静岡川柳たかねバックナンバー
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平成二十一年 七月十八日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「印象吟」  森下居久美 選
熱帯夜地球にぐるりカーテンを   洋 未
揚げました一個の飴で白旗を    茂 瑠
図体も肝も大きいおっかさん    明 美
内緒だが金塊うちに二つある    のぶ男
ご褒美をより取り見どり包み込む  和 一
私もオバンで飴は必需品      茂 瑠
見ていると小人の世界迷い込む   信 一
俺に似て中身などない紙包み    輝 男
外箱の大きさについ惑わされ    明 美
欲の皮膨らみすぎて縛られる    千恵子
自民党間もなくバランバランだな   鰹
プレゼントやはり大きい方がいい  三根子
大反省甘く育てた子のメタボ    五 貫
誰にでも親しまれてる丸い顔    由利子
もう一つあればバストに入れるのに 洋 未
召し上がれ私飴玉より甘い     茂 瑠
大風呂敷だけど中味は平均値    恭 子
飴と鞭与えて子らを塾へやる    二三子
少子化の飴わがままな子が育ち   千恵子
突っ張ってみせても中味いつも純  恭 子
イケメンを引っ張り合っている女  千恵子
まんまるいデカイおにぎり母の愛  洋 未
風船の中に入れたい甘い夢     三根子
 秀 句
旅立ちを翼ひろげて待っている   千恵子
幸せが逃げないようにラッピング  和 一
懐の大きさ故に負う荷物      明 美
風船になって世界を覗きたい    輝 男
優しさで包む地球は真ん丸い     鰹


宿 題 「昭和回顧3」佐野由利子 選
虚脱感癒えたリンゴの赤い歌    茂 瑠
狩野川に呑み込まれずに今がある  明 美
借金でやっとバラック兎小屋    のぶ男
学童疎開枕ぬらして親ばなれ    しげる
ミニスカート二十歳の私デビュー戦 洋 未
ご近所が顔を揃えて沸くアポロ   恭 子
ノラクロの漫画が僕の少年期    千恵子
万博の顔がグラスの底にある    和 一
銀シャリがご馳走でした大家族   信 一
人波の中でチラッと見たパンダ   恭 子
賞味期限決めるは母の舌と鼻    五 貫
少年の夢が溢れたラムネ瓶     五 貫
黒を黒 本音で言えぬ時代生き   のぶ子
米不足命繋いだいもかぼちゃ    敏 子
やかましく言われた蚊帳の入り方  千代見
不景気の節目はオイルショックから 長 仁
ミニスカの大根足もセピア色    静 枝
軍刀をコートの下に父帰る     アキラ
爪と髪届いて兄は天へ旅       薫
君の名は聞くまでもないマチコ巻き 和 一
村で一つテレビの前で正座する   ふく子
あの頃はリンゴの唄とかえり船   廣 司
牛乳も酒もビールも瓶だった    さとみ
ボーナスの厚み父権も強かった   静 枝
ご近所に一声だったセキュリティー 哲 也
膝と膝隙間なかった汽車だった   安 心
電灯に黒布掛けた本の虫      竹 水
色水のようなジュースがおいしくて ふく子
三丁目の夕日の中にいる私     二三子
石蹴りもメンコも出来る路地がある 二三子
明星で歌い踊ったキャンディーズ  居久美
 五 客
石鹸で昭和生まれの髭を剃る    美佐緒
ラバウルを一つ話の友も逝く    獏 沓
おかえりと井戸に浮かんでいるスイカ居久美
駆け落ちの揺れて眠れぬ寝台車   卓まる
薪くべるかまどの煙に泣いた母   修 市
 人 位
鼻タレもアカギレもいた子供の輪  信 一
 地 位
ゼロ系のひかりと飛んだ夢の中   太 郎
 天 位
ちゃぶ台に序列があった家族の和  千恵子


宿 題 「女性上位」 永田のぶ男 選
逆立ちをしても男は子を産めぬ    弘
鎧着て通帳握る山の神       重 雄
子を産んだ女に勝てる訳がない   由利子
決断を妻の財布に聞いてみる     進
母と娘が決めて父さん金払う    由利子
会社でも女社長にしごかれる    千恵子
何時からか女神の尻に敷かれてる  竹 水
妻胡座俺は正座で食事する     信 一
女性上位のマスオさんちは平和です 徳 子
婚活も女性上位でたくましい    玲 子
威勢いい啖呵とばしてダンプの娘  玲 子
家計簿は任せ小遣い貰う僕     長 仁
あの乙女今はだんなを尻の下    安 心
妻のあと三歩下がって買い物に   信 一
印鑑もカードも妻が持っている   二三子
草食系男子手玉に取る女      居久美
校長も医者も女が強すぎる      尚
玄関を入れば妻の部下になる    博 司
倹約と節約ワイフ天の声       進
ギリギリの居場所で妻を誉めている 卓まる
したたかな女性の寿命世界一    廣 司
妻に似た鬼瓦にもにらまれる    ふく子
妻よりも三歩下がって歩く僕    千恵子
ままごとのママも離婚をちらつかせ 哲 也
お隣りを見習いますと妻が言う   晴 康
勝つための隙も作れる女です    茂 瑠
無駄遣いすんなと渡す俺の金    五 貫
草食のおとこ 女に歯が立たず    薫
平社員惚れた女房係長       卓まる
お〜いお茶 客が居るから言えるけど 可 福
三歩前先を行くのは僕の妻     洋 未
戦国の世からの女性上位です    好 子
威張らせてあげる私の手の中で   恭 子
遠慮ない女裸足で闊歩する     居久美
威張らせて飲ませて妻の思うツボ  二三子
父は増え夫はどんどん減ってゆく  さとみ
仲直りまず動き出すのはオトコ   恭 子
コーヒーの良い匂いねと起きてくる 長 仁
水臭い女で家事に遠く居る     政次郎
 五 客
表札は僕実権は妻の手に      輝 男
体重も財布も妻に負けている    明 美
父の留守いつも家族ですし出前   三根子
こん畜生来世女で生まれるぞ    晴 康
何事も決定権は妻が持つ      明 美
 人 位
安眠の夢の中でも寄り切られ    和 一
 地 位
日曜の夜まで仕切る山の神     和 一
 天 位
妻シャネル 僕は三枚組パンツ     鰹
 軸 吟
無事故にて姐御ダンプでサングラス のぶ男


宿 題 「苦  い」 加藤  鰹 選
薬箱もしもの時の正露丸      居久美
苦かったビール今では旨いなあ   長 仁
苦いのが薬なのだとビール飲み   信 一
ビールから苦み取ったらただの泡  洋 未
こらしめにホップを抜いている所  太 郎
羊羹がビールの苦味引き立てる   和 一
私の苦い経験宝物         和 枝
愚痴になる酒は無口でほろ苦い   豊 子
商いも不況続きでたかが知れ    まつ子
捨てる気になってなれない苦い過去  亘
聞き役に回ると酒も苦くなる    敏 子
四季を呑む盃苦いはずがない    ふく子
青汁の味は良薬だと思う      可 福
煎じ薬妻の浪費も効果ない     穂々美
苦労しているんですけどわかります 居久美
人生の苦さしみじみ保証人     由利子
暑気払いゴーヤチャンプル召し上がれ 久
夏バテの予防ゴーヤのほろ苦さ   二三子
あの苦さゴーヤの緑夏が来た    洋 未
苦瓜も揉んでいくうち甘くなる   信 一
ピーマンを素早くキャッチ孫の舌  静 枝
秋刀魚にも苦い思い出ありました  哲 也
サンマより苦い査定のボーナス日  卓まる
息できぬ不況の波のど真ん中    野次馬
糖衣錠隠し切れないキノコ雲    アキラ
自叙伝に未消化のままある苦味    薫
勇み足してから続く苦い味     千恵子
負けず嫌い苦い思いもバネにする  恭 子
青春の恋ほろ苦いつゆと消え    さ き
負け試合あの苦い味忘れない    輝 男
やりこめた心が苦いまま残り    千代見
無理矢理に通した意地のほろ苦さ  和 一
反芻をする度苦い捨て台詞     静 枝
言葉尻ゆっくり咀嚼苦い味     しげる
若い日のあの失敗がまだ苦い    三根子
人生の宝に変化した苦言       弘
純粋に生きても苦い水と会う    安 心
苦い水飲んだくせして今日も翔び  廣 司
花柄に苦いドラマが続く傘     茂 瑠
どうしよう苦い薬が効かなくて    尚
良薬と言えども耐え難い苦さ    二三子
医療費が高くて薬ほろ苦い     修 市
後輩の忠告受けた読み違い     輝 男
義理チョコを悟り男は深くなる   五 貫
くだらない上司のジョーク耐える部下 廣 司
披露宴退社を祝う顔もある     五 貫
お別れのコーヒーそっとシュガー足す 進
 五 客
転校にシカトの意味を教えられ   由 美
苦虫を潰した顔にほれた妻     のぶ男
苦虫を噛まずにいてもその顔で   ふく子
デートドタキャン紅茶まで苦くなる 明 美
残高が知れるとみんないなくなる  美佐緒
 人 位
いけ好かぬ奴に青汁なみなみと   由利子
 地 位
しめしめと拾ったアメは苦かった  さとみ
 天 位
ほろ苦さだけを残した恋でした   恭 子


宿 題 「自由吟」  互 選
H離陸する子へ助走路を足しておく 美佐緒
E嫌いではないが波長が合わぬ人  由利子
D金もない地位もなければ嘘もない のぶ男
D古切手恋は終わって捨てがたい  穂々美
Dサングラス虹の七色見失う    ふく子
C二人だけの秘密石ころでも光る  恭 子
C私より信用がある保険証      弘
B道草が教えてくれた衣替え    和 一
B晩酌で測る貴方の満足度     明 美
Bまだ探すつもりか昼はとうに過ぎ 博 司
Bやさしさが心にしみるあの言葉  三根子
B若き日に引き戻される夏帽子   義 子
B三枚に下した鯛がまだ睨む     久
B代筆は妻と決めてる筆不精    敏 子
A惚れた女 半音上げて吹く本音  満 月
Aお宝はやはり夫という悟り    よし子
Aそれ以上それ以下もない適齢期  まつ子
A貧乏も中ぐらいなら我慢出来   廣 司
A自転車が合鍵よりも先に失せ   由 美
A努力家は手強い私怠け者     好 子
A富士山に帽子かぶせる粋な雲   豊 子


参加者(順不同)永田のぶ男、森下居久美
山下和一、勝又恭子、高瀬輝男、佐藤明美
増田信一、望月満月、林二三子、川島五貫
佐野由利子、中野三根子、川村洋未、瀧進
池田茂瑠、薗田獏沓、藪崎千恵子、加藤鰹
曽根田しげる、金田政次郎、小林ふく子、
岡村廣司、大塚徳子、中矢長仁、畔柳晴康
鈴木まつ子、中田尚、毛利由美、小野修市
西垣博司、井口薫、鈴木千代見、成島静枝
篠原久、長澤アキラ、内山敏子、石田竹水
谷口さとみ、望月弘、濱山哲也、真田義子
森田安心、安田豊子、山本野次馬、川口亘
加茂和枝、酒井可福、鹿野太郎、竹内さき
滝田玲子、市川重雄、尾崎好子、那須野正
明、芹沢穂々美、戸田美佐緒、馬渕よし子
川口のぶ子、中川司
定例句会 | Link |
(2009/09/07(Sun) 15:37:21)

平成二十一年 六月二十日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「つ ゆ」(表現自由)
中野三根子 選
梅雨の日のデートはラララカラフルで 千恵子
一年中梅雨のようです我が夫婦    鰹
梅雨晴れ間誘いのメールどっと来る 穂々美
ソーメンの汁に隠した不発弾    穂々美
空もみず気象予報士あてにする   好 子
ラーメン屋秘伝のつゆで列をなし   弘
あじさいの葉先に露の艶っぽさ   穂々美
母送る寂しさ募る露時雨      由利子
蕎麦は良いつゆが旨けりゃもっといい 洋 未
梅雨の中加齢臭にはファブリーズ  穂々美
手作りの味噌でワカメの汁を飲む  穂々美
湿っぽく離婚の傷を包む梅雨    茂 瑠
だし汁にこだわりすぎて麺が延び  洋 未
長雨で乾燥剤を貼って寝る     洋 未
梅雨だから夫のパンツ隅に干す   穂々美
年金の支給日前は梅雨になる    アキラ
雑草も勢いを増す梅雨晴れ間    二三子
庭いっぱい梅雨の晴れ間の布団干し 二三子
新しい恋をみつけて梅雨明ける   恭 子
あれこれと主婦忙しい梅雨晴れ間  千恵子
朝露が朝の散歩の邪魔になる    二三子
雨だれのバラードを聴くうさぎ小屋  弘
評判のおでんおつゆにある秘伝   輝 男
梅雨晴間風にたなびく白いシャツ  由利子
梅雨空へあじさい軽く息をする    弘
 五 客
紫陽花は梅雨と別れがよく似合い  和 一
麦茶かと思い麺つゆ飲んじゃった   鰹
味噌汁の具を残してる好き嫌い   二三子
梅雨明けを待ってたようにいく旅行 千恵子
騙されたふりだったとはつゆ知らず 恭 子
 人 位
梅雨入りの気配感ずる夫婦仲    和 一
 地 位
三ツ星の夢を見ている蕎麦のつゆ   弘
 天 位
梅雨の日は明るい色の紅を引く   千恵子


宿 題「ふ、で始まる句」川村 洋未 選
風呂敷を広げ過ぎたか嫌われる   二三子
風呂上りビール切らして八つ当たり 可 福
太っ腹だけど気になる妻の腹     進
振り向くと開いたままの傷もある  ふく子
不況など知らぬ顔して家が建つ   明 美
古時計鳴ると魚拓が目を覚ます   政次郎
ふる里の駅にひまわり咲いて待つ  千代見
福耳をほめられている無一文    徳 子
不凍液在庫が増える温暖化     博 司
触れるたび恋のテンポが落ちつかず まつ子
副作用たまに裸になるお酒     長 仁
ふところの具合はいつも雨模様   のぶ子
不思議だねいつも誰かを背負う君  卓まる
ふさぎ込む私に誰も気付かない   静 枝
振り向けば仲間はみんな逃げ支度  獏 沓
普段着で付き合う友がいて平和   和 枝
振り出しへ戻ってばかりいる不運  廣 司
普通ではない事をする普通の子   五 貫
風采の上がらないのが社長です   由利子
風呂敷の良さを見直すエコ社会   千恵子
踏切の向こうで見せるVサイン    薫
フェロモンを撒き散らしてる金魚たち 輝 男
不景気で困りますねとヤミ金屋    鰹
普段着でいいか躊躇う裁判所    静 枝
不覚にもクレヨンしんちゃんに涙  由 美
ふつつかな親です娘頼みます    五 貫
歩が一つ足りず名人借りてくる   のぶ男
 五 客
不揃いのトマトがダンスするサラダ  弘
負の数をいくら足しても負のまんま  尚
ファミレスで実印大きな仕事する  さとみ
懐の寒いときこそ知恵は出る    和 一
副作用試してみたい露天風呂    しげる
 人 位
福耳の拾った話持ち帰る      重 雄
 地 位
踏ん切りがついて出直す靴を買う  千恵子
 天 位
ふっくらのパンにつけいる隙がない  弘


