平成二十五年 一月十八日
たかね川柳会 新年句会
於 マイホテル竜宮 富士の間

 

参加者(順不同)杉山光代、曽根田しげる

西垣博司、真理猫子、奥宮恒代、森田安心

水品団石、望月弘、荒牧やむ茶、増田信一

勝又恭子、松田夕介、栃尾奏子、藤田武人

山本智子、八木益代、尾崎好子、川村洋未

佐野由利子、加藤鰹、石上俊枝、村田大志

林二三子、伊藤泰史、市川重雄、岩永圭二

新貝里々子、中野三根子、鈴木千代見、中

司、長澤アキラ、藪﨑千恵子、米山明日歌

提坂まさえ、森下居久美、安藤千鶴子、那

須野正、宮浦勝登志、谷口さとみ、川口亘

畔柳晴康、岡村廣司、中矢長仁、山田浩則

成島静枝、酒井可福、石田竹水、毛利由美

濱山哲也、鈴木まつ子、南天子、萩原まさ

川村美智代、外側としみ、永田のぶ男

山本野次馬、山本ますゑ、川口のぶ子、那

須野正明、森下居久美、渥美さと子

 

 

宿 題 「 馬 」  望月  弘 選

当て馬にされて美人に見初められ  のぶ男

孫乗せた馬が足腰医者通い     益 代

駿馬には程遠くいる年男      千恵子

長年のコンビ互いに馬が合い    まつ子

駄馬でいいサラブレットは気が疲れ 静 枝

王子様来るには来たが駄馬に乗り  まさえ

じゃじゃ馬もお好きな人がいるらしい 千代見

平和呆けサラブレッドを駄馬にする 信 一

じゃじゃ馬の手綱さばきの婿を誉め 俊 枝

神様が絵馬に見つける誤字脱字   野次馬

昭和には馬車馬だった親父の手   さと子

あばら屋で大穴ばかり狙ってる   哲 也

馬の眼が純な男をもてあそぶ    千鶴子

人参を餌に走れと言う家内     武 人

馬の耳つけて説教やり過ごし    洋 未

その昔白馬に乗ってきたタヌキ   恭 子

僕の名はシルバー妻が鞭を打つ   夕 介

箱入りの娘さらった馬の骨     博 司

官兵衛を乗せて今年もパッカパカ  安 心

廃業を決め蹄鉄をとり外す     博 司

馬の骨なんて失礼だよ馬に     夕 介

わたくしが乗って静かにさせる馬  明日歌

ヒステリー馬の尻尾をひっつかむ  由利子

野次馬の目が燃えている火事現場  勝登志

じゃじゃ馬を馴らす巧みな飴と鞭  やむ茶

じゃじゃ馬もコラーゲンなど離せない 恒 代

とうちゃんと行くのは馬の運動会  さとみ

五 客

ささやかに生きてたてがみアデランス まさえ

軍人も軍馬も痩せた終戦時     晴 康

ジャジャ馬の激しく跳ねる自民党  のぶ子

消えて行く私の海馬何処へ行く   のぶ子

馬の尻 男の尻もたたきよう     恒 代

 人 位

誇らしく種馬となる三冠馬     里々子

 地 位

老いふたり馬耳東風に円く住む   千代見

 天 位

競馬ある日は特急が止まる駅    由 美

 

 

