令 和 五 年  七 月

たかね川柳会 定

於 アイセル21

(参加者(順不同、敬称略)

柴本ミチコ、本山千代子、真理猫子、小林ふく子、澁谷さくら、川島五貫、石田竹水、山田浩則、成島静枝、竹島典子、真田義子、佐野由利子、山口忠一、渥美さと子、山本智子、川村洋未、八木益代、森田安心、真島美智子、真島久美子、石川柳寿、竹島典子、山田勝笑、外側としみ、澤崎ひらめ、増田信一、中野三根子、安居民樹、窪田里、山本勝治、、荒牧やむ茶、奥山京、外園ピアノ、松田夕介、

席 題 「舞 台」     澤崎 ひらめ 選

エッフェル塔あなたのルイの晴れ舞台    柳 寿

母さんは一人舞台で家を締め        さと子

入学式やんちゃ坊主も初舞台        柳 寿

舞台袖わが子みつめる母の愛        由利子

能舞台伝統継なぐ血統書           京

初舞台緊張夢にうなされる         ピアノ

野外劇立木の役者省かれる          京

早変り役者裸で舞台裏           さと子

紅白は歌より衣装競い合い          京

台風の一人舞台になる夏よ         柳 寿

町内の舞台紅白餅をまく          浩 則

ライト受けのぼったことない晴れ舞台    勝 治

初舞台本人よりも親が汗          三根子

ペンライト振って大声出している      三根子

一家総出嬉しい孫の初舞台         さと子

活躍の舞台この世の果てまでも       猫 子

縁日は猿が主役になる舞台         浩 則

舞台うら着替えもそっとのぞきたい     三根子

ショータイム一人舞台に酔い痴れる      京

ドサ回り演歌の星も努力地味         京

いつも居る舞台のうらに居る私        里

舞台までテープを投げて熱中し       三根子

足裏の汗ですべった初舞台         猫 子

花道にそっと手を出しさわってる      三根子

まっすぐに生きた舞台の幕下りる      ピアノ

結婚式晴れの舞台で妻になる        ミチコ

五 客

両肩に重い舞台の澤瀉屋          ピアノ

奈良の里悠久忍ぶ石舞台          勝 治

これからも明るい舞台演じる気       ピアノ

ステージの下にうまっている悪魔      夕 介

花舞台私いつでもかすみ草         洋 未

人 位

私に別れを告げた舞台神          夕 介

地 位

腕ふるう新婚妻の調理台          さと子

天 位

好きなこと極めて芽出す晴れ舞台      ピアノ

軸 吟

鉄壁のチームワークで守ります        ひらめ

 宿 題 「 ヨーヨー 」   山本 勝治 選

ヨーヨー上手腰と膝とがものをいう     さと子

ヨーヨーで日がな遊んだ夏祭り       千代子

ヨーヨーを大人が競い合っている      浩 則

夜店市ヨーヨー釣りに釣られてる       京

ヨーヨーと俺を呼び出す不良妻       安 心

水風船みたいなお腹大事です        勝 笑

ヨーヨーはたらいの中で逃げ回る      ミチコ

ヨーヨーは三拍子ではやりにくい      ピアノ

ヨーヨーが邪魔で祭の手を離す       久美子

ヨーヨーが魔術師の手で躍らされ       薫

炎天で次々爆ぜる水ヨーヨー        典 子

ヨーヨーが弾けて世界水浸し        としみ

ヨーヨーはおいおいと呼び田舎弁      安 心

ヨーヨーも祭り疲れでしぼむ朝       智 子

ヨーヨーが昭和の景色呼び戻す       信 一

ヨーヨーへやんちゃ坊主の得意顔       薫

ヨーヨーと声を掛ければ不審者に      五 貫

ヨーヨーが割れてしまった失恋記      由利子

ヨーヨーを見つけ断捨離ひと休み      やむ茶

ヨーヨーの紐が平和を謡ってる       民 樹

ヨーヨーを操る地球手に入れる       美智子

勉強はだめヨーヨーは得意技        智 子

ヨーヨーの弾み止まらぬ恋ごころ      さくら

満月にヨーヨーパンチされた夢       としみ

ヨーヨーがしぼまぬうちに恋告げる     さくら

水ヨーヨー提げて後悔帰り道        柳 寿

ヨーヨーが拗ねて私に馴染まない      ふく子

五 客

好き嫌い恋のヨーヨー上下する        京

ヨーヨーも眺めるだけになる老後      信 一

ヨーヨーがマカロンに見えかじられた    ふく子

