平成二十四年   八月十八日
た か ね 定 例 句 会
於 アイセル静岡

 

参加者(順不同)真理猫子、曽根田しげる

林二三子、中田尚、三島紀久子、山田浩則

杉山光代、山本智子、松田夕介、勝又恭子

八木益代、高瀬輝男、稲森ユタカ、望月弘

尾崎好子、川村洋未、市川重雄、増田信一

永田のぶ男、薮﨑千恵子、佐野由利子、中

川司、中野三根子、小林ふく子、森田安心

森下居久美、荒牧やむ茶、渥美さと子、加

藤鰹、畔柳晴康、鈴木まつ子、鈴木千代見

大塚徳子、岡村廣司、薗田獏沓、奥宮恒代

南天子、斉尾くにこ、成島静枝、酒井可福

栃尾奏子、石田竹水、毛利由美、鹿野太郎

西垣博司、中矢長仁、安田豊子、濱山哲也

井口薫、長澤アキラ、谷口さとみ、川口亘

川口のぶ子、安藤千鶴子、宮浦勝登志、川

村美智代、石上俊枝、萩原まさ子、提坂ま

さえ、野中雅生、野中とし子、馬渕よし子

真田義子、山口兄六、那須野正明

 

席 題 「朗 ら か」 曽根田しげる 選

にこにこと笑って囲む家で鍋    洋 未

恵比寿さん真似て笑えば朗らかで  重 雄

家族仲がいいはず母が笑ってる   二三子

朗らかに下手なカラオケのど自慢  浩 則

快活で悩みなんかは吹き飛ばす   二三子

朗らかに血圧高いとなげく人    三根子

朗らかが何より宝そう言われ    好 子

明るすぎて貧乏神も寄りつかず   二三子

朗らかな裏を読みたい教育者    智 子

朗らかに生きて暮しをエンジョイし 千恵子

居酒屋で飲んで朗らかしゃべり出す 紀久子

朗らかな人でクラスの人気者    益 代

朗らかが打ち出の小槌運を呼び   好 子

肝っ玉母さんだから子だくさん   三根子

朗らかな母に無愛想な親父     由利子

年寄の朗らかな声人が寄る     重 雄

売り声の陽気な方へ足は行く    智 子

サッカーは勝つも負けるも朗らかに 浩 則

無表情だけど朗らかだったカメ   猫 子

食卓に笑いふりまく妻がいる    由利子

朗らかな指にチョウチョが来て止まる 鰹

朗らかな人だ周りが弾み出す    千恵子

朗らかな人でみんなが寄ってくる  恭 子

ハイチーズみんなほがらか家族です 洋 未

朗らかで良い人ばかり趣味の会   千恵子

ストレスと朗らか混ぜて酒で飲む  のぶ男

朗らかに友と合唱昭和の歌     光 代

五 客

笑い声やはり大きいカツオさん   三根子

笑い声聞こえて犬も戯れまわり   好 子

母さんが笑うと家族まで笑う     弘

朗らかな人だまん丸タイコ腹    三根子

朗らかなチームメイトに癒される  益 代

 人 位

ほがらかな人でまあるい字がきれい 洋 未

地 位

よく笑う母ちゃんがいる港町     鰹

天 位

新婚の朗らか消える山の神     重 雄

 軸 吟

朗らかな話どん底はい上がる    しげる

 

 

