霜石コンフィデンシャル90   高瀬 霜石

 

 

「トラボでコラボ」

渋谷伯龍さんという方が、僕を無理矢理川柳界に引きずり込んだ拉致犯人、ではなくて、僕を川柳の道に導いてくれた大恩人であると、以前このコーナーに書いた。

元来の出不精で、人嫌い、人見知りの僕は、親分肌の伯龍さんの羽根の下で、実にいろいろな人と知り合えた。今回紹介する東京在住の平本勝彦さん(以下、平勝さん)も、そうした大切な方々のひとりである。

平勝さんは「亀田の柿の種」を筆頭に、チョコレートやガムなどのお菓子類、インスタントラーメン、生協製品など、数千のパッケージをこの世に送り出してきた著名な商業デザイナー、イラストレーターだ。

その彼が、僕の今回のはんかくさい句集をエラク気に入ってくれて、1句にひとつずつ、はがき大のイラストを付けて、一冊の絵本にしてくれたのである。

ビックリドッテン。この世に1冊限りの絵本は、あまりにきれいで、あまりに豪華。ひとりで見ているだけではもったいない。でも、絵本を作るとなるとベラボーにジェンコがかかる。悩みましたねえ。

平勝さんは、ここまでやるかという位の凝り性。蕎麦好きが高じて(このへんも僕と一緒)かつて「週間現代」に蕎麦の薀蓄を連載していた時のこと。一年間に、東京の蕎麦屋150軒を訪ね歩き、300種類の乾麺を食ったという。ある日、路上で昏倒、顎を6針縫ったそうだ。原因は栄養失調。

東京では剛の者と一目置かれたそうだが、津軽だと、ただのモツケか。

 

僕の以前の句集「青空」「青空もうひとつ」をも網羅して、できあがった絵本は全部で8冊(約800枚)。

この度、その中から10枚を厳選して、「COLLABO」なる絵はがきセットを作った。とにかくきれいなので見て欲しいのだが、さてどうするとなった時、ラジオで長いこと僕のパートナーをしてくれている倉田和恵さんが、サッと助け舟を出してくれた。

弘前市中土手町にあるBUNACOのショールーム「ブレス」で展示してくれるというのだ。ワーイ。これで「2つ目のコラボ」の完成である。値段は450円だが、買ってくれなくてもいい。平勝さんのイラストを見て欲しいのが本音。ひやかし大歓迎。よろしく。

◇トラボ―津軽弁でイナゴのこと。イナゴ=五七五.

五七五=川柳、というシャレでげす。

 

※とても可愛いイラストがついた霜石さんのオリジナル葉書セット。(10枚組450円)売れ行き好調で早くも増刷決定だそうです。ご希望の方は編集部までお申し込み下さい。

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