平成二十五年 八月十六日
たかね川柳会 定例句会
於 アイセル静岡
参加者(順不同)外側としみ、佐野由利子
酒井可福、勝又恭子、増田信一、外側沙理
尾崎好子、石上俊枝、滝田玲子、松田夕介
長澤アキラ、望月弘、市川重雄、山本智子
林二三子、渥美さと子、杉山光代、加藤鰹
中野三根子、佐野由利子、南天子、川口亘
真田義子、安田豊子、岡村廣司、畔柳晴康
中矢長仁、池田茂瑠、石田竹水、成島静枝
鹿野太郎、毛利由美、八木益代、山田浩則
森田安心、川村洋未、西垣博司、薗田獏沓
鈴木まつ子、小林ふく子、鈴木千代見、那
正、谷口さとみ、山本野次馬、山本ますゑ
内山敏子、川島五貫、荒牧やむ茶、中川司
永田のぶ男、藪崎千恵子、川口のぶ子、長
長川義弘、森下居久美、馬渕よし子
▽北九州の酒井可福さんが久々に句会に参加してくれた。外側としみさんも新年句会以来、娘さん(中学生の沙理さん)と共に句会に参加してくれた。ありがとう~♪
席 題 「無 限」 酒井 可福 選
有限の時を無限に使う脳 信 一
頂上に向かう無限の灯がともる 二三子
飛箱の向こうに明日が待っている 由利子
顔だけで無限の愛を捨てられる 信 一
嫁捜し無限の宇宙まで回る 信 一
定年後有り余る暇持て余す 信 一
原爆の危険世界の無限大 重 雄
医の進歩人の命の無限大 重 雄
少年の夢は宇宙も越えられる 夕 介
メビウスの輪を散歩中ですヒト科 夕 介
暇無限金は有限ミスマッチ 信 一
この地球無限大です青い空 玲 子
限りなき空の青さに今を生き 光 代
青空に描く無限の子等の夢 さと子
瞳キラキラ無限の可能秘めている 由利子
人間の悩みつきない無限です 玲 子
果てしない宇宙で遊ぶ天使たち 由利子
黄門が悪を切ってもすぐ生まれ 信 一
砂の数かぞえて気分紛らわす 信 一
体重は痩せる事ない無限大 由利子
幼子の夢果てしなく無限大 二三子
貧乏が無限に続く予感する 三根子
何時の世も母の愛こそ無限大 光 代
宇宙から地球へのびる無限大 玲 子
五 客
キャンバスをはみ出す子らの未来像 としみ
死ぬ迄も無限お馬鹿な欲の皮 重 雄
可能性だけは無限にある頭 信 一
猛暑日へ私のやる気無限小 恭 子
無限小数出口などない悩み 恭 子
人 位
少年の夢は銀河を越えて翔ぶ 鰹
地 位
天体の数字について行かれない 好 子
天 位
人間の無知戦争が終らない 弘
軸 吟
脳トレで無限に広げる可能性 可 福
宿 題 「夏の香り」 増田 信一 選
小麦色はち切れそうな長い脚 まつ子
暑気払い楽を求める気に負ける 亘
駄菓子屋の氷が騒ぐ夏休み 重 雄
フルーツ屋夏の香りでむせ返り 廣 司
祭過ぎ金魚の世話が一つ増え 光 代
沈丁花夏の香りを風にのせ 天 子
送り火の煙と共に夏が行く アキラ
クールコロン下手な鉄砲撃ちにゆく 太 郎
イカ焼きの匂いが誘う夏祭り やむ茶
露店からしょうゆが焦げる祭りの日 益 代
屋上で待っているわと泡が呼ぶ 洋 未
シーソーへ焼けた真夏の土匂う 茂 瑠
塩素臭させてプールの帰り道 由 美
甲子園燃える球児の香り立つ のぶ子
夏の汗オード・トアレを二三滴 獏 沓
ムンムンと暑気払いするビアホール 竹 水