宿 題 「ぐったり」  真理 猫子 選

運転手だけが起きてる帰省バス    弘

ゴーヤまでぐったり夏が大いばり  奏 子

紫陽花も熱中症か色気失せ     豊 子

ユンケルでも飲んで草取りでもしよう二三子

ぐったりと出来ぬ市場の魚たち   哲 也

ぐったりとしてはいられぬ客が来る 光 代

子沢山引き連れてくる里帰り    信 一

そうめんも僕もぐったり箸止まる  洋 未

ギラギラがずーっと体せめてくる   尚

おきあがり小法師もへたるこの暑さ 博 司

世界中ボルトのせいで寝不足だ    鰹

五輪見るテレビうたた寝する職場  輝 男

ロンドンと日本時間で過ごした日  恭 子

番犬の役もしないで伸びている   二三子

連日の暑さ精魂尽きた脳      まつ子

五時からは一杯呑めばしゃんとする 長 仁

ぐったりの先に明日がぶら下がる  奏 子

子は元気ママはぐったり夏休み    鰹

縁日の歩き疲れが背で眠り     廣 司

靴下を脱いで一日を投げ捨てる   アキラ

五 客

見わたせば老老介護長寿国     さとみ

ぐったりとトドが横たう夏座敷   恒 代

吊り革に影がよろよろぶら下がる  アキラ

会社でのお茶が恋しい孫の守り   可 福

長電話終わり疲れがどっと出る   廣 司

 人 位

国民が船酔いしている日本丸    哲 也

 地 位

夏越しの財布は口を開けたまま    薫

天 位

物干しの寝巻きが日射病になる    弘

 

 

 

宿 題 「祈  り」 中野三根子 選

賽銭の割に願いはてんこ盛り    信 一

受験生抱え合格祈るだけ      二三子

健康を祈りたらふく食べている   千代見

合掌の指へ感謝が離れない     ふく子

大地震来ないようにと日々祈り   天 子

祈ってた嫌な上司の転勤を     廣 司

月末の財布に祈るあと三日     博 司

誓いにも似ているあの日への祈り  恭 子

一日の始めに祈る仏様       恒 代

産声の次は五体を祈るのみ     可 福

寝転んで失礼ですが手を合せ    しげる

しあわせになって祈ったこと忘れ  くにこ

好物を断って願掛けする受験    やむ茶

語り継ぐ平和を祈る終戦日     益 代

朝祈る晩は感謝の経をあげ     晴 康

平和への祈りを込める原爆忌    千恵子

宝くじ握り神さま仏さま      哲 也

ワンコイン祈り時間の長いこと   千代見

指先に込めて祈りを千羽折る    さと子

宝くじ買った時だけ祈ります     鰹

折り鶴に込めた祈りは届くはず   恒 代

ロンドンへ世界の祈り金メダル   静 枝

病む友の快復祈る千羽鶴      益 代

黙祷し平和を祈る終戦日      紀久子

原爆の犠牲者祈る鐘ひびく     紀久子

一年分まとめて祈る盆休み     猫 子

稲妻に蚊帳の中から手を合わす   のぶ男

片隅で無事生まれよと祈る母    光 代

五 客

千羽鶴まだ飛び立てぬ北の空    やむ茶

叶うことばかりを祈る癖がつき   さとみ

お祈りのかたち両手を握りしめ   恭 子

お祈りが届いたのかな青い空    二三子

流れ星欲かきすぎて時間切れ    信 一

人 位

父に似た五百羅漢へ手を合わす    弘

 地 位

散骨の祈りを聞いている自然    太 郎

 天 位

点滴の雫へひとつずつ祈る     由利子

 

 