宿 題 「 雨 」  池田 茂瑠 選
雨乞いが過ぎて家まで流される   アキラ
新聞で兜小雨へ勇ましく      静 枝
長靴が元気に跳ねる水溜まり    居久美
雨風に負けず子供に負けている   徳 子
雨音に言い訳だけの先送り      亘
梅雨時の洗濯物は家の中      ぎ ん
忍び逢い雨が二人に味方する    由利子
音もなく過ぎる父の日梅雨の酒   五 貫
火をつけた男が憎い雨の夜     由利子
一滴の雨が踊らす葉の舞台     玲 子
通り雨地下鉄で来て気が付かず   獏 沓
会える日は土砂降りだってかまわない 恭 子
君去りし街はざんざん降りの雨    鰹
恋の花散らしていった通り雨    明 美
足跡を消しておくれよこぬか雨   卓まる
幾つもの切られた首に雨が降る   太 郎
しっとりと蛇の目の傘のいく茶会  千恵子
履歴書に雨宿りするヒマが無い   博 司
 秀 句
ひきこもるのも雨の日の遊び方   由 美
母さんが遊んでくれる雨が好き   居久美
雨の日を過ごす明るい色を着て   千恵子
清い恋ビニール傘にある答     静 枝
雨よ降れ私の海を青くして     さ き


宿 題 「じんわり」 加藤  鰹 選
温もりを伝えるそっと抱きしめる  恭 子
悟された親の言葉が効いてくる   修 市
不器用な夫の愛が感じられ     二三子
ひと回りしてじんわりと効いてくる 千代見
漢方薬世辞のようにと効いてくる  野次馬
じんわりとソナタの森で眠る美女  さ き
じんわりと脳裏の奥にある思い   のぶ子
説教がじんわり効いてしおらしい  玲 子
悪の手が助平心にじんわりと    可 福
父の日の父を泣かせるお膳立て    薫
じんわりと妻がネクタイ締めてくれ 由利子
時を経て丸くじんわり夫婦味    修 市
亡くなった後でわかったありがたみ 信 一
冷えた手も温まりそう君の声    明 美
やわらかいパンチ笑顔のアドバイス 五 貫
お小言が午前0時に効いてくる    尚
長年の漢方薬が効き始め      二三子
朝帰り妻がじんわり攻めてくる   千恵子
帰宅して君の笑顔の意味を知る   卓まる
誉め言葉小言のように聞いている   弘
例えばの話わたしを責めるかに   輝 男
神様が許してくれた過去のこと   三根子
発表会ハンカチ握り締める親    太 郎
つかまったじんわりと効く甘い罠  洋 未
リストラの首段階を追って締め   茂 瑠
面接にしどろもどろの滲む汗    千恵子
不景気を日毎に刻む台所      五 貫
振り向くとスローカーブの下り坂  アキラ
似顔絵をじんわり抱いて生きている 満 月
じわじわとメロンが熟れていく真昼 美佐緒
三十を過ぎてじんわり紫外線    由利子
汗にじむ猫の額の庭いじり     好 子
手軽さにじんわり故郷見直され   満 月
連休のツケ僕の財布を締めつける  明 美
一夜明け勝利の美酒が効いてくる   進
じんわりとガン病棟の談話室     弘
一人寝の夜読み返す走り書き    和 一
 五 客
さりげない一言夢にこだまする   和 一
額に汗娘の彼の品定め       穂々美
披露宴終えて娘の部屋に立つ    さとみ
日記帳なみだの跡がいとおしい   好 子
おふくろの手紙切手が逆様だ    政次郎
 人 位
不勉強ボディーブローで効いてきた 信 一
 地 位
あなたの心ちょっとあぶれば読めるかな さとみ
 天 位
遠赤で妻が夫を焼き上げる     哲 也


宿 題 「自由吟」  互 選
G平均のあたり安心して生きる   恭 子
G梅雨空にごろりと拗ねているリュック 鰹
F批判したばかりに次の責任者   五 貫
F回り道余分なものの無い不思議  アキラ
D同い年聞いて若さを見比べる   静 枝
C耳元の蚊に献血を言い寄られ   博 司
C愚痴弱音静かに聞いてくれる友  居久美
Cまな板のへこみ女が暮れていく  美佐緒
Cほどほどの幸せですがお裾分け  和 枝
B火遊びもよし人間として生きる  政次郎
B夜聞いたうまい話が朝崩れ    洋 未
B愚痴ったら起き上がれない七転び 竹 水
A微笑んで重箱の隅突つかれる   明 美
A約束を包んで命呼吸する     満 月
Aブレーキが無い少子化と高齢化   弘
A流れ星録画を止めて願い事    哲 也
Aおしゃべりがひと時過去を呼び戻す 二三子
A男なら顔じゃないよと励まされ  廣 司
A金とひまあってみんなに拝まれる まつ子
A新学期人間不信になっている   穂々美
@ひさびさに息抜きさせている仮面 千恵子
@今日からは私の夢の中に居る   三根子
@追い風の台詞信じて風邪を引き  さ き
@よく食べて口内炎がせめてくる   尚
@何時までも消えそうにない古い傷 長 仁
@折り紙の上手舟形菓子の盆    好 子
@赤信号小学生に注意され     由利子
@嘘つきな記憶はそっと封印し   和 一
@鬼の面だけが褪せずに残ります  茂 瑠
@深い仲いつごろからと深く聞く  修 市
@改札で自由自在の羽貰う     よし子
@経験が悩み説きほぐ道しるべ   晴 康
@シュレッダーの隅にしがみつく派遣 野次馬


参加者(順不同)長澤アキラ、藪ア千恵子
山下和一、勝又恭子、高瀬輝男、佐藤明美
芹沢穂々美、池田茂瑠、小野修市、望月弘
川村洋未、尾崎好子、瀧進、曽根田しげる
中野三根子、加藤鰹、大塚徳子、岡村廣司
佐野由利子、林二三子、望月満月、中田尚
畔柳晴康、内山敏子、成島静枝、増田信一
中矢長仁、薗田獏沓、西垣博司、鹿野太郎
川島五貫、竹内さき、山田ぎん、市川重雄
毛利由美、川口亘、金田政次郎、滝田玲子
井口薫、小林ふく子、加茂和枝、濱山哲也
酒井可福、石田竹水、鈴木千代見、那須野
正、今井卓まる、山本野次馬、鈴木まつ子
戸田美佐緒、馬渕よし子、永田のぶ男、中
川司、川口のぶ子、谷口さとみ、森田安心
森下居久美
定例句会 | Link |
(2009/08/07(Thu) 15:31:51)

平成二十一年 五月十八日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「プラモデル」増田 信一 選
子らよりも夢中で妻に叱られる   二三子
プラモデルおもちゃの筈が武器兵器 のぶ男
夢語り親子で作るプラモデル    千恵子
父と子が寄り添い作る嬉しさよ   修 市
子供よりパパが夢中のプラモデル  三根子
ありあまる時間プラモで助けられ  洋 未
残業が減った時間でプラモデル   洋 未
子のプラモちょっと貸してが病みつきに 洋 未
不器用なパパが作ったプラモデル  由利子
引籠もる子に宛がったプラモデル  由利子
ビス一本取れ最初から組み直し   二三子
プラモデル親子競演気持ち溶け   のぶ男
貸してみなダメまたパパが作るから さとみ
ホビーショー大人のマニア賑わって 三根子
指先の器用さを問うプラモデル   由利子
応接間戦艦大和誇らしげ      由利子
しずおかがはばたいているホビーショー 弘
いつかはと夢みて作る豪華船    千恵子
プラモデル飾る部屋まで造らせる  好 子
ヒーローになる為に持つプラモデル 明 美
父ちゃんが子に聞いているプラモデル のぶ男
居住権求めています父の趣味    明 美
父と子の合作となるプラモデル    弘
プラモデル猫を隣の部屋へ追う   茂 瑠
プラモデル潰せる余暇として求め  茂 瑠
プラモデル晩酌抜きで組む夫    茂 瑠
ゴミでしょと夫婦喧嘩の元になる  明 美
おじさんの作品がある店が基地   さとみ
 五 客
ウサギ小屋に飾るお城のプラモデル  鰹
一人寝を慰めているプラモデル   輝 男
子供より大人をときめかすタミヤ   鰹
見る造るそして眺めて悦に入る   明 美
不景気でプラモデルさえ買えぬ父  のぶ男
 人 位
日曜のパパはプラモと引き籠もり   鰹
 地 位
プラモデル作っています呆け防止  千恵子
 天 位
プラモデル大和は美しく生きる   茂 瑠
 軸 吟
平和です親子で作るゼロ戦は    信 一


宿 題「ひ、で始まる句」谷口さとみ 選
火の車いつも運転する私      茂 瑠
ひと坪の庭に野菜のコンツェルト  千代見
引き際をわきまえバトン子に渡す  二三子
控え目な部下が言葉を返した日   廣 司
ひとしきり喋りまくったアマガエル 美智代
ひらひらのスカートで行く参観日  まさえ
日焼けして松崎しげる並みの黒   たかし
閃きは振り向きざまに消えました   薫
瞳キラキラ新入生の好奇心     穂々美
人寄せのたびに減っていく身内   明 美
日向ぼこ隣の猫も来て座る     敏 子
一口であんたのハート試食する   竹 水
ひどい人叩かれオトコ嬉しがる   静 枝
ビジネスと割り切るナイフ持ってない哲 也
PSで軽く病気のことに触れ    由 美
ひと休み空はでっかい勇気くれ   竹 水
秘密だが日本画美人僕の妻     のぶ男
引っ詰めた髪が意欲を見せている  二三子
火種持つ近くて遠い人といる    俊 枝
 人 位
ひんやりと何か何かが違う人    俊 枝
 地 位
秘め事を窓から覗くお月さま     鰹
 天 位
ひらがなが丸く我が家をかきまぜる さ き
 軸 吟
ひとことも言わず亭主はよく食べる さとみ


宿 題「手」表現自由 永田のぶ男 選
神の手を持った医師らの人助け   好 子
強欲を捨てれば壺の手が抜ける   由利子
手の内を秘めてネクタイ締め直す  千恵子
子の巣立つまでは手の内見せられぬ  弘
手の平で受けるいっぱい夏の恋   ふく子
飽食の手は祈りなど忘れてる    輝 男
手加減がきれいに溶かす嘘ひとつ  さ き
拍手に神は賽銭箱覗く       竹 水
手足だけ素直に聞いてくれるのは  信 一
老いて今良く動いた手だと撫でる  ぎ ん
政策は介護年金後手になり     修 市
定年後妻のお抱え運転手      信 一
手の届く位置におきたい子の育ち  千代見
手相見が料金分のことを言う    さとみ
不器な手で運を掴んだ事がない   輝 男
奥の手は孫を味方に仲直り      進
人の良い男だ荒れた手をしてる   アキラ
手にしたら直ぐになくなる給付金  のぶ子
母の手は小さくなっても温かい   明 美
お互いの傷のある手が庇い合う   太 郎
手の内を読まれゆっくり妥協する  しげる
お目出度い三本締めの手が赤い   好 子
手をふって見送ってくれ朝元気   たかし
初対面握手で探る腹の内      千恵子
日本国手形の期日せまってる    洋 未
手前みそ良い話にも嘘は入れ     亘
苦も楽も手慣れた介護板につき   まつ子
段差ある転ばぬように手を添える  千代見
絵手紙できたアジサイに逢いに行く 由利子
啄木の手の貧しさに蟹が逃げ    政次郎
手に職をつける他人の飯を食い   獏 沓
見えなくて見える目隠し手の温み  政次郎
 五 客
手の内を隠して忘れそのまんま   たかし
ボランティア無欲の手と手つなぎ合う 二三子
手相には出ない運勢落し穴     しげる
手土産の次に出された金のこと    鰹
社保庁へ貸した猫の手返らない    弘
 人 位
鮎の頃仕掛け作りの手が弾む    博 司
 地 位
不況風堪えた軍手を又洗う     重 雄
 天 位
手土産が走る千円里帰り      豊 子
 軸 吟
バンザイの手を挙げてから大誤算  のぶ男


宿 題 「無責任」  高瀬 輝男 選
うっかりを酒のせいとは無責任   二三子
老舗でも偽装で店を閉じる破目   重 雄
国債を増発あとは知〜らない     薫
それイイよ口癖のよう繰り返す   卓まる
無責任体に悪いタバコ売る     徳 子
責任者あなた以外にない筈よ    博 司
莫大なチャイナの無責任コピー   太 郎
無責任北朝鮮が打ち上げる     すみと
言いわけを考えながらゆく遅刻   玲 子
子のいない人の前でも子の自慢   ぎ ん
また彼奴言うだけ言って逃げて行く 晴 康
万歳の後は存ぜぬマニフェスト   豊 子
投票に行かず政治にブーイング   五 貫
ばら撒きのつけは話さずお役人   野次馬
わしゃ知らぬ秘書が勝手にやった事 長 仁
合コンの咲いてすぐ散る徒桜     進
効き目には個人差あるとハゲ薬   五 貫
衛星の美名ミサイル許せない    政次郎
書き替える賞味期限の曖昧さ    すみと
噂からウワサ尻尾が伸びていく   美佐緒
アメとムチどちらを使う思案どき  穂々美
三猿を決めて抗議の妻の乱     可 福
責任の無い署名ならすぐ書ける   廣 司
 五 客
成行きで産み御座なりの母性愛   由利子
実は僕 夜逃げの準備しています    鰹
その件は秘書が管理をしています  卓まる
核心に触れると横を向く夫     茂 瑠
責任の所在はいつも雲がくれ    博 司
 人 位
めくら判押す指先の無責任     敏 子
 地 位
子の躾学校側に押しつける     千恵子
 天 位
蝶ひらりひらりその気にさせといて  鰹
 軸 吟
自然破壊わたしもしてた野草狩り  輝 男


宿 題 「自由吟」  互 選
G嬉しさを何度もなぞる保存する  由利子
Fロスタイム人間らしさ取り戻す   進
E手話の手が踊って恋を弾ませる  アキラ
E今日からは肩の力を抜いて生き  三根子
D青空の下のぬかるみ避けられず  さとみ
D溜まるのはゴミと不満と脂肪だけ 信 一
C控え目にして波風を立てずいる  千恵子
C中流の意識に穴が多すぎる    茂 瑠
C殺虫剤持つには危険古希の乱   野次馬
B結ばれて紅い絆の綱渡り     さ き
B傷心の旅に土産を買わされる   哲 也
B終点に着くまで人はゲームする  豊 子
A東京のデートは老いも手をつなぎ 龍 狂
A一手間が良い味になる引き締まる 好 子
A雲一つないCGのような空    由 美
Aそれぞれの何かを探す夕間暮れ  和 枝
A受信拒否さてはトンズラする気だな 鰹
A居酒屋の別れ体をいとい合う   五 貫
A春うらら雲と遊んで暇つぶす   可 福
A喪服脱ぎほっと悲しみ湧いてくる 獏 沓
Aがま口へ吸い込まれてく給付金  ふく子
A四十年和音合わずに生きている  穂々美
A梅雨晴れ間人間たちが生き返る  千代見
Aだまされたふりこの辺が潮時か  洋 未
@ひとひらの花びら愛のメッセージ  弘
@嘘ついた舌の鱗を吐き出した   しげる
@思い出を語りみんなで泣き笑い  二三子
@懐かしく思い出すのは怒鳴り声  明 美
@許可がまだおりぬ薬をガン投与  のぶ男
@六十の体むちうつ山登り     徳 子
@惜しみなく尽くし手袋捨てられる 政次郎
@キリギリス値下げラッシュに落ち着けず 静 枝
@この涙あなたのせいです。かしこ 美佐緒
@ど根性ビルの谷間に咲くすみれ  義 子
@倒産の憂き目に明日の虹がない  敏 子