八月は水を打っても焦げ臭い ふく子
真っ白なシャツからジャスミンの香り やむ茶
蚊に向けて豚の吐息は流れ出す さとみ
蚊取線香命預けて深眠り ふく子
潮の香とビキニの跡に残る恋 静 枝
心太汗をふきふき啜りこむ 晴 康
草いきれ雑草が背を競い合い 博 司
食細り香味野菜に助けられ 智 子
宅配へ母丹精の青トマト さと子
桃の香に触っちゃイヤと無理をいう 俊 枝
二歳児も神妙になるお線香 居久美
石けんの香りただよう初浴衣 博 司
風鈴も掻き消す蝉が夏を呼ぶ 重 雄
夢さそうプーンと香るひる寝ゴザ 俊 枝
五 客
食卓に昨日も今日もキュウリもみ 居久美
昨年の麦わら帽子臭う汗 可 福
仏壇の桃はすっかり適齢期 弘
土の付くお隣からの夏野菜 五 貫
浴衣地が一夜の恋を語り出す 野次馬
人 位
草いきれ入道雲を追った夏 鰹
地 位
新盆の供養でしょうか蝉時雨 アキラ
天 位
夕立ちの匂いが僕を巻き戻す 夕 介
軸 吟
夕立が呼んだ相合傘の恋 信 一
宿 題 「ぐったり」 林 二三子 選
ぐったりの特効薬を妻が出す 重 雄
病む母へ日毎に細くなる手足 獏 沓
疲れても家に笑顔が待っている 長 仁
両方の両親介護目白押し 三根子
リハビリにポロリ弱音が口をつく 居久美
ひまわりも頂垂れ果てる昼下り 豊 子
墓参りいなかの道が遠すぎる 三根子
芋洗い海水浴に疲れ果て 鰹
渋滞に助手の大きな欠伸聞く 可 福
ぐったりの私を急かす蝉しぐれ としみ
夏祭り帰りは孫を背にかつぐ 竹 水
三人の孫の相手にグロッキー 安 心
帰省した孫があれこれ振り回す 可 福
孫帰るあとの三日は寝てくらす 弘
一〇分のつもりが二時間の昼寝 益 代
三日留守薔薇もダリアもおじぎする 好 子
炎天のヒマワリ夏の底を這う としみ
猛暑日へさすがのヒマワリも負ける 恭 子
もう僕の負けでいいです口喧嘩 夕 介
何もかも面倒臭い玉の汗 重 雄
夏バテでぐったりしても目方増え のぶ男
ぐったりの通帳に効く休肝日 アキラ
列島をサウナに変える温暖化 野次馬
家族サービスで終わった夏休み 由 美
雷雲へ花火会場無い逃げ場 静 枝
疲れ果て帰れば妻の愚痴が待つ 由利子
ぐったりを知らずシャキッとした白寿 千代見
過労だと泣きごとをいう扇風機 弘
雑用に今日も一日独楽鼠 俊 枝
炎天下食用買いに連れ出され 安 心
五 客
着ぐるみの中に置いてきぼりの僕 野次馬
下田まで渋滞をしに行っただけ 鰹
お盆客みんな帰ってへたり込む 太 郎
通帳の悲鳴聞こえる夏休み 智 子
逆転打見上げぐったりへたり込む 玲 子
人 位
夏休み早く終われと願う主婦 恭 子
地 位
ノルマ追う疲れがどっと終電車 由利子
天 位
会社でも家でも僕は平社員 やむ茶
宿 題 「 雑 」(表現自由) 望月 弘 選
たくあんが数珠つながりになっている 博 司
再雇用雑用係だと言われ 千恵子
雑用も立派な仕事ですと主婦 千代見
お茶くみも雑用もする片えくぼ 由利子
新社員雑用ばかり言いつかる 敏 子
雑巾になるまでタオル活かされる 千恵子
雑巾の縫い目ひとつに物語 野次馬
雑巾の手縫いは今や絶滅種 としみ
