静岡川柳たかねバックナンバー
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 平成十九年四月二十一日(土)
  定例句会  於  アイセル21


☆三十年以上使用させて頂いた駒形神社から
 句会場をアイセル21に移しての初めての
 定例句会。とにかく句会場にぎゅうぎゅう
 詰めで、苦しい思いをさせてしまった。
 部屋の変更が出来ない。鍵が開かない。湯
飲みがない。タバコが吸えない・・いろい
ろと不満だったが、お役所仕事にこちらが
合わせ慣れて行くしかない。ご協力を!


▽席 題 「印象吟」(はにわを見て)
 加藤  鰹・選


根性を女太目な首に置く     茂 瑠
人生の手本を示す父がいる    三根子
眠り千年世に出たハニワ乱世知る 輝 男
落したら割れる埴輪と淡い恋   茂 瑠
火を焚けば焔が匂う兵馬俑    泰 山
人柱のハニワよ安堵してねむれ  梨 絵
坪庭のハニワ一晩いなかった   梨 絵
石仏に紅さしてあり昼の虫    しのぶ
片手では卑弥呼の夢が見えてこぬ アキラ
このポーズ交通整理できますか  アキラ
ハイポーズ見合写真は美しく   由利子
丸書いて目と手がついてママの顔 洋 未
フラダンス腰のくびれをチラリ見せ洋 未
薄く着てスリムに見せている虚栄 茂 瑠
ポーズとる後すがたが色っぽい  三根子
私が起源なんです千の風      弘
この紐じゃパンツがずれて困りますアキラ
死んだ娘がまた顔を出すラブホール泰 山
テポドンでも飛んで来そうな気がするよ
                しげる
 五 客
目をあけて昼寝している仕事中  洋 未
教えます地獄で踊るフラダンス  泰 山
世の苦労知らなくていい木偶である輝 男
認知して言われりゃ俺に似てるよな智 美
低賃金女はじっと堪えている   由利子
人 位
いや困る何しに来たかすっぽ抜け 智 美
 地 位
やあ失敬恋人またも変えるのさ  輝 男
天 位
喜怒哀楽かくさぬ人で嫌われる  輝 男


宿 題 「浮  く」曽根田しげる・選
浮きうきと孫が負うてるランドセル春 江
じっと待つきっと重りはとれるから洋 未
女房の思いを浮かべ見るお皿   満 月
通夜の席冗談だけが浮いている   弘
いらぬものぽかんと浮かぶ昼の月 しのぶ
幸せは家族が丸く浮く心     和 枝
天水へボウフラが浮く峠茶屋   梨 絵
厳しい世浮かれておれず稼ぐ汗  俊 坊
ITを知らない指が浮いている   尚
場違いなジョークふわふわ浮いている 鰹
年金ぐらしままよ浮世と妥協する 梨 絵
曲水の宴さかずき粋に浮く    泰 山
庭の滝流れに高瀬舟浮かべ    獏 沓
浮き雲よ妻の行方を知らないか   鰹
恋する日わたしふわふわ雲になる 野次馬
ペアルックちょい浮いているおとうさん
                五 貫
いい笑顔金波銀波の義歯が浮く  安 心
釣り落ちた影へ一瞬腰が浮く   草 園
今も尚買い手つかない首が浮く  輝 男
ポタージュの浮きみにもある存在感さとみ
時効待つ浮いた話の二つ三つ    進
 売り言葉買われ一人で浮く不安  豊 子
 力添え出来ぬあなたの浮き名には 茂 瑠
 日本丸まだたりないぞ浮き袋   洋 未
 ドン底で浮かび上らせ老いた妻  泰 史
五  客
逃げられて僕のハートは宙に浮く 長 仁
浮く雲に胸元やわき母思う    香 織
長尻の客に合図の腰浮かす    穂々美
美しい日本に刺客浮き始め    廣 司
溺れてる子に投げてやる藁がない アキラ
    人  位
ライバルが浮輪に穴をあけたがる 千恵子
    地  位
浮かれてる足だな罠に気付かない 輝 男
    天  位
いじめかも小鼻に浮いてきた疑念 静 枝
   軸  吟
浮き雲が思い出したか走り出す  しげる


宿 題「き、で始まる句」堀場 梨絵・選
 キラキラとかがやく星に君がいる 三根子
 きな臭い話ばかりが世の常か   のぶ男
 聞かぬふり里帰りした子の愚痴は 博 司
 気が引ける監視カメラが撮る尻尾 政次郎
 聞こえない耳で大声恥ずかしい  ぎ ん
 給食費払わぬツケがでかくなる  太 郎
 きな臭い煙の消えぬバグダット  泰 山
 決まり事だからと役所動じない   二三子
きれいごと言って結論そっちのけ  安 心
聞かないで髪をバッサリ切った訳  由利子
狐にはなれず狸で我慢する      弘
傷だけがふえて咲けない春でした  茂 瑠
きっと来るこんなに待った人だもの 三根子
気は心ですと募金に出す小銭    千恵子
キューティクルたっぷり髭に残ってる太 郎
気持ち良い洗濯物がよく乾く    ぎ ん
気にしない振りして憎い言葉尻   草 園
効いている遠いあの日の母の釘    薫
きな臭い言葉の流行り出す怖さ   大 鯉
切れ味はすごい年金切り刻む    竹 水
気象台桜見ずして出す予報     静 枝
傷口の広がる言葉だけ溜る     平四朗
生真面目な人で足あと汚さない   春 江
聞いてないふりでしっかり地獄耳  二三子
気迫だけあって足りない努力の字   亘
気心が知れて寡黙な男の歩     美佐緒
君のこと思い続けて昆布茶飲む   寄 道
気持ち良く心許せば青い空     和 枝
気にかかる母の介護の手まり唄   重 雄
金婚の旅を息子の汗がくれ     敏 子
きれいごと自分をかばう隙間風   香 織
危機管理トップの首を軽くする   獏 沓
聞き上手皆まで聞かず手を握る   晴 康
気負うもの無くてパートの長い午後 敏 子
気のおけぬ仲間内でもありがとう  洋 未
君が待つ愛の巣さくら散らぬ間に  重 雄
岐路に佇つ右脳の隙間から埋める  茂 瑠
記念日の心が騒ぐプレゼント    和 枝
九条の前後左右に銃がある     アキラ
聞く耳を持たず墓穴に入り込む   千恵子
傷いくつ抱いて女の越える坂    由利子
五  客
季節感なくても百合は気品みせ   春 江
金魚鉢こんな中にもあるいじめ    鰹
切り札を隠して笑う妻の乱     しのぶ
昨日までは白じわじわ染められる  野次馬
気合いだけ空回りする初デート   寄 道
   人  位
記憶の中であの日の刻が鳴り止まず 豊 子
地  位
奇跡祈るわたしの乳房付いている  しげる
天  位
消えそうな火種を抱いて老の張り  平四朗
   軸  吟
聞くだけは聞くが都合は無視される 梨 絵


