平成二十三年   八月二十日  た か ね 定 例 句 会

於 アイセル21

参加者(順不同)荒牧やむ茶、渥美さと子、中田尚、長澤アキラ、稲森ユタカ、望月弘、川村洋未、林二三子、望月満月、市川重雄、山本智子、中野三根子、尾崎好子、加藤鰹、曽根田しげる、勝又恭子、八木益代、恩田たかし、薮﨑千恵子、高瀬輝男、畔柳晴康、南天子、佐野由利子、永田のぶ男、川口亘、佐藤香織、岡村廣司、中矢長仁、成島静枝、大塚徳子、薗田獏沓、石田竹水、酒井可福、西垣博司、鹿野太郎、川島五貫、安田豊子、小林ふく子、池田茂瑠、濱山哲也、中川司、鈴木千代見、深澤ひろむ、斉尾くにこ、山田正、鈴木まつ子、谷口さとみ、杉山太郎、内山敏子、大塚徳子、薗田獏沓、石田竹水、瀧進、山本野次馬、川口のぶ子、毛利由美、増田信一、小野修市、酒井可福、松田夕介、森下居久美、森だがやん、森田安心、真田義子、馬渕よし子、八木益代、杉山とんぼ

 

★クソ暑い日にもかかわらず(笑)大勢のメンバーが参加して下さってありがたやありがたや。

 

宿 題 「  顔  」 荒牧やむ茶 選

不器用な顔だ本音がすぐに出る   アキラ

顔に泥塗られた いいえ泥パック   鰹

新顔がイケメンすぎてはしゃいでる 三根子

化粧ばえする顔だねとほめられて  洋 未

だれだっけニコニコ僕をじっと見る  尚

新顔のくせにでっかい顔で居る   輝 男

満面の笑顔で午前様迎え      二三子

味のある百面相へ描く筆      満 月

顔くらい見せていこうと遠まわり  洋 未

何となく記憶に残るお顔立ち    恭 子

サテ俺とどちらが美男チンパンジー 輝 男

大好きな彼女スッピン見てしまい  由利子

歌謡ショー何とも古い顔ばかり   輝 男

それなりの顔で三日で飽きられず  二三子

欠点をすべて隠そう厚化粧     千恵子

整形を隠した顔がばれはじめ    千恵子

この顔にピンと来たならチューしよう 鰹

その昔ニキビの中に顔があり    好 子

赤ちゃんの笑顔を囲み憂さ忘れ   智 子

カオナシのようなお化粧前の妻    鰹

ホテルでは顔伏せ女後部席     重 雄

あっぷっぷお亀ひょっとこ睨み合い 由利子

友達にスッピンで会い知らぬ顔   三根子

天気屋の顔ころころとよく変わり  千恵子

看板はお多福顔の私です      さと子

五 客

不意の客おっと仮面が間に合わぬ  由利子

皺くちゃの顔して母は大笑い    由利子

世の中の顔の効く人効かぬ人    重 雄

よく見ると中央線のない顔だ    のぶ男

神様の素顔拝んだ事が無い     輝 男

人 位

なでしこも世界の顔で咲き誇る   重 雄

地 位

虚と実の狭間で黒目よく動く    アキラ

天 位

のっぺらな顔がうろうろして困る  千恵子

 

 

 

宿 題 「戻  る」  中田  尚 選

つい癖で警官見るとUターン    やむ茶

出直しの勇気よ強く生きなされ   輝 男

バツいちが元気で戻る里帰り    のぶ男

なでしこが日本の元気取り戻す   智 子

原点に戻って人を愛したい     居久美

持つだけで買わずに戻るセール品  智 子

聞かずとも戻った訳を母は知り   獏 沓

故郷の風が戻れと頬を撫ぜ     可 福

跳んでから知る戻れない川の幅   くにこ

何取りに来たか戻って考える    二三子

体形をもとに戻そうダイエット   のぶ子

頂上を目前にして山に敗け     輝 男

手ぐすねを引いて妻待つ還付金   ひろむ

同級会昔に戻る里訛り       由利子

ほっとする場所で古巣に舞い戻る  まつ子

あの頃に戻してくれるビートルズ  哲 也

二歩戻り一円拾う手の早さ     重 雄

窓明り現実が待つ旅の帰途     さと子

打ち水をまた打ち水を子が戻る   五 貫

失敗し初心に戻る大切さ      たかし

帰りたいでも帰れないホームレス  アキラ

五 客

減税と手当に支持が返り咲き     進

Uターンして復興の汗になる    太 郎

母帰る長い旅路を父のもと     アキラ

ご先祖もお盆で家に呑みに来る   修 市

源流に戻り汚れた手を洗う      鰹

人 位

百恵ちゃんファンは待ってるカムバック

                 やむ茶

 地 位

喪が明けておんなへ戻る紅をひく  博 司

天 位

銀行の跡地に戻る小判草       しげる

 

 

 

宿 題 「ス イ カ」 佐野由利子 選

糖度まで書かれてスイカにも格差  由 美

冷水につかるスイカが恨めしい   夕 介

叩かれてスイカ嫁入り時と知る   アキラ

叩かれるスイカを笑う人のエゴ   博 司

よそ行きの顔ではスイカがぶつけぬ 千恵子

紐が切れ井戸のスイカを覗き込む  可 福

スイカ実り広い畑を狭くする    ふく子

割ってみて初めて判るスイカ味   天 子

撫でてみて指ではじいてこれと決め 晴 康

スイカなら我が家に一つ似た頭   長 仁

ライバルの頭を狙うスイカ割り    弘

顔半分スイカにガブリ食べられる  くにこ

実の入りを叩いて音で買うスイカ   亘

真四角なスイカを作る人のエゴ   竹 水

臨終の床でスイカをリクエスト   静 枝

スイカ割り思い浮かべる憎い顔   徳 子

赤いとこ残す人にはもうあげない  さとみ

草取りも冷しスイカに励まされ   智 子

真ん丸いスイカを囲む輪も丸い   哲 也

縁側でスイカだよーと母が呼ぶ    鰹

明日はゴミそうだスイカを食べようよさとみ

エイッヤースイカめざしてまっしぐらのぶ子

顔よりも大きなスイカかぶりつき  のぶ子

寝る前に食べたスイカに起こされた 廣 司

行儀よい四角のスイカ幅利かす   のぶ男

 

