令和四年 十一月

たかね川柳会 定

於 アイセル21

(参加者(順不同、敬称略)

本山千代子、真理猫子、小林ふく子、澁谷さくら、川島五貫、石田竹水、山田浩則、成島静枝、竹島典子、真田義子、佐野由利子、山口忠一、渥美さと子、山本智子、川村洋未、八木益代、森田安心、真島美智子、真島久美子、石川柳寿、竹島典子、林二三子、山田勝笑、外側としみ、澤崎ひらめ、増田信一、中野三根子、竹平安則、安居民樹、窪田里、山本勝治、、荒牧やむ茶、望月弘、奥山京、外園ピアノ、松田夕介、

 

 席 題 「風」     外園 ピアノ 選

風を読み流れも見てる評論家      柳 寿

秋風にタンポポ飛んで新開地       里

北風が年中吹いてウクライナ       京

チューリップ植えろと急かす北の風   さと子

逆風に向かう青春広い胸        勝 治

風の中コロナ混じって増えてくる    浩 則

北からの風の止む日よウクライナ    柳 寿

風あたり強くてファイト力こぶ     三根子

ゆったりと山から秋を連れてきた    ひらめ

追風がバタリ止って引きこもり     勝 治

一号の木枯らし吹けば冬支度      浩 則

この風でまた大掃除やり直し      浩 則

スカートを遊んでくれるからっ風     京

満点がホラ風切って駆けてくる     由利子

大根干しへ北風小僧の腕まくり     さと子

風に乗りうまい話がやってきて     洋 未

待ってるよ平和の風が吹く事を     洋 未

世界中逆風ばかり地の果ても       京

今日もまた僕のサイフが風に舞う    洋 未

寅さんも今日もきままな風まかせ    三根子

カサカサと風が代わりに歌い出す    ひらめ

風流な琴の音聞いて茶を啜る      千代子

いま余生風の吹くまま一人旅      由利子

秋風が早くも吹いた市長選        京

油絵にしたい小春日行くヨット     さと子

五 客

パワハラに屈せず訴訟風おこし     千代子

今日の風きままに吹いて道迷う     ミチコ

舞い上がる風よ憂いも乗せてくれ    ひらめ

セクハラに泣き寝入りせず起こす風   千代子

世の風が大臣の首吹き飛ばし      千代子

人 位

デフレ風民の財布を空にする      勝 治

地 位

向かい風受けて勇んで凧は翔ぶ     柳 寿

天 位

向かい風背負って歩く人生だ      三根子

軸 吟

逆らっても詮無いことよ風まかせ    ピアノ

 

 宿 題 「秘密」      奥山 京 選

懐が狭くて秘密顔を出す        勝 笑

形見分けタンスの底にある秘密     安 則

秘密基地君と僕との出合いの場     ふく子

深夜二時彼のスマホにつく指紋     久美子

構造が兄のと似てる秘密基地      猫 子

好きになるなればなるほど抱く秘密   五 貫

引き出しの中で秘密が落ち着かぬ    由利子

私にも墓まで抱いていく秘密      静 枝

ひそひそと母さんと子の親頼度     さと子

内緒よと言った秘密がもう走る     ピアノ

もう忘れ何が秘密か言はれても      里

どうなるのモリカケサクラ密のまま   典 子

隠すから噂となって駆け巡る       弘

呑み込んだ秘密胃もたれ起こしそう   やむ茶

共犯になって秘密が一つ増え      としみ

指切りへ子との秘め事守る母      千代子

親も子も秘密沢山持ち歩く       安 心

いつの日か笑い話で打ち明ける     智 子

秘め事を言ってしまった酒の量     由利子

暴露され辞任ドミノの議員たち     ミチコ

こっそりと星に届けたラブレター    ミチコ

アルバムに秘密いっぱい貼ってある   勝 治

小心者嘘と秘密で武装する       柳 寿

青春の秘密そのまま老い夫婦      竹 水

極秘だと言えば秘密がすぐ洩れる     薫

五 客

我が秘密浜の茶籠で泣いていた     安 心

耳許へママにナイショと孫の唾     静 枝

秘密とは拡散したくなるらしい     さくら

秘密だよみんな知ってたこの秘密    三根子

路地裏の店が私の秘密基地       三根子

人 位

つまんない金も秘密もない男      信 一

地 位

落とし穴だけは秘密にしておこう    浩 則

天 位

糠床の中で発酵する秘密        やむ茶

軸 吟

結婚で一つ秘密が出来ました       京

 

