令 和 五 年  十二 月

たかね川柳会 定

於 アイセル21

(参加者(順不同、敬称略)

本山千代子、真理猫子、小林ふく子、澁谷さくら、川島五貫、石田竹水、山田浩則、成島静枝、竹島典子、真田義子、佐野由利子、山口忠一、渥美さと子、山本智子、川村洋未、八木益代、森田安心、真島美智子、真島久美子、石川柳寿、竹島典子、山田勝笑、外側としみ、澤崎ひらめ、増田信一、中野三根子、安居民樹、窪田里、山本勝治、、荒牧やむ茶、奥山京、外園ピアノ、松田夕介、井口薫、鈴木千代見、柴本ミチコ、、山下和一、堤茜、宮崎美千代

席 題 「消しゴム」    山田 浩則 選 

消しゴムで消せない過去をもて余し  千代子

消しゴムで思い切り消す過去の罪   千代子

消しゴムで消えない過去の罪いくつ  由利子

消しゴムがなくてもすべて忘れてる  三根子

消したいと思ってもダメボールペン   茜

消しゴムのカスだけ知っている本音  夕 介

消しゴムですべて消したい過去ばかり 三根子

消したはずなのに出てくる夢の中   信 一

エンピツで書いた思い出だけ消して   茜

消しゴムを使い切ったらさようなら  洋 未

消しゴムで消せないしみがまた増える 信 一

消しゴムの強敵消えるエンピツだ   信 一

消しゴムで消せないシミが二つ三つ  ふく子

消しゴムを見習いましょうやせましょう洋 未

ケシゴムで消せない記憶塗りつぶす  洋 未

失敗を消しゴムのカス知っている   ピアノ

消しゴムの出番が多いミスばかり     ピアノ

書いてみて消して書いては丸くなる     里

筆箱に丸くかくれるチビ消しが       茜

消しくずを集め素敵な句を探す      ふく子

消しゴムが間に合わなくてころげ落ち   洋 未

消しゴムのカスと未練を吹き飛ばす    柳 寿

ラブレター書いては消して投げ捨てる   柳 寿

消しゴムで遊ぶテストの余白かな     さと子

近頃は消しゴムはんこ作家まで      ミチコ

消しゴムで消してしまったパスワード   ピアノ

五 客

消しまくる過去の失敗プラス嘘      信 一

角丸く丸く消します気も丸く        茜

消して書き書いて消したら真っ黒け    信 一

消しゴムの後が残った心じみ       智 子

過去を消し未来明るいなんて夢      信 一

人 位

八十路坂消しゴムで消す過去ばかり    千代子

地 位

議事堂にかけてやろうか消しゴムを    夕 介

天 位

大臣は口に消しゴム入れてある      ふく子

軸 吟

転がった消しゴムやはり丸かった     浩 則

 

 宿 題 「赤」      中野 三根子 選 

傷心へ燃える夕陽が活を入れ       千代子

赤の内渡り切れない杖の足        静 枝

梅干しに婆ちゃんの技生き続け      ふく子

ランドセル赤い花丸ゆれている      洋 未

化猫の騙しの手口紅をひく         京

色褪せてなお絡みつく赤い糸       和 一

朝焼けがみんなの笑顔包み込み      ミチコ

出来たての今朝の太陽まっかっか     ミチコ

商談へ赤いスーツが物を言い       千代子

豊作の夢は幸せイチゴ苗         智 子

赤だしの蜆高級感を出し         ひらめ

優しさが覗くピエロの団子鼻       さと子

穴あるよ危険ですよと赤印         里

赤い糸セピアになってなお映える     五 貫

Tシャツの赤のパワーで元気出た     みどり

夢語る中学生の赤き頬          典 子

小さくて味はしっかりプチトマト     みどり

戦火の血ひたたり地球赤くなる      ふく子

甘いとは限らぬ赤く熟した実       さくら

沈みゆく老いを励ます赤い服       智 子

赤トンボ群れてあなたを見失う      ピアノ

唇にポインセチアの赤を置く       久美子

愛犬に待てをいわれる赤信号       猫 子

赤ちゃんのように泣きたい時がある    美智子

赤恥を重ね大人へする脱皮        和 一

五 客

赤ペンが活躍をした物価高        やむ茶

赤い糸探し疲れてまだひとり       益 代

日の丸の赤が小さくなる令和       信 一

仰ぎ見る嘘はないかと赤鳥居       勝 治

ケチャップの赤でハートのメッセージ   さくら

人 位

赤信号ばかりが増えた地球号       勝 笑

地 位

不器用で結べなかった赤い糸       由利子

天 位

主役の座守り続ける赤いバラ       由利子

軸 吟

マニキアもドレスもくつも赤にする    三根子

 