宿 題 折り句「かなや」川路 泰山・選
過去未来流れ流れてヤジロベー    弘
カミさんに何かあったな優しいな  輝 男
カーナビに馴らされ義理を遣り過ごす竹 水
格下げへ泣き酒呑んで八つ当たり  大 鯉
片思い泣けた昔がやるせない    のぶ子
菓子折りの中に躓く闇がある    アキラ
母さんの名古屋帯しめ病む祖母に  重 雄
神の声なんで争いやめさせぬ    正 治
影法師名残りつきない夜想曲    豊 子
影武者になめられているやわな奴  竹 水
限られた中で市政をやらまいか   びん郎
勝つ迄は涙堪えてやってみる    徳 子
各論になってお金で止む話     五 貫
貸し借りもなくて平和な屋台酒   春 江
感謝する何と嬉しい優しさよ    和 枝
かあさんを泣かせた父の焼きもちよ しげる
風吹けど鳴かず飛ばずの痩せ我慢  まつ子
金と欲泣いて笑って闇に消え     進
駆け出しに馴れて気ままの役回り  まつ子
雷が鳴っても揺れる安普請     さとみ
噛み合わぬ心の草を刈っている   満 月
完全介護難病の子にやさしい手   泰 史
核心の眺める北は闇の中      のぶ男
格式も名前も捨ててやはり金     薫
カマキリよ何が苦労で痩せている  輝 男
肩たたき何やら孫の野心見え    敏 子
かりんとう何個食べても止められず 居久美
干瓢を長々と巻き屋台寿し     獏 沓
悲しみを流して越える山幾つ    由利子
肩書きもなんやかんやと役に立ち  由利子
改革に難問ばかり矢が刺さる    しげる
会見の涙はきっとやらせだな    千恵子
彼女との仲を取り持つやらず雨   アキラ
対岸へ温もり欲しい木を植える   しげる
  五  客
カーナビが無いと助手席やかましい 寄 道
カンバンになるまで待って約束よ   鰹
空振りを何回しても止まぬ恋    五 貫
鉤括弧ないしょ話が病んでいる   美佐緒
紙おむつなだめて付けるやさしい手 太 郎
   人  位
過労死もなくて定年やっと来た   穂々美
   地  位
改心の涙婦警のやさしすぎ     梨 絵
天  位
家計簿は泣きごと言わず痩せていく  弘
   軸  吟
感懐の中へ男の矢を秘める     泰 山


宿 題 「 自 由 吟 」 互 選
Eモザイクをかけて泣きたいことばかり
                 アキラ
D屑籠に昨日の僕を捨てている   平四朗
D感動を無くした日から干乾びる  政次郎
D少子化へ挑戦をする鯉のぼり    弘
Cジーパンの穴が未来を覗いてる  しげる
Cそれからを思う女の待ち時間   美佐緒
B惚れ具合化粧の濃さで見分けられ 博 司
B友人は借りを忘れる癖がある   由利子
Bアメリカの毒も呑み込む民主主義 輝 男
A鑑定書付いた番犬働かず     叶志秋
A残り火を燃やしつづけてゆく余生 梨 絵
A羊です机の広さだけ迷う     茂 瑠
A温暖化で崩れ始めた季節感    二三子
A根性を入れた火種が残る胸    満 月
Aエイプリルフールやんわり君を受け止める
                 野次馬
A身の程も知らずこなしている元気 まつ子
A歳時記に想定外の追記増え    静 枝
A受け皿に乗って出鼻を挫かれる  草 園
Aあけびつるどんどん伸びて現住所 徳 子
A菜を間引く指に福祉がふと過る   薫
@婆ふたり話途切れの日向ぼこ    進
@ご安心傷ついたとは言いません  のぶ男
@五欲まだ残る皺です気にしない  春 江
@標準語話す窓辺のシクラメン   義 子
@どう生きたよりどう生きるかだ明日の米
                 五 貫
@冗談の通じぬ人は窮屈だ     廣 司
@煙草入れにされていたミニランドセル
                 由 美
@三分で告知手術は深夜まで     尚
@和解する兆しやさしい風が吹く  しのぶ
@怒鳴るのも解消になる倦怠期   びん郎
@人の輪に居れず入れず押し出され 安 心


 



▽参加者(敬称略)堀場梨絵・曽根田しげる
 佐野由利子・堀内しのぶ・望月弘・加藤鰹
 谷口さとみ・永田のぶ男・長澤アキラ・川
 路泰山・高瀬輝男・川村洋未・中野三根子
 池田茂瑠・石田竹水・望月満月・畔柳晴康
 金田政次郎・瀧進・堀場大鯉・佐藤香織・
 成島静枝・堀井草園・大塚徳子・岡村廣司
 内山敏子・薗田獏沓・鈴木まつ子・井口薫
 御田俊坊・川島五貫・高橋春江・中矢長仁
 西垣博司・山田ぎん・毛利由美・鹿野太郎
 中田尚・芹沢穂々美・安田豊子・森田安心
 伊藤泰史・牧野正治・川口亘・山本野次馬
 加茂和枝・塚本寄道・林二三子・市川重雄
 戸田美佐緒・柏屋叶志秋・薮ア千恵子・中
 安びん郎・柳沢平四朗・川口のぶ子・森下
 居久美・真田義子・中川つかさ・増田信一
 萩原まさ子・山口兄六・提坂まさえ


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定例句会 | Link |
(2007/05/26(Fri) 18:27:12)

ちゃっきり し ぞ 〜 か 弁 川 柳

トンジャカナイテッピラコーに話そうじゃ 谷口さとみ
ヨダラモナイパッチラガイがうざったい  谷口さとみ
わりぃねえちゃあっと摘んできゃあるべえ 芹沢穂々美
端っこはわっちがききゃあで刈ってくよ  芹沢穂々美
今日びの女ずないわっしゃ〜クロで飲む  堀井 草園
ヘソ曲がり一人ぐりゃ〜はいいだずら   堀井 草園
若いこん喧嘩もんかで働いただにー    高橋 春江
ちったーな遠慮ってもんあるぢゃんかー  高橋 春江
買いもんをしがつらええ目の保養した   鈴木まつ子
このみちょうずーっと行くと通り〜出る  鈴木まつ子
あんだけまめったきゃよけーのこるらー  畔柳 晴康
こんきーななんでこんなにしにくいや〜  畔柳 晴康
このめえはええもん貰って悪りいっきゃあ 岡村 廣司
ありょうしたかせえならわりゃあこれしとけ岡村 廣司
何してるまっとくべなきゃ風呂沸かぬ   西垣 博司
ずないから泣くんじゃないよ転んでも   西垣 博司
えりゃあな〜奪三振をぶっ続け      中安びん郎
お医者さん老化をなんとかしてくりょ〜  中安びん郎
 
