平成二十四年十一月九日、NHK川柳全国大会の前日に当会顧問である高瀬輝男さんの訃報が飛び込んで来ました。享年九十歳、死因は心筋梗塞でした。心よりご冥福をお祈り致します。

輝男さんはとにかく根っから川柳が大好きな人でした。栃木生まれ、就職で上京し、そこで川柳に出会いました。川上三太郎の直弟子になり、その後転勤で来た静岡で川柳の普及に貢献しました。焼津みなと柳社を立ち上げ、静岡県川柳協会会長を務め、全日本川柳協会常任幹事も永年務めて下さいました。

とにかくフットワークが軽い人で一緒に北陸や東北に川柳大会に出かけたのが昨日のように思い出されます。たかね句会にも毎月来て下さり、先月開催された静岡県川柳大会にも元気な顔を見せて下さっていたのに、あまりにも突然の訃報に愕然としました。幾つになってもご家族にとっては大往生なんてありえないのかも知れませんが、入院することもなくまさにピンコロリの亡くなり方は幸せなのではないでしょうか。ありがとうございました輝ちゃん。安らかにお眠り下さい。 合掌。

高瀬輝男 川柳作品

生き方が上手だったか丸い石

日に三度勝たねばならぬ飯喰らう

どうあがいても無欲になどなれず

バイブルの通り生きたら夢が消え

人生劇場せめてフィナーレ飾りたい

雑魚一匹死んでも街の飯屋混む

 

 

2012年12月号