平成二十四年  二月十八日
た か ね 定 例 句 会
於 アイセル21

参加者(順不同)山田浩則、曽根田しげる
稲森ユタカ、望月弘、市川重雄、高瀬輝男
杉山光代、山本智子、滝田玲子、林二三子
勝又恭子、望月満月、渥美さと子、加藤鰹
松田夕介、佐野由利子、薮﨑千恵子、森下
居久美、長澤アキラ、畔柳晴康、中矢長仁
薗田獏沓、大塚徳子、岡村廣司、成島静枝
内山敏子、奥宮恒代、石田竹水、酒井可福
池田茂瑠、濱山哲也、毛利由美、安田豊子
川口亘、深沢ひろむ、小林ふく子、那須野
正、鈴木まつ子、杉山とんぼ、鈴木千代見
川島五貫、尾崎好子、川村洋未、西垣博司
増田信一、石上俊枝、真田義子、宮浦勝登
志、斉尾くにこ、永田のぶ男、谷口さとみ
山本野次馬、川口のぶ子、荒牧やむ茶、中
川司、森だがやん、安藤千鶴子

▽浜松の滝田玲子さんがうなぎパイを抱えて久々に参加してくれました。また金谷の山田浩則君が新年句会に続いて二度目の参加。
県大会、新年句会と全没だったようで、今回見事「初声」を聞かせてくれました。

 

席 題 「  耳  」 市川  重雄 選
内緒だよ小沢一郎大嫌い      智 子
襖越し夫の母は地獄耳       由利子
耳よりな歌ならいつも口ずさむ   しげる
耳たぶに甘い言葉が付いて来る   しげる
ふるさとの言葉が耳に心地よい   恭 子
壁に耳障子に目あり ヤダコワイ    鰹
うまい話なれば何時でも耳を貸す  輝 男
チビっ子の驚くような耳年増    二三子
耳元へ孫のおねだりそっとくる   千恵子
勝つ迄は耳には入れぬど根性    満 月
耳底に残る天使の子守歌      さと子
あれこれと当てつけをする耳障り  千恵子
耳よりな話勿体ぶってくる     千恵子
消費税聞く耳がない自民党      弘
聞く耳を置いてきぼりにする夫婦   弘
福耳と言われ年中スカンピン     鰹
耳痛い話が続く永田町       由利子
祖母の耳悪口だけは聞こえてる   二三子
耳よりな話にのった落とし穴    玲 子
全身が耳になってる好奇心     恭 子
寝たふりをして耳だけは起きている 二三子
大ぼらを耳栓をして聞いている   玲 子
福耳に負けてしまったイヤリング   弘
耳たぶに恋が揺れてるイヤリング  千恵子
酒呑むと耳傾けぬお父さん     浩 則
まだらぼけ聞き耳たてて呆けたふり 光 代
先生の話聞かない授業中      浩 則
耳に麻酔打ち説教へいざ参る    夕 介
閑な口耳を澄まして盗み聞く    しげる
耳貸したばかりに金を虫取られ   由利子
耳たぶが君を好きだと告げている  夕 介
五 客
下らない噂が好きな地獄耳     輝 男
重たさで若さを誇るイヤリング   さと子
勇み足しっかり止める耳ふたつ   アキラ
耳だけが聞き慣れている億や兆   二三子
補聴器が辛い話を聞き逃す     アキラ
人 位
真ん丸く真ん丸く聞く耳がある   アキラ
地 位
嫌なこと便利な耳で聞こえない   恭 子
天 位
耳にタコ出来ましたスミ吐いている 夕 介
軸 吟
お小言もお耳のタコが噛んで捨て  重 雄

 

 