▽今回は草園さんと博司さんが「ずない」(強い)川柳で偶然一緒だけえが、子供と女性じゃ同じ「ずない」でもえりゃあ違いだよね。
(笑)また皆さんもどしどし送ってくりょう〜。待ってるでね〜
〒421‐2106
しぞーか市葵区牛妻2095の13  加藤 鰹あて
(受付随時、投句料もいらにゃあでね〜)


ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 | Link |
(2007/05/26(Fri) 18:17:12)

創 作  自薦句
    虎 竹 抄


「雑  詠」            滝田  玲子
言うまいと決めても愚痴の出る世相       浜 松
新緑に浮き足たてる万歩計
みどりの日昭和に帰りあわてだす
ナンジャモンジャの花満開という便り



 「諦 め る」            岡村  廣司
無位無冠妻も諦め愚痴らない          焼 津
親を見て子が将来を諦める
諦めた底辺僕の指定席
諦めてしまうと消える緊張度



「笑  う」            高橋  春江
ライバルの笑顔に負けて知らされる   袋 井
ほほえみが欲しくて扉おしてみる
高笑いきっと寂しい人なんだ
考えが浅いか笑う日が多い


「風 と 母」            成島  静枝
本当にコトリと止まる母の息         千 葉
もうなにもしないで医者へ娘の願い
しぞーか弁新幹線で来る葬儀
千の風母は沼津へ行ってるら


「 旅  」             畔柳  晴康
今日だけは早起き朝湯旅の宿          浜 松
名物も好みに合わず箸を置く
お土産と疲れの重いバスの旅
疲れたが次の旅はと友に問う


「旅カバン」            真田  義子
群青の空を畳んで旅カバン           仙 台
飛べないが夢は大空駆け巡る
背をたたく風に誘われ旅に出る
雑草になると決めたら軽い靴


「雑  詠」             内山  敏子
解熱剤さっぱり効かぬ恋病           浜 松
連休へ踊り疲れたふくらはぎ
取り締るはずの警官逮捕され
ビルが建ち光もらえぬミニ畑


「や ば い」           毛利  由美
試着室試着途中で諦める           つくば
息子からヤバい味だと誉められる
目覚めたらもう降りるべき駅は過ぎ
まじヤバと呟くダブルブッキング


「安  心」            山本 野次馬
無添加の街です無防備な私          函 南
手鏡を捨てて仮想の街に住む
慣れっこでプチ家出など怖くない
安心をそっと神社に買いに行く


「ハイヒール」           松橋  帆波
テーブルを叩いてねだるハンバーグ      東 京
ゴキブリが出るのも俺のせいらしい
憎い人ねと抓れて騙されて
踏まれてる自分を思うハイヒール


「自 由 吟」             寺脇  龍狂
着て脱いで又着てママのクラス会        浜 松
新調のスーツに欲しい嫁ひとり
合併はしたが市長はクビになり
古里はいいな山あり友がいて


「こんな程度で」         増田  久子
一般のメニューは安い順に書き        焼 津
同じ値で売れば大きい順に買い
捨てる気をいつか着る気が消す古着
車窓から見えて駅まで遠い家


 「象の悩み」            柏屋 叶志秋
断水でようやく水の価値を知る        山 形
背伸びして届かぬ花が美しい
携帯のエリアでしょうか天国は
王者たる象の悩みはたかが刺


「雑  詠」           西垣  博司
明日行く近いうち行くいずれ又     静 岡
日記には書く程の事無いと書く
日記帳四日以降が待ちぼうけ
年寄りの冷や水少し飲んでみる


  「春  祭」            鹿野  太郎
お祭りの輪投げでゲットした家内       仙 台
出目金が指二・三本出す露店
シャッター街の餅屋で昔話する
祭りの夜地上の星のクラス会


「  妻  」         藪ア 千恵子
爆竹のような妻です危険です         焼 津
ノックアウト妻が勝者の手をあげる
笛吹けど踊らぬ妻の重い尻
なにやかや言っても妻はいい女


 「キ  ー」            井口   薫
二十歳まで押し続けたいバックキー    袋 井
鬱の雲デリートキーで吹きとばす
削除キーもったいないがふとよぎる
さあ飛ぼう変換キーに賭けてみる


「なるほど」          馬渕 よし子
母の背が教えてくれたおんな道       浜 松
嫁姑今は姑が頭下げ
先人の知恵に急場を助けられ
裏話聞いて軍配妻へ挙げ


  「  雨  」             小林 ふく子
空白の午後の行方を雨は知る          袋 井
満天に落ちこぼれたか雨が降る
気が済んだように雨つぶ地に還る
台地への恵みと怖さ分ける雨


「話し相手」            石田  竹水
原稿をはみ出し本音削除され         静 岡
ジャズ・マンボ過去の楽しさ掘り起こす
刻まれた言葉の落ちにある温み
泣き笑い話し相手を座らせる


「  月  」            薗田  獏沓
山の宿月と対話の窓を開け         川根本町
月へ行く兔が餅を搗く話
月明り短所ちょっぴりカバーする
水仙を黄色に見せぬ月の影


「背 伸 び」            塚本  寄道
株取引世間の風が騒いでる          長 泉
一生を合計するとゼロになる
利己的でつまらぬ嘘をつく大人
走るより歩くといいよ人生は


「わ た し」             提坂 まさえ
表裏どの顔もみな私かな            静 岡
影ならば息子のズボン穿けるかも
ハードルが低くても靴ひっかける
トランジット訪問国につけ加え


「百  円」            中田   尚
百均に汗が無数に積んである         浜 松
百円に夢も希望もあったころ
お札からコインに変わり価値下がり
消費税百円玉の邪魔をする


「僕 と 犬」            濱山  哲也
不覚にも溜め息犬に気付かれる        青 森
「困ったら舌を出すんだ」犬が言う
でも君はいつでも舌を出している
そう言われ困った犬は舌を出す


「日 記 帳」            酒井  可福
思い出のページをそっと振り返る       北九州
誤字雑字誉めて貰えぬ日記帳
自分史に落丁隠す見栄はある
恋の詩書いては消した屑の跡