下手な技糸の長さの所為にする       さと子

ヨーヨーも戻りたくない時がある      猫 子

人 位

水風船萎んで夏はもう終わり        やむ茶

地 位

ヨーヨーが戻る昭和は戻らない       五 貫

天 位

人と紐信じヨーヨー宙を舞う        竹 水

軸 吟

水ヨーヨーゴム糸切ってなる自由      勝 治

 宿 題 「 躍 る 」    真理 猫子 選

残酷とスリルの味だ躍り喰い         薫

入魂と跳ねたかすれに決意込め       勝 治

震える手結婚指輪躍り出す          京

妻と子の寝息が躍り出す至福        竹 水

眠ってるマグマが躍るのが恐い       竹 水

浴衣着て心躍らせ君を待ち         ひらめ

夏帽子蝉取りの子の早い朝         さと子

うれしさを押さえきれない帰り道      五 貫

体中勇んで躍る妻の留守          民 樹

月のもの止まって躍るママになる      ピアノ

コロナ明け心躍らす里帰り         さと子

駄菓子屋で躍る子供と大人達        洋 未

コロナ去り土地価と株が躍り出す      安 心

デコボコの路は車も躍らせる        ミチコ

気が付けば躍らされてた私なの        里

満足に躍って減った父の靴         ふく子

胸躍るカボチャの花が咲きました      美智子

楽しげに絵文字が躍る孫メール       由利子

躍り出たチャットAI世を変える      勝 治

胃袋が躍動してるうなぎの日        やむ茶

君といて躍る心を隠せない         としみ

盆踊り数人前にあの娘の手        典 子

福引きが当たり小躍り夏祭り       勝 笑

雨がやみ大きな虹がダブルです      三根子

メタボ腹足が動かぬ盆踊り        信 一

五 客

五十九わくわくしてもいいですか     やむ茶

怪我癒えて一歩一歩に躍る足       ピアノ

四年振り祭り囃子に血が躍り       千代子

故郷に鮭が競って里帰り         忠 一

ツンデレのデレに心を躍らせる      久美子

人 位

食欲が戻って躍る四分音符        由利子

地 位

待っていたポストの音へ躍る足      民 樹

天 位

祈りかもしれぬ躍動的リズム       久美子

軸 吟

暑すぎて月の兎が躍りだす         猫 子

 宿題「 金魚 」 佐野 由利子 選

おふろ場にブリキの金魚なつかしい     三根子

元カレは金魚すくいが上手い人       柳 寿

逃げかくれ夜店の金魚は疲れぎみ      益 代

猫の手が嵐になった金魚鉢         さと子

好奇心あるのか金魚立ち泳ぎ        竹 水

にぎやかな頃が恋しい金魚鉢        さくら

コスプレの金魚が家の主役です       美智子

「ポニョになれ」金魚に暗示かけている   やむ茶

ヒョウ柄の金魚やたらと話し好き      やむ茶

食べすぎの金魚が鮒に化けている      ふく子

涼しげな金魚鉢置きメダカ飼い       千代子

エサくれる人に忖度せぬ金魚        ピアノ

すくったら俺とそっくりさんメタボ     信 一

金魚へとたかがを破り付く高値       ふく子

鮮やかな大きい金魚ねらう孫        典 子

子と競う金魚すくいでメンツ維持      千代子

出目金が鉢の中からウインクし       ミチコ

華やかな衣装金魚のフラダンス       竹 水

琉金がフナのスリムに憧れる         薫

幸せなハグを見つめている金魚       としみ

裏返る金魚の美しき鱗           久美子

新しい水に金魚の尾も華麗         民 樹

一時の涼しさ貰う金魚鉢          智 子

金魚にも美人不美人あるらしい       信 一

夜店市金魚もようの浴衣の子        益 代

五 客

玄関で夜店の金魚場所を取り        静 枝

はじめての浴衣の柄は金魚柄        ミチコ

出目金に見られていたかつまみ食い     洋 未

目が合って真っ赤になっている金魚     としみ

新入りの金魚メダカに突つかれる      静 枝

人 位

しあわせでまあるくなった金魚鉢      猫 子

地 位

八月の金魚黙祷してばかり         久美子

天 位

帯留めの金魚が泳ぐ夏の帯         さくら