令和四年 一月

たかね川柳会 定

於 アイセル21

(参加者(順不同、敬称略)

柴本ミチコ、本山千代子、真理猫子、小林ふく子、澁谷さくら、川島五貫、石田竹水、山田浩則、成島静枝、竹島典子、真田義子、佐野由利子、山口忠一、渥美さと子、山本智子、川村洋未、八木益代、森田安心、真島美智子、真島久美子、石川柳寿、竹島典子、林二三子、山田勝笑、外側としみ、澤崎ひらめ、増田信一、中野三根子、竹平安則、安居民樹、窪田里、山本勝治、、荒牧やむ茶、望月弘、奥山京、外園ピアノ、松田夕介、

 席 題「スポンジ」    澤崎 ひらめ 選 

三色のスポンジ並べ春に向け      浩 則

スポンジを見習えと言う僕の脳     洋 未

子供らの頭ソフトでよく呼吸      典 子

裏を見て表を流す皿洗い         京

スポンジの吸い上げなくす記憶力    勝 治

ボロボロのスポンジまるで僕みたい   やむ茶

失敗のコップの水へ助け舟       さと子

心身にスポンジ欲しい老いとなる     京

干からびてしまったスポンジがオイラ  夕 介

何にでも変化スポンジ得意技      信 一

座布団の綿に変わって尻を受け      京

何事もスポンジの様吸収し       ミチコ

夫婦喧嘩スポンジボール握りしめ    勝 治

海綿が滑るお札を勘定す         京

亀の子もヘチマも消えた流し台      京

スポンジに八つ当たりする皿洗い    やむ茶

スポンジで性格知れる台所        京

洗い物夫専用スポンジも        三根子

スポンジの上でお相撲俺の勝ち     浩 則

切られても蹴られたっても耐え忍ぶ   信 一

スポンジが石に変化をする令和     信 一

何にでも対応します無の境地      信 一

本望かボロボロのスポンジが逝く    夕 介

スポンジが隙間を埋めている政治    信 一

スポンジであなたの脳を洗いたい    ミチコ

五 客

スポンジにぶつけ怪我する初夢で    勝 治

干からびたスポンジになる僕の恋    洋 未

叩いても平気だサンドバッグです    信 一

直球を軽くスポンジ受け笑う      信 一

スポンジと同じ変化をする夫      信 一

人 位

こんなにも智恵を含むか成長期     さと子

地 位

スポンジが待っているからハイジャンプ さと子

天 位

しぼられてしぼられてまだ笑うのさ   夕 介

軸 吟

吸い取った熱大丈夫ギュッと出す    ひらめ

 

 宿 題「酒」        増田 信一 選 

酔うほどに元気が出る日落ち込む日   五 貫

祝い酒旅立ち近い春の午後       洋 未

酒の力借りると猫が虎になる      さと子

ロゼワインなんでもない日ありがとう  三根子

胃袋の底に火が点く酒の味       ふく子

立ち飲みの酒に情けが染みてくる    由利子

料理酒は一級晩酌は二級        猫 子

酒蔵の座敷童子になった下戸      猫 子

ぬくぬくと炬燵の酒は冷やもよし    竹 水

寝正月だから寝酒に目覚め酒      竹 水

下戸だけど酒まんじゅうはだあいすき  益 代

熱燗のつまみは君のぬか漬けで     洋 未

七回忌父の墓前にワンカップ      勝 笑

赤ワインポリフェノールが味方です   勝 笑

おらが村チャンチキおけさ戻らない    弘

主亡き酒器は水入れ御仏壇       智 子

日本酒もワインも下戸の調味料     智 子

二日酔い酒はやめたとひとり言     ミチコ

果実酒のコクが歴史を語りだす     ひらめ

酒肴スルメも良いが歯がたたず      里

むっつり屋酒が入るとよくしゃべる   安 心

一缶のビール分け合う老二人      三根子

ワンカップ持ち父親の墓参り      由利子

家で飲む地酒で旅を思い出す      益 代

晩酌へ父がだんだん溶けかかる     ふく子

五 客

女房に握られている休肝日        弘

梯子して何を探そう千鳥足       さと子

発泡酒誰と飲むかで高級酒       五 貫

酌をする今だけちょっと良い女房    典 子

口当たりよいカクテルの落とし穴    としみ

人 位

強がりの寂しがり屋がひとり酒     柳 寿

地 位

かりそめの世に仏壇のワンカップ    久美子

天 位

酒に酔いおんなに酔って我に酔う    柳 寿

軸 吟

百薬の長とほざいて二日酔い      信 一

 