「雑  詠」             川口 のぶ子
ほろほろと咲けばさくらと浮かれ節      藤 枝
花水木今年はなぜか花咲かず
白酒が効いて今夜の夫婦雛
ぼんぼりに白酒の合う宵節句


「陽だまり」             大塚  徳子
陽だまりでひとり船こぐ昼下がり        仙 台
陽だまりに群れてる雑魚が恐ろしい
イケメンと手を取り渡る怖い夢
昼下がりボトンと音し椿落つ


 「本  音」            瀧    進
呟いた愚痴が真顔になってます       島 田
マニフェスト本音勝つ迄負ける迄
アイラブユー心が遠い時もある
内助の功感謝してます女房殿


 「  孫  」             鈴木 恵美子
誉め言葉かけると弾むまり二つ        静 岡
四才の抵抗新しい風が吹く
孫というビタミン剤に春うらら
孫の絵が微笑みくれる部屋に住み


 「自 由 吟」             芹沢 穂々美
手鏡に写るシミまで見栄をはる         沼 津
画仙紙の花のにじみが哀しすぎ
矢印の通りに歩く生きる道
子育てが終わったあとのいい答え


「つ  ゆ」            金田 政次郎
蛇口からカルキが臭う梅雨の朝        静 岡
はっとした一瞬紫陽花彩を変え
バンザイが続いた廊下朽ち果てる
雑居ビル出社も引けも雨に濡れ


 「  赤  」             安田  豊子
赤い糸真っ赤な嘘でつながれる     浜 松
まだ燃える本赴帰りのちゃんちゃんこ
夕焼け小焼け鳴ってください寺の鐘
さんざめくカラス絵を描く茜雲


「うっとり」            鈴木 まつ子
幽玄の世界いざなう宵ざくら       島 田
わが娘ながら見惚れる高島田
湯あがりの白い衿あしほんのりと
映像のロマンうっとりさせるキス


  「時  間」            加茂  和枝
ゆったりの時間を掴む嬉しさよ         岩 沼
お互いの元気な空を探す旅
郷に住む暮らしの命温かい
私から心通わす出会い道


「期  待」             堀場  大鯉
安売りへ軽い財布の数え唄           焼 津
バラ色の幕に期待を裏切られ
狐雨なんの期待もさせず去り
浮世絵の美女は私に古すぎる


  「か な や」              川口   亘
関心はなる程やるか痩せ蛙           藤 枝
改心をなごみに見せたやらず雨
甲斐性がないと云われてやる気出し
借りなどがないとも云えずやりにくい


  「自 由 吟」            御田  俊坊
表情が豊かに語り笑わせる           高 畠
百歳を越えても生きる余命表
アルバムが記録となった人生譜
まな板のくぼみに残る母の味


  「川柳の輪」            中矢  長仁
手習いで川柳始め若返る            愛 媛
あちこちで元気貰って輪をつなぐ
お友達随分増えて大きい輪
落ち着かぬ投句川柳まだ出来ぬ


「笑  う」              増田  信一
笑うかど福がこないでリストラに     焼 津
わっはっはお前おかめで俺布袋
脳トレも筋トレもいい笑ってりゃ
脳年齢若いですねで笑いじわ


  「自 由 吟」              ふくだ 万年
衝動買いシャネルの袋お蔵入り      大 阪
白旗を胸に押し込めさぁ電話
休診日たらい回しの救急車
根回しはすべて無駄です家の嫁


  「  嘘 」             中安 びん郎
貧乏は死より辛いと嘘を言い          静 岡
養毛剤嘘で無ければボサ頭
女房が俺にほの字は嘘だった
私は嘘を言わぬと嘘を言い


  「エコライフ」            林  二三子
エコしてと地球が痛烈に叫ぶ          芝 川
マイバック持参でエコなお買物
愛読書これもそろそろリサイクル
着物からリサイクルした服が映え


「本当の嘘」              堀井  草園
凡人で過ぎた夕日がまん丸い        静 岡
トンネルの出口で本音踏みずし
無いはずが見えて脳みそ軽くなり
後一歩舌三寸に邪魔をされ


  「鮎三昧・・・其の八」       永田 のぶ男
岩影に鮎のきらめき独り占め         静 岡
竿先の微かな動き胸騒ぐ
待っていた瞬間頭白くなる
百の神すべて集めてタモの中


  「  母  」             中野 三根子
かあさんと呼んでやさしさとりもどす      静 岡
帰るとこ私にもある母のひざ
心にもないことを言う母の前
母の前少し弱みをさらけ出す


  「雑  詠」             川村  洋未
一人だけ空気読めないおせっかい        静 岡
活字では全て美人に化けている
わけもなく食事さそわれひょっとして
せいいっぱい砂糖まぶして高く売る


「てんやわんや」          谷口 さとみ
元とれる話に出せる元がない         伊 豆
初恋の真空パックも期限つき
禁断の恋にも似てる生しらす
初キスの記憶がズレて大ゲンカ


「  足  」             真理  猫子
大根のような足にも憧れる           岡 崎
足しげく通う喫煙コーナーへ
振り向けば足元をみる人だらけ
この夢もひとに頼れば足が出る


「表裏一体」            山口  兄六
商談に同じ訛りの人がいる          足 利
駅までの道は追い風空っ風
危険だと思った席を譲り合う
天国か地獄か一夫多妻制


  「絵 画 展」            佐野 由利子
BSで世界の絵画展を見る         静 岡
うちの子と言わせる猫の贅沢さ
アイデアがパッと浮かんだ青い空
コツコツと努力したのに運が逃げ

 
「温  海」       多田  幹江
海凪いで骨の無い魚よく育つ      静 岡
養殖の鯛虹色に染め上げる
周りみな陸に上ったカッパなり
泡立器君はホントにせっかちだ


  「つれづれに」       堀場  梨絵
見聞を広めまだまだ生きたいね   静 岡
晩学という人生のきわまれり
これからもまだまだ根気植えつける
針一本置いて蜜蜂死の抗議


「多弁な旗」         池田  茂瑠
染めむらが多弁な赤い旗にある          静 岡
酒くさい稼ぎで育て背かれる
いじらしい挑みか変えた髪型よ
注ぎ足したワイン魔性の泡が立つ


  「ついてない男U」          長澤 アキラ
女神には去られ金運に逃げられ         静 岡
外れくじだけはしっかり手に残り
着地点探しあぐねている枯れ葉
風の日に落葉のように酔っぱらい


「花 冷 え」                川路   泰山   
衣被き女に白い風の道              島 田
さよならをすると稀なる美女となり
首筋へひんやり残る花の冷え
地平線望み遥けし漢の絵