宿 題 「  座  」表現自由 望月  弘 選

パパの横このごろママも座らない  洋 未

座ったら最後あいつは帰らない   博 司

あの方がいると何時でもなごやかだ 廣 司

七転びまではわかった座の温み   ふく子

座談会黄色い声に牛耳られ     輝 男

妻と娘がスクラム組んで座り込む  千恵子

座りだこ床を温めた嫁の位置    敏 子

最初から酒が目当ての座談会    博 司

妻の座に耐えて鈍刀研いでいる   豊 子

煽てられ上座にすわり足痺れ    晴 康

座礁してから人間の底が見え     薫

仏壇に鎮座ましますメロン様     鰹

ヒマラヤの一座だけでも登りたい  安 心

座布団が急にせわしい盆見舞    のぶ子

昭和史の横座に父の居る平和    徳 子

末席で良い話だけ拾い込む     獏 沓

核心にふれて正座が崩せない    竹 水

立つとすぐ流してくれるいい便座  静 枝

受験生座右の銘に背を押され    益 代

艶めかし着物姿の横座り      千恵子

便座すら温もりくれるのに君は   夕 介

蠍座にいないと思うお人好し    由利子

ワンルームだけど便座はあたたかい 奏 子

座ぶとんが決める広間の座る位置  恭 子

遅刻した僕に残っている上座    居久美

はみ出したキャリーバッグで座れない 猫 子

座布団に秘密の話盗まれる     アキラ

自由席座ればそこが指定席     由 美

口座はねぜーんぶ私名義なの    さとみ

本堂も座椅子が増える高齢化    智 子

座布団とお茶でランクをつける客  やむ茶

くるま座の外で目と目が交わされる くにこ

冗談が座を取り持っている笑い   竹 水

鍋奉行車座の箸追って来る     重 雄

五 客

お座なりの飾りだったか角隠し   長 仁

正座した妻は何よりおそろしい    鰹

多忙主婦便座にもらう小休止    さと子

名画座の三本立てがなつかしい   安 心

つなぐ線ないと星座はただの星   くにこ

人 位

正座して妻が敬語で攻めてくる   由利子

地 位

金の要る話になると座が白け    廣 司

 天 位

夏休み座敷わらしも帰省する    猫 子

 

 

宿 題 「自 由 吟」 互 選

⑪慣れてきてだんだん上手くなる手抜き ふく子

⑩責任のない相槌を打つ他人    由利子

⑧泣き虫を脱皮したのは夏休み   夕 介

⑥心にも落書きしてはいけません  哲 也

⑤のぼせにはひんやりとした嘘も効く竹 水

⑤ごめんねが素直に言える子の笑顔 敏 子

④へそくりが妻を増長させている   弘

④名水を一気に飲んで身を清め   よし子

④詐欺電話引っこ抜きたい二枚舌  豊 子

④人間の欲が戦争引き起こす    輝 男

④座禅して空気の読める人になり  天 子

③真心に原石だけが光り出す    野次馬

③勘ですがあなた浮気をしてますね 奏 子

③じっくりと話してみたい千の風  やむ茶

②直球が速いから効く変化球    信 一

②糊代も財布の中も不足ぎみ    アキラ

②望郷の夏へ指折る古稀がいる   さと子

②やがて来る千の苦行を結ぶ日が  太 郎

②ロンドンへ旅行した気で観る五輪 静 枝

②よそ様が言う程ぴったりゆかぬ仲 獏 沓

②酒飲んで軍歌だけとは侘し過ぎ  廣 司

②俺流の哲学なぜか錆が浮き    晴 康

②たらたらと無為に終った話し合い 千恵子

②朝方の眠り邪魔するセミの声   二三子

②思い出が山程あってみな御神酒  のぶ男

②アスリート0・1へ身を削り   好 子

②すぐ負けて短い夏になりました   尚

②妹の愚痴を聞いてる長電話    三根子

②弾き出す算用ペンがすぐに折れ  まつ子

②お茶してく泡付きならば行きますよ洋 未

②メールだから気軽に言えるありがとう 益 代

②先生は面影残すクラス会     由 美

②日銀を覗いてみたい呆け防止   しげる

②美味い物食べる別腹持っている  長 仁

②通販のメールがひざを攻めたてる 博 司

②覗き込む夜の河には夜の魚    くにこ

②乾いてる心潤うお茶にする    徳 子

②明日の天気占う僕のくつ     浩 則

②突然の別れで近くなった父    さとみ

②納豆が待てど暮らせど効き目なし 智 子

②熟れた梅潰れて芯はちゃんとある 千代見

 

▼またまた句会初参加の方がお見えになりました。三島紀久子さん、暑い中ようこそいらっしゃ~い(桂三枝風味)笑