参加者(順不同)増田信一、曽根田しげる
小野修市、望月弘、藪ア千恵子、池田茂瑠
谷口さとみ、佐藤明美、望月満月、加藤鰹
尾崎好子、高瀬輝男、林二三子、畔柳晴康
川村洋未、佐野由利子、中野三根子、瀧進
永田のぶ男、長澤アキラ、小林ふく子、中
川司、鈴木まつ子、金田政次郎、内山敏子
岡村廣司、成島静枝、薗田獏沓、中矢長仁
芹沢穂々美、酒井可福、井口薫、石田竹水
川島五貫、鹿野太郎、加茂和枝、毛利由美
安田豊子、市川重雄、滝田玲子、山田ぎん
川口亘、戸田美佐緒、西垣博司、竹内さき
森田安心、市川重雄、石上俊枝、那須野正
明、鈴木千代見、山本野次馬、飯塚すみと
川口のぶ子、今井卓まる、提坂まさえ、徳
久竜司、川村美智代、恩田たかし、山田正
萩原まさ子、森下居久美

定例句会 | Link |
(2009/07/26(Sat) 14:27:46)

平成二十一年 四月十八日
定 例 句 会
於 アイセル21


席 題 「いろいろ」 加藤  鰹 選
いろいろな形試して楽しんだ    由利子
ヘエこんな姓もあるのか人名簿   輝 男
めんどうだデパート一社買い付ける 洋 未
おでん鍋味はいろいろ暖簾変え   しげる
花なんて色々あって覚えない    三根子
方言が飛び交っている街の駅     弘
訳あって×の数だけ増えてゆく    尚
賢いかずるさか振り込め詐欺消えず 輝 男
デパ地下で味見していて満腹よ   三根子
人生いろいろだけども木偶は木偶のまま 輝 男
好き嫌いあって人生おもしろい   由利子
いろいろな色が有るから虹になる  アキラ
色の道いろいろ指南されたいな   修 市
方言もオラが里のは美しい     輝 男
いろいろとお世話になっている地球 好 子
いろいろな風を聴いてる通夜の席  アキラ
カプセルがダンスしてます胃の中で  尚
十人の顔十人のヒゲがある      弘
人のくせ本人だけが気がつかぬ   三根子
美辞麗句たくさん並べほめ殺し   アキラ
 五 客
縁日で迷う子供の五百円      洋 未
通販でよくもこんなに買い込んだ  洋 未
いろいろと迷惑かけて深い仲    好 子
色々と手尽くしました 御臨終   由利子
春を描く色えんぴつがいそがしい   弘
 人 位
赤黄青なぜにネオンは僕を呼ぶ   修 市
 地 位
ショッピング今日の彼氏は誰にする 洋 未
 天 位
それぞれの気持ちをのせて千の風  満 月
 軸 吟
いろいろとあって現在独りです    鰹


宿 題「は、で始まる句」佐野由利子 選
春風を通せんぼする不況風     博 司
ぱっと見で惚れて血液型で冷め   由 美
歯並びが綺麗で嘘が見抜けない   野次馬
八方を立てて自分の影がない    千代見
発破士がひとりも居ない政財界   猫 子
ハッケヨイノコッタ妻に寄り切られ  鰹
はんぺんはやっぱり黒と決めている 居久美
はしゃいでる心の奥を読みきれず  俊 枝
鼻声に男の背骨すぐ崩れ      輝 男
はっくしょん花粉が鼻を通過する   尚
春がすみ花をながめて散歩する   ぎ ん
墓参り父は出不精でしたから    由 美
ハッピーな人だね今日も笑ってる  三根子
春なのに冷房なんか入れてます   猫 子
ハネムーン富士エアポート一番機  好 子
はや十月 母子健在を祈る日々   のぶ男
肌つるり男も入る美人の湯     晴 康
はしゃぎ過ぎ田舎者だとすぐ解る  竹 水
花吹雪この夢だけは捨てられぬ   アキラ
初恋に逢わぬが花と友はいう    俊 枝
墓参り元気な顔を見せに行く    哲 也
はっとすることが少ない定年後   信 一
 五 客
腹いっぱい食べた食後の痩せ薬   可 福
春うらら休耕田の大あくび     敏 子
腹が立つ一万円で売るかんぽ     弘
反省会などと酒宴をしたいだけ   廣 司
歯は入れ歯耳も遠いが口達者    信 一
 人 位
半額のシールで決まる夕の膳     鰹
 地 位
ハンサムが何の得にもなってない  修 市
 天 位
歯ならびは悪いがうまい英会話   のぶ男


宿 題「青」表現自由 長澤アキラ 選
子はあてにしない老後の青写真   玲 子
青写真生きていたらの話です    由 美
青空を味方に老の畑仕事      敏 子
大都会行方知れずの青蛙       鰹
納豆が葱の青さを恋しがる     美佐緒
偶然の出会い身近に青い鳥     まつ子
花日和桜花の下も青い空      香 織
樹々眠る盆地の底の青い空     政次郎
初恋はこんな若葉の頃でした    居久美
すぐ切れる青い玩具が溢れてる   太 郎
青い鳥探しあぐねて六十路坂    由利子
人間の生を見ている青い月     ぎ ん
能書きが要らぬ働け青二才     可 福
青い地球洗ってみたい温暖化    玲 子
あの頃の君との空は青いまま    五 貫
青臭い意見に光るもの見つけ    千代見
青春の夢は心の奥に秘め      のぶ子
青空が僕の庭だと泳ぐ鯉      洋 未
 五 客
信号は青です 離婚いたします   美佐緒
真っ青になる請求書ばかり来る   猫 子
鉄塔が空の青さに突き刺さり    獏 沓
大の字になって吸い込む青い空   好 子
青空をたらふく食べて子は育つ   哲 也
 人 位
特攻機還らぬ空は青かった     廣 司
 地 位
青空を見せに連れ出す車椅子    二三子
 天 位
まだ青い 熟すあなたの手の中で   ふく子
 軸 吟
青春の真っただ中か七曲り     アキラ


宿 題 「くたくた」 望月  弘 選
くたびれた靴で明日の米を刈る   アキラ
職さがし万歩計さえアゴを出す   博 司
千円へ簡易トイレも積む車     静 枝
この先もわからん人と続く道    五 貫
一杯の酒で元気を取り戻す     徳 子
くたくたとマリオネットの小舞台  獏 沓
くたくたになった下着が捨てられず すみと
合併で息が切れます選挙カー    のぶ男
心技体心あらたに国技館      政次郎
日曜日パパはくたくた牛になる   長 仁
特訓へコーチが鬼に見えはじめ   ぎ ん
くたくたに書いて読めない字に悩む  亘
誠実に歩き続けて行き詰まる    五 貫
お百度に神も私もくたびれる    美佐緒
父の靴履いて凛々入社式      卓まる
首切りへ手足動かぬ景気策     竹 水
くたくたの地下足袋いやす児の寝顔 重 雄
子沢山古い軍手が干してある    アキラ
くたくたのビリが大きな拍手受け  廣 司
ライバルに勝ってスタミナ底をつき  進
善人の仮面を剥げば楽になる    野次馬
ボランティアくたくただってやめりゃせぬ 廣 司
高速道ETCも滞る        穂々美
疲れたよ慣れぬ作業のボランティア 晴 康
疲れきる神のお部屋に鍵もない   満 月
よそゆきが部屋着になって今パジャマ 居久美
春の幸くたくたに煮て冬を待つ   さとみ
見つからぬ仕事にヒザが笑い出す  博 司
勇ましく妻の下着を畳む僕     卓まる
停年の男が鍋で煮くずれる     美佐緒
こんなにも使ったサイフ手になじむ 三根子
大鍋で煮込み笑顔の大家族     のぶ男
医者はしご居酒屋はしご日が暮れる  尚
介護する家族応援したくなる    二三子
 五 客
くたくたの靴が私を認知する     薫
くたくたの背中を撫でてくれるシャツ 猫 子
自己暗示かけねば乗れぬ終電車   野次馬
週末はボロ雑巾のように寝る     鰹
くたくたになって汗して減るメタボ 好 子
 人 位
預かった孫追いかけて小半日    由利子
 地 位
妻と居る息づかいすら気をつかい  修 市
 天 位
介護5に振り回される二十四時    尚
 軸 吟
人生を歩いた足がくたびれる     弘
 

宿 題 「自由吟」  互 選
Eにんげんが冷えきっていく温暖化  弘
C子が嫁ぐ宴は黙る事にする    五 貫
C学歴とミエが世間を狭くする   洋 未
C大抵のことは許せる年の功    静 枝
B灯をともし待っててくれる駅がある さ き
B乱れると妻が調律してくれる   由利子
B安心に囲われている不安感    政次郎
A縁側の日溜りで聞く風の音    アキラ
A熟年の恋を見てきた喫茶店    由 美
Aガタが来ているのに光る父の椅子 太 郎
Aばあちゃんのもったいないを捨てる父 可 福
A奥の手がひそむ女の媚びる時    進
A妻の愚痴やさしく聞いているも春 輝 男
A思い出のデートの道を車椅子   しげる
A笑ってる遺影の頭痛ひどかった  のぶ男
A塩分の摂り過ぎ脳が錆びたかも  廣 司
A年並みの老化ですねと診断書   まつ子
@青空を映す地上が減ってゆく   さとみ
@白は白しぶとく白を押し通す   徳 子

参加者(順不同)小野修市、曽根田しげる
望月弘、長澤アキラ、高瀬輝男、尾崎好子
中野三根子、川村洋未、望月満月、中田尚
佐野由利子、瀧進、谷口さとみ、大塚徳子
成島静枝、佐藤香織、岡村廣司、薗田獏沓
内山敏子、中矢長仁、真田義子、酒井可福
瀧進、小林ふく子、金田政次郎、川島五貫
石田竹水、鹿野太郎、山田ぎん、西垣博司
毛利由美、竹内さき、井口薫、鈴木まつ子
市川重雄、滝田玲子、川口亘、芹沢穂々美
増田信一、濱山哲也、真理猫子、林二三子
飯塚すみと、鈴木千代見、今井卓まる、中
川司、山本野次馬、戸田美佐緒、石上俊枝
川口のぶ子、畔柳晴康、永田のぶ男、那須
正明、森下居久美、川村美智代、森田安心
提坂まさえ、萩原まさ子、加藤鰹
定例句会 | Link |
(2009/06/07(Sat) 15:21:07)

平成二十一年 三月二十一日
定 例 句 会
於 アイセル21

席 題 「げらげら」 尾崎 好子 選
吉本で明日の元気をチャージする   鰹
ストレスを吹き飛ばしてる大笑い  恭 子
アナログで力いっぱい笑っちゃう  さとみ
笑い声おんな三人つるんでる     弘
十八の娘が今日もよく笑う     三根子
理由もなく笑いころげるお年頃   輝 男
よく笑い今日も頭に酸素入れ     尚
投げつけた笑い袋に笑われる    さとみ
げらげらと笑って済ます痴話喧嘩  由利子
げらげらと捩れたままの腹の虫   のぶ男
国民に総理の誤読笑われる      弘
不景気を笑い飛ばせる妻が好き   卓まる
お隣りでげらげら笑う不快感    のぶ男
失敗を自嘲している高笑い     輝 男
失敗をげらげら笑う人でなし    由利子
冗談の半端を妻に笑われる      弘
金は無いけれど笑いのある我が家   鰹
だらしなく笑って今日を締めくくる アキラ
げらげらと笑って病吹き飛ばす   二三子
 五 客
母の前今日も笑いが止まらない   三根子
げらげらと笑って春をやり過ごす  アキラ
馬鹿笑い後で虚しくなる一人    アキラ
飽食の猫を笑っているネズミ     弘
げらげらと笑う角には妻がいる   卓まる
 人 位
不景気は貧乏神の笑い声       弘
 地 位
ケセラセラ笑い死にたい花吹雪   卓まる
 天 位
生真面目が酒席を沸かす粋な洒落  輝 男
 軸 吟
げらげらが過ぎて泣いてる腹かかえ 好 子


宿 題「の、で始まる句」 川村 洋未 選
ノー言える人は仕事が来なくなる  由 美
のほほんとパンジー春の大あくび  和 枝
残り物主婦はメタボといくさする  輝 男
ノンビリと構えた振りで狙い撃ち  卓まる
のっそりと歩いていても腹は減る  長 仁
飲み込んだ言葉反芻しています   恭 子
ノロノロの前のアオバがじれったい 可 福
脳からの指令に手足応じない    廣 司
ノーネクタイしどろもどろな首の位置 野次馬
脳天気メタボ気にせずよく食べる  のぶ子
熨斗袋やっかみまでも少し入れ   アキラ
上り坂振り向く度にきつくなる   五 貫
飲み仲間連絡網は目の合図     博 司
納税を済ませて安い酒を買う    哲 也
ノーという言葉は喉に引っ掛かる  可 福
のこされた自分の刻に灯をともす  さ き
能率を求め優しさ見失う      哲 也
のんびりで負けの位置など気がつかず ふく子
飲み過ぎて笑えぬ恥を写される   修 市
のんべんだらり今日もトンネル抜け出せぬ 豊 子
のっぴきのならないことは避けて生き 亘
能天気不況の風をやりすごす    静 枝
 五 客
能書きに見る副作用見逃せず    千代見
のど元で止め胃で騒ぎ出す本音   五 貫
熨斗つけて一世一代山の寄付    獏 沓
野放しで育てた子でも気は優し   しげる
脳味噌を買いに本屋へ寄ってみる  重 雄
 人 位
のんびりと行っても着くさ天国へ  廣 司
 地 位
脳天のカビが空気を呑み込めぬ   平四朗
 天 位
乗せられた船なら私舵を取る    竹 水


宿 題「たつ」表現自由 今井卓まる 選
苛立っていたね切手が曲がってる  恭 子
裏金を隠し持つから埃立つ     修 市
誕生日餅を背負って立ち歩く    のぶ男
酒を断つなんて元旦だけの夢     尚
妻家長会社じゃ平で立つ瀬ない   信 一
茶柱が立って一日待ちぼうけ    穂々美
アナログのアンテナ少しさみしそう 三根子
断ち難い不思議な縁というきずな   亘
泣き落としそれじゃ私の立つ瀬ない まつ子
児の咳へ三日坊主がタバコ絶つ    弘
華のある旅立ちにした納棺師     弘
旅立ちの財布が軽く重い足     可 福
新しく旅立つ事の苦しさよ     たかし
酒タバコ絶ってこの世に何がある  獏 沓
酒絶てば女難の相が浮かび出る   野次馬
酒を断つ話はぼくの辞書にない   長 仁
頂点に立つと見えなくなる周り   豊 子
立ったまま黙り込んでる演技かも  しげる
辰年の女房が運を独り占め      進
松の木はどんな風でも受けて立つ  徳 子
立った訳考えながら歩き出す    五 貫
時が経つほど鮮やかなワンシーン  五 貫
会社には椅子がないから立っている 猫 子
 五 客
脱帽だこの達筆に歯がたたぬ    晴 康
廃校にバケツを提げたボクがいる   鰹
呼ばれると廊下に立ってしまう僕  猫 子
ゴミ出しへ寝ぐせの髪を押さえつつ 静 枝
立ち止まる妻は大事と思うから   洋 未
 人 位
立つだけじゃだめ目をあけて私見て 洋 未
 地 位
朝立ちの胸はキューンと発車前   由利子
 天 位
小指立つ癖であれこれ辞めました  さとみ
 軸 吟
竜田揚げカラリと揚がり仲直り   卓まる