 宿 題 「ケーキ」      奥山 京 選 

ケーキ屋の前で思案のパパの影      洋 未

ケーキ屋の道は極力避けている      美智子

ケーキより餡子が好きと天邪鬼      三千代

腹の虫ケーキを食べて納めさせ      三千代

自分ようケーキに名前入れてみる      里

ケーキより諭吉孫にはのし袋       静 枝

家計には近頃甘くないケーキ       さくら

モンブランいちごも好きで迷っちゃう   三根子

母が切るケーキ確かな五等分       五 貫

ウェディングケーキもいちど切りたいな  安 心

南国もケーキで偲ぶ雪景色        さと子

バースデイ妻の機嫌で出るケーキ     ミチコ

一人っ子三等分になるケーキ       信 一

手作りのケーキはイチゴてんこ盛り    三根子

ケーキよりうなぎだ父の誕生日      ふく子

頑張った自分へ褒美ケーキ買う      千代子

糖尿の私にケーキ見せないで       竹 水

ケーキにも和風混えて祝う古希      民 樹

追憶はバタークリーム味でした      ひらめ

ケーキ食べガザの惨劇見るテレビ     勝 治

シャトレーゼ昭和の舌は評論家      和 一

手作りのケーキ本気のラブコール     ミチコ

ローソクに埋め尽くされたケーキ吹く    薫

こだわりのイチゴが人を呼ぶケーキ    民 樹

高騰のホールケーキに手が出ない     としみ

姉が切り弟選ぶ二等分          五 貫

五 客

一人用ケーキで祝うバースデイ      静 枝

ケーキなら別腹入るいくつでも      益 代

さつまいもケーキに化けて格上がり     茜

売った栗値段数倍モンブラン       勝 笑

手作りのムラ塗り揺れ字愛ケーキ     典 子

人 位

高騰のケーキ味方のダイエット      さと子

地 位

ケーキ買うしあわせ抱えつく家路     柳 寿

天 位

ひと息で消せなくなったケーキの火    益 代

軸 吟

幸せを絵にしてくれるケーキ前       京

 

 宿 題 「髭」       松田 夕介 選 

柳寿さんその髭剃って欲しいのよ     由利子

髭でカッコつける程度よ男って      五 貫

髭はやし女にもてた事がない       安 心

口髭で一段上げる男前          ミチコ

ちょぼ髭はイキな男のみだしなみ     安 心

イケメンのおひげはなぜかセクシーで   三根子

無精ひげ剃ったあんたは男前       竹 水

禿てきた慌てて髭を伸ばしだす       京

髭ジャリと伸びるが髪は細くなる     五 貫

孫にヒゲすでに大人の仲間入り      ふく子

剃る髭も惜しい退院許可の朝       民 樹

日曜日企業戦士の無精髭         三千代

髭なでて父は威厳を醸し出す       三千代

三つ編みをしたいサンタの白い髭     としみ

白ひげの下に優しいパパの顔       やむ茶

リビングにサンタが髭の忘れ物      さくら

善い事を言いそう髭が上を向き      ひらめ

カーチャンの隠れたヒゲがモノを言う    京

冬眠の女に髭が生えてくる        久美子

病床の父にも髭は元気ある        ふく子

無精髭本人だけはご満悦         典 子

思いっきり笑える髭の無い達磨      竹 水

髭だけは大臣級と言う男         信 一

髭生やす戦闘員のつぶらな目       千代子

まだ感触が戦死の兄の痛い髭        薫

五 客

チャップリンの髭は誰にも似合わない   猫 子

厳つさも飼い馴らされて野良の髭     勝 治

健やかな妻の寝顔に髭はない       民 樹

濡れ落ち葉何だか恐い妻の顔       ピアノ

髭剃り機朝の親子の二重奏        さと子

人 位

威厳出す髭は昭和に置いてきた      ひらめ

地 位

昭和以降髭の似合わぬ国となる      勝 治

天 位

加藤茶が寂しく踊る髭ダンス       信 一