平成二十三年 二月十九日 たかね 二月定例句会
於 アイセル21
参加者(順不同)永田のぶ男、長澤アキラ、小野修市、増田信一、勝又恭子、松田夕介、稲森ユタカ、望月弘、酒井可福、望月満月、林二三子、川村洋未、杉山光代、高瀬輝男、曽根田しげる、佐野由利子、中野三根子、矢部丙八、渥美さと子、薮﨑千恵子、瀧進、山本智子、大塚徳子、畔柳晴康、岡村廣司、鈴木千代見、薗田獏沓、奥宮恒代、南天子、安田豊子、内山敏子、石田竹水、成島静枝、毛利由美、中矢長仁、井口薫、鈴木まつ子、西垣博司、川島五貫、濱山哲也、尾崎好子、川口亘、深澤ひろむ、森田安心、市川重雄、鹿野太郎、池田茂瑠、栃尾奏子、石上俊枝、小林ふく子、荒牧やむ茶、馬渕よし子、中司、谷口さとみ、山本野次馬、川口のぶ子、森だがやん、恩田たかし、斉尾くにこ、野中とし子、宮浦勝登志、提坂まさえ、野中雅生、川村美智代、萩原まさ子、伊藤泰史
☆巻頭エッセイにもある通り、北九州の酒井可福さんが東京出張帰りに句会飛び入り参加して下さいました。嬉しいねえ~
宿 題 「うやむや」 渥美さと子 選
曖昧な政治家我が身だけ守る しげる
どちらにもいい顔をする風見鶏 千恵子
竹島の踊る軍靴にほぞを噛む 可 福
問題の解決待たず次の記事 夕 介
機密費はいったいどこへ消えている 三根子
脱税もうやむやにして闇将軍 丙 八
嚊天下夫はそっとついてゆく 二三子
禁煙の誓いドロンと煙に巻く 鰹
押しかけか押しかけられたかは知らぬ 弘
形勢を見てからそっと乗りかえる 信 一
揉める元うやむやな地図こしらえる 丙 八
何の事酒の席でのお約束 夕 介
山積の課題が突破大気圏 夕 介
上げるでも下げるでもない手の動き 千恵子
じゃんけんで決めよう誰の子にするか 弘
うやむやで一緒になってそのまんま 信 一
ボーとしてジーとしていて手を組まれのぶ男
震えてる言葉で話振りまわす アキラ
体重は内緒ナイショの隠しごと 由利子
得意技言葉濁らせ逃げる術 ユタカ
新薬の被害無視するコマーシャル 輝 男
うやむやにして波風を避けている 千恵子
五 客
白と黒あいまいにして立ち回る 千恵子
うやむやでいいのあなたと二人なら 洋 未
物忘れうまく使って言いのがれ 信 一
伏せた眼の奥で白黒混ぜ合わす アキラ
聞こえない事にしておく処世術 由利子
人 位
月日過ぎ会計霧の中に消え 光 代
地 位
外交は玉虫色にして終る 信 一
天 位
とにかくも差引き零でしめくくる 弘
軸 吟
時間切れ煙になった少意見 さと子
宿 題 「セコい川柳」 増田 信一 選
割り勘に上司端までチェックする 千恵子
試供品塗って荒れ肌冬を越す 勝登志
値引き札持つ店員をストーカー 夕 介
ちゃっかりと人の足元見て値切る まつ子
勘定になるとトイレが長くなる 野次馬
けちだから財布忘れた振りをする 廣 司
手助けをした事だけは覚えてる ユタカ
欲の手がたんまり狙うつかみ取り 敏 子
相手から電話はいつも長話 勝登志
厚化粧シミソバカスもしまい込み のぶ子
がぶ飲みをするおひらきの五分前 博 司
ボロ傘を置いて新品さして行く のぶ男
ゴミ出しはか弱い女演じよう 俊 枝
酔ったふり隣の寿司に箸を付け 勝登志
割り勘で一円単位まで分ける ユタカ
自販機の下を小枝で探ってる 修 市
ただ酒の場所へはいつも顔を出す 千恵子
バイキング元を取るまで食べ続け 徳 子