宿 題 「春らしい一句」加藤  鰹 選
さくらもち私の好きな色かたち   三根子
竹の子のぼたもちもいい金がない   尚
春キャベツ山ほどきざむひとり者  洋 未
花柄のスカーフ旅に行きたがる   ふく子
再度春一歩はやはり上野駅     政次郎
新社員スーツ姿は糸トンボ     由 美
春がすみ花粉症には痛い春     のぶ子
朝市に並ぶ野びるや蕗のとう    二三子
旅先の朝市で買う蕗のとう     由利子
桜見てホケキョを聞いて菜を食す  信 一
蕗味噌のほろりと苦い春の色    居久美
春だなあ恋をさがしてネコが鳴く  修 市
ふと猫をうらやまし気に見てしまう さとみ
桜咲く駆け出しそうなランドセル  居久美
菜の花と道草を食うランドセル    弘
一年生心身共にピッカピカ     のぶ男
出発の春だ出会いとお別れと    好 子
入学を前にゲーセン入り浸り    可 福
若鮎のピチピチ街を泳ぎ出す    重 雄
新しい恋を始めるハイヒール    恭 子
久し振り着るバラ色の夜会服    さ き
君と漕ぐ春一番の風に乗る     さ き
選抜が決まり今年も春がくる    修 市
願掛けに天満宮が混む季節     竹 水
そこかしこ工事看板ばかり増え   二三子
世が暗い何やら黄砂飛んでいる   竹 水
捥ぎたての言葉拾って春を抱く   しげる
献血車桜花の下で善意待つ     のぶ男
春を待つ夢を編み込む毛糸玉    まつ子
春うらら産婦人科が混んでいる   徳 子
春風が枝の新芽へタクト振る    平四朗
消印が桜の色でくる封書      美佐緒
夜ざくらがお喋りになる呑み仲間  しげる
陣取りの青シート敷く初仕事    穂々美
菜の花の迷路の中で空を飛ぶ    三根子
春うららあちらこちらに咲く欠伸  哲 也
 五 客
寄り添って歩いてみたい花吹雪   由利子
日向ぼこ猫とおやじと耳年増    太 郎
噂でも花粉症でもくしゃみする    弘
春なれや無粋な俺も浮かれ出す   輝 男
春うらら待ち人あらわれる予感   恭 子
 人 位
タンポポのアンテナ拡げ笑う君   卓まる
 地 位
ごめんねと言えて二人が春といる  アキラ
 天 位
コート脱ぐように合鍵捨てて春   さとみ
 

宿 題 「自由吟」  互 選
Eノーという答えを出してからの道 居久美
C時間給安いな趣味じゃないんだぜ 廣 司
C学歴が職種選んで根がくさる   洋 未
C少しずつ忘れる事に慣らされる  豊 子
C売り言葉たまには買っている元気 竹 水
Cユーモアのつもり外れて自滅する 晴 康
C年輪が重くて許すことが増え   ふく子
B快晴へ感情線も素直です     輝 男
B消しゴムと鉛筆喧嘩ばかりする   弘
B車間距離ほどよく取っている夫  太 郎
B一対になって嬉しい春の椅子   美佐緒
Bいたわりか干渉なのか小うるさい 由利子
B日本海まるごと食べる海の幸   まつ子
B春の駅悲喜交々を呑み込んで    鰹
Bのりしろがも少し欲しい年度末  さとみ
Aライバルは自分と紅をきりり引く さ き
A砂を噛む出来事だって底力    和 枝
A節約を後押しします不景気が   信 一
A立ち止まり軌道修正しています  義 子
A今になり手本のページ勘違い   五 貫
A明日さがす物でうずまる予定欄  博 司
A一行の隙間に足を踏み入れる   野次馬
A左手も添えて握った票集め    可 福
A仏壇へ姑の好きな沈丁花     静 枝
@春爛漫花屋の娘春を着る     重 雄
@いい話スタジオだけが泣いている 由 美
@午前二時指折っている五七五   徳 子
@トイレット素直な自分そこにいる 千代見
@いつだって君が走れば風曜日   卓まる
@ときめいたあの日の夢がなつかしい 進
@暖かな日差し夫婦で舟をこぐ   修 市

参加者(順不同)今井卓まる、谷口さとみ
小野修市、中野三根子、望月弘、勝又恭子
佐野由利子、林二三子、川村洋未、加藤鰹
曽根田しげる、永田のぶ男、長澤アキラ、
尾崎好子、中田尚、小林ふく子、畔柳晴康
瀧進、鈴木まつ子、芹沢穂々美、大塚徳子
岡村廣司、薗田獏沓、成島静枝、中矢長仁
西垣博司、石田竹水、川島五貫、毛利由美
鹿野太郎、加茂和枝、安田豊子、竹内さき
増田信一、川口亘、鈴木千代見、市川重雄
濱山哲也、真田義子、酒井可福、真理猫子
柳沢平四朗、山本野次馬、戸田美佐緒、中
川司、川口のぶ子、恩田たかし、川村和広
森下居久美



定例句会 | Link |
(2009/05/07(Wed) 15:14:30)

平成二十一年 二月二十一日
定 例 句 会
於 アイセル21

席 題 「やいやい」 中田  尚 選
只酒が高い代償後に来た      信 一
新年度苦手な役がまた回り     千恵子
神様も都合がつかず居留守する   アキラ
気に入ったドラマの途中電話ベル  由利子
二個ずつじゃ余る三個じゃちと足らぬさとみ
やっとこさ餅がなくなり脂肪ふえ  洋 未
やいやいと言った背中がなぜ笑う  信 一
失言にやいのやいのと攻められる  千恵子
逢えばまた外遊自慢聞かされる   輝 男
ラブレター宛名間違えブスに着き  信 一
蹴り上げた石でガラスが割れている  弘
飽食に円高の肉食べ過ぎる     のぶ男
新しいダウン買ったら暖冬だ    さとみ
毛布まで出して洗って午後に雨   さとみ
良い席と思った隣ヤクザとは    信 一
村芝居またも子役に泣かされる   輝 男
雨の夜に田舎のバスがいっちゃった さとみ
やいやいはやめてあなたの妻ですよ 茂 瑠
 五 客
特売の卵開けたら割れていた    信 一
新築へ転勤辞令迷い込む       弘
でしゃばってやいやい鼻をへし折られ由利子
歯医者から帰りにガムをついかんだ さとみ
副という役職またもなだめ役    輝 男
人 位
終電が私を置いて発車する      弘
 地 位
キッスして口内炎を移される     弘
 天 位
支持率へぶらさがってる風邪薬    弘


宿 題 「昭和回顧2」 高瀬 輝男 選
丸ポスト見つけ手紙を書いてみる  哲 也
ディスイズアペンをひきずる英会話 由 美
映画館今なら言えた痴漢です    好 子
団塊が汗にまみれた町工場     二三子
軍国主義神の聲聞き終り告げ    重 雄
井戸端のタライで女うさ晴らし   穂々美
ちゃぶ台が有り親の背も見えていた 二三子
尻並ぶ野良は総出の田植唄     重 雄
井戸端に飛び交う本音トゲが無い  五 貫
馬の背に揺られ文金高島田     由利子
夢じゃない利息8.7だった     薫
湯加減を五右衛門風呂の外で聞く  千代見
湯たんぽが左遷解かれて舞い戻る  哲 也
金平糖夢のアンテナ張っていた   卓まる
真空管未来へ続くモニュメント    栞
コンビニにしにせの暖簾押されてる 修 市
風景に野良着の母が馴染んでた   徳 子
火の雨よ語り部が哭く広島忌    政次郎
もんぺから超ミニ流行る敗け戦   のぶ男
敗戦で北の四島もぎ取られ     竹 水
ザリガニもイナゴも僕のカルシウム アキラ
シベリアのツンドラ今も友を抱く  獏 沓
五 客
D51の悲鳴のような汽笛鳴る   アキラ
鍵などは掛けず出かけた人情味   千恵子
横座には父さんがいた子沢山    徳 子
ちゃぶ台に家族制度を刻まれる   美佐緒
かあさんが家庭ささえたよいとまけ 修 市
 人 位
天皇が神の座降りて象徴に     信 一
地 位
かあさんの晴れ着を食べて今がある 敏 子
 天 位
序破急の昭和を走り抜いた貨車    鰹
 軸 吟
神国に敗戦という初体験      輝 男


宿 題「あく」表現自由 永田のぶ男 選
しなやかな指で心のカギがあく   修 市
町内会また埋まらない席が空く   五 貫
モデル嬢穴のあく程見つめられ   獏 沓
手品師の呪文に金庫パッと開く   博 司
灰汁抜きの一手間かけて春の味   居久美
開いた口ほんとの事が言えません  和 枝
灰汁のある友ばっかりで浮く私   太 郎
灰汁抜けてただの女となる恐さ   玲 子
花嫁のタンスを開けた隣り組     弘
給付金蝦蟇口開けて待っている   しげる
鬼になる人がいなくて増える悪   哲 也
悪役に徹しきれない麻生さん    三根子
家計簿の余白に愚痴を足しておく  美佐緒
時効まで逃げて仮面を脱ぎ捨てる  アキラ
悪行の社内告発然るべく      好 子
灰汁強く雪どけ水で洗われる    修 市
平等の夢がオバマに開けられる    弘
偽善者が悪事働く二枚舌      徳 子
秀才の友を悪童ガードする     穂々美
灰汁少し残し女の抱く野心     豊 子
あくまでも自説を曲げぬ意地っ張り 輝 男
呑み仲間あくの強さを知り尽す   重 雄
灰汁抜きをしてさっぱりと美人の湯 由利子
朝が来て今日もどうやら眼が開いた  尚
悪妻で鬼嫁 長生きいたします   居久美
一つ顔飽く事もなく塗りたくり   博 司
悪友の多い男は忙しい       由 美
愛妻に灰汁抜きされて共白髪     進
契約解除またアパートの部屋があく 輝 男
悪ガキが改心したかボランテイア  長 仁
不倫とや悪と知りつつ溺れゆく   由利子
酒好きへ春の扉はさっと開く    ふく子
しらふではせぬ悪態に皆あきれ   二三子
深情け悪女に頼り痛い夜      卓まる
五 客
素人が悪人裁くナンセンズ     徳 子
悪人の上前撥ねる政治家も     信 一
悪妻のパワー千里を駆け抜ける    進
酒追加重い扉が開きそうだ      鰹
悪政か年金者には痛い春      のぶ子
人 位
悪役を受けて揉め事治めさせ    千恵子
地 位
悪態の指が綺麗な鶴を折る     茂 瑠
天 位
山菜の灰汁も残して母の味      栞
 軸 吟
灰汁ぬけず素直になれず拉致の空  のぶ男


 宿 題 「時事川柳」  望月  弘 選
空港の立ち木が可哀想に見え    博 司
出稼ぎへ仕事の窓は閉められる   ふく子
泥船に乗ってあわてる新社員    敏 子
コンビニに蛍雪頼る受験生     卓まる
天下りする人 使い捨ての人    廣 司
税金を骨までしゃぶる渡り鳥    のぶ男
カゼ薬飲んで今日からフリーター   尚
リストラの心配が無い天下り    敏 子
天下り渡りに舟のパラダイス    徳 子
酒飲みは一日にして成りません   信 一
親元を離れ大麻と遊ぶ春      由 美
スピーチの展開酔わすオバマ流   まつ子
正直に働くだけで首が飛ぶ     野次馬
束にしてかんぽの宿を叩き売る   美佐緒
海賊はいるけど武士はもういない  哲 也
新空港立ち木はわざと残しおく   由利子
激震の走る大麻の相撲界      千恵子
給付金つづく火種は消費税     晴 康
青テント現在位置じゃ出ぬ給付   静 枝
鬼ごっこ海賊船と自衛艦      のぶ男
行列はユニクロだった入車待ち   好 子
逆チョコも義理チョコもなく春一番 居久美
遼クンとつい見比べるバカ息子    鰹
斜に構えカッコつけたが風見鶏   卓まる
アイゼンと付け忘れてる危機管理   進
かんぽの値一円だとは誰が知る    亘
延命の賽銭でした給付金      竹 水
翌日になればホワイトデー売り場  由 美
職安で会ってしまった元の部下   洋 未
なりたくて座った椅子がなじまない 修 市
ぶれている男 時代もぶれている  可 福
五 客
百年に一度が誤読ばかりする    アキラ
かんぽやら居眠りやらの春の陣   重 雄
年金を狙う悪魔のベルが鳴る    ふく子
ころころと変えるカレシもケータイも 鰹
縋りつく藁一本もない総理     千恵子
 人 位
中国は入れぬ我が家の冷蔵庫    茂 瑠
 地 位
アメリカが一番に呼ぶ軽い国     栞
天 位
信念をコミック本に置き忘れ    アキラ
 

宿 題 「自由吟」  互 選(一月分)
H曖昧な結論になる空気穴     博 司
G失敗が多く消しゴム痩せ細り   よし子
E百万本のバラが裏切る事もある  太 郎
D成人の日のピカピカの酔っ払い  由 美
Dくい違った会話を手繰る独り言  豊 子
D読み過ぎた風続編が騒がしい   さ き
C神様へスローライフを申し上げ  静 枝
B苦しさを楽しくさせるつづら折り 竹 水
A携帯を落とすと孤独死する予感  野次馬
A揺れながらあと半年を様子みる  徳 子
A蛙の子お前やっぱり俺の子だ    進
@六尺を締めてこころを取り戻す  政次郎
@不景気の声がだんだん大声に   可 福
@友が来るゆったり心温みます   和 枝
@空論を喰えというのか永田町   美佐緒
@町内に同姓名でややこしい    長 仁

宿 題 「自由吟」  互 選(二月分)
I粟立ちのいい石鹸で嘘流す    穂々美
E毎日が愛では飽きてしまいそう   弘
E方言がスキップしてる道の駅    尚
E抜く程の力を肩に入れてない   茂 瑠
D稲光一瞬見えた鬼の面      信 一
C春なのに貧乏神が出て行かぬ   美佐緒
C友情を切手で繋ぐ半世紀     敏 子
Cワンセグも地デジも知らぬ父の鍬  鰹
B百薬の長効きすぎて二日酔い   廣 司
Bころころと詐欺の手口を変えてくる 好 子
B蕗の薹春の扉をこじ開ける    由利子
B期限切れあるある母の冷蔵庫   由 美
B軽い罪目を閉じてから深くなる  義 子
A雪冠る富士は気品をさらに増し  よし子
A陽溜まりで友と話せば和みます  和 枝
Aシナリオのようにはいかぬあと一歩 野次馬
Aおふくろと一度呼びたいセピア色 しげる
@ネットカフェ巣立つ男に応援歌  アキラ
@大海へ漕ぎ出す勇気なくさない  修 市
@風と会うこの心地よさは手放せぬ 千代見
@なつメロに元気をもらう雨の午後 ふく子
@あの笑顔あの目口より物を言う  晴 康
@追い風に乗って奴の有頂天    千恵子
@ジャンプする真央に「それっ」とつい叫ぶ 哲 也
@ようやっと掴んだ藁も解けない  豊 子
@疲れたら帰って来いと過疎の村  五 貫
@待ったなし奈落極楽職探し    竹 水
@家族ならあれそれこれですぐ判る 三根子

