平成二十三年  四月十九日 た か ね 定 例 句 会

於 アイセル21

 

参加者(順不同)山本智子、曽根田しげる、高瀬輝男、尾崎好子、八木益代、杉山光代、池田茂瑠、川村洋未、薮崎千恵子、望月弘、松田夕介、勝又恭子、小野修市、増田信一、渥美さと子、中野三根子、佐野由利子、加藤鰹、稲森ユタカ、永田延男、荒牧やむ茶、林二三子、長澤アキラ、南天子、石田竹水、小林ふく子、岡村廣司、瀧進、鈴木千代見、畔柳晴康、中矢長仁、大塚徳子、薗田獏沓、毛利由美、成島静枝、川口亘、深澤ひろむ、酒井可福、川島五貫、滝田玲子、内山敏子、西垣博司、濱山哲也、安田豊子、市川重雄、谷口さとみ、鈴木まつ子、川口のぶ子、中司、斉尾くにこ、山本野次馬、森だがやん、井口薫、森下居久美、野中雅生、伊藤泰史、提坂まさえ、川村美智代、野中とし子、石橋勤、宮浦勝登志、萩原まさ子、石上俊枝、恩田たかし、那須野正明、山口兄六

 

▽今月も句会場は満員御礼。嬉しいけれど席がギュウギュウで申し訳ありませんでした。句会終了後、駿府公園で遅めのお花見いや~ハチヤメチャで楽しかったですね。

 

宿 題 「片 想 い」 小野 修市 選

マンガだなあんな女に牛耳られ   輝 男

通勤の彼に合わせて乗る電車    千恵子

片想いした事の無い色男      信 一

強くなる思いで今はストーカー   ユタカ

あの人の趣味をこっそり真似てみる 恭 子

片想いしてまた振られまた太る   信 一

銀幕のスタアに恋をしたあの日    鰹

見ていると手助けしたくなるんだよ アキラ

片想いされていたのに気がつかず  三根子

目の下に隈を作った片想い     やむ茶

片想いアバタがエクボ見えてきた  やむ茶

若い日の想いを今頃告られて    三根子

点の恋だけで線まで進めない    茂 瑠

線までは進まぬ恋にある焦り    茂 瑠

告白をされてはなったごめんなさい ユタカ

片想いひとりセンチになる私    やむ茶

片想いばかりさせちゃってごめんね 恭 子

ラブレター返信手紙入れ渡す    信 一

鈍感な二人気づかぬ両思い     ユタカ

失恋はしたくないから片想い    恭 子

お隣りの主人にちょっと気を寄せる 千恵子

片想い見合いの数といい勝負    信 一

告白もできず悶々過ごす日々    千恵子

贈り物お金のかかる片想い     千恵子

サークルで出合い忘れぬ人となる  千恵子

過疎の村片想いも捨てて出る    しげる

五十年ただ裕ちゃんに片想い    由利子

片想いかまってばかりいた記憶   好 子

片想いやめろ俺には妻がいる    由利子

告白は過去形でした五十すぎ    好 子

初恋を打ち明けられたクラス会   益 代

春うらら好きな諭吉が逃げて行く  智 子

顔よりも八頭身に片想い      しげる

その人の名前書いては消す火鉢   好 子

片想いした事がない令婦人     由利子

片想い本能なんだきっとそう    夕 介

このままでいいか会えなくなるよりは夕 介

この想い届けと君を見つめてる   ユタカ

今もまだ思い出しては頬を染め   光 代

云い出せず一人日毎に胸焦がし   光 代

片想いせっせと書いたラブレター  三根子

好きになる人には先に想い人    夕 介

あつあつの視線感じる右の頬    益 代

真剣だけど会社は狭き門      さと子

小津波手と手をつなぎ結ばれる   のぶ男

 五 客

おさげ髪ただひたすらに好きだった 由利子

会えるかも知れない好きな人の町  茂 瑠

結婚を宣言している三才児     益 代

転勤の人を涙で送ります      茂 瑠

届かない高さを思う片想い     アキラ

 人 位

君を見る微妙な位置のななめ前   洋 未

 地 位

歴史にも残るか僕のカタオモイ   輝 男

天 位

告げられず柱の影で見てた夢    さと子

 