下積みのセコさをネタに出る人気 静 枝
結婚をするまでだった標準語 由 美
五円玉一ついっぱい神頼み 進
レジを変えひとり一個を買いあさる 博 司
また二匹狸が寝てるお勘定 五 貫
飲み放題ペットボトルを持参する 野次馬
めし時になると売場に現れる さとみ
この件は口を挟むと金が出る 五 貫
自販機の返金口をチェックする たかし
要るでしょう使えるでしょうゴミに住む
さと子
今月もママがしっかり床屋さん 三根子
デパ地下の試食を廻る昼休み 可 福
五 客
鼻かんだテイッシュ拡げて乾かして 鰹
L借りてSで返した生卵 由利子
割り勘と言えばメンバー見て決める ひろむ
おでん屋でこっそり串を隠すくせ 三根子
二日目の風呂湯ごまかすバスクリン 奏 子
人 位
割り勘のときでもポイントは私 恭 子
地 位
バーゲンで妻がわたしを組み立てる 哲 也
天 位
化粧代マスクで浮かす冬に春 由 美
軸 吟
ワンコールして相手から電話待つ 信 一
宿 題 「豪華な川柳」稲森ユタカ 選
通勤はヘリコプターで平社員 しげる
カリブまでちょっとランチのチャーター機
野次馬
腕利きの板前連れて船の旅 長 仁
贅沢も三日で飽きる旅の膳 智 子
牛丼に生卵まで付けちゃった だがやん
晩飯がゴージャス君よ何望む 夕 介
すき焼きでパパを待ってる給料日 奏 子
給食費渋る家にも大画面 五 貫
今日もまた金箔茶づけ食べている 三根子
純金の茶碗と箸が重すぎる 恭 子
ワイシャツのボタンダイヤで控え目に洋 未
札束をダブルベッドに敷いて寝る 信 一
地獄でも鬼を集めて句会する 長 仁
俺の庭パンダが五匹昼寝する 勝登志
五 客
雪女熱燗持って泊まりがけ まさえ
神戸牛出汁だけとってあと捨てる たかし
思い出す金歯が笑う祖母の顔 太 郎
竜宮で美女に囲まれ口移し のぶ男
高級車若葉マークが乗りまわす 博 司
人 位
好物を食べに飛び乗る成田発 泰 史
地 位
カラットの指環握手の邪魔をする 弘
天 位
鼻唄をフルオーケストラで歌う 恭 子
宿 題 「あ、し、た」 折り句
加藤 鰹 選
あなたの背信じついてくターミナル 由利子
アクセルをしっかり踏んで立ち上がるアキラ
愛情を至近距離から試される のぶ男
ああうまい尻尾をふってただの酒 千代見
あなたから幸せもらう誕生日 二三子
汗の手がしかと掴んだ太鼓判 ふく子
頭から尻まで餡の鯛焼き屋 竹 水
愛を捨て資産家狙い玉の輿 やむ茶
逢えばまた芯に火がつく耐え難さ 恒 代
アイラインしくじっちゃって狸顔 さとみ
愛妻を静かに庇う旅の空 亘
アバンチュール萎びて残る高いツケ 進
あまりにも幸せすぎてタガが落ち 薫
諦めず幸せ咲かす種をまく 夕 介
諦めてしょんぼりとした狸顔 三根子
アイシテル尻に敷かれるダンナ様 由 美
新しいシャツに心も立ち上がる 哲 也
逢いたくて知らぬ異国へ尋ね行き 輝 男
侮るとしらふの時に叩かれる 弘
あのうまいしょっつる鍋を食べたいな修 市
あたらしい幸せ求め旅に出る 修 市
汗流し仕事に励み建てた城 だがやん
浅漬けの滲みる旨さへ鯛茶漬け 智 子
あら貴方仕事があって頼もしい 静 枝
味しない叱られながら食べた飯 五 貫
青森へ新幹線で旅をする 二三子
明日からは尻を引かれる旅路です 満 月
明日をよみ信ずるものはたかが金 のぶ男
悪役も私生活では只の人 信 一