参加者(順不同)恩田たかし、薮ア千恵子
小野修市、池田茂瑠、中田尚、佐野由利子
曽根田しげる、加藤鰹、望月弘、増田信一
高瀬輝男、川村洋未、尾崎好子、畔柳晴康
中野三根子、谷口さとみ、林二三子、瀧進
長澤アキラ、永田のぶ男、金田政次郎、那
須野正明、岡村廣司、鈴木まつ子、井口薫
大塚徳子、成島静枝、中矢長仁、内山敏子
薗田獏沓、石田竹水、川島五貫、西垣博司
加茂和枝、鹿野太郎、毛利由美、安田豊子
濱山哲也、滝田玲子、竹内さき、市川重雄
小林ふく子、芹沢穂々美、鈴木千代見、中
川司、山本野次馬、戸田美佐緒、真田義子
川口のぶ子、川口亘、酒井可福、孝井栞、
今井卓まる、森下居久美、馬渕よし子、柳
沢平四朗、那須野正明、中川司
定例句会 | Link |
(2009/04/28(Mon) 12:30:58)

平成二十一年 一月十七日
新 年 句 会
於 日本料理「さわ」


宿 題  「 牛 」 川路 泰山 選
闘牛で冬将軍の村おこし      のぶ男
アメリカに格差広げている和牛   竹 水
あっけない交尾に時を棒に振る   野次馬
高飛車にブランド牛の値札貼る   野次馬
元朝の乾杯孫は牛の乳       晴 康
牛歩でもいいんだ傘寿過ぎたから  廣 司
牛の声やけに尾を引く過疎の村    進
鈍行で牛歩の旅と洒落てみる    好 子
伯楽がお手玉にする暴れ牛     泰 史
ブランドをクローンでつなぐ牛の自負 安 心
クローン牛戸籍は神の目を盗む   平四朗
クラシック流れ搾乳もはかどり   二三子
霜降りを期待して見る鍋の底    さと子
牛歩でも子の頃の夢追い掛ける   信 一
牛丼の汁に決意とかくし味     穂々美
横綱になれば牛とは云わせない    亘
ホルスタイン並みのバストで肩が凝り 静 枝
カタカナ語ゆっくり反芻するつもり 徳 子
我が干支よもう一巡り二巡り    好 子
牛耳った会議のあとの不安顔    穂々美
牛乳が僕の背骨の目をさます    洋 未
ゆったりと牛歩の如くいく余生   千恵子
モー然と駆けたい日あり角磨く   まさえ
うしよりものんびりとどく年賀状  玲 子
来客の時は国産牛にする      博 司
地下タビと軍手で今日もベコを追い 獏 沓
ゆるぎなく牛歩でめざす喜寿の夢  豊 子
プライドを気にせず牛は牛の歩で  輝 男
哲学の眼をした牛に聞く人生    輝 男
牛の背に乗ってしまった給付金   五 貫
物好きで牛乳鍋をかこむ夜     まさ子
政治とはかくなるものか牛歩なり  アキラ
トレサビリティ牛の素性が明かされる 居久美
いざという時迄隠す牛の角     泰 史
どっしりと牛の如くに父の背    さと子
猪突した風を牛歩に切り替える    弘
牛年に給付の噂持て余す      しげる
 五 客
モーやだよねずみの不況かぶる牛  美智代
なあベコよもいちど田んぼするべえか さとみ
追伸に牛に因んだギャグいれる   茂 瑠
春を待つ仔牛健気に立ち上がり   まつ子
闘牛の顔に似てくる妻の乱     千恵子
 人 位
不況風牛も押される虎落笛     重 雄
 地 位
給付金担いだ牛に鞭を打つ      弘
 天 位
反芻は苦手デジタル時代行き    静 枝


宿 題  「いい男」 中野三根子 選
レンタルよ送迎用にいい男     洋 未
無駄などと言わずに化粧待つ男   五 貫
義理人情愛も育てる苦労人     重 雄
キザな奴いい男振る冷たい目    玲 子
もて過ぎて一人になれる時がない  修 市
太陽のような貴男に惚れました   輝 男
いい男おだててメシをおごらせる  博 司
床屋から帰った夫ちょいと誉め   静 枝
ウチの人あれでも昔いい男     博 司
好きなんだ母をいたわるお父さん  竹 水
シルバーグレーまだフェロモンが満ち溢れ 進
いい男母似の彼女連れてくる    和 枝
いい男流し目に棲む甘い罠     敏 子
いいなあと思う男はみな既婚    由 美
四面楚歌恐れず意見吐く男     廣 司
いい男春の暦に予約する      徳 子
安酒で私と酔ってくれる人     さとみ
いい男背中で語る温かさ      俊 枝
男ならみんな自負するいい男    長 仁
揺ぎない持論男の夢を追い      進
いい男賞味期限があったとは    ふく子
いい男心も顔も兼ね揃え      晴 康
賞味期限まだあるつもりだった俺  卓まる
俺だってカツラ付ければいい男   泰 史
顔姿気っ風までもいい男      千恵子
こころからやさしい嘘をつく男    弘
いい男結婚すれば只の人      信 一
太陽の匂いが似合ういい男     千代見
ネガで見る昔の夫はいい男     のぶ子
二枚目は無駄な口など叩かない   安 心
カネ・チカラあったらもっといい男 二三子
イケメンへダーツの針を尖らせる  茂 瑠
 五 客
おいカアサンおいカアサンとあの世まで まさえ
背景に何を置いてもさまになる   美佐緒
さわやかな風に男を語らせる    アキラ
花束を買えない男それもいい    まさえ
マラソンでテープ切る孫いい男   美智代
 人 位
ほかほかの心伝わるいい男     千恵子
地 位
十人十色ビミョーに違ういい男   二三子
 天 位
脇役に徹し貴重ないぶし銀     豊 子
 軸 吟
私だけ笑ってくれたいい男     三根子

 宿 題「うれしいな」上五指定
           加藤  鰹 選
うれしいな二才も若くみられたの  二三子
うれしいな三億俺にあたるはず   修 市
うれしいな寝ていてくれた朝帰り  さとみ
うれしいな酒はうまいし妻きれい  修 市
うれしいな何買おーかな給付金   博 司
うれしいなシラスのなかにタコがいた 卓まる
うれしいなあったかご飯しじみ汁  よし子
うれしいな百歳の母おんぶする    弘
うれしいな一足す一が十となる   由利子
うれしいな何もない午後猫といる  まさえ
うれしいな蛇口ひねれば出るビール 野次馬
うれしいな一緒に泣ける人がいて  ふく子
うれしいな徹夜へ柚子の湯が香り  政次郎
うれしいな盲導犬が居る空気    太 郎
うれしいな酒瓶抱え友が来る    可 福
うれしいな美男と美女の離婚劇   哲 也
うれしいな君と僕との恋満ちる   さ き
うれしいな派遣の僕に陽が当たる  アキラ
うれしいな私を誉める子の日記   泰 史
うれしいな殻がくるりとむけた昼  さとみ
うれしいな補聴器なくてジャズを聞く しげる
うれしいな夢のつづきも家がある  穂々美
うれしいな根っこがちゃんと生きていた 二三子
うれしいなリストラされず二度の職 穂々美
うれしいなあなたが横にいてくれる 徳 子
うれしいな親が元気でいてくれる  居久美
うれしいな腹はふくらみ父が折れ  重 雄
うれしいな家族の中に席がある   俊 枝
うれしいな人間臭い鬼と居る    のぶ男
うれしいなジャンボもロトも当てました 野次馬
うれしいな今年も好きな先生で   玲 子
うれしいなすらすらすらと句が浮かぶ静 枝
いま此処に居るだけで良い窓の椅子 幹 江
うれしいな明日復活の七分粥    五 貫
うれしいなほめられ豚も空を舞う  美智代
うれしいな「たかね」が届く月初め 千代見
うれしいな銀杏の黄色空の青    美智代
うれしいな絡んだ紐を解く予感   まさ子
うれしいな心の影が消えていた   安 心
うれしいな妻が手招き久しぶり   由利子
 五 客
うれしいな俺のお通しだけ違う   卓まる
うれしいな上司出張妻は留守    信 一
うれしいなギプスを取って伸ばす腕 まさ子
うれしいな子供出来たは嘘だった  泰 史
うれしいな居場所の広い妻の留守  まさえ
 人 位
うれしいなまだまだすべて現役で  三根子
 地 位
うれしいな夢で紀香になれた朝   さと子
 天 位
うれしいなスーツケースと待つ夜明け 俊 枝
 

参加者(順不同)森下居久美、谷口さとみ
永田のぶ男、望月弘、増田信一、池田茂瑠
小野修市、川村洋未、川路泰山、市川重雄
森田安心、高瀬輝男、堀場梨絵、滝田玲子
川島五貫、尾崎好子、林二三子、伊藤泰史
石上俊枝、中野三根子、加藤鰹、大塚徳子
鈴木まつ子、瀧進、長澤アキラ、畔柳晴康
曽根田しげる、芹沢穂々美、佐野由利子、
提坂まさえ、川村美智代、萩原まさ子、中
川司、薮ア千恵子、渥美さと子、岡村廣司
薗田獏沓、中矢長仁、成島静枝、内山敏子
鹿野太郎、酒井可福、濱山哲也、西垣博司
中田尚、小林ふく子、石田竹水、安田豊子
金田政次郎、川口亘、毛利由美、竹内さき
加茂和枝、今井卓まる、鈴木千代見、川口
のぶ子、山本野次馬、戸田美佐緒、森好浩
柳沢平四朗

▽今年も盛大に新年句会が開催されました。安心さんの詩吟、アキラさんのマジック、泰史さんは新曲の「河内音頭」を披露して下さいました。二次会のカラオケも大盛り上がりで楽しかったですね〜♪
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(2009/03/26(Wed) 13:22:15)

平成二十年 十二月十四日
三 社 合 同 句 会
於 有東公民館2F集会室


宿 題  「悔 恨」 長澤アキラ 選
泥かぶり株は魔物と思い知る    昭 洋
深酒がボディブローの様に効く   亜季浩
はしゃぎ過ぎ自信無くした勇み足  竹 水
後悔を余生の杖にして歩き     まさし
悔やんでも出した言葉は返らない  周 二
悔恨の情が励みの道しるべ     志づ江
早とちり疑った事恥かしい     由利子
蓮根のくびれで止まる悔いの種   のぶ男
子育てを悔やみ続いた野良仕事   は な
浅はかなわたしを責める水子塚   輝 男
通夜の席母への介護自問する    博 司
人生の悔いまた一つ石を積み     進
みみず字で返事のこないラブレター 安 心
告発をされて暖簾を閉じる悔い   泰 史
かけ過ぎた子にマザコンというおつり 才 男
墨たっぷり含んだ筆が汚点つけ   穂々美
モノクロに写し出される悔いの影   光
消しゴムでそっと消したいあのことば 三根子
悔やんでも所詮わたしの通過点   梨 絵
一押しが足りずにバラを奪われる  輝 男
線香が詫びております親不孝     進
もう一歩出ればよかった愚図な足  茂 瑠
だまし絵の下で夫婦の今日あした  泰 山
守備範囲妻の鎖が長過ぎる     のぶ男
教科書の墨に謝罪をしていない    弘
 五 客
一目惚れした日は乱視だったかも   鰹
冗談が誤解をされて笑えない    竹 水
あの道を歩めば悔いはいつもある  修 市
悔いしきりまだ時効にはしてくれぬ 梨 絵
意地張った分だけ重くなる扉    亜季浩
 人 位
軸足の所為にして来た転びぐせ   幹 江
 地 位
今ならば父の味方になれたのに   三根子
 天 位
甘やかしすぎた気がする我が背骨  まさえ


宿 題  「満 足」 増田まさし 選
胴上げに監督満ちた顔で舞い    あ い
初物へご先祖様もごまんえつ    輝 男
友達も家族も有って日々元気    竹 水
物忘れこれでいいのだ我が海馬   まさえ
趣味からも楽しさ貰う日々愉快   竹 水
健やかに一人暮らしの満足感    歳 江
満がんの旅で夫婦はむつみ合い   梨 絵
努力家が満足しない銀メダル    亜季浩
仇敵に送った塩が生かされる    のぶ男
神様も時々そっと味方する     三根子
健康で妻も美人で職もあり     洋 未
衣食住足りて健康医者いらず    のぶ男
ファイナルにトリプル二回真央の笑み 恵美子
満足の腹へメタボとにらめっこ   昭 洋
満足を小さな枠にはめて生き     光
健やかな妻の寝相がいとおしい    進
田舎出が裸一貫マイホーム     安 心
やせ蛙寝酒一合あればよし     泰 山
柳界の友と出会って脳研ぐ     安 心
満ち足りて心に愛が埋まらない    進
ライバルを抜き昇進の辞令受け   輝 男
満ち足りた食事に飢餓の子が笑う  アキラ
満足の度合いを語る共白髪     泰 山
来世もと天寿待つ身が笑い合い   博 司
いま此処に居るだけで良い窓の椅子 幹 江
 五 客
満足の線が引けない欲の皮     澄 江
満たされて鳴かず飛ばずの三代目  幹 江
満ち足りた気持ちに欲が水を差す   光
満足か母に訊きたやわが介護    博 司
満足へ物指の無い人の欲      昭 洋
 人 位
消しゴムも修正ペンもなく生きる   弘
 地 位
満ちたりた乳房安堵の子の寝息   才 男
 天 位
煩悩と妥協した日をよく眠る     弘
 軸 吟
姑の糠味噌の味嫁が継ぎ      まさし
宿 題  「 指 」 山田 迷泡 選
神経はまだ感じます指の先     穂々美
節くれた指に男の詩がある     アキラ
絡めてる女の指は武器になる    昭 洋
いい目覚め五本の指をパッと開け  志づ江
マジシャンの五指の隙間に住む魔法 才 男
水割りを世の中知った指でまぜ   修 市
決め事に指名に強い妻が出る    安 心
ケータイが息子の声で指図する   博 司
錠剤にリストラされた薬指      弘
白魚の指が踊っているピアノ    周 二
末っ子が我慢している足の指    幹 江
グーチョキパーさせる施設のリハビリ は な
泣き真似の指のすき間の空っ風   幹 江
指人形男コロリと罠に落ち     輝 男
三つ指をついてた時もある私    幸 子
マニキュアに縁なき丸い爪を見る  恵美子
石橋を叩いた指の瘤笑い      あ い
指きりに時効ないのか女房殿     光
指先で私のハート抜き取られ    信 一
指先のエロス女の骨を抜く     泰 山
合掌の指から落としてならぬもの  梨 絵
癌の子に指切りでつく重い嘘    泰 史
もう会えぬかも知れない指のぬくもり 歳 江
指切りのその後の夢が食い違う   由利子
指切りもウソの約束騙されて    孝 一
五 客
躓いた指の痛さへ染みた年     昭 洋
親指が退化していく民主主義     弘
思い出が無くて無傷でいる小指    光
複眼で覗けば青い指だろう     茂 瑠
指ほどの魚で酒を二杯のむ     亜季浩
 人 位
押えても鳴らぬ横笛まだ蕾     才 男
 地 位
花火ばかり揚げる少年の指     輝 男
 天 位
干されたくなければこの指に止まれ  鰹
 軸 吟
氷点下羅漢の指は曲がらない    迷 泡