核家族小玉スイカがよく売れる   居久美

老い二人小玉スイカで調度いい   二三子

スイカ割り勿体ないぞみねうちじゃ

だがやん

なでしこがスイカを蹴って世界一  やむ茶

冷蔵庫デカ丸スイカいばってる   洋 未

思いっきり外し賑わうスイカ割り  二三子

父の分食べてしまったカブトムシ  可 福

縁側で種を飛ばして食べた頃    三根子

五 客

スイカ提げ遠慮知らずの叔父が来る  鰹

夏休み隣はメロンうち西瓜     哲 也

賞品がかかるスイカの種飛ばし   好 子

明日出荷待ったスイカを持ってかれ ひろむ

暑中見舞い葉書飛び出す大西瓜   益 代

人 位

試着室窮屈そうなスイカ腹     やむ茶

地 位

手拭いをちょっとずるしたスイカ割り

さと子

天 位

顔中がスイカむしゃぶる夏休み   智 子

 

 

宿 題 「 運 」(表現自由)

望月  弘 選

青信号ばかりで今日は運がよい   博 司

信号の青青青で二十キロ      好 子

 

付いてると言われた運をラップする 千恵子

運の無さ憎む自分が情けない    豊 子

運動会 俄カメラマンがズラリ   二三子

転んだがコイン拾って起きあがる  可 福

実力の無いのを運の所為にする   廣 司

手相見は勝手に運を決めつける   竹 水

ゆっくりと吐いて運勢確かめる   満 月

運賃を浮かして高い靴修理     智 子

原発の運転へまだある不安     由利子

代表選はや運動の水面下      千恵子

運命線細く長くと伸ばしてる    野次馬

運味方なでしこ世界一快挙     ひろむ

懐にかくした運はばらまかれ    しげる

赤い糸結んだ時が分かれ道     長 仁

運動会国境の無い万国旗      敏 子

ミンミンの出前嬉しいうちの庭   太 郎

運転はパパにまかせて舟を漕ぐ   洋 未

幸運は人に喋ると逃げてゆく    五 貫

運命を天竜川にのみこまれ      尚

内定が既にきまった幸運児     のぶ男

運不運だと言いながら人任せ    信 一

運不運あって死ぬ人生きる人    ひろむ

運が向く風水色に染めて待つ    可 福

宝くじ当たり人生狂わせる     三根子

 五 客

気の合わぬ上司が握る俺の運    廣 司

 

待っている運が道草して困る    千代見

運勢は悪いと言うがまだ夫婦    二三子

運のよさ俺には過ぎた妻が居る   博 司

運招く窓は大きく開けてある    しげる

人 位

ウンは手で掴めと書いてあるトイレ  鰹

地 位

百才の運命生きた知恵袋       のぶ男

 天 位

さっそうと妻が転がす耕運機    由利子

 

 

宿 題 「自 由 吟」 互  選

⑦くたびれた靴だ見えない場所へ脱ぐ

廣 司

⑦足の裏に一度も礼を言ってない  獏 沓

⑥ライバルの甘え上手が気に入らぬ よし子

⑤いつだって邪魔をしてくる高い鼻 千恵子

⑤男手がいるので夫婦しています  由 美

⑤無口だがあなた寝言を言い過ぎる 博 司

⑤両の手を広げ大樹を真似てみる  野次馬

④人生の薬もやはり苦い味     哲 也

③戻れない人生刻む万歩計     修 市

③生きるため電池を一つ入れ替える 義 子

③年重ねまだ手の内にある花火   ふく子

③矢印の通り歩いて振り返る    アキラ

 

③虫取りの子供がいるとほっとする 好 子

③被災地の球児にエール甲子園   やむ茶

②この夏も宿題の山未登頂     夕 介

②年令を診察券はごまかさぬ     弘

②不確かな未来命の軽さなど    まつ子

②ゆっくりと走ろう幸は遠いけど  満 月

②這い這いがもう連れて来た好奇心 さと子

②気分転換水着に替えて見る鏡   しげる

②夏の夜に開いて消える恋花火   ユタカ

②ひまわりを見るとファイトが沸いてくる   とんぼ

②人間ってみんな友達欲しいんだ  輝 男

②安心の説明長く増す不安     五 貫

②節電に昔の知恵を教えられ    益 代

②お互いに手を貸し合ってシップ貼る長 仁

①ウソ泣きは五秒なのにね笑えない さとみ

①盆提灯今年も出して親と会う   のぶ男

①振り出しに戻るやり直しはできる 恭 子

①趣味多彩色恋沙汰も天こ盛り   竹 水

①予定した暦の丸へ不意の熱    由利子

①人型の汗染み残す熱帯夜     智 子

①理不尽に嫌われている黒い猫   静 枝

①報告に母はいつでも目を細め   千代見

①大地震なかったように自転する  信 一

①なけなしのやる気集めて脱ニート 洋 未

①おめがねに叶った嫁に泣かされる 豊 子

①青かったはずなのに隣の芝生   居久美

①やわらかく人は人だと線を引く  くにこ