 宿 題 「揺れる」    八木 益代 選

耳にしたうわさ話に揺れている     三根子

揺れるバス舟を漕いだハネムーン    忠 一

体調の機嫌次第のやるやめる      さと子

恋だからずっと私は未完成       久美子

一斉に揺れてコスモス平和主義     美智子

独裁へ地球を揺らす核兵器       としみ

逢えばまた揺らぐあきうめきれぬ恋   民 樹

円安で貧乏揺すり加速する       ひらめ

肉食か草食系か揺れている       勝 笑

決めたけどまだ迷ってるどうしよう   三根子

念押しをされるとなぜか揺れはじめ    薫

いい気持ち揺れる電車で一眠り     洋 未

揺れているこころが集う保健室      弘

政権に激震走る辞任劇         千代子

平和へと世界の旗が揺れている     ピアノ

国葬の余韻の揺れが止まらない     ピアノ

朝の経亡父の吐息か灯が揺れる     民 樹

県と市が揺れに揺れた十五号       京

サヨナラの涙に揺らぐ背を向ける    静 枝

父が押す子供ブランコ手にスマホ     里

ミサイルを撃つから揺れが止まぬ国   五 貫

旅のバス睡魔が襲う帰り道       ミチコ

ウクライナ第九条が揺れている     信 一

テレショップ限定品に心揺れ      安 則

呑み込めぬ話しに揺れている心     竹 水

五 客

老いらくの上下左右に揺れる恋     ミチコ

テロップの震度体感言い当てる     静 枝

コスモスを手折る小さな勇気など    久美子

不覚にも妻子ある身で一目惚れ     千代子

揺るぎない母の背中が子の見本     さと子

人 位

老舗の灯時代の風に揺れ燃える     ふく子

地 位

秋深し揺れる稲穂が嬉しそう       京

天 位

紛争に地球の揺れが止まらない     由利子

軸 吟

正札と財布で揺れるお買物       益 代

 

 宿 題 「ドラマ」   佐野 由利子 選

太陽にほえろに似合うブランデー    猫 子

老舗にもドラマを起こす三代目     竹 水

この街のドラマを見てる昼の月      弘

はまってる韓流ドラマが奪う家事    さと子

朝ドラを見ないと今日が動かない    勝 笑

もうなにもする気はないわドラマロス  としみ

ママ仕事ドタバタ劇の主人公      智 子

生きるって優劣つかぬ泥仕合      勝 治

ヒロインに成り切っている妻の顔    勝 笑

人生もドラマ仕立で生きてみる      里

ヒロインになったつもりのメロドラマ  ミチコ

主題歌がドラマの芯を持ち上げる    ひらめ

神様もドラマチックがお気に入り    柳 寿

自慢話ドラマチックに少し盛る     柳 寿

毎日がドラマのような三世帯      益 代

毎日がドラマみたいに過ぎて行く    浩 則

印籠を出す時間にはお茶が出る     ひらめ

もういない人のドラマと秋の虫     五 貫

現実はドラマ以上になる修羅場     信 一

現実かドラマか仏様に問う       美智子

名ドラマ喜怒哀楽で共白髪       民 樹

始まりはここよ九回裏からよ       京

絶好調きっとフィクションなんだろう  やむ茶

独り居の日課ドラマとご相談       薫

平凡なドラマ僕には丁度いい      やむ茶

朝ドラを観てさあヨシと腰上げる    典 子

五 客

本当のドラマの様な恋をする      三根子

一本の傘がドラマのはじまりに      薫

実話こそ数奇なドラマ秘めている    静 枝

雨傘がドラマを創る降り始め      五 貫

手に汗のドラマの様な好試合      さと子

人 位

胸のすくチャンバラ劇で憂さ晴らし   千代子

地 位

人は皆ドラマの中で深呼吸       美智子

天 位

侵略のドラマ一人の狂気から      ピアノ