参加者(順不同)提坂まさえ、佐野由利子
村松周二、西垣博司、山田迷泡、大村利朗
石田竹水、松永昭洋、設楽亜季浩、望月弘
斉藤才男、伊藤泰史、松永澄江、多田幹江
瀧進、増田まさし、川村洋未、中野三根子
芹澤穂々美、豊泉光、森田安心、市川重雄
川路泰山、高嶺歳江、松永幸子、中村はな
青木あい、寺田志づ江、加藤鰹、堀場梨絵
高瀬輝男、増田信一、池田茂瑠、市川孝一
永田のぶ男、長澤アキラ、鈴木恵美子、曽
根田しげる、小野修市(38名)

☆合 点 賞
一位・望月  弘
二位・斉藤 才男
三位・多田 幹江
四位・高瀬 輝男
五位・松永 昭洋
六位・豊泉  光
七位・設楽亜季浩
八位・加藤  鰹
九位・中野三根子
十位・西垣 博司

▽十二月は毎年末恒例の「むなぎ、八幡、たかね川柳会合同句会」。今年はむなぎ川柳会のお世話で楽しいひとときを過ごすことが出来ました。ありがとうございました。



定例句会 | Link |
(2009/02/26(Wed) 12:39:54)

平成二十年 十一月十五日
定 例 句 会
於 静岡市アイセル21


席 題  「 絆 」 小野 修市 選
兄弟の絆は今も強いまま      三根子
立候補細い絆も頼られる      輝 男
赤い糸今では太い腐れ縁      信 一
落選が決まれば絆なんてパー     鰹
菊人形並んだ美しい絆       茂 瑠
オレオレも天涯孤独掛からない   信 一
保証人断りきれぬ絆あり      由利子
絆っていいな心があったかい    由利子
阿吽でも女遍歴墓場まで      信 一
学校と職場が結ぶ良い絆      好 子
金名誉此の頃絆負けている     信 一
お早うが輝くただいまが紡ぐ    珠 美
絡まって恋の絆が解けない     由利子
秘密基地大人になれど思い出す   信 一
時々は引っ張ってみる確かめる   好 子
笑わない人のほっぺをまず突いて  珠 美
今朝はもう別れの時と知る二人   アキラ
大切な絆赤いと思い込む      茂 瑠
空と海絆を結ぶ地平線       のぶ男
コンビニの弁当で済む母の愛     尚
無口でも夜の絆がきつ過ぎる    のぶ男
崖っぷち掴んだ絆切れないね    しげる
重婚が罪にならなきゃあと二人   信 一
同窓会見形変われど気は同じ    信 一
赤紙で絆切られて山を越え     しげる
遺言に財産無いが仲良くと     信 一
年賀状だけの無色の絆です     茂 瑠
親子でも甘えて絆たしかめる    三根子
美女の椅子据える絆の輪の芯に   茂 瑠
枯れてない絆喪中のハガキ来る   茂 瑠
 五 客
金婚式までは新婚だと思う     珠 美
叱られている嫌われたわけじゃない 珠 美
切れそうな絆をつなぐ子の寝顔    鰹
いつだって母娘の絆堅むすび    由利子
金婚を羨む絆くされ縁       好 子
 人 位
ふっつりと切れて絆は義を試す   珠 美
 地 位
小うるさい絆の端も手の中に    茂 瑠
 天 位
冷えた手で古い絆の縒り戻す    茂 瑠


宿 題  「昭和回顧」 増田 信一 選
戦争と平和選べぬ罪と罰      のぶ男
鍵っ子が母の帰りをブランコで   しげる
竹槍に黄色い気合い入れた喉    茂 瑠
駄菓子屋でおでん海つぼプロマイド 好 子
裕ちゃんにすっぽり染まる映画館  由利子
車ある家目印に案内図       さとみ
赤紙で行きし夫の身を案じ     ぎ ん
我武者羅にただ働いたよき時代   晴 康
祝日に日の丸を出すああ昭和    洋 未
物売りの声ひびく路地今は消え   修 市
晩酌を子供が買いに出す親父    安 心
焼けトタン集め凌いだ風と雨    茂 瑠
町工場機械油に注ぐ夢       さとみ
アナログで生きていました日本中  まさえ
東洋に魔女がいましたオリンピア  泰 史
ツイギーの小枝が太い幹になる   まさ子
飽食はダメと昭和の風が吹く    まさ子
百円のお札で夢が買えた頃      鰹
おしょうゆを借りたり貸した隣組  卓まる
空襲を母の強さに守られる     可 福
昭和史の八月やけに焦げ臭い     弘
ダイヤルの間もときめいた黒電話  由 美
豆がすの中に埋もれた米チラリ   のぶ子
またオヤジ卓袱台飛ばし憂さ晴らす 可 福
ミスターの一挙一動あすの糧    太 郎
海水を汲んで沸かした調味料    のぶ子
コロッケを食べると鼻がたれてくる 哲 也
勲章は戦後を生きた深い皺     豊 子
縁台のステテコが指すへぼ将棋   アキラ
カラコロと浴衣が歩く風呂帰り   アキラ
店先のテレビ観戦野次が飛び     進
卓袱台に家族の絆盛り合わせ    ふく子
飴を買い食べながら見た紙芝居   長 仁
平成を走る心臓昭和製       静 枝
銭湯で世間を学ぶ青い尻      五 貫
駄菓子屋に入るといつも子にもどる たかし
軍神と祀られ還る冬蛍       敏 子
寝押しした襞スカートの畳あと   穂々美
お隣の暮らしが見えていた昭和   二三子
一ダース産んで銃後を守りきり    弘
 五 客
カラフルになってラムネも生き残る 哲 也
屋久杉の葉っぱの裏にある昭和   野次馬
落ち葉焚き見知らぬ顔も暖まり   ふく子
天国も地獄も垣間見た昭和     きく子
負け戦はだか電球眩しすぎ     しげる
 人 位
老兵が除州除州と酔うている    獏 沓
 地 位
どんぐりが屋根を叩いた里の秋   五 貫
 天 位
鬼畜から恩人になる星条旗     泰 史
 軸 吟
卓袱台を囲みチャンネル親も子も  信 一


宿 題  「いい女」 佐野 由利子 選
日本のクレオパトラは私です    竹 水
湯上りに後れ毛という艶な女    まつ子
いい女声をかけたらニューハーフ  三根子
私はね小野小町というアダ名    竹 水
都合いい女だいたい風見鶏     卓まる
美人とは言えぬが妻はいい女    哲 也
いい女だよね私のことかしら    穂々美
顔ですかスタイルですかいや気立て 信 一
子育てに燃える素顔のいい女    ふく子
スッピンの肌がまばゆいいい女   二三子
いい女ぶるから笑う種にされ     亘
あの時は菩薩に見えた美女ナース  輝 男
ハイハイといつも笑っていてくれる  尚
うっとりとさせる美貌の目鼻立ち  まつ子
いい女化粧を落とす迄ですよ    博 司
いい女矢張り三日で飽きがきた   博 司
黒を着て並居る男振り向かせ     弘
雨宿りだって美人の側が良い    しげる
美人だが乳房は作り物らしい    茂 瑠
深入りしやつれるほどに惚れた女  修 市
黒が好き黒を着こなすいい女    獏 沓
火傷する事が怖くて手が出せぬ   野次馬
ホットミルク冷めても僕を待ち続け ふく子
男には不自由しないいい女     徳 子
夢二の絵一寸太らせ片えくぼ    重 雄
さりげなく心引かれるいい女    敏 子
訪ねるとまず酒を出す友の妻    五 貫
これ男?ニューハーフほど演じてる たかし
8センチヒールですぐに来る女   さとみ
振り返るやっぱりとてもいい女   三根子
 五 客
いい女演じて仮面はずせない    敏 子
出るとこが出てくびれてるいい女  獏 沓
いい女が連れた子犬をほめておく  長 仁
遺伝子が改良されて美女ばかり   のぶ男
日本語をきれいに話すいい女    安 心
 人 位
楊貴妃とパーツの数は同じです    薫
 地 位
一度でも言われてみたい いい女  千代見
 天 位
女よりいい女ですニューハーフ   哲 也


宿 題 「笑いのある句」加藤  鰹 選
犬とする連れ小便が情けない    アキラ
朝帰り猫が三つ指ついていた    信 一
ダイエットしたら夕方目がくらむ  修 市
袋とじよだれたらたら見る男    安 心
三億円事件も小室には負ける    好 子
ユルさがいいの女がはくトランクス 珠 美
けんかの夜妻にウインク手を伸ばす 修 市
へそくりがここだここだと吠えている しげる
増毛かかつらか迷う髪となり    博 司
生まれた子整形前の妻に似る    二三子
ダイエットしてます甘い菓子かかえ のぶ子
ウインクを嫁が金棒打ち返す    卓まる
汽車ぽっぽだけは煙を褒められる  さとみ
外人と見るや逃げ出す父である   可 福
株価より大根の値が気にかかり   博 司
焦ります賞味期限が過ぎそうだ   長 仁
ラッシュアワー透かすおならの澄し顔 進
頭陀袋生臭いのが掛けている    政次郎
回覧板ハダカでいると持ってくる  すみと
年とった私も服を裏に着て     さ き
ダイエット失敗続きスリーL    和 枝
軽いけど年金だけは旦那様      亘
にらめっこ笑い我慢し鼻噴射    たかし
宇宙にもしぞーかおでんあるのかな 穂々美
歯を抜かれ笑顔が神に近づいた   獏 沓
爪ヤスリ使うと男摑めない     茂 瑠
さよならをしたのに未だ発車せず  由 美
すぐやめる総理にみんななりたがる 三根子
形相が変わってしまう糸通し    野次馬
明日には禿げる化粧に金を捨て    尚
永遠は胡散臭いぞ白髪染め     珠 美
天人のような美人が河童の屁    のぶ男
お似合いの一言高い服が売れ    輝 男
美女横目社会の窓の閉め忘れ    重 雄
高らかに笑い元気になる笑拠    安 心
 五 客
妻はよく犬と名前を間違える    千代見
徘徊のコースを探す散歩道     アキラ
百均の傘にしてから忘れない    廣 司
消えたメガネ捜しさがして冷蔵庫  由利子
口説くとき誠心誠意ウソを吐く   哲 也
人 位
もう少し痩せれば着れる服ばかり  由利子
 地 位
大切な妻で触診欠かさない      弘
 天 位
考えて考えぬいてババを引く    信 一


宿 題 「自 由 吟」  互 選
Dダイエット秋の味覚にうっちゃられ 信 一
Cとんがった心がなごむ朝の虹   修 市
C人並の基準は誰が決めるのさ   洋 未
Cポイ捨ての場所にお地蔵置いてみる 安 心
Cそんな日もあった私のドラムソロ アキラ
Bもたもたを支えてくれる手が温い 由利子
B大空が罪を知らずに青すぎる    尚
B舞落ちる枯葉あしたの我が身かも よし子
A鮮やかな女の武器で勝ち戦    のぶ男
Aジャンボくじ当たらぬ方が幸せよ しげる
A暑がりのあなたに三度惚れました 珠 美
Aイヤリング愛語をいくつ殺したか 輝 男
A愛と金ダブルスチールされた秋   鰹
Aゴッホにもシャガールにもなる美術展 進
Aごった煮に混ぜた愛なら保証済み 穂々美
A寝たきりの窓へ満月語りかけ   敏 子
A一人きり出たとこ勝負風を読む  さ き
Aハイエナと言えなくもない形見分け博 司


参加者(順不同)佐野由利子、長澤アキラ
やまぐち珠美、曽根田しげる、中野三根子
増田信一、池田茂瑠、尾崎好子、高瀬輝男
永田のぶ男、加藤鰹、小野修市、森田安心
市川重雄、金田政次郎、瀧進、鈴木まつ子
山田ぎん、畔柳晴康、中谷長仁、成島静枝
真田義子、大塚徳子、内山敏子、川島五貫
薗田獏沓、岡村廣司、酒井可福、鹿野太郎
小林ふく子、井口薫、石田竹水、川村洋未
望月弘、芹沢穂々美、西垣博司、林二三子
安田豊子、毛利由美、竹内さき、加茂和枝
川口亘、鈴木千代見、濱山哲也、伊藤泰史
石上俊枝、馬渕よし子、飯塚すみと、中川
司、恩田たかし、山本野次馬、川口のぶ子
萩原まさ子、提坂まさえ、川村美智代、那
須野正明、谷口さとみ、今井卓まる、中田
きく子、柳沢平四朗、中田尚
定例句会 | Link |
(2009/01/26(Sun) 10:58:39)

平成二十年 十月十八日 
定 例 句 会
於 静岡市アイセル21


席 題  「 血 」 長澤アキラ 選
血の濃さか姉妹の絆強すぎる    由利子
国会にやたらと二世幅利かせ    修 市
吸血鬼俺の年金吸っていく     由利子
血ぐらいはやろうせっかく来た虫だ さとみ
献血の有難さ知る手術室      輝 男
血税を湯水の様に流される     好 子
貧血の振りをしながら抱きついた  信 一
貯金ゼロだけど輸血で賞を受け   輝 男
子がグレて互いの血筋なすり合い   鰹
血の巡り少し悪いが生きるこつ   信 一
 五 客
血縁と初めて会ったお葬式     由利子
血の雨はもとはあなたの不倫です  信 一
大出血しても儲かるパチンコ屋   さとみ
血を分けた肉親裂いた拉致悲し   修 市
すぐ怒るママに献血すすめよう   さとみ
 人 位
血迷うた酔った勢い妻を抱く    信 一
 地 位
厨房を投げ出し無血クーデター    弘
 天 位
血税をトイレに流す年度末      鰹