宿 題 「ほかほか」  松田  夕介 選
露天風呂メタボ以外に無い格差   五 貫
猫も目を細めてすわる車庫の上   まつ子
一瞬はほかほかになる給料日    とんぼ
パパの布団ほかほかにして待つ帰り さと子
玉子かけご飯にもらう今日の力   居久美
ほかほかのご飯ふりかけあればいい 恭 子
受話器置くでもまだ耳はホッカホカ さとみ
ほかほかだお前の胸を焼き芋は   晴 康
貴婦人も焼き芋かかえすまし顔   光 代
旧姓でヘソクリ少し貯めてます   ふく子
ほかほかのおでんを囲む家族の和  玲 子
ほかほかのたい焼き抱いて急ぐ足  敏 子
鍋焼きの湯気の向うの食い盛り   獏 沓
かじかんだ心をほぐす鍋の湯気   五 貫
子を背負う重くもあるがほかほかと 洋 未
生きている囲炉裏囲んで旨い酒   長 仁
こんにちは枯れ野で背伸びする土筆 豊 子
カイロ貼り足は湯たんぽ腹に酒   信 一
暖かな春の陽射しに殻を脱ぐ    千恵子
湯たんぽを抱いて布団へダイビング 洋 未
足絡ませ湯たんぽ無しの冬の床   安 心
新婚がハートマークの手弁当    信 一
混浴の長湯こころも温ったまる   ひろむ
お日さまの匂い布団に癒される   居久美
ホカホカの布団恋しい雪景色    やむ茶
寝ていたいダブルベッドの寒い朝  竹 水
温み合う背なに微かな子の寝息   敏 子
ほかほかの熱燗誘う雪の夜      亘
五 客
冷めぬようほかほかの恋包み込む  千恵子
焼芋と北風の中突っ走る      アキラ
陽だまりの場所とり猫にしてやられ 博 司
産みたての春をただいま届けます  野次馬
新婚の絡んだ脚の堀炬燵      重 雄
人 位
神棚で湯気が出ている内定書     弘
地 位
冷めた恋温め直すミニ旅行      鰹
天 位
お日様を孕む布団に包まれる    由 美

 

 

宿 題 「やれやれ」 勝又 恭子 選
お弁当もやれやれ今朝のご定年   重 雄
今年またバレンタインのチョコの山 やむ茶
地雷なら足でなくとも口で踏み   アキラ
仕舞い湯で八代亜紀など口ずさむ  居久美
天国の切符持たせて旅立たせ    好 子
貯めた金勿体なくて使えない    長 仁
目も老化免許証から肩叩き     静 枝
お笑いのあほの仕種に染まる孫   千恵子
頂上はもうすぐですと札が立ち   博 司
久々に着てみたスーツピッチピチ  ユタカ
滑り止めやっと届いた桜咲く    居久美
演技かも知れないボケにまどわされ 玲 子
やれやれと肩の荷おろす年金者   のぶ子
待ち合い室やっと呼ばれた二番さん 徳 子
同居するやっぱり別居もう離婚   恒 代
過労死を免れやっと定年日     千代見
痩せすぎた脛をかじりに来るメール 野次馬
起こしてもまた寄りかかる酔っ払い 由利子
どっさりと聞かされちゃった内緒事 洋 未
撒き餌したら隣の人が先に釣り   廣 司
卒業で重荷を背負う職探し     竹 水
年金がやっと満額もらえます    安 心
一晩の霜で枯らした鉢の花     獏 沓
無事お産済んで拝んだ孫の顔    二三子
ABC該当しないただの風邪    静 枝
纏まった話にまたも水をさす    千恵子
やれやれと言いついてくる影法師  夕 介
五 客
里帰りした子がやっと腰上げる   信 一
ジッパーが危機一髪にしたトイレ   弘
バーゲンで無駄も一緒に買ってくる 玲 子
逃げ込んだ豆腐も苦の地どじょう鍋 さと子
平和な日だったな今日もカラス鳴く 夕 介
人 位
ダイエット バナナの次はトマトだと  鰹
地 位
ハイこれで終りと医者の太鼓判   博 司
天 位
相談に行き難問を持ち帰る     アキラ

 

 

