ腐れ縁 結ばれてからのレールが長過ぎる &n […]
2012年7月号 虎竹抄
「 底 」 勝又 恭子 上げ底に浮かれた心見破られ 三 島 どん底はあそこだったと今わかる もうダメと思ってからの底力 ごほうびの大根鍋の底にある &nb […]
2012年6月号 虎竹抄
「幸 せ」 望月 弘 幸せな人だ妻より先に逝く 静 岡 毎日が極楽なんて痴呆症 洗っても拭いても白に戻れない 万物がやさしすぎては物足りぬ […]
2012年5月号 虎竹抄
「もう少し」 中野 三根子 もう少し回り道して桜見る 静 岡 もう少し時間が欲しい二十四時 もう少し話していたい月あかり もう少し今年の桜酔いしれる &nbs […]
2012年4月号 虎竹抄
「自 由 吟」 南 天子 脳味噌にキムチ入れてもいいですか 焼 津 貧血か地震来たのか考える あの世には待っている人多すぎる 文学に興味ない人腹が立つ   […]
2012年3月号 虎竹抄
「自 由 吟」 森下 居久美 飯茶碗割れて止まないすきま風 掛 川 意地っ張り無言でつつくキムチ鍋 立春に仕切り直している誓い ホーホケキョ行きつ戻りつ春が来る […]
2012年2月号 虎竹抄
「祝 儀」 薮﨑 千恵子 三が日過ぎてお一人様となる 焼 津 良い祖母になるには金が要りまする 孫達の必要経費お年玉 六人の孫に追われている祝儀 &nbs […]
2012年1月号 虎竹抄
「自 由 吟」 奥宮 恒代 千鳥足帰巣本能しかと有る 森 町 エンジンが冷えた ホルモン鍋にして エリエールカジノで札に化けてみた エンディングノートは花で埋めつくす &nb […]
2011年12月号 虎竹抄
「寒 い」 長澤 アキラ どうにでもなれと財布が言っている 静 岡 旅をして無口になったブーメラン テフロンが剥げて今夜も冷奴 大道芸我家の暮し見せられる &nbs […]
2011年11月号 虎竹抄
「酒と休日」 小野 修市 休日の朝だ一杯酒を飲む 静 岡 富士の雪眺めて酒をもう一杯 昼めしはいらぬぞ酒を飲んでいる 夜となりとうとう酒が空になり &nb […]
2011年10月号 虎竹抄
「初秋に想う」 鹿野 太郎 切り替えて段々埋まり出す手帳 仙 台 いつ見ても微笑んでいる砂時計 温かいスープ記憶の隅にある 大津波芭蕉は何と詠むだろう   […]
2011年9月号 虎竹抄
「雑 詠」 寺脇 龍狂 原発は恐い株安なおこわい 浜 松 三県の位置を覚えた大地震 見て食べてゴーヤカーテン三利あり 節電はお国のためか領収書   […]
2011年7月号 虎竹抄
「雑 詠」 西垣 博司 不眠症永遠の眠りで元がとれ 静 岡 三回忌妻はおんなに返り咲き 一滴の水の化身か大津波 列島の地下でナマズの鬼ごっこ […]
2011年6月号 虎竹抄
「自 由 吟」 真理 猫子 悪口とネギをラップで巻いている 岡 崎 文部省唱歌をうたうトタン屋根 通り雨みたいなオレの給料日 ひとめぼれ うまく釣り銭渡せない & […]
2011年5月号 虎竹抄
「自 由 吟」 長澤 アキラ 刀傷癒す薬で二日酔い 静 岡 あの世からこの世に戻る午前二時 日本が今原子炉の中に居る 春なのに楽しい夢が見られない &nb […]
2011年4月号 虎竹抄
「自 由 吟」 鹿野 太郎 厳冬に風呂を頂戴する五体 仙 台 一言で蕾が落ちる事もある 金のある莟ばっかり咲く準備 雛飾り両手がとても暖かい […]