宿 題 「  恩  」  栃尾 奏子 選

ヤツからのクーリングオフしたい恩 夕 介

押し売りはお断りしています恩   夕 介

恩情をかけずに鬼に徹します    武 人

恩人の最前列に居るユキチ     博 司

月末のユキチ一枚恩に着る     博 司

借金は返したけれど恩はまだ    廣 司

アダになる虎から借りた五千万    鰹

義理チョコの恩にむくいる好男子  としみ

恩返し元気なうちに西東      居久美

恩の海きょうも波間で生かされる  美智代

父と母胸深くいて今日を生き    まさえ

このドアを開けると鶴に戻ります  団 石

ハム送る鶴のようにはいかぬので  明日歌

百才の恩師が当てた私の名     安 心

元気そう恩師の賀状跳ねがいい   恒 代

何時か来る恩師がいないクラス会  浩 則

千冊の本ふる里へ恩がえし     恒 代

里離れ義父母に返す親の恩     益 代

群出ます恩は忘れず裏切らず    大 志

まだ会ったことない命の恩人    由 美

恩讐を越えて遙かな空の旅     のぶ子

一言の友の助言を忘れない     竹 水

お歳暮の裏にお世辞の跡がある   野次馬

五 客

恩を知る男に丸い月が出る     アキラ

師の恩をいつも視界の中に置く   千代見

生き物の命貰って生きてます    大 志

受け取った恩を今でも温める    恭 子

毎日のおはようだけで救われる   猫 子

 人 位

子の学費稼いでくれたみかんの木  俊 枝

 地 位

どん底で妻が笑っていてくれた    鰹

 天 位

恩を皆返して枯葉地に帰る     アキラ

 軸 吟

恩返しいま満開になる笑顔     奏 子

 

 

宿 題 「本  物」 加藤  鰹 選

寄せて上げる確かにこれもウソじゃない 哲 也

触れた手が本物だよというボイン  やむ茶

ネイティブの英語聞き流すしかない 由 美

本物と思ったコート チャイナ製   里々子

マネキンと思い触れば温かい    武 人

本物が消えてしまった形見分け   智 子

本物に似せたサンプル美味しそう  浩 則

カラクリタンスからホンモノのコバン  由利子

ガラスでもダイヤに見せる白い指  益 代

小粒でも負けてはいない本真珠   千恵子

面接に本物の僕何故落ちる     可 福

血統書喋らぬ犬で困らない     ますゑ

末永く本物であれ良い夫婦      亘

香水を嗅ぎ分けている妻の勘    としみ

本物の唇だから盗めない      茂 瑠

本物のあなたを吐息までつかむ   奏 子

跳ねている手帖の印教えない    智 子

本物の値でニセ物を食わされる   博 司

偽物でも満足したら本物や     圭 二

本物になったか厚い面の皮     アキラ

本物だどこを切っても同じ顔    明日歌

本物だ芸ではないぞあの涙     晴 康

本物は影にもちゃんと骨がある   明日歌

本物は風が教えてくれるもの    天 子

可愛がるだけではなくて叱る愛   千鶴子

物真似の方が本物らしくあり    由 美

ついた嘘みんなバレないから詐欺師 猫 子

一晩で喧嘩のカタをつけた奴    猫 子

バレンタインチョコに本命聞いてみる としみ

一度だけ父のびんたが物を言い   好 子

どん底で手を差しのべた真の友   俊 枝

穫り立てのドロ顔のまま朝の市   勝登志

雛壇に並ぶ本物ぶった顔      恒 代

虚偽表示グルメの舌が試される   千鶴子

この匂い間違いないね松茸だ    長 仁

値が張れば本物と見る欲の皮    勝登志

シェフの顔見てから頼むレストラン 信 一

石っころさあ本物になるチャンス  奏 子

顆粒シャカシャカああ本物に負けまする さと子

オレオレと言うから母は信じない  恭 子

イミテーション本物顔で五十年   まさえ

当選をしたら忘れる死ぬ覚悟    美智代

鑑定に出そうかもめている家宝   まさ子

楽屋から洩れたピエロの笑い声   まさえ

本物かどうかはキスじゃわからない さとみ

本物と紛う女装の銀狐       重 雄

怖いけど抱くとやさしいのが男   泰 史

微力だと初めにいっておいたのに  大 志

本物の男に男惚れている      団 石

大陽がなくても私光ります     恭 子

五 客

本物のバカだね君は憎めない    夕 介

豚に真珠ワタシ本物豚がブウ    重 雄

本物のフカヒレどれかわからない  三根子

メイドインチャイナホンモノデスホント

                 団 石

お気に入りセーター虫も好きらしい 俊 枝

人 位

夫には本物だとは言ってない    二三子

地 位

本物を食べにフランスまでちょっと 恒 代

 天 位

連れ添った愛だおむつも替えてやる  弘

 

 

席 題 「印 象 吟」 森下居久美 選

201403_kukai※おもちゃの双眼鏡を見て一句。二人の選者

に同じ句を出しても違う句を出してもOK。

しか~も、出句無制限だに。

 