宿 題「イラッとする句」 佐野由利子 選
相性の悪い選者に今日も泣く    ひろむ
核心にふれたところでコマーシャル 夕 介
洗濯機ポケットティッシュ暴れてる 千代見
完成だでも中程に編み違い     さと子
三日前に辞書ひいた字が書けれない くにこ
いらつくな挑発的にくる態度    千恵子
かわいいね顔を隠せば尚良いね  だがやん
お隣がまた宝くじ当たったよ    輝 男
夜も遅く間違い電話起こされて   光 代
セールス電話ドラマ佳境をぶった切るさと子
御招待自慢話もついてくる     洋 未
目の前で親の介護のゆずり合い   智 子
質問に答えていたら聞いてない   五 貫
古傷を幼馴染に暴かれて      重 雄
責任はとらず口出し人の倍     千恵子
父の道楽母がいらいら子に当る   しげる
言うことは聞かず文句は言う息子  千鶴子
給料の安いほうから首を切る    哲 也
遵法の若葉マークがじれったい   可 福
着いたのにメールの返事まだこない 益 代
鍵かけて出てから気付く忘れ物   益 代
陰険な世辞が長くていやになる   しげる
遠慮した残りの一つ嫁が食べ    俊 枝
不愛想つり銭までもたたきつけ   玲 子
答弁が的を外れて意味不明     のぶ男
犬のフン踏み新調の靴が泣く    ひろむ
カップルに席を取られて立つ電車  竹 水
ウインカー点けずに曲がる何様よ  俊 枝
イラッとし鏡を見ると鬼が居た   千鶴子
レジ前でおばちゃん小銭広げ出し   鰹
五 客
定期券仏頂面の運転手       玲 子
身障用に車を止める無神経     哲 也
庭先に隣のネコの置きみやげ    博 司
帰省してお客気取りで何もせぬ   長 仁
また電気つけっぱなしの同居人   恭 子
人 位
まだ支度出来てないのに飲み始め  二三子
地 位
よその人うちの可愛い孫叱る    長 仁
天 位
ブランデーグラスを歌うタコ社長   鰹

 

 

宿 題 「自由吟」 互 選(一月分)
⑩背中から親の言葉が離れない   敏 子
⑧将来の夢描く欄を追加する    長 仁
⑦湯たんぽに頼るしかない夫婦仲  よし子
⑥痴呆だと言って抜け道探してる  晴 康
⑤人間も冬眠出来りゃいいのにね  廣 司
④バラエティー眼鏡に合わぬものばかり 静 枝
④何にでも首をつっこむ好奇心   まつ子
③思春期も単語 倦怠期も単語    由 美
③三分を律儀に守るカップ麺    野次馬
②大掃除めんどくさくて家探す   さとみ
①落ち葉さえ陽当りを選る吹き溜る 豊 子
①日だまりへ冬のエクボが集ってる ふく子

 

 

宿 題 「自由吟」 互 選(二月分)
⑦五体から診察券がはがれない   博 司
⑤若い日の歌くちずさむ散歩道   由利子
⑤寝たきりへ梅一輪の春を呼ぶ   敏 子
⑤飛び立った鳥は知らないあと始末 五 貫
④あちこちへばらまいているヨッコラショ 弘
④せめて一朝母に寝釈迦を許したい さと子
④影武者が僕にも欲しい午前二時  アキラ
④財産が無いとがっちりする絆   好 子
④以下同文わたしが貰う感謝状   哲 也
④口止めの捻子がゆるんでバレちゃった しげる
④車間距離おけばまだまだ続く恋  まつ子
③のろい子を丁寧な子とほめ上手  益 代
③すっぴんで外出するな風邪引くぞ 廣 司
③断ち切れぬ思い未練のあるタバコ 二三子
③隠居して庄助さんになりました  安 心
③ホレ薬みたいで今日もいいお酒  夕 介
③息子より義理の娘に負う介護   信 一
③肉食の女でいようハイヒール   洋 未
②諭吉さん私の財布から逃げる   玲 子
②青汁だサプリメントだ酒は呑む  長 仁
②初春よこい今年は竜のしっぽ見せ 満 月
①葬儀代シコシコ貯めて棺に居る  智 子
①竜頭巻く昭和の音を腕に聴く   重 雄
①春を待ちきれず薄着になる蕾   やむ茶
①駄馬なりの暮らしも慣れて恙ない 豊 子
①将来の夢は大阪のおばちゃん   由 美
①知らぬ道迷ったあげくバスに乗る 浩 則
①老いの坂煽てに乗ってまだ登る  晴 康
①寒風にどこかで故母の声がする  のぶ男
①復興の戦闘服が輝いて      可 福
①除染完了やっと村にも春が来る  輝 男
①ダスキンと首相の首はほいほいと とんぼ
①ぐずぐずと言えば突っつく鍋料理 竹 水