 

宿 題 「まったり」  佐野由利子 選

まったりの意味も不明で困ったり  天 子

ハンモックゆらゆら森と同化して   鰹

まったりの思い出に酔う母の味   のぶ子

ムームーでゆったり過ごす風呂上り 玲 子

諸事雑多忘れて和む夫婦旅     ひろむ

溶けてゆく今日一日の角砂糖    アキラ

寝坊して雲を眺めてまた昼寝    信 一

ペロリ大トロ成仏しました舌と喉  さと子

日なたぼっこ時計はしばし小休止  さと子

まったりと釣り糸垂れて暇つぶし  長 仁

まったり味汁の一滴まですする   千代見

まったりの愛にも賞味期限ある   ふく子

母の味肉ジャガ舌にからみつく   徳 子

春の陽を浴びてベンチがやわらかい 哲 也

ハンモック揺らして森と添い寝する 野次馬

まったりと腹に猫乗せ昼寝する   洋 未

まったりと玉露に和菓子春の午後  静 枝

上膳に据え膳ひる寝里帰り      進

まろやかな医師の言葉はおだやかに しげる

アナログでふるさとの朝明けていく  弘

家族皆出かけまったりティータイム 二三子

手を取って癒し薬を処方する    智 子

何もせず過ごそう今日は二人きり  夕 介

ごま豆腐醤油一滴こくの味     のぶ男

休日は起きたい時が起きる時    由 美

五 客

嫁は留守秘蔵ビデオを観るチャンス  鰹

忘れたわまったりとしたキスの味  やむ茶

とろ鮪まったり舌にインプット   徳 子

昼下がりアールグレイの香り舞う  夕 介

主婦業を忘れ寛ぐ喫茶店      千恵子

人 位

育つ児が春の日差しに大あくび   のぶ男

 地 位

まったりと口にひろがるトロの味  益 代

天 位

甘いキス骨まで溶ける夢ん中    好 子

 

 

宿 題 「お ま け」 勝又 恭子 選

ソノシートわくわく針を落とした日  鰹

部屋代に夜景の見事含まれず    勝登志

受け皿にこぼれた酒へ口が向く   勝登志

平均寿命あとはおまけの老の羽   重 雄

入学式父母に爺婆までも付き    由利子

再婚におまけが一人付いてくる   可 福

一品をおまけ屋台の客が増え    泰 史

妻の留守もう一本の燗をつけ    千代見

ちょっとだけ餌足し鯛を釣り上げる まさ子

好物にもれなくついている脂肪   哲 也

おまけでともらったくじが大当たり 三根子

駄菓子屋のおまけに夢もたんと買う 野次馬

売出しのおまけにつられ無駄を買う 益 代

友達のおまけで受けて大スター  だがやん

叩き売りおまけを待って買うバナナ  亘

日暮れどき魚屋さんでつまみ増え  俊 枝

雑誌よりふろく欲しさに買う子供  泰 史

もう一個お付けしますと客を釣る  千恵子

月に星冬の早出はおまけ付き    五 貫

ウインクのおまけに弱い財布持ち   薫

おまけ付きジュースケースで大人買いユタカ

商品に付いたおまけがでかい顔   信 一

菓子じゃなくカード欲しさに買い集め二三子

おまけだと思えば楽に生きられる  まさ子

泥酔のおまけのギブス重い春    茂 瑠

飲み過ぎたお酒がくれる二日酔い  哲 也

五 客

おまけだと言われた五女が親を看る 美智代

朝市のおまけするよに開く財布   静 枝

エンジェルを求めて食べたチョコボール

                 居久美

恋人はブスでおまけに意地っ張り  由利子

回覧板おまけのニュース付いてくる 廣 司

人 位

美人妻ついついオマケしたくなる  やむ茶

地 位

おまけ付き魅力でいつも無駄遣い  さと子

天 位

鉢植えの隅にみつけたクローバー  さとみ

 