「受信メール」                望月   弘
クリックをされたい胸を持っている     静 岡
チョキチョキと受信メールを切っている
二階から居間へ出張して家族
桜咲く方程式は明かせない


 「難 破 船」            加藤   鰹
難破船を母の港は待ち続け      静 岡
なあカモメ兄貴の船を知らないか
海は凪そして還らぬ船の数
大都会木の葉の舟は今いずこ


   顧  問  吟 
 「ひこばえ」        柳沢 平四朗
思い出が濃すぎて時効なんて無い        静 岡
古日記父の火の劇風の劇
ひこばえにメンパを開ける風も春
招かない客が不遜の靴を脱ぐ




虎竹抄 | Link |
(2007/05/26(Fri) 18:07:12)

 平成十九年三月十七日(土)
  定例句会  於  駒形神社社務所

席 題 「お金持ち」 川村 洋未・選
本当の金持ち小銭貯めている   由利子
ガレージにロールスロイスキャデラック
                由利子
あり余るお金で命削られる    平四朗
宝くじ当たれば明日出す辞表   叶志秋
金を持つ幸せなんか風に散る   叶志秋
埋蔵金花咲じじいはブルトーザー 平四朗
金持って死ねぬ老後の旅に出る  梨 絵
持つほどに人はお金をほしくなる 叶志秋
降る雪が金なら僕もお金持ち   叶志秋
我が家では一本五千円の水     鰹
語らえばお金持ちにも悩みあり  叶志秋
ぼろぼろの絆千切れる遺産分け  平四朗
ずるい人けちな人より金貯める  叶志秋
豪邸に住んで余人を寄せつけぬ  梨 絵
無口だなたんまりお金持っている しげる
 五 客
札束の枕を北に悪い夢      のぶ男
財産は大阪城と甲子園      由利子
大トロも飽きたかけぞばでも食うか 鰹
三億を当てて貧乏ゆすりする   アキラ
日本ではム所の中にもお金持ち  叶志秋
 人 位
金持ちの庭に棲めない青い鳥   叶志秋
 地 位
靴買いにちょっとパリまで行ってくる 鰹
天 位
居酒屋へ大蔵省を呼びつける   アキラ


宿 題 「のろのろ」柏屋 叶志秋・選
人生ももう折り返しのろのろと  三根子
のろのろでない私の好きなマイペース
                しげる
開花予報桜も僕も遅れがち     鰹
のろのろと絶叫マシン動き出し  洋 未
のろのろと女後から墓へくる   のぶ男
影踏みはのろまな私いつも鬼   野次馬
春うらら絵筆気ままに描く余白  豊 子
初めての路上運転汗をかき    博 司
山に積み歯がゆい仕事色もあせ  まつ子
いのししにのろのろしてと頼もうか智 美
のろのろと飯食う男嫌いです   智 美
あしたへの夢描きつつ試歩の足  輝 男
いつか成る夢みて歩く亀の足   千恵子
百歳のゆらりゆらりと夜が明ける しのぶ
窓際の席へ出社の重い足     泰 史
補助輪をつけて先導車が通る    弘
ITのうねりに縺れる老いの足  政次郎
平均寿命過ぎてのろのろ日は落ちる野次馬
亀の足しっかり世間みて渡る   春 江
どうせ行く冥土だ先は急ぐまい   進
のろのろと走る車窓の景色良し  香 織
牛歩する人を選んだ不幸せ     尚
渋滞は覚悟で桜見に出かけ    二三子
早春の彩かたつむり目を覚ます  寿 恵
リハビリの足へ命をたしかめる  豊 子
のろのろと牛は大地を踏み締める 徳 子
のろのろへ歩調合わせる試歩の杖 敏 子
虹褒めてようやく終る立ち話   茂 瑠
のろのろができぬ貧乏性なんです 智 美
手間賃へ時間稼ぎをする大工   静 枝
五  客
のろまだといつも口ぐせ悪親父  安 心
マイペース崩すと落ちるかたつむり五 貫
後手後手に回りペコちゃん泣かされる
                静 枝
渋滞へ紳士淑女の面がずれ     薫
なめくじが私をそっと追いこして 三根子
    人  位
先頭が好きでラッパが離せない  春 江
    地  位
リハビリの介護手を引く母の恩  重 雄
    天  位
乗り遅れ途方に暮れる夕あかね  アキラ
   軸  吟
特急が今の時代は亀の足     叶志秋


宿 題 「おばさん」 加藤  鰹・選
 おばさんの証明試食ためらわず  五 貫
 ひょう柄を好んで着たらおばさんか洋 未
 夏祭りおばさんパワー花ひらく  正 治
 おばさんと呼べば大勢はいと言い びん郎
 おばさんよりお姉さ〜んで返事をし香 織
おばさんと呼んでも返事してくれぬ長 仁
奥様と呼ばれおばさん有頂天   二三子
おばさんにされたら怒るまだ若い  葉
おばさんに好んでなった訳でない 叶志秋
おばさんのイメージ消そう四コマ目 しのぶ
おばさんが主と言って威張り出す  俊 坊
おばさんのお尻の威力席を取り   廣 司
おばさんのプラス思考に感化され  登 志
度胸よく値切るおばさんテント市  獏 沓
おばさんが火花を散らす特売日   のぶ子
おばさんという肩書きに物言わせ   薫
おばさんと呼べば振り向く怖い顔  草 園
メラメラと燃えた日もあるローヒールアキラ
巣鴨には赤いパンツを買いに行く  穂々美
スーパーの袋両手に立ち話     由利子
一粒の米を聞きたいおばさんに   満 月
大声でところかまわず立ち話    二三子
せんべいはダメよ今からラブシーン  尚
重心を落として城を守り抜く    アキラ
オバタリアン毒も薬も持っている  梨 絵
悪ガキが呼ぶおばさんへ切れるミス 安 心
園児らにナウいおばさんだと呼ばれ 大 鯉
おでん鍋はさみおばさん愛想盛る  竹 水
駄菓子屋のおばさん子等の中に住む 敏 子
わが道を行くおばさんに逆らわず   弘
おばさんのパワーで走るバスツアー  薫
  五  客
おばさんの髭が濃くなる角も生え  しげる
ごりっぱなおばさんになりあそばしてのぶ男
おばあさんいやお姉さんおばさんだ 晴 康
おばさんの躙るパワーが席を占め  平四朗
都合よくおばさんになりどっこいしょ智 美
   人  位
医者の腕おばさん達が点つける   叶志秋
   
