平成二十五年   十月十九日
た か ね 定 例 句 会
於 アイセル静岡

 

参加者(順不同)滝田玲子、曽根田しげる

望月弘、増田信一、佐野由利子、市川重雄

石上俊枝、山本智子、勝又恭子、川村洋未

山田浩則、長澤アキラ、加藤鰹、杉山光代

中田尚、薮﨑千恵子、林二三子、尾崎好子

三島紀久子、松田夕介、南天子、池田茂瑠

中野三根子、小林ふく子、鈴木まつ子、中

司、渥美さと子、鈴木千代見、斉尾くにこ

畔柳晴康、岡村廣司、中矢長仁、大塚徳子

栃尾奏子、奥宮恒代、薗田獏沓、内山敏子

石田竹水、成島静枝、川口亘、谷口さとみ

毛利由美、安田豊子、鹿野太郎、酒井可福

濱山哲也、真理猫子、森田安心、西垣博司

八木益代、川口のぶ子、永田のぶ男、那須

正、山本野次馬、荒牧やむ茶、森下居久美

岡村けん・森だがやん・恩田たかし

▽大阪から武人さん奏ちゃん夫妻がまたま

た遊びに来て下さいました。おおきに~♪

 

席 題  「版 画」  山田 浩則 選

バレン持ちなんと見事な厚化粧   夕 介

手作りの賀状版画があたたかい   奏 子

赤富士が版画の顔で来る賀状     弘

楽しみにしている版画年賀状    由利子

そのままを彫って表が裏になる   信 一

学校でせっせとほった木版画    三根子

展示会版画ばかりが良く売れる   三根子

ゆっくりと本音を探す版画展    奏 子

色あせた版画に住んでいる亡母   奏 子

春の色重ねて版画賀状舞う     俊 枝

松竹梅野菜刻んで年賀状      智 子

年賀状来年こそは干支を彫る    三根子

消しゴムを版画にしてる授業中   武 人

あなたへの愛を削って木版画    奏 子

やきいもか版画か迷うさつま芋    弘

赤富士も片岡珠子ブーム乗る    俊 枝

プロ気分彫刻刀を握りしめ     千恵子

年賀状手作り版画でご挨拶     光 代

削り過ぎのっぺらぼうになった顔  信 一

力作を彫れば肩こり趣味版画    洋 未

なんたって夫の版画日本一     由利子

イモ版でうまくできるか鏡文字   武 人

広重にあこがれて行く版画展    千恵子

五 客

おっとっと彫刻刀で指を切る    由利子

彫りすぎてまゆ毛が太くなりました 武 人

素人の目でも難し目を細め     重 雄

色々な富士を眺める版画展     由利子

富士山の頂上なぜか黒になる    武 人

 人 位

イモ版を作るつもりが食べちゃった 洋 未

地 位

フランスがドイツの旗になる版画  武 人

天 位

句は駄目で版画集では天をとる   のぶ男

 軸 吟

木の板に味が染み込む年賀状    浩 則

 

 