 

 

宿 題 「いよいよ」 高瀬  輝男 選

映画館ブザーが鳴って暗くなる   好 子

秒読みとなるか東海大地震     博 司

復興に向けて日本が走り出す    哲 也

霊柩車素直に乗った晴れ舞台    野次馬

齧られていよいよ細くなった脛   廣 司

工場もロボットばかり多くなる   三根子

物忘れついにきたかと爪を切る   豊 子

ああいやだ四つ葉マークを渡される  薫

猪口を置き「ところでなー」と本題に

獏 沓

幕が開く手に汗にぎる子の出番   千代見

あと少し尿意が番を狂わせる    静 枝

いよいよね門出祝って涙拭く    敏 子

奥さんと呼ばれいよいよ新世帯   重 雄

来るものが来たかと思う物忘れ   竹 水

もう駄目と言われ続けて百を越え  信 一

正念場彼女の父に今夜会う     夕 介

動き出す童話の春の狼も      茂 瑠

メインディッシュ食べようとして目が覚めた

停年の夫に妻が反旗あげ      修 市

宴会の締めは貝殻節となる     くにこ

予定日が近づき君も親の顔     夕 介

 五 客

枕辺で葬儀の相談するふたり    益 代

難関を通りいよいよ入学式     益 代

マドンナをめぐり覚悟の泥試合   まつ子

いよいよとなれば売ります家屋敷  ひろむ

結納に男年貢の納め時        進

人 位

風呂を出て化粧も済んで灯を消して  弘

地 位

産院の廊下で父になる時間      弘

 天 位

人類が重荷になってきた地球    アキラ

 

 

宿 題 「自 由 吟」 互  選

⑩この辺で芽を出さないと枯れていく天 子

⑨自然には適わないぞと言う地球  信 一

⑨すぐ許すそんな私を許せない   五 貫

⑦裏がまだ読めず一途な青い尻   さと子

⑥耳慣れぬ単位が脳に突き刺さる   薫

⑤手放しののろけ話に落とし蓋   まつ子

⑤肝心の跡取りがいて嫁がない   由利子

⑤つり銭の募金夕げのお裾分け   智 子

④一呼吸おいて気持ちを整える   千恵子

④人呑んだ海がこんなに凪いでいる  鰹

④待ちわびた春へ若鮎泳ぐ街    重 雄

④春風に笑いの種も紛れ込む    哲 也

④のこのこと人災までがついてくる  弘

③過疎の地に今年も満開の桜    居久美

③寄付文化貧者コインの音を入れ  好 子

③君に会うだけで不安が消えていく 夕 介

②魅力的だったあなたの深い藪   くにこ

 

②マーダダヨこの世に未練まだ残る 晴 康

②咲きたくて貴方の後を追っかける ふく子

②枯れたふりしてはいるけどまだ臭いアキラ

②沢山はいらない飲めるだけあれば 洋 未

②おしゃべりが青春切符の供をする 益 代

②放射能飛散花粉の記事が消え   博 司

②出し抜けに頭を下げる下心    可 福

②イメージを変えて出直す好きな道 しげる

①頑丈な靴で集まる茶飲み会    静 枝

①品不足に協力をした私たち    由 美

①耳栓をしても画面の災害地    長 仁

①何時の日もおいで通じる古女房  光 代

①何もかも無くし音楽風にのる   千代見

①うさぎ小屋分相応と恥じてない  廣 司

①ジェスチャーを使って出来る英会話竹 水

①さくらはらはらも一度逢いたい人がいる  豊 子

①さまざまに変わる社会に荒れる海 敏 子

①田舎蕎麦ぶっきらぼうの顔で居る 野次馬

①共通の敵が繋いでいる絆     やむ茶

①象形文字にいきなり行手さえぎられ輝 男