令 和 五 年  十 月

たかね川柳会 定

於 アイセル21

(参加者(順不同、敬称略)

本山千代子、真理猫子、小林ふく子、澁谷さくら、川島五貫、石田竹水、山田浩則、成島静枝、竹島典子、真田義子、佐野由利子、山口忠一、渥美さと子、山本智子、川村洋未、八木益代、森田安心、真島美智子、真島久美子、石川柳寿、竹島典子、山田勝笑、外側としみ、澤崎ひらめ、増田信一、中野三根子、安居民樹、窪田里、山本勝治、、荒牧やむ茶、奥山京、外園ピアノ、松田夕介、井口薫、鈴木千代見、柴本ミチコ、、山下和一、堤芳子

 席 題 「 寒波 」    石川 柳寿 選 

寒波ですさあコタツやらお鍋やら     夕 介

寒波くるカピパラ風呂に入ったか     益 代

春に夏秋がなくって寒い冬         里

夏服をしまわぬ内に冬支度        千代子

木枯らしが吹いて紅葉見る間なし     千代子

紅葉狩り雪に見舞われ大あわて      千代子

大雪も吹雪もいつもテレビから      三根子

おお寒い大根鍋へ箸からむ        智 子

フトコロに年中寒波あぐら組む       京

寒波来て熱い茶ゆるり啜る宵       千代子

寒波来て熱燗が腹しみ渡り        千代子

寒波でもメタボの腹であったかい     信 一

待っていた寒波サンタが支度する     浩 則

真夏日に寒さ恋しい人のエゴ        京

グループに寒波のように冷えた奴     由利子

寒波きて酷暑の日々を恋しがる      ピアノ

寒波予知妻の顔色急変化         勝 治

真夏から急な寒波で肌荒れる       ピアノ

愛の庭寒波予報へ衣着せる        さと子

激戦地謝りながら暖を取る        智 子

配付金あとに増税来る寒波        勝 治

老の身に寒波の如し物価高        さと子

厳冬を連れて来るなよ灯油売り      さと子

物価高食卓荒れる大寒波         勝 治

辛酸を舐めて寒波も怖くない       勝 治

五 客

寒波ですいよいよですよサンタさん    夕 介

北国に住む子気になる寒波くる      益 代

木枯らしに焼き芋抱いて安下宿      勝 治

駆け足の寒波に熊は眠れない       ひらめ

寒波でも次の春待つ蕗のとう       信 一

人 位

暖国は風花ほどの冬景色         さと子

地 位

寒波に熨斗つけてあちらに送りつけ    ピアノ

天 位

思春期の娘の視線大寒波         ひらめ

軸 吟

静岡人寒波来てたと富士で知る      柳 寿

 宿 題 「 飴 」    中野 三根子 選 

咳痰をすっきりさせる浅田飴       由利子

年寄りの趣味の会には飴が出る      安 心

飴と鞭上手に使う若いママ        益 代

正月のじゃこの飴煮は母の味       ピアノ

人生もそうならないか飴細工       夕 介

飴玉をもらい仲間になれました       薫

塩飴でやっと猛暑をのり越える      勝 笑

千歳飴なめなめ昔思い出す        信 一

飴一個だけで投票してしまい       由利子

三Kの汗に塩飴補給する         ピアノ

飴玉じゃ見向きもしない令和の子      薫

飴玉をすぐ噛み砕く早とちり       ふく子

散歩するポケットいつも飴がある     益 代

駄菓子屋の飴玉選びはしゃいでる     竹 水

飴ちゃんを撒いて有事に備えてる     柳 寿

熱いうち恋の妙味は飴細工         京

猛暑日へ塩飴舐めて入れる活       千代子

飴玉へ尻尾ふりふり嫌な奴        智 子

微笑みの童の口に丸い飴         芳 子

飴玉につられ深手を負う男        信 一

飴と鞭巧みに使い子をしつけ       千代子

飴外交いつも持ってるおばあちゃん    静 枝

飛びついた目先の飴で胸は焼け      ひらめ

五 客

当選をしてから処置に困る飴       民 樹

ハッカ飴オトナの味がわかりだす     さくら

変り玉の色確かめた元気な歯       さと子

ばらまきの飴で感度が鈍くなる      勝 笑

飴と鞭育てた我子普通の子        安 心

人 位

ポケットの底で地獄を見せる飴      久美子

地 位

ご褒美にあげたい飴が溶けてきた     ひらめ

天 位

カンロ飴ここは昭和の三丁目       久美子

軸 吟

パイン飴なぜか一人でなつかしむ     三根子

 