宿 題  「当たり」  薮﨑 千恵子 選

もしかして私旦那で大当り     洋 未

この星で君に出逢えた大当たり   奏 子

フーテンの寅振られ上手の当たり役 玲 子

流れ矢に当たったような玉の輿   アキラ

大当りあなたと結んだ赤い糸    俊 枝

当たったね二人仲良く共白髪    長 仁

当たり年美女には注意よそ見せず  洋 未

流れ矢に当たって気付く気のゆるみ 竹 水

目をつむりバットを振ればホームラン可 福

洗濯も掃除も好きな良い夫     三根子

当たり来ているのにエサばかり取られ二三子

ナイショだが彼の実家はお金持ち   鰹

当たり前だと思う事個々違う    たかし

世知辛い赤信号によく当たる    ますゑ

遠回りした人生も悪くない     としみ

我が家ではパパがやるのが当り前 だがやん

まあ双子ステキな玉子かけ御飯   奏 子

運命の人を射止めた天使の矢    としみ

増長へ神のおしおき罰当たり    智 子

嫌な役ハズレて欲しいでも当たる  たかし

あらいやだ当番だけが大当たり   三根子

小吉は地味に当たっておりました  由 美

ちょっと君 嫌な予感はよく当たる  鰹

役員のくじだけ当てて来た歴史   好 子

ハンサムな人が隣りの指定席    恭 子

馬の足誉められ当たり役にされ   恒 代

占いがずばり心を熱くする     獏 沓

値段まで当てられちゃったプレゼント由利子

神かしらいやな予感はよく当たる  夕 介

午前様三日続けば妻の蹴り     安 心

当たり前みたいに妻は指図する   博 司

八当たり妻に当たれば体当たり   野次馬

大当りいい嫁が来て愛に満ち    のぶ男

五 客

人当り良くてみんなが寄ってくる  二三子

大当たりすると明日がおそろしい   弘

おみくじの凶が真髄突いてくる    弘

風当たり負けてなるかと四股を踏む 晴 康

八つ当たり勝気はよいが青二才   のぶ男

 人 位

野暮な奴女性の齢を言い当てる   廣 司

 地 位

食あたり宝くじよりよく当たる   圭 二

 天 位

新人のレポ台風をもろに受け    静 枝

 

 

宿 題  「ハズレ」 永田 のぶ男 選

はずれなしわかっちゃいるが騙される圭 二

ハズレてもいい事あるさ前向きに  たかし

輪の中の調子ハズレが掻き回す   由利子

油断する心のタガはすぐ外れ    ふく子

台風が外れ安堵のひとり部屋    豊 子

きず物へバス代惜しく泣き寝入り  智 子

欲しいけどローレックスは桁外れ  由利子

うちの嫁かわいいだけがとりえです 洋 未

初恋を振って夫婦になったのに    弘

期待したアベノミクスに裏切られ  玲 子

ハズレにも美学さらりと風をきる  奏 子

反抗をする子ハズレとは限らず   二三子

ハズレから学ぶチャンスの活かし方 奏 子

カラオケも飲んだら調子外れない  二三子

投資だけ期待ハズレに子成長    俊 枝

ハズレくじ引いて上座に据えられる 恭 子

一万で買ったメロンが甘くない   三根子

五つ星期待したけど不味かった   武 人

やけ酒という経済効果あるハズレ  哲 也

欲かいて狙った獲物捕まらず    圭 二

大ハズレ出世の見込み無い亭主   博 司

レギュラーを外れて闘志なお燃える 千恵子

当てこんだノーベル賞も的ハズレ  のぶ子

特賞を抽選箱に入れ忘れ      やむ茶

火遊びの外れが寒く身にしみる   茂 瑠

宝くじ当りハズレは時の運     のぶ子

ハズレても再度チャレンジ夢のくじ たかし

位付け裏目あっさり外される    まつ子

見栄っ張り人の期待をすぐはずす  安 心

外れないように日記で締め括る   太 郎

あの人に添えば軽トラ乗らなんだ  恒 代

大風呂敷広げハズレの脛かじり   重 雄

五 客

夫婦仲ボタン一つの掛け違え    好 子

あみだくじ私の運が逃げていく   千恵子

酒飲めば父ちゃん音痴で上機嫌   光 代

音程の脱線マイク離さない     智 子

クイズ見て力説したら大ハズレ  だがやん

人 位

ピチピチの街でハズレた金目鯛   重 雄

 地 位

エサ付けて釣った女房は男好き   野次馬

 天 位

経営も脱線北のJR        静 枝

 

 