 

 

 

 

 

 

覗いたらなんだ向うも覗いてた  博 司

ヌーディストビーチ望遠鏡の出番だぞ

里々子

病棟の最上階で見たキッス    団 石

覗いたらパンダになってしまう罠 恭 子

隣には新婚さんが住んでます   武 人

覗きたい君のハートが見えるなら 信 一

何てこと浮気現場を見た両目   奏 子

大陽を覗いて火傷した目玉     弘

好奇心ふつふつふつと沸いてくる 里々子

末席も双眼鏡でよく笑う     益 代

倍率をあげると人の欲が見え   博 司

異常なしレンズが写す地平線    大 志

神様に明日の見えるメガネ乞う   信 一

丸見えになると秘密も色褪せる   恭 子

妻の手に握られている手榴弾    団 石

伏兵は足元に居た石っころ     奏 子

学校のいじめがいつも見抜けない  としみ

好奇心いけないものも見てしまう  千代見

落葉たきおや焼芋がおいしそう   恒 代

大道芸これなら手先まで見える   二三子

天国の扉はどこにありますか    としみ

ダム湖から故郷の屋根見え隠れ   武 人

すぐそこに見えるあなたが遠すぎる 博 司

双眼鏡じっと見据えるオスプレイ  泰 史

集点を美人に合わす旦那様     智 子

手を振る子双眼鏡の中で跳び    洋 未

トンネルを抜ければ違う市民税   由利子

ふる里を見たくて双眼鏡を買う   博 司

真実がピント合わせて見えてくる  千代見

寝たきりの窓から覗く白い雲    由利子

五 客

双眼鏡あの世も見える新時代    益 代

新成人明日の光が見えるかい     鰹

夢ばかり追うからはまる水たまり  恭 子

少年の未来みつめる遠眼鏡     奏 子

開花する春の予感を待っている   としみ

人 位

人は風 双眼鏡が欠かせない     明日歌

地 位

遠くばかり探してました青い鳥   奏 子

 天 位

満天に探し求める母の星      由利子

 

 

席 題 「印 象 吟」 水品 団石 選

釣り舟が見えてましたか自衛艦   武 人

露天風呂覗く緊張感に酔う      弘

よく見ると案外いけてます私    恭 子

あら探し双眼鏡で嫁をみる     千恵子

見張るのはとても大好きだからです 奏 子

湯煙の向こうに見えるパラダイス  やむ茶

貴方には知られたくない過去がある 居久美

見る限り健康そうなツイッター   としみ

見ては嫌仮面がばれてしまうから  千恵子

バレンタインチョコのばらまきしているな としみ

ヌーディストビーチ望遠鏡の出番だぞ 里々子

じっくりと富士を肴の雪見酒    重 雄

見とどける涙が乾くところまで   明日歌

お隣りをオペラグラスで覗きみる  千恵子

覗きたくないけど見たい妻の胸   信 一

覗きたい君のハートが見えるなら  信 一

夢ばかり追うからはまる水たまり  恭 子

駅伝で活躍の孫追っている     二三子

伏兵は足元に居た石っころ     奏 子

遠くばかり探してました青い鳥   奏 子

見てますよそれでもあなた捨てますか 奏 子

永遠の0双眼鏡で泣きました    安 心

ほろ酔いで覗いた妻は美人だな   俊 枝

窓開けて朝の生れるところ見る   由利子

のぞいてよ私の思いよく見てね   洋 未

覗いても今しか見えぬ二人です   明日歌

すぐそこにある幸せに気付かない   弘

昭和史を覗くと飢餓がコロリ出る   弘

隣には新婚さんが住んでます    武 人

五 客

まっすぐな愛へ答えが見つからぬ  居久美

逃げ去った男の背中見とどける   明日歌

原発に頼らぬ未来見えますか    居久美

校門の前に不審者うちのじい    恒 代

秘密見た日から無口になる少女   里々子

 人 位

二本揃うと覗きたくなるちくわ   千代見

地 位

富士山を僕の机に呼びよせる    洋 未

天 位

モナリザのひげを探しに行ったきり としみ