 宿 題 「 和 」   本山 千代子 選 

カタカナ語和製英語も混じってる     静 枝

三兄弟嫁の名前は皆和子         安 心

戦争も夫婦喧嘩も和解せず        安 心

捨てられぬたし算ばかりゴミ屋敷     勝 笑

和式ではうんち出来ぬと孫の声      信 一

昭和史の裏も表も語れます        薫

和食がいい朝はご飯とおみそ汁      益 代

世界中平和の鐘を鳴らしたい       みどり

ぬくいお茶憂いを少し和らげる      さくら

アレンジを加えた和食母の味       竹 水

口に合う和食を選ぶバイキング      竹 水

レシートが我が家の平和脅かす      典 子

違和感は令和の陰にある昭和       柳 寿

正義主義平和二の次発つ戦火       勝 治

白和えの小鉢に柿の秋を盛る       さと子

両成敗ならぬ和平の遠き道        ひらめ

山茶花の蕾が開くとき和音        久美子

和だいこのバチを持つ手が色っぽい    三根子

場が和む赤子一人の声仕草        典 子

茶摘み歌和菓子でちょっと一休み     やむ茶

銀舎利の旨さを知っている昭和       薫

許されたゆるい昭和のおせっかい     勝 治

鹿威しコーンと秋を占居する       美智子

和太鼓がドドンと喝をいれられる     夕 介

もの言わぬ犬が家族の和を保つ      さくら

五 客

外来種の牙に負けるな和の心       夕 介

一服のお茶に和菓子が花を添え      由利子

対岸の火事だと思う平和ボケ       信 一

話好き鬼も和みの酒の席         和 一

和やかに笑う二人の日向ぼこ       やむ茶

人 位

和解するつもり優しい眉を引く      由利子

地 位

大将も鬼軍曹もいた昭和         柳 寿

天 位

侘びさびの世界に触れる京の旅      としみ

軸 吟

夫婦仲こじれ和解へ舵を取り       千代子

 

 宿 題 「 白 」  佐野 由利子 選 

白熱線勝って謙虚な瀬戸の星       ピアノ

夏疲れ白粉はじく笑い皺         智 子

雲の白なんだか今日は違う色       夕 介

本人と神しか知らぬ白裁く        五 貫

白旗を上げる勇気の日が遠い        京

解答を白紙で出すか時を見る       洋 未

政変で白い風吹く町並木         民 樹

青春のシミがポツンと白い服       勝 笑

古希だけどまだ真っ白なページ有り    勝 笑

真っ白なままではきっと生きられぬ    やむ茶

富士山の雪は眩しい一張羅        さと子

イケメンのまっ白な歯が目立ちすぎ    三根子

白飯が好きで農家の婿になる       洋 未

白球を投げるも打つも清々し       典 子

白無垢に隠してるものなあ~んだ     典 子

白以外下着を着ける知恵はない      和 一

白だからどんな色にも染められる     ピアノ

着る服に迷ったときは白いシャツ     さくら

空白の時間を過ごす日向ぼこ       和 一

どんな色だって仲間に出来る白      竹 水

美白ケア効果てきめん総白髪       猫 子

白を着てお利口さんにしています     美智子

五十肩宥めて白いシーツ干す       ひらめ

白色をしんろいと云う俺が村       安 心

白魚に似た君の指止りたい        安 心

五 客

故郷の土に還った白い骨         民 樹

白髪になったからこそ似合う色      さくら

余裕あるカルテに元気乗せておく     ふく子

白旗は意地でも上げぬ紛争地       静 枝

青空に白線を引く飛行雲         益 代

人 位

白旗を上げても茶碗飛んで来る      信 一

地 位

大根の白さに嫉妬してしまう       やむ茶

天 位

猟犬が白目をむいて熊を追い       千代子