平成二十三年  五月二十一日 た か ね 定 例 句 会

於 アイセル21

 

参加者(順不同)渥美さと子、稲森ユタカ、尾崎好子、八木益代、杉山光代、林二三子、川村洋未、薮崎千恵子、望月弘、松田夕介、永田のぶ男、加藤鰹、増田信一、勝又恭子、長澤アキラ、曽根田しげる、荒牧やむ茶、望月満月、市川重雄、高瀬輝男、山本智子、佐野由利子、中野三根子、瀧進、畔柳晴康、鈴木まつ子、南天子、岡村廣司、大塚徳子、石田竹水、成島静枝、中矢長仁、酒井可福、薗田獏沓、西垣博司、毛利由美、鹿野太郎、内山敏子、池田茂瑠、川口のぶ子、川口亘、安田豊子、濱山哲也、川島五貫、小野修市、滝田玲子、山口兄六、森田安心、野中雅生、提坂まさえ、川村美智代、野中とし子、石橋勤、宮浦勝登志、萩原まさ子、石上俊枝、恩田たかし、那須野正明、小林ふく子、中司、鈴木千代見、深沢ひろむ、斉尾くにこ、谷口さとみ、山本野次馬、恩田たかし、森だがやん、森下居久美、栃尾奏子

 

▽最近句会場は飽和状態ですが、面白いもので、誰か新しい人が来ると誰かがお休みになったりして、ぎりぎり座れるんですよね~。

 

宿 題 「目  玉」 望月 満月 選

憧れは目玉パッチリ可愛い娘    由利子

得意業目玉焼だと豪語する     さと子

目玉だけ十人並と自慢する     信 一

外出へ純な目玉と入れ替える    智 子

目ん玉が色々見張る苦労する    しげる

愛妻の弁当 好きな目玉焼      由利子

目ん玉も使い過ぎたか濁ってる   好 子

目の玉が飛び出る程におどろいた  のぶ男

目ん玉の白黒させたとほんとかね  重 雄

目玉やき今は娘の十八番      三根子

宝石店目玉キラキラ手は出ない   洋 未

大目玉私にばかりいつも来る    三根子

目ん玉を大きく開けろ菅総理    由利子

特売日目玉商品だけ買おう     洋 未

おらが村金持ちが食う目玉焼     弘

後光差す神の目玉が有難い     のぶ男

大目玉忘れぬ親父今恋し      重 雄

薬指目玉飛び出る値段とか     由利子

外人も目玉白黒させるかな     重 雄

やせ薬目玉に主婦を呼び寄せる   二三子

目にゴミが入っただけと照れ隠し  やむ茶

買いあさるあの娘この娘へ超安値  好 子

目玉商品列に並んで三つ買う    由利子

目玉から光を出して忍者勝つ    のぶ男

いい朝だ双子の目玉焼きがでた   夕 介

目の玉がソワソワ嘘と言っている  夕 介

不意打ちをくらい目玉が裏返る   アキラ

 

新妻の得意料理は目玉焼き     益 代

目玉商品安全ですのお墨付き    二三子

 五 客

大目玉もらった過去がなつかしい  輝 男

赤ちゃんの澄んだ無欲の目がきれい 千恵子

老兵の目玉忘れぬ戦友は逝く    重 雄

政治家も目玉をすえて返論だ    しげる

目の色が変わった孫が愛らしい   のぶ男

 人 位

大目玉もらった孫をそっと撫で   二三子

地 位

大目玉おとす父親まだ元気     夕 介

天 位

目の奥に男の意地を潜ませる    アキラ

 軸 吟

白旗も娘も目玉の奥に生き     満 月

 

 

宿 題 「こっそり」  薮﨑千恵子 選

ここだけの話エロスも棲んでいる  まつ子

週刊誌丸めて覗く袋とじ      ひろむ

おにぎりは丸く作るの彼の分    洋 未

こっそりをしても所行は人に知れ   亘

ラブレターこっそり読んで赤くなり のぶ男

病院をソッと抜け出しラーメン屋  輝 男

罠仕掛け遠くで見つめほくそ笑む  ユタカ

カンニング山が外れて不合格    のぶ男

アドレスの数字は彼の誕生日    さとみ

 