雑巾は買ってきません作ります 好 子
雑念を払うと何も残らない 五 貫
雑念を捨てたら死んでしまう僕 夕 介
雑念をはらい写経の筆を持つ 博 司
雑音をより分け探す白い種 恭 子
塗り立てに座るペンキのうらみ節 可 福
故郷の雑景老の走馬灯 重 雄
乱雑でさっと終わった大掃除 浩 則
雑炊をボーイが運ぶイタリアン 智 子
無造作にどうせ日本が食う肉だ 五 貫
荒削りだけどキラリと光る石 やむ茶
見たけれど見ない振りする思いやり 廣 司
声を変え手と品替えて詐欺絶えず のぶ男
ささやかな雑収入も課税され さとみ
不揃いの演技この世がおもしろい アキラ
大雑把だけが取柄で生きている 信 一
コンタクトはずした顔は大雑把 由 美
問題は心の奥に有る恨み 可 福
割り箸を俺の彼女は口で割る さとみ
雑用に追われて痩せる暇がない 鰹
換気扇隣が気付く鍋の焦げ ますゑ
息災へ母雑穀の飯を炊く さと子
アイラブユー雑音なんていわないで 夕 介
出る杭は打たれ個性が潰される ますゑ
雑学をひけらかしてるいやな奴 三根子
五 客
雑穀のうんちくを聞く食事会 益 代
不明金全て雑費としておこう 洋 未
乱雑な文字が嬉しい父の文 さと子
乱雑な子どもの部屋で夢拾う 千代見
雑音は遠くに聞いてマイペース としみ
人 位
愛なんて醒めれば狂気だと思う 獏 沓
地 位
雑学に強い男の鼻メガネ 由利子
天 位
猛暑でも雑草だけは凛と伸び 二三子
軸 吟
雑巾が捨ててはいない自尊心 弘
宿 題 「自 由 吟」 互 選
⑩聞き役に徹してからは恥が減り 博 司
⑧触れないでおこう微妙な行き違い 五 貫
⑥ありのまま私の道を歩むだけ としみ
⑥お留守番カルピス少し濃くつくる さとみ
⑤喉元で止める不平が和を保ち まつ子
④パピプペピポパポ女子会の口よく滑る 千代見
④振り出しに戻ると見えてくる希望 義 子
④叱られた子にも言い分一理あり 千恵子
④うっかりもちゃっかりもありいい余生 よし子
③センターの座は譲れない星条旗 夕 介
③草食の妻がこの頃爪を研ぐ 信 一
③とんがってみたが結局老いの愚痴 敏 子
③挨拶の暑いが余計暑くする 竹 水
③ハイイイエ答えられないアンケート 智 子
③糠漬けに母の半生夏野菜 獏 沓
③身の程を知って我慢の趣味続け 晴 康
③沸点が低くて可哀相なひと 鰹
③道路からダンプが消える盆休み 由利子
③熱帯夜タオルも汗を掻いている 弘
③胡瓜にもわたし好みのヘソ曲がり 玲 子
③この爺に飛びついて来る蚊が愛し 長 仁
②大津波来る言葉にもいつか慣れ 廣 司
②親送り自分の番まで伸ばす羽 静 枝
②メラメラと天のカケラが降って来た ふく子
②カーテンを引けばドーンと富士山だ 好 子
②自惚れのリボン尻尾につけて駈け 茂 瑠
②善い事のためには悪も利用する 洋 未
②家中がバリアフリーでころばない 三根子
②福耳のおだてられても来ない福 重 雄
②欲言わぬ願いはひとつ無事な日々 豊 子
②返り血を覚悟都会の橋渡る 太 郎
②本葬でぬいだ履き良い靴がない のぶ男
②人の数だけパソコンがあるスタバ 由 美
②疲れ気味深夜ラインの依存症 ますゑ