宿 題 「じ、で始まる句」
加藤  鰹 選
爺さんと呼ばれうっかり返事した  廣 司
実印の痛さを知った保証人     由利子
じっと目を凝らして肉の厚さなど   薫
持参金見せても魚食いつかず    安 心
次男坊極楽トンボ進化する     のぶ男
自慢話子の無い人に控えてる    ぎ ん
実力に運も加わり翔んでいる    千恵子
持久力つけて生きぬく平成を    修 市
地酒だようちの米からこしらえた  洋 未
ジーパンの穴が美学になるなんて  輝 男
時効まであと数日を捕えられ    好 子
ジャムを塗るバターナイフでジャムを塗る さとみ
ジロジロとみられたわけはごはんつぶ 三根子
焦れったい私からしたプロポーズ  好 子
自信家は目鼻と口が超でかい    安 心
自信作これと思うがすべて没    たかし
自信ある偽装した年顔身体     信 一
邪恋の芽太く豊胸から伸びる    茂 瑠
G8ごとに総理が変わる国     由 美
浄土説く和尚も浄土まだ知らず   廣 司
自慢げな孫の話へ人が退き     好 子
自画自賛してる政策穴だらけ    修 市
自慢気に妻をちょっぴりけなしてる  弘
じっくりと味がしみ込む手前味噌  玲 子
自衛隊いざともなれば後ずさり   のぶ男
重箱の隅つつき合う嫁姑      玲 子
充電中です雨音を聞いてます    輝 男
磁力だな吸い付けられる君の笑み  五 貫
自分だけ薄目につくる三杯目    卓まる
弱点は見ないで居ようそれでいい  すみと
じいちゃんのサーフボードに追い抜かれ アキラ
饒舌な妻にセールス敵わない    二三子
地を這って生きて雑草引き抜かれ  政次郎
時価という寿司は恐くて頼めない  長 仁
自分から求めて出世から降りる   獏 沓
自慢した昨日の嘘に風邪もらう   さ き
じらされて恋の甘味が渋くなる   竹 水
ジーパンの数がメタボの成長記   哲 也
地金出てやっと阿吽の仲となる   信 一
 五 客
時価ばかり食べる彼女に腰が浮き  博 司
自転車のタイヤがへこむ秋盛り   可 福
実話にも少しおまけの匂いする   しげる
Jポップ聴いて昭和が船を漕ぐ   太 郎
じゃが芋のような人ですあったかい 由利子
 人 位
自販機の音だけ響く街に住む    アキラ
 地 位
時差ボケを一週間も自慢する    さとみ
 天 位
磁石なら北です僕は君に向く    竹 水


宿 題 「秋の味覚」 曽根田しげる 選
も〜い〜かぃまーだだよーとラフランス 鰹
自然薯の味で夫婦の溝埋める    茂 瑠
松茸をげっぷ出るほど食べたいな  信 一
葡萄狩りしてる皆が空おがむ    修 市
全力で秋を掴んだ姫りんご     ふく子
秋の旬ほろにがくする物価高    博 司
松茸を食べた食べたと言いふらし  ぎ ん
皮肉かなマツタケ入れるおでん種  穂々美
サンマ焼く路地の奥からくるかおり のぶ子
七輪の秋そのままが煙を出す    可 福
柿ひとつしっかり秋の味を噛む   晴 康
イチジクの甘さがケンカの元となり すみと
秋の味覚柿も私も熟れている    徳 子
栗御飯少しは芋を混ぜてみる    洋 未
ヘソ団子栗のご飯で月を見る    晴 康
狂う世の秋の味覚を夏に知り    重 雄
焼きイモの匂ひに負ける女子高生  すみと
栗をむく二時間ドラマけりがつき  まさえ
松茸で全員集合させる父      まさ子
絵手紙に松茸でかく描いて出す   由利子
肝臓も胃の腑も秋を待ち兼ねる    弘
松茸がブランドの傘そっと開け   まさえ
秋刀魚にも備長炭と言い聞かす   アキラ
落ち鮎の眼を見ぬ様にして食べる  廣 司
京料理もみじに心奪われる     千代見
秋ナスの生姜醤油は至福だな    穂々美
新米の飯ならオカズいらないよ   泰 史
やわらかく柿も女も熟れる秋    茂 瑠
凡人の舌で果実を選ばない     美佐緒
許す気がサンマの骨をスッと抜く  俊 枝
 五 客
栗ご飯いつも母ちゃん指に傷    卓まる
松茸を食べたかマイク向けられた  洋 未
旬の秋メタボ気にする喉仏     竹 水
お隣りは松茸家はシメジ茸     可 福
南伊豆伊勢エビ踊る秋を食う    好 子
 人 位
いも煮鍋人の笑顔で温まる     俊 枝
 地 位
新そばがつるりと喉を楽しませ   千恵子
 天 位
新米の湯気に命が背伸びする    アキラ
 軸 吟
巨峰一つ舌におどらせ秋の味    しげる



宿 題  「演 技」  望月  弘 選
悪役が嵌まりすぎてる演技力    千恵子
名演技だったね妻のしおらしさ   美佐緒
定年になるまで妻のふりをする   由 美
火花散るトップ女優の芸が冴え   まつ子
タレントの天然らしいお馬鹿キャラ 静 枝
生きる為演じた過去の語り草    豊 子
欲しいもの手に入る迄の児の仕草   亘
仲の良さを演じています老夫婦   長 仁
善人を真似する演技すぐ疲れ    廣 司
廻る寿司薄い松茸カラ回り     たかし
土瓶むしつまむ蓋から秋の贅    敏 子
とろろ汁真白く誘う母の膳     さ き
選挙戦パフォーマンスで勝負する  千恵子
作れない演技造花に似た私     茂 瑠
呆けた真似迫真過ぎて特養へ    信 一
コスモスとピエロの顔で難のがれ  和 枝
言い訳の演技を見抜くすまし顔   竹 水
一身上今日は貧者を演じます    輝 男
演技とも思える書家の筆はこび   二三子
パグを抱く美女の演出隙が無い   哲 也
目いっぱい女まぶして通り抜け   洋 未
さっきした指切り演技かもしれぬ  ふく子
強がりを言って空咳一つする    アキラ
笑うのも泣くのも生きる為の技   竹 水
白線の中での慎ましい演技     茂 瑠
劇場の外へ出てからわかる意味   まさ子
いい人をとうとうやめる停年日   まさえ
オーバーに斬られてやるか孫の太刀 可 福
路地裏を台本通り迷う振り     卓まる
お小遣い孫の演技に乗せられる    進
やめておく拍手をくれる人もなし  洋 未
男慣れ演技上手を疑われ      重 雄
生きる為ネオンの街で演技する   博 司
 五 客
喪服着て蝋人形になった妻     野次馬
ウーロン茶だけで酔ってる下戸の靴 美佐緒
ゴタゴタが去るまで死んだ振りでいる 鰹
花道でだんまりとなる天下り    政次郎
この頃は女らしさを演技する    三根子
 人 位
大粒の涙をすぐに出せる妻     由利子
 地 位
ネールアート今日は女でいたいから 野次馬
 天 位
母さんにあげよう主演女優賞    アキラ
 軸 吟
外面はどこから見ても愛妻家     弘


宿 題 「自 由 吟」  互 選
D脈ありと徐々に持ち出す隠し玉  千恵子
C仏には詫びて神には願い事    さとみ
C自家製の梅干し朝が動き出す   由利子
C生きるため肩の力も抜いてみる  三根子
Bりんご剥くお国なまりの声がする 千代見
B煮え切らぬ気持ちの侭で従いてゆく 獏 沓
B今生きるペン走ったり止まったり ふく子
B若作りしてもBCGの跡     由 美
B届かない返事待ってる秋の月   和 枝
A秋の虫うわさ話を夜明け迄    修 市
Aわたくしは一雨ごとに弱くなる  太 郎
A靴買いに行きます余命歩きたく  博 司
A気負わずに風に任せてゆくひとり 豊 子
A父ちゃんの平和女房の風次第    進
A新しい雲に乗れるか膝に訊く   五 貫
A一匹の蝶閉じ込めている胸の奥  義 子
@百円を使うに苦労する格差    美佐緒
@煮崩れた愛はお玉で掬えない   穂々美
@職業欄主夫と書きたい無職です   薫
@過労死をギネスが憂うみのもんた 静 枝
@絵手紙へ紅葉を描く母の秋    敏 子
@攻めてくる敵も勝利を信じてる  廣 司
@ゆっくりと決めたい力溜めている 徳 子
@その顔が良いね檸檬が歯にしみる 政次郎
@両親のラブコメディーの中にいる 哲 也
@なめくじの涙は乾く暇がない   アキラ
@荒波がみやみに舵を重くする   安 心
@ミステーク小さいうちに頭下げ  すみと
@束の間の主役もみじが燃え盛り  輝 男
@店先に手の出ぬ味覚並べられ   ぎ ん
@価値観の違い食事の席に出る   洋 未
@躓いた小石を空へ蹴り返す    野次馬
@耳ダンボ口はおちょぼで腹メタボ 信 一
@満腹だ許しておこう秋だから   しげる
@七転び八起き早起きなのは妻   兄 六
@矢面に立たされ踊らされる影   野次馬
@ちょっとだけストレスも入れ旅支度 まさえ


参加者(順不同)飯塚すみと、谷口さとみ
小野修市、高瀬輝男、池田茂瑠、尾崎好子
曽根田しげる、加藤鰹、増田信一、望月弘
中野三根子、森田安心、瀧進、佐野由利子
長澤アキラ、井口薫、市川重雄、畔柳晴康
大塚徳子、中矢長仁、岡村廣司、川島五貫
内山敏子、成島静枝、真田義子、毛利由美
薗田獏沓、鹿野太郎、西垣博司、石田竹水
林二三子、竹内さき、川村洋未、安田豊子
滝田玲子、川口亘、金田政次郎、山田ぎん
加茂和枝、濱山哲也、酒井可福、石上俊枝
伊藤泰史、小林ふく子、恩田たかし、中田
きく子、鈴木まつ子、芹沢穂々美、中川司
鈴木千代見、戸田美佐緒、馬渕よし子、那
須野正明、永田のぶ男、山本野次馬、萩原
まさ子、提坂まさえ、川口のぶ子、中田尚
薮ア千恵子、今井卓まる、柳沢平四朗
定例句会 | Link |
(2008/12/25(Wed) 16:20:31)

平成二十年 九月二十日 
遠 足 句 会
於 伊豆ワイナリーヒルズ


席 題  「てっぺん」 谷口さとみ 選
チビの子が自慢げに乗る組体操   二三子
わだかまりひとつ富士山頂に捨て   鰹
天辺で椅子を投げ出す自民党     弘
芋虫も必死テッペン目指してる   輝 男
てっぺんが見えない位置で心地よい 五 貫
墓石の上でカラスが騒いでる    二三子
天辺はどこだ地球はまぁるいぞ   猫 子
天辺を手探りをして夜が明ける   のぶ男
 秀 作
山頂で一瞬秋の風になる      恭 子
てっぺんでワイン飲んだら眠りたい しげる
ワイナリー天辺の鐘幸を呼ぶ    可 福
修善寺のてっぺんにあるワイナリー  弘
 軸 吟
旗あればお子様ランチになるごはん さとみ


宿 題 「い、で始まる句」
真理 猫子 選
遺言にはなんにも無いと書いておく 信 一
遺産分け終えて仏間の灯がゆれる  アキラ
生き返る湯舟に今日が浮いている  政次郎
生き甲斐は妻子の笑みとコップ酒  修 市
今だから言える話は腐ってる    竹 水
一円の攻防セール梯子する     静 枝
色めがね掛けて世間が見えますか  敏 子
イクラ海胆食べず嫌いを引き受ける 好 子
いいかしら長寿めざしていいかしら  薫
いつかまたそんなこんなで歳になり  亘
言い過ぎた言葉消しゴム探してる  千代見
言い敗けて折れた女房がいじらしい のぶ男
言いきかす言葉に毒もちょっと混ぜ ふく子
言い訳を聞いてくれてるワンカップ 哲 也
言い訳はよそうあしたも陽はのぼる 徳 子
苛立ちを食べてメタボへ邁進中   居久美
以心伝心分かりたくない時もある  由 美
一瞬の風が扇動する選挙      豊 子
いい歳でちっちゃな色気横に置く  安 心
因習の殻脱ぎ捨てて朱を求め    茂 瑠
命がけあなたを守るなんてうそ   千代見
いち抜けたいちで止まらずアデランスさとみ
いつもので通じる店でひと休み   まさ子
忙しいかわりに御飯食べといて   洋 未
イルカ保護叫ぶステーキ食べながら  鰹
生きるため川柳も好き遊び好き   三根子
色々な過去が出揃う同期会     まさ子
今の世は介護と遺産当てにせず   俊 枝
一言の重み奥歯に引っかかり    まつ子
一度目のミスは大目に見てあげる  由 美
一番を目指しこわれていく子供   泰 史
胃袋に未消化のまま今日のウツ   輝 男
以下同文ちょっと空しい授賞式   さとみ
犬と猫だけが黙ってついて来る   信 一
衣食住すべて揃ってまだ不満    穂々美
 五 客
井戸の中嵐は知らぬまま逝ける   飛遊夢
居留守だとバレてるらしい長いベル 哲 也
一瞬の脇見で払う養育費       鰹
いい人といわれる腹の八分目     弘
いろいろとあって壁紙張りかえる  まさえ
 人 位
胃カメラが僕の失恋さがしあて   洋 未
 地 位
生きているから今日泣いて明日笑う 太 郎
 天 位
いきさつは不明 なれそめは強引  団 石


宿 題 「豆」表現自由 佐野由利子 選
豆鉄砲撃たれじいちゃん鳩のまね  可 福
豆腐屋のらっぱが時速五十キロ   さとみ
のどごしのヤッコ豆腐がベリーグー きく子
引き合って納豆みたいくされ縁   政次郎
煮え切れぬ豆と女の泥試合     茂 瑠
年の数だけの豆などもう食えぬ   廣 司
気に入ったその手拭の豆しぼり   晴 康
ごま豆腐まだまだ未熟修業僧     進
平和主義豆鉄砲の独り言      アキラ
黒豆を煮るもう少しもう少し    団 石
豆を煮るふつふつふつと嘘ならべ  まさえ
納豆を飲むように食う健康児    好 子
豆狸人をだまして腹づつみ     長 仁
孫の打つ豆鉄砲に両手あげ     敏 子
更年期イソフラボンに助けられ   居久美
納豆の粘りがパワー出してくれ   和 枝
鳩が豆食ったようです辞任劇    まつ子
小豆好き甘い物好き酒も好き    三根子
未練かな豆粒ほどの夢を追う    輝 男
納豆と人は練るほど味が出る    泰 史
納豆に未練を混ぜて朝ごはん    猫 子
男ゆえ豆々しさを嫌がられ     まさ子
枝豆は五分以内にきてほしい    さとみ
豆乳は見直されてか美女が増え   のぶ男
柔過ぎて箒持つ手に豆ができ    宇 宙
豆絞りハッピ姿についころり    信 一
豆知識ぎっしり持って頭痛持ち    尚
電池切れしたのか豆な子が昼寝   二三子
あくまでも天を目指すぞ豆のつる  輝 男
味噌樽に寝かせた豆の笑い声    俊 枝
空豆が無駄花ばかり怠けもの    しげる
豆乳をごくりと飲んで生き返る   徳 子
 五 客
炒ったって煮たって食えぬ豆もある 信 一
純情な私をだます豆狸       竹 水
本名と指輪外して伊豆の宿     飛遊夢
年金に見合う萌やしを今日も買う  のぶ男
少子化にインゲン豆は子沢山    竹 水
 人 位
情けない豆鉄砲で援護され     卓まる
 地 位
お見合いに箸から滑る憎き豆    可 福
 天 位
手の豆がはじけてできたさかあがり 洋 未
 