宿 題 「時事川柳」 望月   弘 選

マー君に内助の功という魔球    やむ茶

おい秋よお前はすでに過ぎ去った  圭 二

神無月終わる秋刀魚も食べぬまま  奏 子

不景気に消費税など何故上げる   天 子

シンドラー確かめて乗る習い癖   智 子

片手には常にスマホを持っている  二三子

景気良い話ばかりの机上論     千恵子

五輪への思いパスして魔女は逝き  好 子

アンパンをちぎりどうぞと人助け  武 人

脱線は手抜きのツケの差し回し    亘

モンゴルに相談をする所有権    ますゑ

瞬きのたびに揺れてる汚染水    野次馬

何食わぬ顔でネットに潜む鬼    太 郎

非常口塞がれている汚染水     千代見

汚染水見て見ぬ振りの永田町    信 一

東電のモグラ叩きが止まらない   アキラ

米軍を守ってるのは日本です    哲 也

もう慣れた頃だと上げる消費税   由利子

霞でも食えと言うのか消費税    夕 介

一〇の字が見え隠れする消費税   博 司

浮かれてる五輪の影に消費税    千恵子

消費税貧者の一灯なるならば    光 代

土砂崩れ他人事でない山背負う   居久美

遷宮のマニュアル多分絵巻物    静 枝

リニアにも一度は乗ってみたい夢  好 子

任侠へすっと融資をするバンク   太 郎

年金は長生きしろと言ってない   アキラ

五 客

消費税対策まずは切手買う     恭 子

隙あればまだ肥えそうな消費税   さと子

世の中を無垢な目で見るおもてなし まつ子

拍手が空まで届き日本晴れ     しげる

脱線は一度も無かった縄電車    竹 水

 人 位

不祥事のブレーキ効かぬJR     鰹

地 位

捻くってまたひねくって金メダル  由利子

 天 位

あちこちに爪痕ついた日本地図   恭 子

 

 

宿 題 「自 由 吟」 互 選

⑦ため口で言われ敬語で返事する  よし子

⑦惚れっぽい男でいつも火傷する  獏 沓

⑦返答に困り外して拭く眼鏡    晴 康

⑤止まるまでゆっくり行こう古時計  弘

⑤泣く時も甘える時も母の膝    由利子

⑤終活はやがてひとりになる旅路  敏 子

⑤盗ませてあげる唇だったのに   茂 瑠

⑤物差しの目盛りを下げて楽になる 信 一

④母さんが朝を引っぱる縄電車   奏 子

④五輪までたかが七年生きてやる  静 枝

④肩書きは無いが表札付いている  博 司

④負けないで良かった青い空の下  アキラ

③幼子の悪魔のようなまっすぐさ  由 美

③くず野菜刻めば主役サラダ鉢   智 子

③ポックリと死にたいけれど今日でなく  俊 枝

③子育ても米も研ぎます赤い爪   玲 子

③ロボットのネジを拾って苦笑い  野次馬

③二十四色まだ使わない色がある  義 子

③飽食の地球の裏で子等が飢え   廣 司

③サスペンス大詰めなのにコマーシャル  長 仁

③イントロの風になびいた恋心   まつ子

②血の濃さは天変地異に動じない  ふく子

②大根はいいな肥満が囃される   竹 水

②おみくじの気に入らぬとこ飛ばし読み 可 福

②生き抜くぞ社会に胡麻を摺りながら太 郎

②何回も流した涙糧にする     豊 子

②老人に最期まで税が追いかける  光 代

②見栄を張る爪先立ちの爪が割れ  千恵子

②僕の矢は当ててくれないキューピッド 夕 介

②石の上三年今も見えぬ道     やむ茶

②目覚めれば結露に指でゴメンネと 武 人

②溜飲が下がるようやく一句抜け  二三子

②猿だって小判欲しくて町へ出た  しげる

②歯が痛い悪巧みなどしないのに  洋 未

②月にまで行ける体力つけておく  三根子

②富士の山世界に誇る顔を持ち   のぶ子

②ゆるキャラのぼくの隠れた力瘤  としみ

②ひきこもり聖書を読んで考える  天 子

②黎明へ竜馬が開けた国の窓    さと子

②笑顔がステキきっと心が澄んでいる千代見

②秋祭り母のおこわと煮ころがし  ますゑ

②悟る気で書いて己の気を癒す    亘

②山肌が赤や黄色に染まる秋    浩 則