地  位
おばさんの軍団が駆け込むトイレ  由利子
天  位
おばさんの特技男を煮込む鍋    竹 水


宿 題 折り句「たぬき」柳沢平四朗・選
頼るのは抜けている奴切れる奴   泰 史
宝船主が夢漕ぐきみの膝      竹 水
大罪を拭いきれないきのこ雲    叶志秋
体温を盗まれたくて君がいる    のぶ男
助けよう濡れ衣私着てあげる    徳 子
単身赴任濡れたスーツで気が重い  しげる
高砂やぬくい眼差し器量よし    のぶ男
大国へ抜け道さがす寄生虫     しのぶ
たっぷりの濡れ手で粟が気前良い  千恵子
ため息がヌード写真を切り抜いた  安 心
竹光を抜いて巨悪を切りに行く   アキラ
たじろいで濡れ衣みんな着るも道  太 郎
度々のぬかりに今日も気が荒れる   亘
たわむれに塗った化粧に嫌われる   弘
魂が抜けているのに気付かない   廣 司
滝の音温い日ざしで聞いている   ぎ ん
立ち聞きへぬき足そっと木戸を閉め 春 江
建て前は脱ぎ捨て欲に着替えよう  輝 男
対応にぬかりがないと気に入られ  玲 子
たくし込みぬらりくらりと急所突く 豊 子
大切に沼田を守る喜寿の父     梨 絵
タッチの差抜かれどじ踏む気の弛み 千恵子
立ち話盗んだ人が気にかかる    しげる
たすきがけぬくい話を聞きのがす  梨 絵
対岸へ温もり欲しい木を植える   しげる
裁ち鋏布は花柄北も春       茂 瑠
  五  客
たくましいぬれせんべいの郷土愛  正 治
たましいを塗り潰された帰還の日  政次郎
高そうな塗物が手を嫌ってる    二三子
立ち上がりぬれぎぬ晴らすキューピット
                 しのぶ
楽しみは抜けている子の金メダル  泰 史
   人  位
滝垢離に濡れふんどしが気合入れ   進
   地  位
戯れへ縫い目が荒い虚栄です    茂 瑠
   天  位
多情仏心抜き差しならぬ几帳面   豊 子
   軸  吟
たらい回し抜かる老後は気遣われ  平四朗


宿 題 「 自 由 吟 」 互 選
E目立たない釘はしっかり効いている叶志秋
E正直な私が何時も火種蒔く    輝 男
D引き際を知って一歩が軽くなる  野次馬
C決着をつけた後味焦げ臭い    草 園
C春が来る少し笑ってみようかな   葉
C負けまいと眉の尻尾を上げて描く 竹 水
B弾みから突っ込んだ首抜けられぬ しのぶ
B人妻も地雷の外で恋をする    智 美
Bしわくちゃの札から使う癖がある  弘
 



 


 


▽参加者(敬称略)堀場梨絵・曽根田しげる
 柏屋叶志秋・川村洋未・加藤鰹・堀場梨絵
 佐野由利子・永田のぶ男・長澤アキラ・市
 川重雄・柳沢平四朗・森田安心・池田茂瑠
 佐藤香織・金田政次郎・瀧進・芹沢穂々美
 内山敏子・畔柳晴康・望月満月・谷口智美
 井口薫・鈴木まつ子・堀井草園・御田俊坊
 森島寿恵・岡村廣司・笹美弥子・堀場大鯉
 高橋春江・林二三子・山本野次馬・中田尚
 高瀬輝男・大塚徳子・中矢長仁・成島静枝
 竹内登志・鹿野太郎・西垣博司・石田竹水
 中安びん郎・川口のぶ子・辻葉・薗田獏沓
 牧野正治・川島五貫・安田豊子・伊藤泰史
 滝田玲子・川口亘・薮ア千恵子・山田ぎん
 堀内しのぶ・望月弘・真田義子

☆県協会の理事会開催日と句会日が重なり、
参加人数は少なかったが、山形市からはる
ばる柏屋叶志秋さんが参加して下さり、和
気藹々の楽しい句会となった。暖冬の影響
で桜の開花予想日が三月十三日に出ていた
のだが、土壇場に来て寒い日が続き、残念
ながら打ち上げの「お花見」は断念したが
いつもの「つぼ八」で盛り上がった。


定例句会 | Link |
(2007/05/26(Fri) 17:57:12)

ちゃっきり し ぞ 〜 か 弁 川 柳

そげんこん言った覚えはありゃせんや〜  高橋 春江
わしったらこん頃急にしょぼくれちゃって 高橋 春江
おぜ〜顔玉の輿とはわしゃ〜負けた    堀井 草園
そんな事たやぁにゃあずら見に行くべ〜  堀井 草園
原付のこんポンポンって言うんだに〜   中川  司
このいけえ魚はなんて名めえずら     岡村 廣司
だばあけるあんてえだけは連れてかねえ  岡村 廣司
だまくらかいてやっと子供もねーりかけ  鈴木まつ子
ありもせん話ょ〜聞いたらたっちるら〜  鈴木まつ子
やんめしなおとましいことせんでええ   畔柳 晴康
まめったいあいつのゆやーすぐこしゃう  畔柳 晴康
やあだよう食ってばかりでいのかにゃあ  西垣 博司
そのいとに行くだに今日はおっこうだ   西垣 博司
きゃあでみろフランス製の香水だ     西垣 博司
稼ぐなー酒もタバコも飲まにゃーに    中安びん郎
花の種とにかくみゃーておかざーれ    中安びん郎
その年でいまは田植えをしにゃ〜らな   中安びん郎

▽風邪がなかなか治らずごせっぽくないなあ、なんて思っていた
ら今度は目こんじきが出来てやっきりこいちまったっけ(笑)
しぞ〜か弁、今月はちいっと投句が少なかったっけやあ。またえ
えのん出来たら送ってくりょうや。待ってるでね〜
〒421‐2106
しぞーか市葵区牛妻2095の13  加藤 鰹あて
(受付随時、投句料もいらにゃあでね〜)


ちゃっきり しぞ〜か弁川柳 | Link |
(2007/05/26(Fri) 17:53:12)

創 作  自薦句
    虎 竹 抄


「行 く 春」            井口   薫
リモコンだらけコックピットになる炬燵     袋 井
ラッピングしたら買手がつきました
スケールを見せつけながら降る黄砂
昨日散り明日は木綿を着るさくら



 「憎めない話」           増田  久子
電化したキッチン欲しいのは炎         焼 津
売り急ぐような四月の高級茶
日本語は幼児語のまま英会話
ポケットに葉書一日出し忘れ



「笑い合う」            真田  義子
信頼をされても困るなまず君      仙 台
太陽のように明るく生きていく
もう一度空を見上げて笑い合う
花粉症クシャミが止まらないカラス