宿 題  「ワイン」  池田 茂瑠 選
告白を受けるワインのいい香り   輝 男
ワインなど要らぬ地下足袋酎の味  重 雄
ワインでも踊ってみせる安来節   廣 司
ワイン派と焼酎党と二分され    獏 沓
情熱に燃えて火となる赤ワイン   竹 水
注ぐ前に話が長いワイン通     五 貫
しとやかな顔してきつい白ワイン  竹 水
鮮やかに私を染める赤ワイン    由 美
赤ワイン女心の隠し味       千代見
ビンテージ知ったかぶりがいるデイナー 静 枝
慣れぬ手にワイングラスのぎこちなさ 豊 子
ソムリエを気取ればワイン横を向き のぶ子
口づけてワインの記憶君がいる   さ き
赤ワイン昨日の恋がとけはじめ   玲 子
齢の差が何よワインで恋賛歌    輝 男
お揃いのワイングラスの眠る棚    進
ワインより俺には似合うコップ酒  野次馬
美しい涙に妥協したワイン     しげる
あなたとのロマンにワイン傾ける  和 枝
ともだちでいようだなんてロゼワイン 鰹
あなたへの思いに染まる赤ワイン  五 貫
妻たちのランチタイムはワイン付き 宇 宙
ビール家外面ワイン愚痴は酒    信 一
赤ワイン秘密の恋を喋り出す    由利子
 佳 作
外は雨てるてる坊主と酌むワイン  政次郎
赤ワイン今日は勝負に出るつもり  恭 子
悪酔いもいいかも君の注ぐワイン  団 石
ワイン好き体もグラス型になり   猫 子
唇にワインが溶けて薔薇になる   博 司
 秀 句
赤ワイン底に媚薬が溶けている   ふく子
記念日は栓に愛してると刻む    宇 宙
くちびるを盗られる予感赤ワイン   弘


宿 題 「自 由 吟」  互 選
L遅刻した罰か上座が空いている  美佐緒
F人が人許して風を和ませる    獏 沓
E満月に一線越えてしまいそう   のぶ男
Dロボットも介護資格を持つ時代  宇 宙
D虫のいい話だ犬もそっぽ向く   輝 男
D目一杯無理をするから綻びる   政次郎
C丸じゃない四角でもない俺楕円  信 一
C正直をとるか生きやすさをとるか 恭 子
B幸せのリズムで体頑張れる    和 枝
B肩書きは要らない安い酒でいい   鰹
B天国も地獄も知っているお酒   安 心
B酸性雨老いの暮らしに降りやまず 博 司
B中古品僕も売られた店じまい   洋 未
B掃除機に吸い込まれてく白昼夢  猫 子
B腹八分残りの二分に情け注す   卓まる
Aオブラート包みきれない粉薬   玲 子
A度忘れと逃れる度に身が縮む   豊 子
A喫煙所みたいになった相撲部屋  由 美
A国民の為と白々しい台詞      薫
A息抜きの旅へ財布が音をあげる  よし子
A手に豆を作る努力が咲かす花   泰 史
Aブドウ狩り入園料は食べてくる  静 枝
A無くなって良いこともある悩み事 長 仁
Aいつの日か大きな海に着くだろう 義 子
Aお別れに胸一杯が顔になる    五 貫
A古傷を隠しているか蔦が延う   ふく子
@旅行社のチラシはすでに秋盛り  二三子
@平和ぼけ大食漢を持て囃す    廣 司
@ライバルへわずかな望みつなぐ星 まつ子
@方言を浴びて元気を取り戻す    弘
@名月を送り夜毎の虫すだく    亀 重
@歳などは時と場合で換えている  可 福
@何かしよう何かしたいと日が暮れる 由利子
@マニフェスト秋晴れの日は休日だ 哲 也
@時として他人なる背の海がある  さ き
@句誌ひろげ思わず笑うこの一句  晴 康
@若かった罪にスクリュードライバー 太 郎
@あなた生きていますかという心電図 穂々美
@楽しみがまだ残ってるから生きる 竹 水
@矢面に立たされ踊らされる影   野次馬
@ちょっとだけストレスも入れ旅支度 まさえ


参加者(順不同)曽根田しげる、森田安心
池田茂瑠、水品団石、川島五貫、酒井可福
真理猫子、林二三子、勝又恭子、川村洋未
長澤アキラ、望月弘、増田信一、高瀬輝男
加藤鰹、荻田飛遊夢、大塚徳子、岡村廣司
永田のぶ男、佐野由利子、中田尚、井口薫
提坂まさえ、中野三根子、瀧進、畔柳晴康
真田義子、薗田獏沓、中矢長仁、石田竹水
成島静枝、内山敏子、小野修市、尾崎好子
毛利由美、鹿野太郎、西垣博司、安田豊子
進藤宇宙、川口亘、金田政次郎、加茂和枝
濱山哲也、竹内さき、滝田玲子、伊藤泰史
石上俊枝、市川重雄、小林ふく子、那須野
正明、鈴木まつ子、山本野次馬、中川司、
鈴木千代見、山本野次馬、馬渕よし子、萩
原まさ子、芹沢穂々美、戸田美佐緒、川口
のぶ子、今井卓まる、森下居久美、中田き
く子、柳沢平四朗

定例句会 | Link |
(2008/11/25(Mon) 15:04:25)

平成二十年 八月十六日 
定 例 句 会
於 静岡市アイセル21


席 題  「八 月」  永田 のぶ男 選
夏休み帰る故郷父母は亡く     修 市
夏の海泳ぎたいけど浮かばない   修 市
葉月でも俺の頭は枯れすすき    信 一
暑いねェその一言ですれ違い    好 子
八月の恋人を抱く汗を抱く     茂 瑠
北京の空高くあげよう日の丸を   洋 未
甲子園グランドの砂減っていく   洋 未
線香を多めに用意してお盆     さとみ
墓まいり親の年齢はるか越え    洋 未
水の事故山の事故へと繰り返し   好 子
終戦の月が今では海外へ      信 一
八月を一層暑くした五輪      茂 瑠
旧盆を戻らなくなる子供達     信 一
甲子園汗を涙にかぶりつき     信 一
宿題の重さを親がかみしめる     尚
八月がビールの泡に溶けている    弘
真夏でも寒くなるよな世の中に   信 一
八月は妻里帰り神無月       卓まる
八月は今年もやぱり君が代で    三根子
八月の海と初恋青かった      茂 瑠
 五 客
ふるさとと母校が踊る甲子園     弘
砂浜で討ち死にされているスイカ   弘
盆休み豆台風が来る田舎       鰹
八月のビールに弱いノドを持つ   茂 瑠
八月に命の重さ問い直す       尚
人 位
葉月です雑草取りに四苦八苦    信 一
 地 位
八月の記憶を濡らす黒い雨      鰹
 天 位
終戦の日をすいとんにうなされる   弘
 軸 吟
八月に靖国の神 雲に告げ     のぶ男
 

宿 題 「 平 」表現自由、字結び可
            望月  弘 選
どんぐりが安堵してます平均値    進
お平にその一言で楽になり     好 子
争いを避ける境地に居る平和    政次郎
平和論となえてみてもままならず  のぶ子
縄のれん多士済々の平和論     輝 男
公平におかずを配る母の汗     泰 史
平日も休日もない母の像      安 心
平凡な日々を振り込め詐欺が突く  哲 也
平和呆け単細胞の落し穴      平四朗
平日は量販店で暇つぶし      穂々美
底を這う平目は常に上を見る    可 福
ママで金なんて平気でペンが言い   尚
平凡な一生でした花柩       由利子
平凡に生きて汗だけかいている    尚
手の平で転がされてるお人好し   きく子
良き妻は加減知ってる平手打ち   卓まる
真っ平と言ったお前が今一緒    信 一
平穏な日々に埋れて倦怠期      進
やりました平均寿命超えました   廣 司
病名を伏せて平気な顔つくり    敏 子
平坦な道も躓く勇み足       千恵子
金持てば平常心が失せてゆく    徳 子
平坦な道にもあった落とし穴    和 枝
平だって品格だけは捨てません   信 一
手の平のたかが皺だよ気にするな   薫
平熱が続く可もなく不可もなく   静 枝
平ちゃらな明日に会いたい高齢者  まさ子
 五 客
大特価(平日のみ)と小さな字    鰹
年金を捏ねてのばして不平等    のぶ男
平凡のところどころに非常口    美佐緒
平坦な道へ笑いを備蓄する     野次馬
平凡に飽きると平和崩れだす    二三子
 人 位
平静を装うこんなに辛い酒     平四朗
 地 位
八月の雲まざまざと見る平和    豊 子
 天 位
平静に戻るシオリのページから   茂 瑠
 軸 吟
坂のある道を嫌いな乳母車      弘


宿 題 「ごろごろ」 高瀬 輝男  選
片付かぬ瓦礫ごろごろ災害地    敏 子
ゴロゴロと列島走る火の車     修 市
ゴロ寝して人生の意味考える    泰 史
ゴロゴロとしているわりに耳が冴え 卓まる
不器用な箸里いもにからかわれ   獏 沓
喉鳴らす猫になれない温暖化    竹 水
ごろごろと腹の虫泣く会議中    玲 子
冷え過ぎた牛乳ごろり来る雷雨   竹 水
雷鳴が明日の地球を暗示する    野次馬
ごろごろと山車曳く子らに汗の顔  可 福
長イスでごろ寝して見る世界新    鰹
草野球ゴロが余所見をして困る    弘
僕だって好きでごろごろしてません 豊 子
ごろごろもしては居られぬ高期でも 重 雄
目の中で我が子反乱ころがった   洋 未
肩書が取れてごろごろ青畳     敏 子
躓いて賽の河原も石だらけ     のぶ男
この程度ならどこにでもある話   豊 子
とりあえず忘れたいので昼寝する  美佐緒
積乱雲乗って雷神やって来る    博 司
食べ合わせ悪かったのか下り腹   二三子
ごろごろの荒れ地が今やニュータウン 薫
休日はトドとアシカが群れる家   野次馬
ごろ寝して手持無沙汰の女房留守   進
五 客
百均で宝を探す夏休み        尚
ママは留守今日はゴロゴロしちゃおうか さとみ
雷も民話になれば耳を立て     ぎ ん
里帰り誰はばからずゴロ寝する   二三子
耳そうじイケナイ右手ひざに伸び   鰹
 人 位
雷を挑発してる臍ピアス      哲 也
 地 位
分別をすれば資源のゴミの山    五 貫
 天 位
雷のパワーを銭に替えてみる    安 心
 軸 吟
資金あれば転がっている儲け口   輝 男


宿 題  「おばけ」  加藤  鰹 選
おばけより恐いこの世の生き仏   修 市
おばけさえ背すじも凍る社会面   きく子
化けて出たこの世の方が怖かった  信 一
ばけて出て得にならなきゃ出てくるな廣 司
化け切れぬ私の尻尾短くて     茂 瑠
ネクタイを固く結んで化け通す   ぎ ん
天下る魑魅魍魎は巨額抱く     平四朗
それそこに善人を着たおばけいる  平四朗
化け物に変わる熟女の厚化粧    まつ子
過去帳にのせず彷徨う千の風    晴 康
熱帯夜妖しい人とすれ違う     千代見
何度でも化かされている児の無心   亘
気の小さいおばけ出るのは夜中すぎ びん郎
引き金に手を添えている背後霊   美佐緒
化け物が僕の心をそそのかす    長 仁
ピアス揺れワインに溶かす化けの皮 さ き
国中がおばけ電話に踊らされ    さ き
政治家は腹に万のおばけ飼い    修 市
年金をのっぺらぼうに誤魔化され  しげる
背に重いおんぶおばけが寝てござる 可 福
偽者の百鬼夜行に夜の乱れ      進
紀香似のおばけだったら抱くだろう 由利子
暑すぎて出忘れましたQ太郎     尚
お菊さんお皿数えた寄席に行く   洋 未
赤旗のビーチ無視する海坊主    太 郎
現代のおばけはきっとまゆ毛無し  安 心
ギンギンのおしゃれなおばけ出る銀座 洋 未
セクハラのおばけが直ぐに触る癖  重 雄
缶ビール誰が飲んだか熱帯夜    卓まる
煙突のおばけで町が売れている    弘
背後霊義母の傘下を出られない   まさえ
お化けでもいいちちははよ出て参れ  弘
赤信号おばけがおいでおいでする  ふく子
スポーツ界おばけ怪獣ほめ言葉   哲 也
この頃はおばけやしきがめずらしい 三根子
化けて行く久方ぶりのクラス会    進
もぎそこね胡瓜おばけになっていた 哲 也
見落としたキューリ翌朝にはおばけ 二三子
国産へ産地の文字が化けている   博 司
おばけには子育て中に世話になり  由 美
いい時代おばけはとても怖かった   薫
五 客
お化け屋敷素顔のままで依頼来る  信 一
妻よりも凄いおばけはまだ出ない  五 貫
おばけより恐いメタボを自覚する  好 子
スーッと来て都合しだいで消える人 俊 枝
化けて出るなんて面倒だから止す  千恵子
 人 位
議事堂でおばけ昼寝をして終る   のぶ男
 地 位
ケータイの覗き見をするろくろ首  由利子
 天 位
おはようと起きた貴女はどこの誰  安 心


宿 題 「自 由 吟」  互 選
G嘘ひとつ今もたたんで持ってます 義 子
E寝たふりの耳は大きな吸音機   博 司
Dやましくて余計な事を喋り出す  五 貫
C嫉妬するように鬼百合咲き乱れ  ふく子
C五線譜は読めぬが軍歌なら唱う  廣 司
C応対を一新電話鳴りっ放し    竹 水
C記憶にはないが打身の跡がある  由利子
Bかいてみる絵か字か恥か醍醐味か のぶ男
Bつり橋を揺すり未練を振り落とす 豊 子
B宝くじ外れシメサバには当たり   鰹
Aきれいごと並べた議題灰汁がある しげる
Aたらればを言わずに今を生きている 二三子
A暑いとは言っちゃいけない原爆忌 哲 也
@野口さんわたし百まであと四年  好 子
@デパートが人人人で夏の陣     尚
@夢の中父が今でも良くほめる   三根子
@大福で丸めこまれるお人好し   洋 未
@バリアフリー息子は同居するつもり 弘
@中国に恐れ靖国無視される    輝 男
@旗色が悪くプライド削ります   茂 瑠
@丑の日は甘い匂いと甘い声    卓まる
@独りでは出来ない事も芸のうち  可 福
@パスワードこれかあれかそれのどれか 由 美
@青空という最高のアスリート   太 郎
@濁流に呑まれランプの宿消える  玲 子
@幸せの羽根はおもいっきり伸ばす 和 枝
@使い捨てされて悔しい高齢者   よし子
@駄目駄目と駄目にならない様に生き 政次郎
@単身の赴任惑わす酔芙蓉      進
@自分だけ耐えてきた気の見栄を切りまつ子
@絵葉書に添えて名所のあれやこれ 美佐緒
@山積みのりんごは過去を話さない 野次馬


参加者(順不同)今井卓まる、佐野由利子
曽根田しげる、中田尚、高瀬輝男、加藤鰹
尾崎好子、川村洋未、池田茂瑠、増田信一
小野修市、中野三根子、望月弘、畔柳晴康
金田政次郎、瀧進、鈴木まつ子、大塚徳子
成島静枝、岡村廣司、薗田獏沓、石田竹水
内山敏子、谷口さとみ、井口薫、中矢長仁
川島五貫、毛利由美、山田ぎん、鹿野太郎
安田豊子、西垣博司、林二三子、濱山哲也
竹内さき、滝田玲子、川口亘、小林ふく子
加茂和枝、酒井可福、石上俊枝、伊藤泰史
市川重雄、森田安心、鈴木千代見、中川司
薮ア千恵子、戸田美佐緒、山本野次馬、那
須野正明、芹沢穂々美、川口のぶ子、荒井
敏弘、中安びん郎、中田きく子、萩原まさ
子、提坂まさえ、柳沢平四朗、永田のぶ男

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(2008/10/25(Fri) 14:17:57)

 

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