挨拶もしっかりできる宝の子 千恵子
熱燗をしっとり交わす旅の宿 哲 也
温めてシチュー一人で食べといて だがやん
愛してる知っているけど確かめる 恭 子
悪人は死角の陰で高いびき 信 一
開けといた障子の穴で楽しもう 好 子
アキラさんしっかりお金貯めている 三根子
五 客
朝帰り仕事でしたと啖呵切る 可 福
あっち向いてほい性懲りもなく戯れる由 美
あなたって知ったかぶりが玉にキズ 恭 子
呆れたわ新婚初夜の高いびき やむ茶
あくせくとしがない暮らし楽しんで 丙 八
人 位
愛がある知らないこともたんとある 弘
地 位
遊びましょしっかりお金ためてから 洋 未
天 位
あなたしか信じられない 多分ウソ ユタカ
宿 題 「自由吟」 互 選 一月分
⑧重いから結婚指輪抜きました 由 美
⑥生きてゆく絵の具はすでに溶いている
和 枝
⑥相槌を打って可もなく不可もなし 千代見
⑥幽霊も年金貰う長寿国 廣 司
⑤夢分けて夫婦で同じ灯を見てる ふく子
④腕まくりしたが血圧計の前 五 貫
③頻尿に途切れ途切れの甘い夢 進
③鍋が鳴る七草粥は母の味 豊 子
③傍に居てあげよう灯り絶やさずに 獏 沓
②耐震化したがそろそろ老朽化 博 司
②親子して嬉し笑顔の初詣で 修 市
②あかぎれを隠す女の泣き黒子 野次馬
①パソコンを仇のように山の神 長 仁
①こつこつと泣かず飛ばずが描く夢 太 郎
①逆転で往路を駆けた山の神 玲 子
①酒樽に耳を傾け聴く鼓動 やむ茶
①かしこまり申す孫らのお正月 まつ子
①今年こそ又また誓う心意気 晴 康
①初春の扉を開けた除夜の鐘 竹 水
宿 題 「自由吟」 互 選 二月分
⑧早い者勝ちと言われて無駄遣い さとみ
⑦引き算の余生に夢を吊ってある 太 郎
⑥八百長を批難しにくい僕の過去 五 貫
⑥秘密聞くこの楽しさはゆずれない 輝 男
⑤陰のある人の割にはよく喋る 信 一
⑤齧られた脛は野晒しされたまま よし子
⑤したたかに生きる女の赤い爪 義 子
④一人くらい嘘つく友も悪くない 洋 未
④もう二度と開けない場所に置く未練恭 子
④胃と腸へ度々詫びる期限切れ 廣 司
③春みっけ河津桜の中にいる 好 子
③無い袖を振り過ぎたから鼻が折れ 敏 子
③切り札を胸にひとりの灯を守る 豊 子
③余震まだ妻の背中に残る朝 恒 代
③独り居へじゃがいもの芽も友になるさと子
③平凡な良さが分からぬ妻の愚痴 由利子
②辛酸を舐めて少年でかくなる 可 福
②愚痴ばなし友につられて山と盛る 晴 康
②決心をかためて敷居とり払う 智 子
②手作りのチョコであなたを甘くする 進
②絵手紙にメールにはない暖かさ 二三子
②なんとなく損ばかりする人でいる 千恵子
②公園のベンチに風の唄がある アキラ
①ゴミの日の出勤いつも手にはゴミ ユタカ
①ひとつずつ夢を叶える年始め 三根子
①ポスターを貼り替え春の人になる 弘
①お日さまの声が聴こえて顔を出す 千代見
①フレッシュな風早春の舌ざわり まつ子
①逢いたさは風に願いは星になる 奏 子
①無茶をした体のガタに命乞い 竹 水
①海よりは浅いが澄んだ情け持つ 茂 瑠
①自転車乗り電池の力借りている 安 心
①じゃあ訊くが自民政権良かったか 鰹
①今できぬことは来世に期待する 哲 也
①愚痴こぼし嗽はビール胃におさめ しげる
①細切れの時間春めく空を見る 静 枝
①空財布チンチロリンが冬も泣く 重 雄