平成二十五年 五月十七日
たかね川柳会 定例句会
於 アイセル静岡
参加者(順不同)曽根田しげる、岡村けん
滝田玲子、松田夕介、山田浩則、石上俊枝
望月弘、荒牧やむ茶、勝又恭子、増田信一
市川重雄、渥美さと子、加藤鰹、尾崎好子
池田茂瑠、川村洋未、八木益代、杉山光代
石田竹水、林二三子、長澤アキラ、川口亘
中野三根子、南天子、成島静枝、川島五貫
奥宮恒代、内山敏子、西垣博司、森田安心
酒井可福、毛利由美、濱山哲也、安田豊子
藪﨑千恵子、佐野由利子、永田のぶ男、中
司、小林ふく子、外側としみ、鈴木まつ子
畔柳晴康、真田義子、岡村廣司、中矢長仁
鹿野太郎、山本ますゑ、鈴木千代見、森下
居久美、川口のぶ子
席 題 「 半 」 薮﨑千恵子 選
半分に値切る浪花のど根性 玲 子
兄ちゃんにいつも負けてた半分っこ 弘
朝寝坊すると半日すぐ終わる 恭 子
半年に一度のハワイいいもんだ のぶ男
半分で我慢をしても太る腹 信 一
半日は布団の中の日曜日 浩 則
今はなし半鐘の音懐かしむ 重 雄
半額の値札を狙う主婦に負け 浩 則
見栄っ張りうそ半分で生きている 三根子
半値待ち今夜のメニューにらめっこ 俊 枝
半額になるのを待って買いそびれ 益 代
半人前うだつ上がらぬやさ男 玲 子
うそ半分まるめ込まれたお人好し 玲 子
半人足食欲だけは人二倍 のぶ男
上半身脱げばすごいぞボディービル 由利子
半分がなんでもちょうど良いくらし 三根子
何事も半人前と楽を取り 光 代
男だね半人前が見栄を張る 洋 未
半日は遊んで暮らす老いの日々 益 代
幸せは半ばぐらいで良しとする 信 一
別腹のすし半額へ時間待ち 好 子
ドン底の暮し半分礼を言う アキラ
たっぷりと墨で半紙に一と書く 由利子
人生は中途半端の連続さ 信 一
捨てられぬ中途半端な糸の箱 智 子
半端物超々安値無駄を買い 好 子
半額セール飛びつき買った無駄な物 二三子
半ごろし何だおはぎの事ですか 鰹
半額に群がる主婦は鮫のよう 鰹
半券を無くし帰りは歩く羽目 二三子
五 客
半熟がクールビズから顔を出す のぶ男
半分は俺の血だった美人の児 弘
半分は気の持ちようで効く薬 恭 子
半過通知った振りしたいいかげん のぶ男
半開の衿からチラリ色っぽい 三根子
人 位
体重を半分あげる千恵子さん 由利子
地 位
半眼で見ればまだまだいい女 鰹
天 位
そうとうつ心の窓は半開き アキラ
宿 題 「抜 け る」 市川 重雄 選
クラス会一人二人と抜けはじめ 二三子
困難を切り抜けてきたのは絆 義 子
またひとつ昭和が抜けたアーケード 哲 也
抜け殻も光った時期はあったはず ふく子
雨検知し易くなった頭なで 可 福
生き抜いた寡婦の背中に自負がある 博 司
脳みその隅で脱落する記憶 弘
歯が抜ける毛と腰が抜け増える愚痴 俊 枝
旗色を見ていち抜けた小判鮫 鰹
脱皮してまた脱皮してひとになる アキラ
筒抜けになって話がまたこじれ 千恵子
抜けた穴埋められぬまま生きてみる 信 一
すん抜ける固い契りが水の泡 のぶ男
昭和史を生き抜いた自負持って老い 廣 司
気を抜いた途端に亀に追い越され やむ茶
君が好き一寸抜けてる人だから 博 司
抜けるのを待って痛みの止まるトゲ 亘
無理出来ぬ米寿の爺は場を抜ける 晴 康
抜け道か地元ナンバーマークする 静 枝
責任が抜けて気ままな自由席 敏 子
気が抜けず廻り見回すなまけ者 のぶ子
痩せたけど指輪どっしり居座りて 光 代
抜いたって抜いても生える草に負け 光 代
突き抜ける青空夏の声がする 夕 介
おしゃべりの空気が抜けて弾まない 益 代
わたくしの抜けた穴です針の穴 恭 子
ひとり抜けふたり抜けてく三次会 弘
気を抜いて人生少し楽に生き 三根子
二次会で噂のふたりドロロンパ 鰹
母さんの天然かなり抜けている 二三子
抜擢をされて強まる風当り 由利子
一抜けのずるい私は悪女です 天 子
飲みかけのコーラ他人の味になる 俊 枝
五 客
乾杯の挨拶泡が消えるまで 長 仁
長男の同居の話トゲを抜く 千代見
披露宴抜けて親父のカップ酒 哲 也
園児の口筒抜けになる夫婦仲 千代見
草を抜く哀しい寡婦の白い指 茂 瑠
人 位
残業の疲れも消える子の寝顔 太 郎
地 位
気の抜けたビール終わった片想い 夕 介
天 位
歯が抜けた様に娘の巣立ち後 さと子
軸 吟
抜作の生地は浮世の処世術 重 雄
宿 題 「余 裕」 長澤アキラ 選
余裕だねだと言われても余裕なし け ん
ケーキなら別腹出して平らげる 竹 水
固いこと言わず支払う消費税 静 枝
ゴム入りでウエスト甘やかす余裕 ますゑ
据え膳で金庫番して楽隠居 俊 枝