2011年3月号 虎竹抄
「自 由 吟」 森下 居久美 梯子酒妻が反旗を翻す 掛 川 私のすき間を埋める美術館 血液がさらさらになっていくシネマ 春風と一緒に絵手紙が届く &nbs […]
2011年2月号 虎竹抄
「自 由 吟」 真理 猫子 ストーブのやかん相手に語りだす 岡 崎 大失敗した時用の伊達眼鏡 こたつまで追ってきそうな雪うさぎ アクセルがかじかんでいる月 […]
2011年1月号 虎竹抄
「もういくつ寝ると」 松田 夕介 子鬼等が手を出し迫るお正月 牧の原 正月は俺もニートとなり過ごす 高く舞え今年の豊富のせた凧 大掃除億万長者への切符 &n […]
2010年12月号 虎竹抄
「光の射す方へ」 稲森 ユタカ 昼寝する布団いらずの陽の光 静 岡 栄光の架け橋となる夢を見る 月光でかすかに見えるだから良い より僕を引き立たせてる光射す &nb […]
2010年11月号 虎竹抄
「自 由 吟」 中田 尚 カーナビに秋と入れたら栗ごはん 浜 松 未来図を虹色に塗り走り切る 青春が部活部活で消えてゆく 女性から母になったら強いなあ &nbs […]
2010年10月号 虎竹抄
「妖 怪」 奥宮 恒代 一人ごと言う妖怪に返事する 森 町 飲んでいるうち妖怪の貌になる 国民と妖怪叫ぶ永田町 手鏡の妖怪ぶりにご満悦 &nb […]
2010年9月号 虎竹抄
「晩 夏」 小林 ふく子 蝉しぐれ止んでそれぞれ元の位置 袋 井 約束の重さ風鈴鳴りもせず 拾いきれない夏がキラキラ落ちている 立秋へ風が詩人になってくる &nb […]
2010年8月号 虎竹抄
「ひまわり」 濱山 哲也 母さんが小さな庭に夏を蒔く つがる 絵日記のひまわりゴッホより上手 ヒマワリも恋もやがてはうな垂れる 向日葵がおやつの種をくれて秋 […]
2010年7月号 虎竹抄
「月曜の朝の雨」 斉尾 くにこ 愛に触れ二十四時間沸くポット 鳥 取 遠巻きに花と酔ってる君を見る やみそうもない月曜の朝の雨 ひとりきりの野原ぷあっと吐いた恋 &n […]
2010年6月号 虎竹抄
「ホイサッサ」 谷口 さとみ 物陰のゴミは隠しておきましょう 伊 豆 不味いって言われなければ良しとする 手料理と言って干物を焼いて出す リセットがだんだん上手 […]
2010年5月号 虎竹抄
「恋愛白書」 栃尾 奏子 春霞軽い恋わずらいの中 大 阪 真っ白なキャンバス君を閉じ込める ときめきを優しく照らす月明かり 聞き分けた小指フォルテシ […]
2010年4月号 虎竹抄
「羽根の欠片」 長澤 アキラ 助走路に羽根の欠片が落ちている 静 岡 握力が無くてお金が掴めない ブルースの涙を知らぬ笑い声 揺れながら考えているヤジロベエ & […]
2010年3月号 虎竹抄
「冬 の 蝶」 戸田 美佐緒 初雪よ恋に出かけていく女 さいたま 冬の蝶回転ドアと戯れる ねんごろの月と太宰を語り合う 野晒しの闇を噛み噛み生きている […]
2010年2月号 虎竹抄
「自 由 吟」 真田 義子 思い切って電話しようか冬銀河 仙 台 地図にない道で見つけた冬の蝶 ケセラセラ開けてしまおう玉手箱 プライドが邪魔で転んで […]
2010年1月号 虎竹抄
「Parachute Limit」 今井 卓まる バラよりも焼鳥似合う誕生日 浜 松 妻の名を呼んで始まる休戦日 自販機に挨拶されて返す朝 落下傘 開かぬまんま終わる恋 […]