 宿 題「日の出」     荒巻 やむ茶 選 

初日の出平和を願う親子連れ      洋 未

初日の出飛行機雲が先導し       忠 一

初日の出昔浜辺で今ベッド       安 心

初日の出逆立ちをして見る宇宙     信 一

お月さん夜勤おつかれさん日の出    猫 子

ばあちゃんがしていたように手を合わす 久美子

乗り込んだ始発電車で見る日の出    洋 未

いっせいにばんざい上がる初日の出   益 代

綿雲のふとんに潜る初日の出      猫 子

日の出待つ時が一番寒い時       浩 則

初日の出頭を拝む景勝地         京

助手席の妹眠る初日の出        久美子

船乗りになった気分の初日の出     浩 則

安上がり賽銭いらぬ初日の出       京

朝の冷え五体に凍みて見る日の出    ふく子

初日の出寝坊助たちも手を合わす    典 子

神々が宿る後光の初日の出       竹 水

日の出から夕日へ父の畑仕事       弘

合掌の十指に日の出来て止まる     ふく子

スマホには映える日の出が鎮座して   忠 一

万歳と叫ぶ隣で拝む朝         ひらめ

初日の出今年もあるよ願い事       里

富士からの日の出一度は拝みたい    さくら

いい年にしよう日の出を浴びながら   美智子

停戦を世界が祈る初日の出       ピアノ

五 客

別ものだ富士山頂で見た日の出     勝 笑

初日の出テレビで拝みよしとする    勝 笑

静岡のサッカー界の日の出待つ     としみ

日の出から何もしないで日が暮れる   信 一

究極の日の出だ夢が叶いそう      さと子

人 位

底知れぬ力を持った日が昇る       弘

地 位

ちっぽけな決意日の出に笑われる    由利子

天 位

日は昇る性善説を疑わず        美智子

軸 吟

サプライズなのかハートの初日の出   やむ茶

 

 宿 題「お節の中身で」   松田 夕介 選 

かまぼこの紅白嬉しお正月       洋 未

貧乏性最後に残す蟹イクラ       信 一

先に海老食べてさびしくなるお節    五 貫

昔からお節きんとん玉子から      五 貫

初恋は栗きんとんに負けました      弘

宅配で豪華なお節寝正月        信 一

物価高騰エビも思わず反り返る     としみ

金運を呼ぶきんとんの黄金色      としみ

きんとんを多めに詰めて福を呼ぶ    ミチコ

レンコンが入ってないよどうしよう   勝 笑

いけ好かんロシアの蟹を喰っている   やむ茶

田作りの目は合わせずに噛みしめる   ひらめ

海原の友と並んだ昆布じめ       竹 水

鯛ブリをゴマメで済ます重ね重      勝 治

里いもがあればごきげん父の味     三根子

たつくりの存在感に負けました     猫 子

甘すぎる栗きんとんのような声     猫 子

黒豆が苦手な父の武勇伝        久美子

背を正し由来聞きつつ囲む節      ひらめ

黒豆のふっくら母を思い出す      さくら

節料理日本産はどれとどれ       由利子

不況風鮑数の子ないお節        由利子

ありがとの言葉を芯に昆布巻き     ピアノ

田作りと昆布巻だけが残る重      典 子

だて巻きと栗金とんは大人気      浩 則

五 客

三日目のお節チンしている独り     美智子

海老だしの母の雑煮を乞う八十路    ピアノ

値札まで元気にはねるエビ風味     智 子

四日目のおせちは皆な悄気ている    ふく子

おせちより孫が手を出すハンバーグ   忠 一

人 位

物価高おせちの顔も遠慮がち      ふく子

地 位

僕んちのお節を見たら驚くぞ      やむ茶

天 位

千円の蒲鉾を買う手が震え       久美子