令 和 五 年  五 月

たかね川柳会 定

於 アイセル21

(参加者(順不同、敬称略)

柴本ミチコ、本山千代子、真理猫子、小林ふく子、澁谷さくら、川島五貫、石田竹水、山田浩則、成島静枝、竹島典子、真田義子、佐野由利子、山口忠一、渥美さと子、山本智子、川村洋未、八木益代、森田安心、真島美智子、真島久美子、石川柳寿、竹島典子、山田勝笑、外側としみ、澤崎ひらめ、増田信一、中野三根子、安居民樹、窪田里、山本勝治、、荒牧やむ茶、奥山京、外園ピアノ、

宿 題 「ポタポタ」    山田 浩則 選

ポタポタと悪意がもれるバイトテロ    としみ

初デート傘もささずに濡れる路地     千代子

夢ごこちポタポタポタがこもり歌      里

近づけぬデブリポタポタ日が暮れる     京

ポタポタと流す涙は妻の技        安 心

水道の検針声を置いてゆき        静 枝

垂れる程美容液つけ期待する       勝 笑

西日射す汗がポタポタ四畳半       ピアノ

ポタポタと不安をもらす汚染水      としみ

ヨロポタを花柄の杖元気づけ       静 枝

雨宿りをしだした恋が冷えてゆく     さくら

ポタポタと女泣かせた別れ歌       安 心

鼻水がポタポタ落ちる花粉症       竹 水

君知るや笑顔の裏のこの涙        柳 寿

蛇口からポタポタ聞こえ眠れない     益 代

点滴を見つめたままで皆無口       益 代

洗面器雨打つ音はシンフォニー       里

点滴の雫へ祈る夜の床           薫

締まらない蛇口のように漏れる愚痴    典 子

ポタポタと汗もやさしいボランティア   ふく子

ママ見ればピタッと止まる泣きじゃくり  智 子

あの人がまたひとつの為流す汗      五 貫

ヨーグルトいつもポタポタなぜ落ちる   三根子

ポタポタと椿の花の別れ際        ミチコ

泣き落とし膝にポタポタ断れぬ      五 貫

五 客

自分でも汗か涙がわからない       美智子

ポタポタとメソポタミアになっている   久美子

ポタポタのうちに駆け出す登山靴     美智子

雨もりで家中バケツ洗面器        三根子

あこがれの古民家暮らし雨が漏る     勝 笑

人 位

天井の染みが血液だとしても       久美子

地 位

ポタポタと新茶最後の一滴も        薫

天 位

ソフトクリーム夏の暑さに負けました   柳 寿

軸 吟

梅雨晴れ間ポタポタしてる二日間     浩 則

 宿 題 「逆上がり」    渥美 さと子 選

やったねと夕日が誉める逆上がり     由利子

国会にさせてみたいな逆上がり      猫 子

できるまで何度やったか逆上がり     猫 子

外人で尻上がりする観光地        竹 水

逆上がりきっとあの人軽業師        里

逆上がり初めて出来た日の高さ      五 貫

逆上がりもったいなくて降りられぬ    典 子

逆上がり出来て夕陽に拍手され       薫

廃校に集いみんなで逆上がり       ピアノ

逆上がり父が背を押し汗も出し      ふく子

逆上がり出来た子供の得意顔       ミチコ

逆上がり出来て宇宙を一人占め      ふく子

逆上がり初めてできた日の景色      さくら

新しい扉を開く逆上がり         としみ

公園の鉄棒日課に逆上がり        静 枝

逆上がり出来た日恋が実った日      柳 寿

保母さんが手助け出来た逆上がり     竹 水

出来ました地球もまわる逆上がり     忠 一

できるまで見守る友の逆上がり      さくら

反転の夕日スカート翻し         久美子

逆上がり体の重みが邪魔をする      ミチコ

逆上がり出来ず地団駄踏むパーク     千代子

逆上がり挑んで出来た日の夕焼け     千代子

逆上がりまだ母さんは帰らない      美智子

逆上がりして敵陣をはぐらかす      民 樹

逆上がり出来たね風が撫でていく     典 子

逆上がりスイスイできる夢の中      三根子

できたーと叫んだ空が宙返り       勝 笑

五 客

逆上がり宇宙遊泳する気分        信 一

逆上がり内緒を一つ持っている       京

逆上がりぐるり回って見る昭和      信 一

逆上がり出来ないままに五時の鐘     柳 寿

ナマケモノだって出来てる逆上がり     京

人 位

人並みになった自信の逆上がり      ピアノ

地 位

ライバルに先を越された逆上がり     民 樹

天 位

逆上がり空全体が僕のもの         薫

軸 吟

そのコツを空と学んだ逆上がり      さと子

 宿 題 「石ころ」    佐野 由利子 選

石焼き芋学校帰りを思い出す       益 代

石ころが雨のシャワーを待っている    猫 子

石ころと呼ばれた頃の青い空       安 心

石ころのままでたまるか立ち上がる    ピアノ

体内の医師に悶絶してばかり       久美子

石ころも五センチあれば武器になる    柳 寿

大都会石ころだって貴重品        勝 笑

三角ベースあそこの石が一塁で      柳 寿

蹴飛ばされ反撃もする石っころ      竹 水

長旅をして石ころは丸くなり        薫

石ころの一人言またぱあがいた      洋 未

石ころも金剛石になりました       安 心

ポケットに石ころひとつ宝物       三根子

石ころに猫の絵を書きアート展      三根子

がんとして心を閉ざす石あたま       里

結石に栄養取られ玉子大         智 子

ご利益があると言ったがただの石     浩 則

石ころの反撃爪が割れました       美智子

学ばねば石ころ達はほぼ丸い       五 貫

石ころが宇宙の神秘語り出す       としみ

石ころを投げた自分に降る火の粉     ミチコ

ちっぽけな石ころに足すくわれる     さくら

石ころゴロゴロ磊磊な人稀        勝 治

石ころになる岩へと愛のひと雫      ふく子

石ころを蹴飛ばしてみて知る痛み     ミチコ

石ころを蹴ってよろけて汗かいて     典 子

五 客

過疎の村小石の波紋村中に        忠 一

さざれ石じっと見てると語り出す      里

石ころに名前を付ける観光地       浩 則

石ころに教わりました老いのほど     さと子

蹴飛ばした小石帰りに蹴躓き       静 枝

人 位

石ころを憎いあいつに見立て蹴る     信 一

地 位

石ころを宝石にする恋のわざ       さくら

天 位

始まりはあなたが投げた石つぶて     さと子