モザイクを生年月日にかけている  ふく子

嫁ぐ娘にそっとお守り忍ばせる   信 一

街灯のすこし離れて待つ逢瀬    哲 也

図書室の隅でこっそり読むマンガ  玲 子

世界地図こっそり告げる三歳児   敏 子

人知れず夜な夜な逢いに行くモラル まつ子

禁煙でこっそり吸った夢の味    安 心

こっそりと吸ったタバコの風の向き 豊 子

とめられた酒をこっそりのむうまさ 修 市

盗み酒こんなおいしい味はない   廣 司

晩酌で耳打ちされた婿の口     太 郎

こっそりと飲んでもばれる妻の鼻  可 福

こっそりとしてたつもりが赤子起き だがやん

眴せの二人抜け出す踊りの輪     進

料亭で秘かに貰う袖の下      ひろむ

黙ってる姉の片袖雨に濡れ     のぶ男

眺めては磨き骨董値に触れず    獏 沓

かくし事こっそりしても損ばかり  天 子

長電話ドアの向こうで耳を立て   光 代

午前様妻の鼾に救われる      廣 司

つまみ食い数があわなくなっている 居久美

つけたいなこっそり買った黒ダイヤ 洋 未

根回しの口はこっそり拭いておく  博 司

ここだけの話が直ぐに飛び回る   信 一

寝静まる頃にこっそりつまみ食い  ユタカ

内緒ごと暴露合戦クラス会      進

若アユをつまみ食いして大やけど   鰹

耳うちになにやら秘密めく香り   恭 子

こっそりと仕事抜け出しイベントへ たかし

内緒だよ孫にこっそりお小遣い   二三子

宝くじこっそり買って置き忘れ   益 代

音立てず起こさず出社日曜日   だがやん

五 客

こっそりの紫煙下着が言いつける  智 子

胸の内ロールキャベツへ包み込む  智 子

見ぬ振りで見比べているレジのかご 博 司

まだ寝てる君の額にチュッとする  夕 介

講演が期待外れで席を立つ     益 代

人 位

連休はプチ整形と男狩り      野次馬

 地 位

少年が布団の中でマル秘本      弘

天 位

にこにことしながら謀反企てる    鰹

 

 

宿 題 「  紙  」 林 二三子 選

0点の紙ヒコーキはよく飛んだ    鰹

授業中紙ヒコーキでくる誘い    さとみ

紙飛行機夢も飛び交う青い空    好 子

人生を紙一枚が変えてゆく     ふく子

小市民せめてティッシュは鼻セレブ 由 美

あと五分頭かかえる答案紙     由利子

フィニッシュで気づくが遅し紙がない    だがやん

印押せば紙に力が増してくる    洋 未

 

実印を押したらただの紙じゃない  廣 司

献立の腕はチラシが左右する    智 子

安売りのチラシに踊る無駄遣い   ひろむ

折鶴が平和大使の顔になる      弘

画用紙を飛び出し子らが描いた夢  やむ茶

出直しの過去には触れぬ再生紙   千恵子

楽屋まで髷にはりつけ紙吹雪    獏 沓

軽く押すハンコで変わる紙の面   ふく子

出来ばえを競う優劣紙一重     まつ子

一枚の辞令で今日は北のはて    三根子

紙吹雪田舎芝居の花の舞い     のぶ子

餞別と愛 チリ紙にくるむ母      鰹

トラックに四台支援紙オムツ    好 子

ほかほかの焼き芋と合う新聞紙   可 福

どう見ても僕とキムタク紙一重   哲 也

チリ紙を山ほどつかう花粉症    のぶ子

紙のないトイレの夢で目が覚める  重 雄

プライドを持って生き抜く再生紙  竹 水

紙切れを一枚残し消えた妻    だがやん

置き手紙もう帰れない住んだ町   アキラ

引き出しの奥に捨てられない手紙  恭 子

同じ品価値観決める包装紙     敏 子

包装の和紙にこだわる老舗店    由利子

絵手紙の向こうに浮かぶ友の顔   居久美

五 客

時により紙も凶器となる怖さ    千恵子

自慢げに色紙が並ぶラーメン屋   哲 也

絵手紙がこころを丸く包み込む    弘

 

実印を押したら怖い紙になる    博 司

負け組の心を知らぬ紙吹雪     アキラ

人 位

生と死を分けた震災紙一重     益 代

地 位

電子辞書紙の文化が消えていく   のぶ男

天 位

清流に伝統残す和紙の里      長 仁

 