「楽しい家族」           金田 政次郎
食べる音みんな元気に生きている       静 岡
笑ってるキット女房が無理を言う
向き合っただけで元気を呉れる人
ちちははと居た風景を守りたい


「惜しまれて」           山本 野次馬
無情にも桜蹴散らす春の風          函 南
寂しげな父の机が語りだす
今の世に黄金バットいればいい
今日もまた脳細胞が死んでゆく


「ふ た 心」            瀧    進
バレンタイン図式の見えるラブゲーム     島 田
指切りの度に約束軽くなり
安全パイまだ握ってる見合席
あのことはもう時効ですハネムーン


「夜半の風」             江川 ふみ子
胃に残るひと言抱いて夜が白らむ        函 南
夜半の風孤独の耳を吹き抜ける
風がどう吹こうと消えぬ心の灯
溜め息で廻りたくない風車


「  桜  」           あいざわひろみ
風ひとつ桜の枝に引っかかる         茅 野
ほとばしる血潮桜は満開に
呪縛から逃れられない櫻守
さくらさくら呪文は今も解けぬまま


「頂  上」            辻    葉
湧きました燃え尽きました甲子園       大 阪
アルプス席のど真ん中は訛の渦
静商や浜商遠く新球児
郷土から日本一の風もらう


「  石  」            提坂 まさえ
石膏でかたどっておくマイハート       静 岡
団塊に当たらない石選っている
居心地がよく結石もパラサイト
石一つ握った跡がついている


「自 由 吟」             増田  信一
ストローで幸せだけを吸い分ける        焼 津
金暇がない時だけは健康で
懐メロが遠い昔とランデブー
家建てて俺の居場所がなくなった


「友  達」           塚本  寄道
落ち込んで動けぬボクに友の喝        長 泉
変わらずに遊べる友がいてくれる
あったかい友がいるからがんばれる
泣いている友をなぐさめ僕も泣く


 「勿体ない」            中田   尚
パンの耳焼けているのに捨てられる      浜 松
推敲もせずに消しゴム痩せてゆく
胃袋に和食の良さを忘れさせ
タクシーに甘える足を持っている


「  春  」           毛利  由美
エイプリルフール嘘って難しい     つくば
入学式が三つ出費の春である
四月開講の誘惑に駆られる
春休み終わり私の春が来る


  「口  車」            柏屋 叶志秋
野原では分相応の花探す           山 形
金運のグッズで金を使い切る
井戸端の会議を終わす茜雲
下手すれば地獄にも行く口車


「愛してる」         戸田 美佐緒
手術後の何かにつけて愛してる       さいたま
自画像が欠伸している洗面器
大福の五つもあって満ち足りる
ポケットに女が残すさようなら


 「自 由 吟」            御田  俊坊
耐えて来て男の流れ変り出す       高 畠
変り身が早い女の色と艶
素直さが生きる流れの重さ知る
生きるため何を食べても血が流れ


「自 由 吟」          寺脇  龍狂
運賃の要らない砂が届けられ        浜 松
着て脱いで又着るママへ春の風
洗っても落ちない泥のユニフォーム
醜聞も桜の花に浄められ


  「雑  詠」             西垣  博司
家中の時計はスベテ自己主張          静 岡
真面目ですズボンの裾がダブルです
一人居の夜は長くも短くも
孫帰り入れ替わり来る静寂


「役  目」            加茂  和枝
エネルギー春の力よありがとう        岩 沼
遊ぼうよみんなで元気ぶつけよう
ほら泣いた隣で誰か手を貸した
誰にでも役目があって繋がって


「日 溜 り」            石田  竹水
古傷をバネに飛躍の体当たり         静 岡
要点をぼかして春の風荒れる
日溜りが好きな布団の花粉症
風通し良くて心がすき通る


「雑  詠」            藪ア 千恵子
人間の醜さをみる捨て台詞          焼 津
末席にいれば突っ張ることもない
意地悪なもぐら叩きに悩まされ
通せんぼされて逃げ道みつからず


「余  韻」             鈴木 まつ子
つかの間の癒しあなたを好きになる       島 田
サクラ、サク、夜のゆりかご憂さ忘れ
逢ってきた余韻にひたる終い風呂
玉手箱甘い思い出開けずおく


「雑  詠」            ふくだ 万年
タミフルを飲ませてみたがチト恐い      大 阪
あれも好きこれもイイナのバイキング
たべたいが金魚のフライ作れない
恋をする蛙の群れに石投げる


「巣 立 ち」            芹沢 穂々美
舞うように行ってしまった子の巣立ち     沼 津
隈取りの化粧の下で湧く闘志
週休二日本も虫干しされている
あまりにも平和で本を読んでいる


「迷  惑」            岡村  廣司
迷惑でしょうか私の片思い          焼 津
多数決善悪問わず決まってく
仲裁人やがて喧嘩に巻き込まれ
もしかして迷惑だろか長生きで


「雑  詠」             成島  静枝
青畳猫と孫には目をつぶる          千 葉
熱意ほどチーズケーキは膨らまず
お裾分け生きがい畑の野菜達
本当の肥やしになれず出る着物


「太  陽」             安田  豊子
寄せ植えの背伸びへ注ぐ陽の恵み        浜 松
涸れる程泣いた笑顔へ陽が庇う
布団干す夕べの悪夢叩き出す
太陽の加護へ鍬振る定年後


 「歯  痛」            酒井  可福
痛む歯をそーっと指で触れてみる      北九州
枕抱き口おさえ込む歯の痛み
痛いのは右と左と上と下
痛む歯に肴は要らぬコップ酒


 「春うらら」             大塚  徳子
遊ぶ金あって払わぬ給食費          仙 台
不規則に年輪刻む温暖化
皺深く刻み喜劇を演じ切る
春うららひたすら歩く脱介護


 「バンザイ」             内山  敏子
青空へいつもバンザイしたくなる        浜 松
転移なし伝える電話嬉し泣き
トンネルを抜けて昔の風に逢う
恐くない命をつなぐ癌切除


「  春  」            馬渕 よし子
外に出て春を両手で掬い上げ         浜 松
食卓へ春たけなわの彩を盛り
ストレスを一気にさらう春の風
温暖化春の未来が危ぶまれ


 「雑  草」             畔柳  晴康
雑草で名前は要らぬでも生きる     浜 松
木枯しに堪えて春の芽出す元気
踏まれても俺は雑草強く生き
花も実もつけて雑草種残す


「仲 良 し」            鹿野  太郎
トイレから客間へ凛と通る声       仙 台
挙式前袋小路に入り浸り
春を呼ぶ行事にくしゃみ止まらない
鉛筆と消しゴム調和崩さない