乾パンも水も備えたドンと来い 博 司
悠々と構え男の仁王立ち まつ子
年金を繰り下げ貰うお金持ち 信 一
ローン終了もう稼がんでいい夜明け 五 貫
やる事を忘れてしまう気の余裕 のぶ子
あるがまま見せる余裕に友が増え 由利子
ライバルを庇う心にある余裕 由利子
余裕あるときは下がっている目尻 恒 代
休み明け余裕どころか疲れ果て 光 代
余裕ない暮らし強気で生きている 豊 子
一呼吸置いて拳の行方待つ 重 雄
余裕など無いがお腹は出ています 鰹
他人よりもデカい器を持っている やむ茶
五 客
余裕ある母はいつでも太っ腹 三根子
K点を十七才が超えていく 弘
年金に余裕はないが暇はある 千代見
パトカーの後をゆっくりついていく 弘
ヒットアンドアウェイと笑う蚊の野郎
夕 介
人 位
余裕あとわずかしかないエルサイズ 恭 子
地 位
余裕などあるはずないわ初体験 三根子
天 位
へっちゃらな顔でサウナにいる不思議 夕 介
宿 題 「さ、つ、き」(折り句) 加藤 鰹 選
サンダルをつっかけと呼ぶ気は軽い 静 枝
最終回続きあるよう期待させ 由 美
さまよって遂に見つけたキーワード 哲 也
さよならはつらいね明日はきっと来る としみ
さあ呑もうつまらぬ愚痴も聞きましょう 千代見
才嬢のつんとした鼻気に食わず 千恵子
三回もついているとは気味悪い 恭 子
酒を飲むついでにホラを決めまくる アキラ
桜散りツツジが咲いて君はバラ 俊 枝
最婚の妻の噂が気に掛かる 由利子
サービスにつられて僕も客になる 弘
さりげなくつかず離れず気を使う 益 代
裂き烏賊をつまみに飲んで聞く惚気 信 一
サヨナラがつっかえている君の前 夕 介
最愛の妻だと褒めりゃ機嫌良い 竹 水
最愛の妻にいつものキスの雨 さと子
逆らった妻はとうとう切れちゃった 浩 則
最愛の妻だからこそ気にもする 光 代
魚屋がつまみ食いして切り始め しげる
逆らわずついて行きます君の後 博 司
裁判が躓く程にきな臭い のぶ男
最強だ粒が揃って気がきいて 洋 未
錆び付いた爪が残した傷の跡 洋 未
淋しいな積立利子は切手代 智 子
咲きそうな蕾寒さで今日もまだ 二三子
最後迄ついて行こうと決めてある 益 代
さらさらのつややかな髪 絹の様 三根子
さまよって捕まえたのは君の愛 夕 介
さりげなく妻になってと決めに出る 信 一
最後までつらぬくつもりキリギリス 恭 子
五 客
三連休釣った魚は金目鯛 安 心
酒飲みのつまらぬ愚痴は聞いてねえ 好 子
さあスカイツリーに行こう今日は晴れ やむ茶
然りげ無く突っ込み入れる聞き上手 アキラ
酒飲みの妻でいながら気が利かぬ 二三子
人 位
歳月は積み木一昨日昨日今日 哲 也
地 位
ささやかなつまみだなんてキャビアじゃん 恒 代
天 位
最下位の通信簿出た桐の箱 智 子
宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑦真ん中で敵も味方も良く見える 由利子
⑥増税が僕のフトコロにも飛び火 やむ茶
⑥残り火が燃えてきそうな茜雲 まつ子
⑥冗談を笑ってくれる君が好き 静 枝
⑥花言葉信じ一輪差しておく 博 司
⑥三面記事で今ハラワタを煮ています さと子
⑤新婚の洗濯物が手をつなぐ 洋 未
⑤レシートに無駄遣いだと指摘され ふく子
⑤遠回りしてライバルをそっと抜く 義 子
⑤挨拶の代わり太ったねと言われ 夕 介
⑤今でなきゃ後でしようはもう忘れ 二三子
④決めかねて逢いたくなって墓参り 益 代
④宇宙から見れば一つの星なのに 鰹
④切り張りの自分史見事出来上がり よし子
③ささやかな幸を拡大するメガネ ますゑ
③母の日に添えた手紙に母涙 可 福
③里の川鯉の大群空翔る 光 代
③この浮世不満を言えばきりがない のぶ男
③児の笑顔感情線を静ませる 千恵子
③寄り添って笑顔の温みさし上げる アキラ
③その先をほくそ笑んでる障子の目 豊 子
③泥舟を一つ沈めて愛終る 茂 瑠
③たかね誌で日本を泳ぐ回遊魚 弘
③消費税上げる智恵しか無い政治 廣 司
②息子から俺よ俺よと言って来る 長 仁
②父からの手紙の文字にある涙 野次馬
②そうじゃない受けた恩こそ倍返し 五 貫
②午前様三つ指で待つ山の神 玲 子
②陽が落ちて帰宅か暖簾迷わせる 晴 康
②スミマセンそれで反省したつもり 竹 水
②五月雨にのそりのそりとかたつむり のぶ子
②暗闇の寝かせ上手な天文台 智 子
②何故生きるなぜナゼ何故で日が暮れる 信 一
②お見舞いの言葉に愛をたっぷりと 千代見
②前向きに生きて感謝の雨の朝 太 郎
②近頃は病院のダブルヘッダー 由 美