 

宿 題 「降  参」 望月   弘 選

参ったなあ美女には弱い鼻の下   静 枝

まいったと言えずに孫の知恵をほめ 豊 子

マイッタといつも私が折れる役   たかし

ベテランも思わず舌を巻く子役   居久美

迫真の演技子役に完敗だ      二三子

悲しみはいつも連打でやってくる  五 貫

降参と言ってはいつも胡麻をすり  のぶ子

降参と言えず戦争泥沼化      たかし

災害に降参などはしない民     のぶ男

リタイアの明日は妻の影踏まず    進

三才のウルトラマンにパパは負け  可 福

降参をしたのに拍手鳴りやまず   天 子

完敗の酒はどうして美味いのか   哲 也

抵抗か主張か木々が撒く花粉    さと子

ごまかしが効かなくなった物忘れ  豊 子

歳かなあ何度聞いても分らない   由利子

子供達味方につけたママ強し   だがやん

八百長が洩れて降参させられる    亘

君が代に起立をしない者はクビ    鰹

白旗を持って喧嘩を買いに行く   やむ茶

悔しいが降参すれば軽くなる    しげる

雑草の下に隠れている野菜     信 一

日本と肌が合わない原子力     太 郎

孫相手都合で負ける将棋する    晴 康

とりあえず降参あとで考える    くにこ

降参はするが本音が疼いてる    智 子

負けた振り見せても抱いてくれぬ人 茂 瑠

結局は君の涙にかなわない     恭 子

撤退を決めた勇気を喋らない    獏 沓

一言に妻の反撃止まらない     長 仁

露天風呂前をかくさず行く女    安 心

 五 客

降参はしないぞたかがパズルだろ  洋 未

胃カメラも降参だろう黒い肚    廣 司

ひと粒の涙に男適わない       鰹

日の丸を白旗にする大地震     五 貫

敵軍に妻という名の将が居る    博 司

人 位

脳みそをしぼりきっても分からない 恭 子

地 位

すいません赤ちゃんの名が読めません ひろむ

 天 位

新緑の力に負けて買う日傘     さと子

 

宿 題 「自 由 吟」 互  選

⑩読みにくい空気だ全部吸っちゃおう五 貫

⑧ゴメンネと言えばその場の恥で済む博 司

⑥人間を休んで風と遊びたい    輝 男

⑤お一人様一個の列へ二度並ぶ   由利子

⑤解けそうで解けぬパズルがまた増える

義 子

⑤方便が輪を和ませる事もある   二三子

④警官と目が合う僕は通話中    ユタカ

④悲しみを消し去る子らの笑い声  やむ茶

④わたしには関係ないと猫の顔   恭 子

④少し待つゆとりが欲しい時もある 三根子

④日めくりのように飲んでる常備薬 さとみ

④当り前突然そうでなくなる日   千代見

④手作りの封筒でくる里の風     弘

③サーブ権妻が握って離さない   廣 司

③折れた木の桜が咲いて勇気沸く  修 市

③信念は弱いうさぎを虎にする   哲 也

③プードルのような女がよく吠える  鰹

③自分史へまめな追肥を怠らず   さと子

③芽の出ないままに一生終りそう  千恵子

③負け惜しみ言わぬ男の咽仏    アキラ

②引退して目に付くことを我慢する しげる

②宝物出ないはずだよ猫が掘る   智 子

②ストレスを詰めて飛ばす紙風船  益 代

②声に出すと切れる絆もあると知る ふく子

②指の刺抜かず甘えて手を伸ばす  晴 康

②眠くなる魔力床屋のイスは持つ  夕 介

 

①安近短自粛の背中軽くなる    静 枝

①夫がいて余震の度にしがみつく  徳 子

①抜擢の椅子ですっかり他人めき  まつ子

①みるい手でみるい茶摘みの初夏の候重 雄

①ひたすらに明日を信じて汗の靴  敏 子

①伸びてきたパンツの紐を取り替える長 仁

①被災地に埋めた金貨が出てこない のぶ男

①甘い春月も湯あがりとろり溶け  くにこ

①俺の癖誰か隔世遺伝する      進

①渇かぬ涙迷彩服で拭かないで   野次馬

①ベッドメーキングしている金曜日 太 郎

①東北に夢よ届けと鶴を折る    可 福

①断捨離と勿体ないを使い分け   信 一