  「新  茶」            小林 ふく子
天と地に初夏の香りをもらいます        袋 井
今年又新茶に会えた甲斐がある
新茶飲む心を清く正座して
茶柱がなくても縁起担ぎたい


「ゼロの日」             高橋  春江
プラスマイナスゼロでいいのよ生きすぎて    袋 井
ずれた日の仮面へ本音大あわて
気負いすぎたたらを踏んで歳のかべ
満開のさくらへ笑みのありったけ


  「  桜  」              滝田  玲子
杖突いてへっぴり腰でゆく花見         浜 松
はらはらとブルーのシート散るさくら
青い空黄砂も混じん花の下
花よりも子等かけ回るスベリ台


  「近  況」            川口   亘
嘘も良い真出る間の刻稼ぎ           藤 枝
大事にとしすぎで逆に根を拡げ
見忘れがこころにきつい責めを負い
八十路見てやっと節目とする気分


  「あ る 日」            堀場  大鯉
血を分けた子とも思える嫁も老け        焼 津
そむかれた怒りなだめる春の雨
米を磨ぐやもめを覗き猫の去り
吊革に白髪頭を乗せて混み


「春のウツ」              新貝 里々子
ソメイヨシノとばったり出遭う神経科   袋 井
眠れないわたしが言えばさくらも言う
異常体質とカルテに書いてある
葉桜になれば落ち着くかも知れぬ


  「黄  砂」              佐藤  香織
大陸よ飛ばす砂塵も程々に         福 岡
春がすみほんのり色の程がいい
花粉症・砂塵症にも泣かされつ
密毛まつ毛鼻腔閉開進化しよう


  「虎 竹 抄」             山田  ぎん
水仙が見事思わず足を止め           静 岡
桜花ヒラヒラそっと手に受ける
滝の音星を数える山の家
湯に浸かり友あり春の梅が島


  「  足  」             川口 のぶ子
歩くのに杖を欲しがる足叱る          藤 枝
痛む足嘲るように膝笑う
足に気を注意し過ぎて頭打ち
難聴を気にして老いること多き


「孫の進学」              中矢  長仁
取り上げる話題は桜咲く便り        愛 媛
もう一度やっと納得合格だ
喜びが桜咲いたと湧き上がる
我が家にも明るい知らせ桜咲く


  「仇  名」              薗田  獏沓
新入生の愛子から仇名つけ         川根本町
唄う時眼鏡をかけて歌手に似る
受付嬢聖子に似てるいい笑顔
赴任した先生早くも仇名つけ


  「春 場 所」             中安 びん郎
春場所で大阪美妓と目線合い          静 岡
春場所に横綱負けてフトン飛ぶ
来場所も大関勝てば横綱に
春場所も郷土力士は勝越しに


  「戦死の兄」             堀井  草園
居心地が良すぎて石に潰される         静 岡
純粋に捨てた証の白い雲
捨て石に気付いた欲で得をする
不揃いの透き間に自信見のがさず


「風去りぬ」            多田  幹江
春の夜を影もおぼろの雑魚一尾        静 岡
軟弱な骨シルバーバンクにも出せぬ
掟破って滝に打たれている男
風去りぬ戦闘服をなびかせて


「鮎三昧・・・其の七」      永田 のぶ男
よそ者を睨みつけてる鮎の面         静 岡
競技会負けてなるかと脚競う
釣りキチさん懐かしい名だ元気かい
仕掛け見せ根性みせてうまさみせ


「雑  詠」            林  二三子
張り詰めた空気和らぐいい知らせ       芝 川
親を看る命の重さしみじみと
子育てにこれが一番なんてない
夢見つけ飛び立って行く子にエール


  「 桜 」            中野 三根子
ポケットに花びらそっとためておく     静 岡
夢にみたヨイドの桜君を待つ
花びらを集めて散らす春の風
花吹雪君にみせたい夢ごこち

 
「独 り 恋」       谷口  智美
あげるもの何もないから会いに来た   伊 豆
花柄で浮き足立って春を舞う
ひと電車ズラして彼を待つホーム
リフォームをしてもあなたでうまる部屋


  「  玉  」        真理  猫子
やめようと思えばタバコ数珠つなぎ 岡 崎
核心にわたしを映すしゃぼん玉
朝帰り妻はこんがり玉子焼き
玉手箱Windowsが起動する


「ゴールデン」        山口  兄六
アラームで覚める夢など惜しくない        足 利
正論が負ける人生経験値
おはようのメールで終わる誘い下手
遊園地少し大人を辞めてみる


  「雑  詠」             川村  洋未
がんばれと言われたくない時もある       静 岡
真実は食事すませてうちあける
人生の荷物はいつもちいさめに
口だけは置いてかないでもめるから


「花 の 道」     佐野 由利子
困っちゃう国語辞典にない新語    静 岡
隠し事絶対出来ぬお人好し
花の道赤いスカーフ蝶むすび
目が素敵やっぱり鼻は低すぎる


  「ついてない男」      長澤 アキラ
妻とする花見に惜しい良い天気    静 岡
幸運がこの世にあると思えない
百均の絆創膏でする血止め
この橋を渡った先にある地獄


「老  幹」         川路  泰山
首筋へ花を散らして風淡し     島 田
老幹の小粋に飄と蕨狩り
老いゆけば鄙びた邑が背にぬくい
一本の杉と社と過疎に老ゆ


   「絵 の 中」            池田  茂瑠
このケーキ食べれば治る頭痛です        静 岡
薄味になります愛を深めると
青い絵の中に詰まっていた答え
爪尖る甘える心ない私


「雑  詠」                高瀬   輝男   
晩鐘の余韻こだわり忘れさせ           焼 津
生きている証しか今日も手が汚れ
ロスタイム春は酩酊許されよ
誘われた笑い主義などありません


「ウイルス」                 望月   弘
ウイルスとマスクの中でキスをする     静 岡
井の中の蛙になると恐くない
夢なんて宝くじしか出てこない
出なくても出ても所詮は杭である


 「春 爛 漫」            加藤   鰹
岩清水僕は汚れてゆくばかり     静 岡
田にレンゲ僕には君がいてくれる
笑わねばならぬこの坂越えるまで
酔いどれも躁鬱病も花の下


   顧  問  吟 
 「  的  」        柳沢 平四朗
トラウマが叩く石橋疵だらけ          静 岡
呑みこんだ言葉の疼く不眠症
腹を立て笑うという字書けますか
真っ直な的が迷路になる自嘲




虎竹抄 | Link |
(2007/05/26(Fri) 17:52:12)

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